東方歌唱録   作:苦労人ーくろうにん

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退屈な鬼part3


第二十八話

 

 

翔side

 

温泉から上がったそのすぐ後、俺は一人でぶらぶらしたい衝動に駆られ、屋台が並ぶ通りを歩いていた。

因みに翔子はのぼせてダウン中、温泉の女性職員に預けている、紅零はすでに何処かへ行ってしまっていた。

 

「腹が減ったな」

 

担々麺が食べたいなー。

じつはこの間人里で木材運びをボランティアのつもりでやった結果、バイト代的何かを頂いてしまい、小遣い的なにかも手に入れたので食事くらいは…………まぁ食欲を解放したらギリギリアウトレベルなんだが…………。

 

「っと。

申し訳ない、考え事をしていた」

 

何やらぼろぼろの2人組とぶつかった。

細いのと太いの、対照的な奴らだった。

 

細いの

「テメェ…………本当に運が悪りぃよ」

 

太いの

「こっち来てもらおうか」

 

2人に捕まり、引きずられる。

 

「え?ちょ、まっ⁉︎

服が伸びる⁉︎つか力強っ⁉︎やめて!俺に乱暴するつもりでしょ!?エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!」

 

 

そんなこんなでしばらく引きずられ、裏路地みたいなところで投げ飛ばされた。

 

「痛い⁉︎」

 

細いの

「俺達は今虫の居所が悪い。」

 

太いの

「サンドバックになってもらうぜ。」

 

立ち上がって服についた汚れを払っていると太い体をした奴が体に似合わない俊敏さで肉薄してくる。

 

「おわっ…………⁉︎」

 

顔面を狙ったフックをスウェイでかわし、バックステップで距離を取る。

 

細いの

「オラァ!」

 

今度は細い体をした奴が素早く突っ込んで来た。

ローリングソバットを放ってくる。

 

「くっ…………⁉︎」

 

なんとかガードするが、さらに今度はまたしても太い奴が仕掛けてくる。

 

太いの

「ッラァ!」

 

大振りのストレートをギリギリで躱し。

 

「いい加減に…………しろっ!」

 

左の拳を握り、歯を食いしばり渾身のボディブローを喰らわせる、太い奴の体がくの字に曲がり顔面が目の前にくる。

 

「このぉ!」

 

腰に回転を加え上から殴り伏せる様に拳を振り抜く。

 

太いの

「あがぁ!」

 

地面に勢いよくキスをした太いのの後ろで姿勢を低くしてこちらに走り込んで来ようとしている細いのが見えた。

 

「何度も同じ手を使うと…………」

 

殴り抜いた姿勢のまま地面を蹴り、ようやく驚きから回復しましたみたいな表情の細いのを捕まえる。

 

「すぐ見切られちまうぞ?」

 

細いの

「テメェ…………!」

 

「こんな風になぁー!」

 

そのまま思いっきり地面に叩きつける。

そして能力で鎖を出して二人ともガッチガチに縛る。

 

「全く、世の中おっかない奴が多すぎるんだよ」

 

「カカッ、オマエが言えたことじゃねェだろォ」

 

「っ⁉︎」

 

急に声をかけられ振り返ると、底には顔を歪めて心底楽しそうに笑う青年が立っていた。

 

 




本人は自覚していませんが、田村翔は吸血鬼の中でも戦闘のセンスはいい方です
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