東方歌唱録   作:苦労人ーくろうにん

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旧地獄の喧嘩大会part3


第三十三話

欠鬼

「そらそらどうした田村翔!守ってるだけじゃどうにもならないぞ!」

 

重くはないが速くて正確な拳の連打に攻めあぐねていると実に楽しそうに欠鬼が挑発を飛ばしてくる。

これは少し無理をしてでも反撃しなくては…………!

 

「このっ!」

 

顔をガードしたまま前蹴りを放つが、簡単に防がれてしまう。

しかしラッシュが一瞬止まる。

 

欠鬼

「遅い!」

 

欠鬼は俺が攻撃を始めるより速く体制を立て直し、まっすぐに俺の顎を狙って拳を放ってきた。

 

「っと…………!?

頂き!」

 

その拳を首を傾けて躱し、相手の胸ぐらを掴んで…………!

 

「でりゃあ!」

 

投げ飛ばす!

 

欠鬼

「くっ!」

 

うまく受け身をとって立ち上がる欠鬼、奴との距離は最初と同じくらいまで開いた。

 

欠鬼

「なかなかの怪力じゃねぇか、田村翔よ」

 

姿勢を低くし、いつでも距離を詰められるようにしながら、欠鬼が忌々しげに吐き捨てる。

 

「あんたこそ気持ち悪いくらい素早いな、欠鬼さんよ」

 

わざとらしくキックボクシングの構えを真似て待ち構える

 

欠鬼

「おもしれぇ構えだな?」

 

ジリジリと近付きながら興味の視線を向ける欠鬼

 

「知らないのか?キックボクシングっていう外の世界の格闘技の構えだよ」

 

欠鬼

「そうかい!」

 

いうと同時に地面を蹴る欠鬼、それを見た瞬間俺は右脚を思い切り振り上げる。

 

「シッ!」

 

欠鬼

「なんッ!?」

 

俺が振り上げた右脚のつま先が欠鬼の鼻先を掠める。

驚いて大きく飛び下がった欠鬼に向けてニヤリと笑顔を向ける。

 

「あー、惜しかったな。

あとコンマ一秒待てばちょうどいい蹴りをプレゼント出来たんだがなぁ。

すまないな、次は素晴らしい一撃をくれてやるが?」

 

欠鬼

「残念ながらお前じゃ無理だよ!」

 

同じ様に姿勢を低くして距離を詰めてくる欠鬼に対して次は横薙ぎに蹴りを放つ。

 

欠鬼

「あらよっと!」

 

「っ!?」

 

なんとスライディングして俺の蹴りを躱して来た。

 

「せいっ!」

 

振り抜いた足を思い切り振り上げ、すぐに振り下ろす。

随分不恰好なかかと落としだったが割と綺麗に繰り出せた…………が。

 

欠鬼

「遅いって言ってんだよ!」

 

欠鬼がかかと落としを避けつつ立ち上がるのと俺のかかと落としが地面を打ち付けるのがほぼ同時だった。

 

欠鬼

「覚悟しやがれ!」

 

今度はガードするより速く欠鬼のジャブが俺の鼻先に突き刺さる。

 

「がっ!?」

 

息が上手く出来なくなり視界が白く明滅する、息を整える隙などあるわけもなく次々と欠鬼の拳が俺の顔に襲いかかって来る。

鈍い痛みに思考がついていかなくなってくる。

マズイ、いわゆるピンチってやつか

 




翔危うし!逆転勝利を収め、恭典との約束を守れるのか、乞うご期待!
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