東方歌唱録   作:苦労人ーくろうにん

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旧地獄の喧嘩大会part6


第三十六話

拳が空を切る音と拳同士がぶつかる音が響く。

まるで他人事の様に戦闘が流れていく。

 

恭典

「楽しィ!楽しィなァ⁉︎翔⁉︎」

 

獰猛な笑顔を貼り付けた恭典が豪快に笑いながら必殺の拳を振るい続ける。

 

翔

「恐ろしいばかりで楽しくなんかないね!」

 

恭典の拳の合間を縫って蹴りを仕掛ける。

 

恭典

「顔がニヤけてるぜェ!」

 

軽々と蹴りを受け止められそのまま投げ飛ばされる。

 

翔

「っ!」

 

空中で体を捻って着地する。

 

翔

「ニヤけ顔は生まれつきだ」

 

 

この戦いが始まってから恭典は本気を出していない。

 

恭典

「他人の事言えたもンじゃねェンだがよォ。

そろそろ本気でやろォや?いつまでたっても決まンねェぞ?」

 

翔

「ふっ!」

 

思い切り振り込み、腰を入れて拳を…………!

 

恭典

「っと⁉︎

さっきよりは良くなったが…………オマエ、ヤバくならなきゃダメなのか」

 

恭典に拳を受け止められる。

と、同時に視界が回転し、背中に鈍痛が走る。

 

翔

「が、は…………⁉︎」

 

そして足を振り上げる恭典の姿が見えた。

 

翔

「くっ⁉︎」

 

咄嗟に逆立ちで起き上がると同時に恭典の首を足首の辺りで捕まえて投げ飛ばす。

 

恭典

「グァ⁉︎」

 

そのまま距離を取り立ち上がる。

 

恭典

「カカッ、やれば、出来ンじゃねェか…………!」

 

ゆっくりと立ち上がる恭典を前にする。

恭典に踏みつけを喰らうと思った瞬間、急に体が軽くなった様な気がする。

紅魔館でフランドールと遊んだ時も、白玉楼で紅零と妖夢を止めた時も、

思えば危ないと判断できる状況だった、恭典の言うように俺は危機にさらされないと本気を出せないのだろうか。

もしそれが本当なら昨日欠鬼を倒した時もそうだったのだろうか?

 

恭典

「オマエの方が驚いてるみてェだが別に珍しい事でもねェだろ?

今オマエの中でのオレの立ち位置が、【決勝戦で戦うと約束した友人】から【退けるべき敵】に変わったんだろォさ。

見てれば分かる、オレは楽しい喧嘩を出来ればそれでいい。

でもオマエは違うンだろォな、とんだ甘ちゃんだなァ?危険を感じなきゃ本気を出せねェってのは」

 

翔

「ただこれでお前が望んでた楽しい喧嘩ができるぞ?」

 

周りの世界が遠ざかる。先程とは比べ物にならない速度で拳の応酬が繰り広げられる。

 

恭典

「シャァ!」

 

恭典の拳が鼻を狙い放たれる。

 

翔

「っ!」

 

それを左手で外側に跳ね除け、右フックを放つ。

それを恭典はスウェイで躱す。

 

翔

「はぁっ!」

 

恭典

「ラァ!」

 

お互いの拳がお互いの頬を捉える。

 

翔

「づっ⁉︎」

 

恭典

「がァ⁉︎」

 

ひるんでいる暇はない。

さらに仕掛ける…………!




次回で決着予定です、戦闘が同じ様な描写の繰り返しになってしまうのが今後の課題だと感じます。
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