ワーウルフ
「成る程、スペルカードルールを受け入れないものは消しちまうと。
身勝手なのはそっちだって一緒じゃねぇか」
確かにそうなのだ。
この幻想郷では人間では基本的に妖怪や神といったもの達には勝てない、つまり捕食されたり、特殊な神性に生け贄にされたりすればなす術はない。
翔
「元々人間よりも強い種族である『俺』や『あんた』が譲歩する方が平等だろ?
強者の余裕を見せつけておくべきだと思うのだが?」
ワーウルフ
「それじゃ『奴ら』はつけあがる…………それともそんな人間を見ても何とも思わないのか?
見たところそこそこの妖怪だろ?」
鼻をヒクヒクさせながら話すワーウルフ。
翔
「人間がつけあがる事よりもいたずらに数が減ることの方が俺としてはいただけない。
そしてもしつけあがった人間がふっかけてきたとしてもその時は力の差を思い知らせてやるだけだ」
ワーウルフ
「ふん、やはり話では解決しないな」
組んでいた腕を解き、背を預けていた木から離れ、構えを取るワーウルフ。
ギラギラと光る爪が自身の凶悪さを主張する。
翔
「まぁ、そうなるな。
ならば…………仕方ないな」
徒手空拳で歩み寄る。
ワーウルフ
「…………自惚れている訳じゃないが…………ステゴロで俺に勝てるつもりか?」
翔
「心配するな、俺の存在が剣のようなものだ。
そしてとある世界の小噺のオチだが…………和平の使者は槍を持たない。
最初は話し合いで解決するつもりだったんだ。
それならば武器を持ってくることは失礼に当たる…………と考えていたのだが」
両手に精神を集中させる。
描くのは中華の夫婦剣。
翔
「…………干将、莫耶!」
白い剣と黒い剣が手の中に現れる。
俺は構えを取らず、たださらにワーウルフとの距離を詰める。
ワーウルフ
「面白い!」
振り下ろされる爪に干将を振り上げるようにして斬りかかる。
凄まじい金属音と同時にワーウルフはよろける。
翔
「ふっ!」
よろけたワーウルフに莫耶を突き出す。
ワーウルフ
「ガァッ!」
自由な方の手の爪を使い、うまく攻撃を受け流すワーウルフ。
そのままラッシュを仕掛けていく。
ワーウルフ
「ガルルァ!」
ラッシュの最中をかい潜り、額に向けて突き出された爪を首を右に傾けて避け、胸骨の辺りに蹴りを放つ。
ワーウルフ
「ゴッ…………⁉︎」
翔
《鶴翼、欠落ヲ不ラズ(しんぎ、むけつにしてばんじゃく)》
手にしていた干将、莫耶を投げ付け、新たに干将、莫耶を取り出す。
翔
《心技、泰山ニ至リ(ちから、やまをぬき)》
同じことを繰り返す。
干将、莫耶はお互いに引き合うという性質を持つため、このようにして使うと、双剣が相手を取り囲むように飛び攻撃する。
翔
《心技、黄河ヲ渡ル(つるぎ、みずをわかつ)》
三組目の干将、莫耶を投げ付ける。
次の一手でこの戦いを終わらせる!
翔の能力を見てやるだろうなと思った方もいるでしょう。
まだまだやりますよ、彼は…………w