東方歌唱録   作:苦労人ーくろうにん

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受け入れざる者part4


第五十三話

ワーウルフ

「ーーーーーーーーー!!」

 

空を、正確には月を見上げて咆哮するワーウルフ。

銀色の毛並みは逆立ち、口は更に大きく裂け、腕や脚の筋肉は盛り上がる。更に、元々驚異的な雰囲気を持った爪が更に鋭く、長く伸びる。

目に見える覚醒。

 

「…………」

 

手に持っていた槍を落とす。

地面に転がった槍はカランと音を立てた後、ガラスが、割れるような音を立て消失する。

 

「来い、エクスカリバー」

 

干将莫耶に並ぶ俺のお気に入りの剣を能力で取り出す。

腰を落とし、下段に剣を構える。

 

ワーウルフ

「もうお話しはお終いだ、次に動きが止まるのはどちらがが死体になってからだ!」

 

お互いにダッシュで距離を詰める。

森の木の間から差し込む月明かりを浴びる。

体の奥深くから力が、気力が湧き上がる。

 

ワーウルフ

「!」

 

先ほどよりも鋭い爪攻撃。

だが見えないほどではない!

斬り上げでワーウルフの攻撃を跳ね返す。

返す刀(今振るっているのは剣だが)で斬り付けをワーウルフの爪が阻む。

 

「はぁ!」

 

一歩踏み出し、脚の親指を踏み抜きに行く。

 

ワーウルフ

「⁉︎」

 

動きがわざとらしかったのかうまく避けられてしまう。

それならばとすかさずショルダータックルを放つ。

 

ワーウルフ

「っと⁉︎…………この!」

 

一瞬体制を崩したワーウルフだったがすぐに体制を立て直し爪を振り下ろしてくる。

 

「ああああああああああ!」

 

全力で、隙ができるのを恐れず、剣を振り下ろされる爪に叩きつける。

ガキャァンという音と共にワーウルフの爪が砕ける。

 

ワーウルフ

「なっ…………⁉︎」

 

驚いてるとこ悪いがまだ終わりじゃない!

 

「らああああああ!」

 

ワーウルフの一瞬の硬直の間に剣を振り上げ、振り下ろす。

 

ワーウルフ

「ッ!?」

 

咄嗟に無事な方の爪で防御するワーウルフだったが剣と爪が触れた瞬間、ワーウルフの爪が砕ける。

 

ワーウルフ

「バカな…………⁉︎」

 

「はっ!」

 

信じられないといった様子のワーウルフに蹴りを叩き込む。

 

ワーウルフ

「がっ…………⁉︎

ぐはぇあ…………!」

 

やはり月のおかげで身体能力が向上している様子だ。

たたらを踏んで膝を着いたワーウルフが呼吸を整えている。

 

「…………」

 

エクスカリバーを空に翳すと、装飾を施された美しい剣は金色に光り始める。

 

「これで終わりだ、ワーウルフ、あんたとはもっと早く、違う状況で出会いたかった」

 

金色の剣は光を増す。

ワーウルフの苦悶の表情を見るのがつらい。

 

「エクス…………ッ!」

 

大きく息を吸い込み、身体中からありったけの力を込める

 

「カァリバァーーーーーーーーー!!!!!」

 

込めた力と真名を解放し聖剣をワーウルフへと、振り下ろした。




これがやりたかった!生き恥を晒した甲斐があったというもの…………!
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