ワーウルフ
「ーーーーーーーーー!!」
空を、正確には月を見上げて咆哮するワーウルフ。
銀色の毛並みは逆立ち、口は更に大きく裂け、腕や脚の筋肉は盛り上がる。更に、元々驚異的な雰囲気を持った爪が更に鋭く、長く伸びる。
目に見える覚醒。
翔
「…………」
手に持っていた槍を落とす。
地面に転がった槍はカランと音を立てた後、ガラスが、割れるような音を立て消失する。
翔
「来い、エクスカリバー」
干将莫耶に並ぶ俺のお気に入りの剣を能力で取り出す。
腰を落とし、下段に剣を構える。
ワーウルフ
「もうお話しはお終いだ、次に動きが止まるのはどちらがが死体になってからだ!」
お互いにダッシュで距離を詰める。
森の木の間から差し込む月明かりを浴びる。
体の奥深くから力が、気力が湧き上がる。
ワーウルフ
「!」
先ほどよりも鋭い爪攻撃。
だが見えないほどではない!
斬り上げでワーウルフの攻撃を跳ね返す。
返す刀(今振るっているのは剣だが)で斬り付けをワーウルフの爪が阻む。
翔
「はぁ!」
一歩踏み出し、脚の親指を踏み抜きに行く。
ワーウルフ
「⁉︎」
動きがわざとらしかったのかうまく避けられてしまう。
それならばとすかさずショルダータックルを放つ。
ワーウルフ
「っと⁉︎…………この!」
一瞬体制を崩したワーウルフだったがすぐに体制を立て直し爪を振り下ろしてくる。
翔
「ああああああああああ!」
全力で、隙ができるのを恐れず、剣を振り下ろされる爪に叩きつける。
ガキャァンという音と共にワーウルフの爪が砕ける。
ワーウルフ
「なっ…………⁉︎」
驚いてるとこ悪いがまだ終わりじゃない!
翔
「らああああああ!」
ワーウルフの一瞬の硬直の間に剣を振り上げ、振り下ろす。
ワーウルフ
「ッ!?」
咄嗟に無事な方の爪で防御するワーウルフだったが剣と爪が触れた瞬間、ワーウルフの爪が砕ける。
ワーウルフ
「バカな…………⁉︎」
翔
「はっ!」
信じられないといった様子のワーウルフに蹴りを叩き込む。
ワーウルフ
「がっ…………⁉︎
ぐはぇあ…………!」
やはり月のおかげで身体能力が向上している様子だ。
たたらを踏んで膝を着いたワーウルフが呼吸を整えている。
翔
「…………」
エクスカリバーを空に翳すと、装飾を施された美しい剣は金色に光り始める。
翔
「これで終わりだ、ワーウルフ、あんたとはもっと早く、違う状況で出会いたかった」
金色の剣は光を増す。
ワーウルフの苦悶の表情を見るのがつらい。
翔
「エクス…………ッ!」
大きく息を吸い込み、身体中からありったけの力を込める
翔
「カァリバァーーーーーーーーー!!!!!」
込めた力と真名を解放し聖剣をワーウルフへと、振り下ろした。
これがやりたかった!生き恥を晒した甲斐があったというもの…………!