東方歌唱録   作:苦労人ーくろうにん

62 / 106
翔と翔子の記録part3


第六十話

「か、ふ…………」

 

突然の奇行に翔子の顔が驚きに染まる。

 

翔子

「な、にを…………⁉︎」

 

「思い違いをするなよ翔子?

俺は自分の意思で行動しただけだ。

お前のいない世界で生きるなんて俺には無理だ。

初めて会った時に言っただろう?『あんたに惚れた』って…………。

頼むから俺を置いて逝かないでくれ…………側に居させてくれ…………」

 

喚きながら近付いてきていた男も夢の中の俺の奇行についていけていない様子で戸惑っているように見える。

 

翔子

「…………もうやっちゃったものはしょうがないか。

次からはちゃんと私に相談してよね?」

 

勿論次なんてものはない。

この二人はここで死んでしまうのだから。

 

「ありがとう、翔子。

最後にひとつだけ、やっておきたいことを済ましておくか」

 

剣を引き抜き、それを背後に投げる。

その剣は回転しながら飛んで行き、禍々しい装飾の男の首を弾き飛ばした。

 

「よし、これでいいか…………本来ならこんな簡単に終わらせたりはしないが…………」

 

翔子の隣に倒れる。

表情はにがにがしさ7割笑顔3割といったところだろう。

 

翔子

「ありがとう…………翔。」

 

「こちらこそ…………お前に惚れてよかった」

 

そうして俺と翔子は徐々に灰になっていった。

 

 

 

 

 

 

和磨

「これが『田村 翔』と『翔子』の記録だよ。

さぁ、目を開けてみて?」

 

ふと、目を開けると、頭にかつてない程の衝撃が走る。

そして俺が生まれてから最後の瞬間を迎えるまでのことが全て思い起こせるようになった。

思い出した…………のか?

 

紅零

「翔…………」

 

紅零が俺の肩に手を置いていた。

隣では頭を抱えている翔子の背中をクレアがさすっている。

 

「大丈夫だ、紅零。

心配いらない。

翔子?平気か?」

 

声を掛けると翔子は頭を抑えながらふらふらとしがみついて来た。

 

翔子

「うぅ…………頭が重い。

私生まれた転生する前から吸血鬼だったみたいで…………一気に何年もの事を思い出したせいなのかな…………」

 

和磨

「その通りだよ、田村 翔子。

因みに二人に返した記憶なんどけど一部だけ思い出せないことがあると思う」

 

「ああ、なんとなくわかったあの最後に首を跳ねてやったアイツ…………アイツが何を喚いていたか…………そこだけが思い出せんな」

 

翔子もこくこくと頷いていた。

 

和磨

「うん、奴の発した言葉はあまりにも独りよがりで歪で腹立たしかったからせっかく二度目の生を手に入れた君達が不快な気持ちになるのを避けたくて僕の勝手な判断でアイツの発言に関する記憶は削除させてもらった。

教えて欲しいと言われてもあれだけは教えない、絶対に…………。

構わないかな?」

 

「ああ、観てたお前が言うんだ。

よっぽどだったんだろう?もういいさ」

 

翔子はまだ頭が重いのか言葉は発さずクレアに支えられ、俺にしがみつきながらこくこくと頭を縦に降る。

 

和磨

「よかった。

僕のことも話したし翔達の過去も返した。

次はどうして今更接触を試みたかなんだけど」

 

「まてまて和磨よ。

お前が疑うべき存在ではないことはわかった。

俺達の家で話そう、俺も少し疲れてきたし翔子もこのザマだ。」

 

翔子を横抱き、所謂お姫様抱っこし、和磨についてくるよう促す。

 

紅零

「まぁ、紅茶でも飲みながら話そうか?」

 




書きたかったことを書きたいように表現したらこのザマでした。

ちゃんとキャラクターの紹介ページを作りますので許してつかーさい(震声)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。