東方歌唱録   作:苦労人ーくろうにん

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和磨の理由


第六十一話

 

和磨

「あ、あの…………」

 

和磨を家に招き入れて数分。

とりあえず翔子を自室に休ませてからリビングまで降りてくると、紅零とクレアがすでに人数分のお茶とお菓子を用意していた。

 

翔

「ふむ、見事な手際だと感心するがどこもおかしくはない」

 

紅零

「謙虚なナイトは砂糖は幾つかな?」

 

角砂糖を準備する紅零へ渾身のドヤ顔を決めつつ言い放つ

 

翔

「9個でいい」

 

クレア

「はーい9個入れたものがこちらになりまーす」

 

翔

「本当にいれやがった!?」

 

いつも通りの茶番。

後のことなど考えずその時感じたままに、感情のままに行動する。

 

和磨

「…………っ」

 

翔

「和磨?」

 

ふと、和磨の方から息が漏れたような声がした。

和磨に視線を向けると、彼は小刻みに震えていた。

 

翔

「おい、和磨?」

 

和磨

「っ、く…………。

く…………」

 

紅零

「どうした和磨?」

 

和磨

「ふっ…………

あははははははは!

くははははははは!」

 

え?なんだこれ…………和磨はなんでこんなに笑ってるんだ?

腹を抱えて、涙を流して…………?

声を掛けることもできず、紅零を見るが、彼もまた同じだった。

ぽかんと口を開けて和磨を見ている。

クレアもまた同じだった。

しかも先程より半歩程後ろに下がっている。

どうすることも出来ずただ和磨を見守るだけ。

そうしてどの位経ったのだろう息を整えつつ、和磨が喋り始めた。

 

和磨

「いやいや、ごめん…………この何て言えば良いのか…………友人と戯れるこの感じいつ以来かも解らない位で…………やっぱり一人の時間が長いと駄目だね」

 

紅零、クレアと顔を見合わせる。

 

紅零

「おーっとそう言えば我が家って部屋が一つ余ってんだよなー」

 

大袈裟な仕草とわざとらしい声で紅零が肩をすくめる。

 

クレア

「確か今は物置になってるんだよねー。

丁度誰か住まい探ししている人いないかなー?

ね?翔?」

 

ふむ、まぁ和磨の目的は何であれとりあえず暫くは行動を共にするだろうとは考えていたしな。

 

翔

「そういう訳だ、都合が悪くないのならとりあえず暫くはここに居たらどうだ?

気に入ったのならそのままここに住んでもいいだろう。

俺と翔子に新しい命をくれた恩人って事にもなるのだろうしな」

 

和磨はぽかんと口を開けていたがすぐに笑顔を浮かべ答える。

 

和磨

「そうだね…………じゃぁお言葉に甘えておこうかな」

 

翔

「そうと決まれば先ずは作業だ、部屋の物を外の物置に移動させる。

紅零、手を貸してくれ。

和磨はクレアと人里、または香霖堂に家財道具の買い出しだ。

酒は里から貰ったのがまだ大分あるから…………食べたいものなんかがあれば足りない分は買ってくるといい…………ただし肉はあるから買って来るなよ?」

 

 

紅零

「肉…………あれ確かに旨いんだがちょっとな…………」

 

翔

「とにかく話は夜、酒を呑みながらでも聞こう。

今は和磨をここの住人として迎え入れる事が最優先だ、各員かかれ!」

 

こうしてまたこの家に住人が増えたのであった。




和磨が仲間になった。
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