東方歌唱録   作:苦労人ーくろうにん

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和磨の理由part2


第六十二話

 

和磨を迎え入れた日の最初の夜、酒盛りだと騒ぎ立てた夕食紛いのプチ宴会の後、リビングには俺と和磨しか居なかった。

正確には『まともな意識を保っている者が、俺と和磨だけである』という事になる。

翔子はあれから起きてきていないし、紅零とクレアは酒に酔い潰れている……………………まぁそうしたのは俺なのだが。

普段は酒をあまり口にしない紅零も俺が前世の記憶を見たことを気にしてくれていたらしく、酔ったふりをして酒を勧めたら断らずにどんどん飲んでくれた訳だ。

そしてクレアには無理矢理飲ませた、正直反省していなくもない。

 

「さて、必要ないとは思ったが当事者同士の方が話しやすいんじゃないか?」

 

和磨に向き直り、話を振る。

 

和磨

「酔っ払いが落ち着いたフリを」

 

そこで和磨の言葉を遮る様に龍牙を抜き放ち和磨の首元へ突きつける。

 

「足元を見てみろ」

 

和磨

「⁉︎」

 

足元には俺が和磨に龍牙を突きつける前に掘っておいた字がある。

 

和磨

「…………『おこだよ』…………?

え?おこなの?」

 

一方後ずさる和磨に頭を掻きながら答える。

 

「…………いや、なんかかっこいい文字が浮かばなくてネタに走った…………」

 

ほっと息をついた和磨は近くの椅子にもたれかかる。

 

和磨

「…………勘弁してよ、何か気に障ったかと本気で考えたよ」

 

「ちょっとした冗談だぞ?

それよりもお前が俺と翔子を転生させた理由だ。

まさかただ【引き裂かれた一組の男女を不憫に思っただけ】なんてことはないのだろう?」

 

自分で少しは考えてはみたがやはり理由は見つからなかった。

世界にちょっかいをかけてそれを見て記録する神様の代行者。

そんな奴が何故俺逹を?

 

和磨

「うん、君の闘争本能、それを僕に貸して欲しい。

幻想郷に来てからの戦いなワーウルフの一件しか見ていないけど、僕の思った通りだった。

前世で翔子を傷付けられた時の暴れっぷりからもしやと思ったけど…………」

 

今まで誰かと拳や刃を交えたことを思い出す。

 

 

「それについては構わない、要は転生物、または二次創作物の主人公的な立ち振る舞いをすれば良いのだろう?願っても無いことだ。

しかし翔子はどうなんだ?

あいつは争うことには向いていないが?」

 

ま、翔子に荒事をさせる気はないが。

 

和磨

「言い方は悪くなるけど翔子は君のための報酬だよ。

少なくとも君を確実に納得させることが出来る報酬だからね」

 

…………腑に落ちないな。

 

「嘘だろ?それ?」

 

和磨

「え?」

 

なんとなく、ただなんとなく思っただけだが。

 

「いや、根拠はないが」

 

和磨

「…………ふぅ。

恥ずかしながら翔子を一緒に転生させた理由は君がさっき口にしたものに近いのかな。

僕は恋愛とかはどういうものなのか自分がそういう感情を抱く想像がつかないけど、君達を見てるとそうゆうのもいいものなのかなって思ったからだよ」

 

ふーん。

…………なんか照れるな。

 

和磨

「…………ふぅ、翔と翔子に過去を返して、翔に僕の目的を話し、協力ももらえたし。

やっと、やっと僕は始めることが出来る。

あとはしばらく翔を使って観測をする為の手続きをして許可がおりるまでは自由時間だ…………」

 

肩の荷が下りたと言わんばかりの表情を見せる和磨。

 

「よし、それならこれからしばらくはやんちゃして過ごしてみようぜ」

 

和磨

「?」

 

先ずは誰に付き合ってもらおうかな…………?




次ページからはオリキャラの情報まとめをやりたいと思います。
和磨の立場、翔と翔子の過去なども整理しますのでよかったら読んでやってください。
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