東方歌唱録   作:苦労人ーくろうにん

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紅魔館のビリビリ門番part5


第七十話

「後衛っていうと援護射撃のイメージだが…………」

 

一人で戦う晃に援護をだしたいが援護に使用しそうな遠距離武装は使ったことがないな…………練習の必要があるな。

晃は残り六人のならず者相手に囲まれないように上手く立ち回っていた。

刀と鞘を二刀流で振り回し、相手との距離が開いた瞬間、納刀し居合斬りでカウンターを行う。

それどころか視野に入っているはずのない敵の動きまで完璧に把握している様で、俺の援護が必要ないと思える程だ。

だが黙って見ているだけでは俺の気が収まらない。

 

「ソードバレルオープン」

 

目を閉じて異なる形の剣と槍を3本ずつしっかりとイメージする。

 

「バレット、ロード」

 

目を開け、手を軽く掲げる。

キィン。と甲高い音と共に俺がイメージした剣と槍が空中に現れ、滞空する。

 

「ターゲット、ロック」

 

晃を取り囲んでいる連中に狙いを定めると、滞空していた武器たちがそれぞれ角度を変え、俺の狙った場所を向く。

 

「ファイア…………!」

 

掛け声と共に手を軽く外に払うと、俺が思ったよりも早いスピードで武器が飛んで行く。

一気に六人も狙い撃ったせいでまともに着弾こそしなかったものの、ならず者たちは突然の遠距離攻撃に体制を大きく崩す。

 

「ナイスアシスト!翔!

…………んで兄さんらには教えといたるわ。

普通に人間が落雷に直撃したら死亡率は約33%。

『俺が今から落とす雷』はそないな生易しいモンやあらへんで。

……………………祈れや」

 

閃光、轟音、地響き。

思わず膝をついて耳を塞ぎ、目をきつくとじる。

 

「ぐ、ぅ…………あ」

 

視界ははホワイトアウトし、耳はキンキンしているが、 一つ、周りの状況を物語る変化を感じる。

 

「焦げ臭い…………」

 

白に塗りつぶされていた視界に色彩が戻ってくる、それと同時にその状況を目にして息が詰まる。

止みかけていた耳鳴りは先程より甲高い音を立てて俺の頭の中で鳴り続ける。

 

「晃…………お前まさか本当に雷を?」

 

ならず者達は皆地面に倒れ伏し、明らかに有り得ない勢いで体を大きく痙攣させていた。

 

「あかんなぁ、死なすつもりで落としたんやけどなぁ直前で躊躇ってもうたかな…………まだ息があるやろ」

 

「確かめる気も助けてやる気もしないがな」

 

しかし本当に雷を落とすとは…………電撃系の能力か。

実際に目の前にしてみるとその恐ろしさがわかる。

見てから動いたのでは躱せない圧倒的な速さの雷撃に恐らく自分自身の身体能力の底上げ。

それだけでなくまだ汎用性があるとしたら…………。

 

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