東方歌唱録   作:苦労人ーくろうにん

86 / 106
バンド結成!グループ名は…………?


第八十話

 

バンドを結成して2週間程経った。

あれから何度も集まり、メンバー同士の交流も深め、お互いに励まし合いながら活動してこの日初めて、俺達は大きな壁にぶち当たっていた。

 

翔

「バンド名ェ…………」

 

そう、バンド名だ。ことの発端は今日の朝。

全員が集まり、パソコンで色んな曲を聞きながら(電波はともかく電力だけはどうしようもないっていたら和磨が外の世界から引っ張って来ればいいとか言い出して電気、ガス、水道を使えるようにしてしまった)あの曲を練習しようとか、いずれこんな曲もやろうとか和気あいあいと活動をしていた最中、事件は起こった。

話は今から1時間程遡る。

 

クレア

「ねぇ皆ーバンド名って何なのー」

 

練習の休憩中にクレアが言い放ったこの一言に世界が瞬時に凍ってしまったかのような錯覚を覚えた。

 

翔

「………ぃ…だ」

 

声がうまく出せない、ほかの連中はいまだに固まっている。

 

翔

「…………ぎだ」

 

くそっ、しっかりしろ声を出せ!

 

翔子

「翔?

大丈夫?」

 

翔子の心配そうな声を聞いた瞬間、腹の底から力が湧いた。

さぁ、言え!

 

翔

「緊急会議だああああああ!」

 

俺のその怒号に固まっていた他のメンバーも、自分を取り戻す。

 

男性陣

「おう!」

 

底からは全員迅速だった。

一度楽器を片付け、椅子と机、お茶と茶菓子を用意し簡易的な会議場を作る。

そして今に至る訳だ。

 

和磨

「迂闊だったよ、バンドを組めた喜びから大事な事を忘れてしまっていたよ」

 

額にてを当てる和磨の顔は心無しかいつもより青白く見える。

そう、人によれば「何を下らないことを大袈裟に」なんて思う者も居るだろうがこれは大事な問題だ。

少なくともここにいる全員にとっては大問題なのだ。

 

恭典

「誰も和磨を責めることは出来ねェよ。

バンド名が決まってねェ事に気付けなかったここにいる全員の問題だァ。

そォだろォ?翔?」

 

翔

「あぁ、恭典の言う通りだ。

そして仮にもこのメンバーを統括する役目を与えられた俺の責任でもある。

まずは謝罪をさせてくれ。

皆、済まない!」

 

そう、なんとリーダーは俺になってしまった。

俺の能力ありきのこの集団をまとめるのは俺であるべきだと紅零と和磨から推薦され、全員がそれに納得したのだ。

 

 

晃

「落ち着きぃさ、今は責任がどうこうで沈んどる場合とちゃうやろ?」

 

翔

「そうだな、良し!

皆俺達のグループ名を決めるぞ!案はないか?」

 

晃の言葉に活力をもらい、全員に問いかけると一番先に手を挙げたの翔子だった。

おずおずとこちらの様子を伺うように手を挙げている。

可愛い。

 

翔

「翔子?

案があるのか?」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。