東方歌唱録   作:苦労人ーくろうにん

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人里防衛戦part8


第八十九話

圭亮

「巫女や魔女に任せておくことはできなかったのか?」

 

巫女や魔女っていうのは博麗 霊夢(ハクレイ レイム)や霧雨 魔理沙(キリサメ マリサ)の事だ。

実際に会ったことはないけど、どうやら異変を起こした妖怪を弾幕ごっこで退治してきたらしい。

退治した妖怪中には吸血鬼や鬼もいたとのことだ。

もしかしたら翔や恭典並の強さが……………。

 

「圭亮、お前の言いたいことは解る。

だが彼女らに任せることはできないし、もしそうなったとしたら俺は彼女らの前に立ちはだかる事になるだろうな」

 

周りの温度が少し下がったような感覚。

翔がふざけた雰囲気を引っ込めた時独特の現象。

 

圭亮

「それは何故?

彼女達は強いって聞いてるけど違うのか?」

 

紅零は腕を組み、和磨は周りへの警戒を続けながら、翔の言葉の先を待っている。

 

「彼女らに直接会ったことが無いのは俺も同じだし手を合わせたことがいからどれ程強いかは測れないが確かに言えることがある。

それは彼女達が人間の少女だと言う事だ。

天賦の才があろうと弾幕ごっこで妖怪と戦う経験を積んだとしても。

彼女達は頑丈にはならないし怪力を得ることもない。

弾幕ごっこをすると偽って近付かれ、殴られればそんなに力の強くない妖怪であっても彼女達の動きを鈍らせるには十分過ぎる。

後は口にするまでもないだろう?動けない人間の少女なんて人間からしてもサンドハック以外の何者でもない…………そう言う事だ。」

 

最悪の状態が脳裏によぎり、吐き気がする。

他のメンバーも同じようで顔を険しくしている。

 

「そうなればいいと思っていたが余計な真似をしてしゃしゃり出てきおって…………」

 

ふと、どこからか声が聞こえる、まるで全方位から響いて来る様な声に一番早く動いたのは翔だった。

 

「……………」

 

翔の掌に光の粒が集まり、形を取る、そして甲高い音を立ててその光の粒達は一本のナイフへと変わる。

 

「そこぉ!」

 

あらぬ方向へと飛んでいったナイフは虚空で金属音を立てて別の方向へと飛んでいく。

次の瞬間、闇から溶けだす様にボロ布を纏った骸骨が現れる。

 

「今回の襲撃の首謀者だな?

残念ながら詰みだ……………ハイクを読め」

 

背中に下げた刀を抜き放つ翔。

紅零も腰に下げていた銃を抜いて骸骨に向けている。

俺は相手に悟られないように不可視化したままのマチェットを握り締める。

 

「隙間妖怪の回しもの共め貴様等の相手はこ奴らだ」

 

骸骨が何かを唱えると、またしても闇から浮かび上がるように3mはありそうな巨人2体が現れる。

軽い舌打ちのあと、翔は敵から注意をそらさずに顔だけを俺の方を向けた。

 

「圭亮……………あの骸骨はお前が倒せ。

和磨、フォローしてやってくれ」

 

圭亮

「…………え?」

 

俺が言葉の意味を理解しないうちに翔と紅零はそれぞれ巨人に向かって飛びかかって行ってしまった。

 

 

 

 

 

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