「フハハハハ、さて、頼みの綱の吸血鬼と魔法使いはいないぞ?
どうする?」
オークと戦闘をしながらこの場を離れる翔と紅零を横目に骸骨が擦り切れたような笑い声を上げる。
圭亮
「くっ……………やるしかないか…………!」
不可視のマチェットを下段に構えて腰を落とす。
翔が以前見せてくれた構えを真似てみた。
その時翔は西洋剣を構えていたけど刀身の先に重さがあるマチェットなら、この体勢から振り上げれば重さを利用した重く鋭い斬撃を放つ事が出来ると考えたからだ。
和磨
「圭亮、背後に回られないように常に気を使って。
そうならないように僕が後ろから援護するけど完全な保証は出来かねるよ」
和磨が俺に耳打ちをしつつ、片手を指鉄砲の形にする。
和磨
「魔術解析、魔術回路擬似作成…………ガンド、インストール開始。
………………コンプリート」
和磨がブツブツと何かを唱えると、伸ばした指先から赤黒い球体が現れる。
和磨
「Feuer(フォイヤー)!」
ダン!と火器を思わせる重低音が立て続けに響き、4発の赤黒い球体が骸骨へと殺到する。
「面白い、儂と呪術で競うか、童」
骸骨が手を振るうと薄い膜のようなものが奴を覆う。
直後和磨の放った赤黒い球体が着弾する。
しかし膜に当たった瞬間、まるで霧のように消えてしまった。
圭亮
「あの膜…………………!」
地面を蹴りつけると同時に、風を操り追い風を作り出して速度を少しでも水増しする。
圭亮
「っ!」
マチェットを、振り上げる様に斬りつける。
膜は思ったより簡単に切り裂くことが出来た。
圭亮
「まだまだ!」
マチェット振り上げたまま大きく振込み、振り下ろす。
「人間の小僧がよくやりおる」
骸骨が武器を抜こうとしたのか腰元に手をかけようとした瞬間耳元で風を切る音が聞こえた。
と、同時に視界に暗い赤色が広がる。
「ぐわぁっ!?」
骸骨が仰け反る。
なるほど、和磨の援護射撃か!
圭亮
「覚悟!」
一瞬硬直しそうになる体に喝を入れ、マチェットを振り下ろす。
マチェットが骸骨に吸い込まれる様にくい込んだ瞬間、奴の体は霧のように霧散してしまう。
圭亮
「くっ!?またか!」
「残念だったな小僧共」
あらゆる方向から聞こえてくるような声。
マチェットを構えつつ周囲を警戒する。
「まずは貴様からだ」
和磨
「っ!?
くそっ!これは!?」
和磨の方に目を向ける。
すると和磨の足元から無数の黒い触手の様な物が伸び、和磨を拘束している。
「さて、これで一対一だな?
さぁ、奴の力を借りずに儂に勝てるかな」
余裕綽々といった様子で俺の前に姿を現す骸骨。
手には禍々しい刀が握られている。
おそらくさっき抜こうとしていた刀だろう。
和磨を捉えていい気になっているようだ、なんか腹がたってきたぞ。
圭亮
「勝つ!あんたをぶっ飛ばして他の妖怪にも解らせてやる!
人間を甘く見ると痛い目を見るってな!」
翔から言われたあの一言が頭をよぎる。
お前が倒せ、と。