剣に生きた人生をもう一度と願うのは間違っているだろうか 作:お刺身弁当
ストーリーはガバガバになる可能性が高いです。
キャラの口調や性格が違うかもしれません。
ご了承いただける方のみ拙作をお読みください。
出来るだけ優しいコメントをいただけると嬉しいです。
追記7/24
ご指摘をいただき、主人公名コジロウ→小次郎へ変更致しました。
ありがとうございます!
「タケミカヅチ様ーーー!!!!」
ドタドタと少女はかなりの急足で主神である男神の元へと向かう。
「…そんなに急いでどうしたというのだ?千草よ」
「ハァ…ハァ…道場の門前に人が倒れておりまして…息はある様ですので、命と一緒に道場内へ運び、今は命が看ていてくれているのですが…」
どうやら、私の眷属であるヤマト・命、ヒタチ・千草が稽古用の道場で行き倒れの人間を道場内で看病しているらしい。
「ふむ…なるほどな。では、私も道場に向かうとしよう。千草よ、その御仁の元まで案内してもらえるか?」
「は、はい!こちらです!」
「綺麗…」
眠ったままの男を見て小さく呟いた。
整った顔たちに、膝くらいまで伸ばした絹の様な髪。
女である私ですら羨む程に、その男の容姿は美しかった。
「こんな時に自分は何を…生きては…いる様ですが……それにしても…」
ふと、眠ったままの男の傍に置いてあるモノに目を向ける。
(刀というよりは、野太刀や大太刀というやつか…?こんなモノ本当に扱えるのか…?)
150Cは超えているであろう得物を見て、こんなモノを本当に扱えるのか訝しんでいると…
タッタッタ…と足音が近づいてくるのが聞こえた。
「ん?千草殿か。足音がもう一つあるが、タケミカヅチ様か?」
ガラガラと扉を開け、気持ち駆け足でこちらに近づいて来る。
「命!タケミカヅチ様も来てくれました!」
「命よ、千草から話は聞いている。良く見捨てずに道場まで運んでくれたな。」
「はい。呼吸は安定しているので、大事には至らないかと。」
「ふむ、それにしても…穏やかな顔で眠っているな…」
「……?こ、ここ…は…?」
「目が覚めましたか…?ここはタケミカヅチファミリアの道場です。門前にあなたが倒れていたので私と命で道場内に運びました。」
ゆっくりと起き上がり、道場内を見渡すと青年はよく分からないといった様子で
「タケミカヅチ…?ファミリ…ア?何…の事を…」
「どうやら少し混乱しているらしい。御仁よ、其方の名前を教えてくれぬか?」
タケミカヅチ様は、混乱している様子の青年に落ち着かせる様にゆっくりと話す。
「………私の名は…小次郎……」
「小次郎か、良い名前だ。俺は、其方を此処まで運んでくれた命と千草の主神であるタケミカヅチという。では小次郎殿、君は道場の門前で倒れていたのだ。何か覚えている事はあるか?」
「…門の前に…立っていた。様な気がする…………すまぬ、あまり覚えてはいない…」
「そうか…小次郎殿、もう少し休むと良い。落ち着いたら本拠に来ると良い。」
「すまぬ…ではお言葉に甘えさせてもらおう…」
そう言うとコジロウはまた静かに眠った。
「千草、命よコジロウが落ち着くまで側で看ていてくれるか?」
「「わかりました。」」
「すまないな。俺も居るべきなのだろうがもうすぐバイトの時間だ…夕飯はじゃが丸くんを貰って帰ってこよう。小次郎殿の分もな。」
「承知しました。お気をつけて、タケミカヅチ様」
「では、行ってくる。」
タケミカヅチはゆっくり立ち上がると、そのままバイト先へ出かけていった。
男は夢を見ていた。
此処ではない何処か…男は門の前に立っていた。
男は門番だった。
男に与えられた使命は、山門の守護。
此処へやって来る敵の排除。
赤い外套を纏う者、騎士の様な風貌の可憐な乙女、蒼の装束を纏う槍兵、大木の様な巨人…
男はどこにも行けず。ただ通さぬと侵入者を迎撃するのみ。
男は満たされていた。
剣のみに生きた人生。小さな農村で生まれた男はいつか見た老人の剣舞に近づく為に、空を自由に飛び回る燕を斬る為に…それだけの為に剣を振った。
男が剣を完成させた時にはもう遅すぎた。
生涯誰とも果たし合う事もできず、彼は死んだ。
だが「私」は満たされていた。
己の剣を振えるこの瞬間を。
剣に生涯を捧げ生きたからこそ、どこまで通じるのか試したかった。
黄金の剣を振るう騎士によって秘剣は破られ、命を散らそうとも。
だが…もう一度、剣に生きられたなら…
「んん…此処は…」
「小次郎殿、目が覚めたんですね。」
「其方達は…」
「自分はタケミカヅチファミリア所属ヤマト・命と申します。こちらが同じファミリアの…」
「は、初めまして、ヒタチ・千草です。体調は大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ。私は、小次郎。助けてくれた事感謝する。」
(セイバーとの戦闘で霊基を破壊され消滅したはずだが……魔力の供給もない…私は受肉したのか?……あの女狐の仕業という訳でもなさそうだが。)
簡単に挨拶を返し冷静に思考する小次郎。
自身がサーヴァントとしてではなく、受肉し一人の人間としてこの世界に存在する事に困惑するが
(サーヴァントとしてではなく、人間としてまた剣を振るう事ができるのなら…試したい。此度はどこまで手を伸ばせるのか。)
「いえいえそんな!少しでも元気になったのなら安心です。服装で判断しちゃいましたけど、極東の方ですよね?姓は無いのですか?」
千草は小次郎の紺色の陣羽織と傍に置かれている野太刀をを見て極東の生まれだと判断する。
「(極東というのは日の本か?それにしても所々で知らぬ言葉が出てくるな、聞いてみるのが一番早いか…)……そうだな………私は無名の剣士故、姓は忘れる事にした。なに、この名さえあれば十分よ。また日の光の下を歩けるのなら、それで十分…ところで、先程のファミリアとやらは何なのだ?」
「「えっ…?」」
命も千草も困惑してしまった。
オラリオに来てファミリアを知らない…?そんな事があるのか…?
困惑混じりに千草が口を開く
「えっと…小次郎さんはどこからオラリオにやって来たのですか?」
「オラリオ…とやらは此処の事か?……すまぬ、正直此処が何処で、何かも私には分からぬ。」
「えっ…?えっと、その…どうしよう命…」
「軽い記憶喪失…といった感じでしょうか。…タケミカヅチ様に相談した方がいいかもしれませんね。」
(死んで目が覚めたら此処に居たなど、此方の正気を疑われかねん。……ならばこのまま記憶喪失という話のままでいるのが安全k(グゥ〜〜〜…))
「「「・・・」」」
少しの沈黙の後、命が口を開く。
「そういえば小次郎殿、まだ何も食べてないですよね?タケミカヅチ様ももうすぐ帰られますので、そろそろ本拠に移動しましょうか?」
「そうです!タケミカヅチ様も落ち着いたら本拠まで来るようにと仰っていましたし、小次郎殿私達の本拠へ行きませんか…?」
「…感謝する…この恩はどこかで必ず。」
(しかしタケミカヅチとはな…千草殿の口ぶりからすると、この世界には神が存在しているらしい。少なくとも生前、聖杯戦争の世界どちらでもない異世界に流れ着いてしまったようだ…)
「は、はい…!で、では案内しますので私達の後について来てもらえますか?あっ!お布団はそのままで大丈夫です!本拠に案内した後、片付けます」
「そこまでさせる訳にはm…「大丈夫です。」ッ…」
「小次郎殿、経緯はどうであれ、貴方はタケミカヅチファミリアのお客人です。お客人に片付けなどさせる様な真似、タケミカヅチ様が許しませんので。……なので小次郎殿はお気になさらないでください。」
「命殿に千草殿、すまぬ、要らぬ気を回してしまったようだ。感謝する。では、案内を頼んでも?」
「はい!お任せを!」
小次郎は立ち上がろうとしたが、何かを探してるのかキョロキョロとしている。
「小次郎殿?何をされているのですか?」
「いやすまん、髪を結んでいた筈なのだが…」
「すみません。私達が倒れていた小次郎殿をお見かけした時既に解けていましたので…道場内にはおそらく無いかと…」
申し訳なさそうに千草が応えると、命が間を置かず会話に入り
「自分のでよろしければ、使ってください。もちろん新品ですよ!」
「良いのか…?見ての通り私は無一文故、お返しできるものなd…いや、待たれよ。命殿は見たところ剣術家と見える。では私と手合わせ願えぬか?命殿から一本取れたら先程の品を頂きたい。」
「「なっ…?!」」
(おそらく小次郎殿は恩恵もないはず…それなのに手合わせと…)
「小次郎殿。その話、本気で言っているのですか?」
「応ともさ、こう見えて剣には少しばかり覚えがある。病み上がりではあるが、問題なかろう。受けてもらえるか。」
「ッ…いいでしょう…では本拠に行く前に終わらせてしまうとしましょう。」
「命!?」
「千草殿、大丈夫だ。なに、軽い腹拵えよ。別に死合う訳では無いぞ。」
「うぅ…でも…(恩恵も持たない方と手合わせって…大丈夫なの…?)」
大丈夫では無いだろう。
小次郎は知るはずもないが、この世界における恩恵の有無はそれこそ赤子と大人程の差が出るのだ。
まぁ、小次郎は元サーヴァントである為そういった心配はいらんのだが。
そんな千草の心配を他所に、小次郎はスタスタと道場の真ん中へ移動する。
「千草殿、すまぬが開始の合図を頼めるか」
「あっ、はい…(どうしようどうしよう…)」
いつの間にか命は小次郎の向かい側に移動している様子。千草は迷いながらも相対する両者の間に入る。
「小次郎殿、もう一度聞くが本当に良いのですね?」
「問題ない。命殿、よろしく頼む。」
「……承知した。千草殿!」
「は、はいぃ…!ではお二人とも…準備はよろしいですか?」
二人とも竹刀を構え、合図を待つ。
(見くびっていた訳では無い…恩恵の有無も冒険者としてのプライドもあるが、タケミカヅチ様の指導で己が剣を磨いて来た。だから剣での手合わせでは負ける訳にはいかない。なのに…何、この尋常ではないプレッシャー…)
(ふむ…見た目は様になっておるが、この程度の剣気で動揺してしまうとは、まだまだ青いか…)
小次郎は冷静に相手を見定め、命はプレッシャーに圧殺されまいと必死に踏ん張っている。
プレッシャーを感じているのは命だけではない。
(なに、この感じ…押し潰されそう…向かい合ってないのにこれだけのプレッシャー…命はどれだけの…ううん、命は勝つ!命は真剣なのに心配なんてしてられない!私も負けないから…!)
「………で、では…始め!!!!」
命とコジロウ、非公式ではあるが恩恵を持つ者と持たぬ者の勝負が始まった。
熱い勝負になるといいね…
オラリオで倒れてた小次郎さんは
アサシン佐々木小次郎ですが
受肉して人間になっているのと、佐々木小次郎として飛ばされた訳じゃないです。
佐々木小次郎のガワを持ってる事は変わりませんが、中の農民さんが飛ばされた感じです。(何言ってんだ…?)
なので佐々木小次郎としてではなく、農民の小次郎さんとして好き勝手に生きてもらおうと思ってます。
恋愛要素(?)の有無についてですが
正直ちゃんと書ける自信がないので今のところは無い…と思います。
失踪は、したく無いなぁ…なので頑張ります。
読んでくれた方が居たら嬉しいです。
ありがとうございます!