剣に生きた人生をもう一度と願うのは間違っているだろうか 作:お刺身弁当
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便利な機能ですね。まぁ予約する程ストックはありませんが…
まだ出てきてない金髪の人「揚げたてのじゃが丸くん美味しい」
じゃが丸くんの神様(紐付き、眷属0人)「売れ残りのじゃが丸くん美味しいなぁ!」
小次郎が意識を手放してから、タケミカヅチファミリア本拠内は騒然としていた。
拾ってきた客人は主神に吹き飛ばされ半死半生、客人を吹き飛ばした主神も決して軽くはない怪我を負っていた。
遅れて駆けつけた団長であるカシマ・桜花が周りの団員に事情を聞き出し、主神へ一体何をしたんだと詰め寄る。
主神から返ってきた言葉は
・そこで伸びてる剣士は、今朝命と千草が助けた行き倒れ
・そしてその剣士から現在使用されていない道場を貸し欲しいと相談をされた事
・団員へ意見を聞くつもりだが、もし道場を任せるのならばそれに見合った実力なのか見極める為、先んじて小次郎との手合わせを行った。
結果つい熱が入りすぎた主神が、最終的に稽古場の壁をブチ抜く場外ノックアウトを飾った。
それを聞いた団員達は恩恵を持たぬただの人間が、本気の主神と渡り合えるという理解不能な現実に驚愕し、命と千草は改めてこの客人の剣技に戦慄していた。
暫くして小次郎は目覚め、タケミカヅチと共に壁の破片などの掃除をしていた。命や数少ない団員達も加勢し壁の簡単な補修を済ませ、千草は床の張り替えに必要な物資の確認、修繕費用などをメモして桜花に渡していた。
破片の撤去や大掃除などひと段落したところで、解散となった。
漸く団員達は解放され各々武器の手入れや食事の準備などに向かい、団長の桜花は、千草へ桜花、小次郎、タケミカヅチの三名は後ほど食事を摂ると伝え、桜花の言葉を聞き食事の準備に入る千草を目で見送り、今回の騒動の原因となった馬鹿二名を連れ執務室へ移動する。
説教と今回タケミカヅチファミリアが被った被害総額約95万ヴァリスを折半した47万5千ヴァリスの支払いを小次郎、主神であるタケミカヅチ両名に命じた。
小次郎は、寛大な措置と助けてくれた事への感謝と謝罪をし、
世話になったファミリアの団長である桜花には知る権利があると、タケミカヅチに確認を取った後自身の過去、異世界から流れ着いた事など全て話す事にした。
「まず私は、この世界の住人ではない」
(えっなんだそれ…)
想像の斜め上から繰り出される爆弾発言に桜花の魂が警鐘を鳴らす。聞いてはダメだと。
それでも主神が問題無いと判断したのであればと、目で話の続きを促し、小次郎は小さく頷く。
小次郎から語られる話を聞き、桜花はどんどん顔色が悪くなる。
全て話し終えた頃、いやそれよりも前に桜花のライフポイントはゼロになっていた。
話を聞き終え魂が抜けた表情をしていた桜花だが、直ぐに意識を取り戻した。
「…にわかに信じ難い話ですが、悪ふざけの類ではないんですよね」
「桜花、信じられない話であろうが全て真実だ。」
「そう、ですか。(聞かなければよかった)…ですが、それならばタケミカヅチ様と打ち合えるのも納得しました。道場の件も俺は賛成します。その件も含めて明日、団員達に簡単な紹介はさせて貰いますがこの場で話した事は他言しません。」
力の入った言葉を聞き、若干空気気味だったタケミカヅチが話をまとめお開きとなり、小次郎、タケミカヅチ、草臥れた団長の三名は食事を摂る。
異世界へ流れ着いて初めての食事。とんでもない物がでてくるかもしれぬと警戒していた小次郎であったが、出てきたのは見た目も香りも素晴らしい料理であった。
特にじゃが丸くんなる食べ物は気に入った様子。
異世界の美味を満喫した小次郎は食器の片付け、タケミカヅチはシャワールームへ、草臥れた団長は本拠近くの銭湯へと覚束ない足取りで向かっていった。
食器を片付け、客間へ戻った小次郎は一人寛いでいた。
「先の料理も美味であったが…この茶は素晴らしい、団子か饅頭があれば言う事なし。月を愛でながら楽しみたいものだが…」
湯呑みを持ちながらゆったりと立ち上がると窓際まで向かい、空を見上げる。
(く、陽があるならば、もしやと思ったが異世界とやらに来ても月はあるのだな…今宵は月と茶を楽しもう。)
気に入った茶を飲みながら月を見つめていると
コンコンッ…と誰かが客間の扉を叩く。だが相手は分かっている。
「タケミカヅチ神だな、入ると良い」
入ってきたのは感じた気配通りタケミカヅチであった。
「邪魔するぞ。…その様子だと月を見ていたか。随分洒落てるなぁ」
「…異世界とやらに迷い込んでも、月は生前見た姿のままだ。あまりに寂しそうに見つめてくるので、つい愛でてしまった。…して何用だ」
相変わらず薄い笑みを浮かべ楽しそうに月を見上げながら剣士が問いかける。
「先の手合わせ、下界に降りて久方ぶりに熱くなれた。その礼をと思ってな」
「気にするな、楽しめたのは此方も同じ事」
「…小次郎殿、聞きたいことがある。最後の技…アレは何だ?人の技ではないだろう」
「フ、構えた時にアレを「視た」、か。流石武神勘も眼も良いらしい」
剣士は思っていた以上の武芸者に出会えた事を内心喜び、武神の方へ向き直る。
「アレは生前編み出した我が秘剣よ…空飛ぶ燕を斬りたくて始めた事だが、連中なかなかどうして素早くてな。一撃目で襲い、続く二撃目で囲み、三撃目で仕留める。しかしあの長刀で燕を狙うのは、まず間に合わん。ならば一息のうちにこれら3つをほぼ同時に行わなければならない…が、それはタケミカヅチ神も言う通り人の技ではない。叶わぬ剣技と思っておったのだが…生憎文字の読み書きすら儘ならん身分であった為時間だけはあった。こちらの世界の言葉だが、一念天に通ず、と言ったか。気がつけば武神の「視た」通りよ」
(なーに言ってんだコイツ…酔いも醒めたわ。燕を斬るだけでそうはならんだろ…)
俺は「客人であり自神と同格の剣士」から「要注意危険人物」に評価を改めた。
危険人物は「ほぼ同時」と言っていたがあれは「同時」だった。
どういった原理でそうなってしまったのかは俺であっても理解不能であったが、あの時俺が「視た」斬撃は間違いなく3本「同時」に存在していた。
仮に時間があったからと辿り着ける技ではない事だけは理解できた。
俺は頭がおかしくなるかもしれぬと、脳が危険信号を発する前にこれ以上考える事をやめた。
危険人物が何か言っていた気がするが、気のせいだろう。
武神は、逃げる様に自室へ帰った。
「…何か用事でも思い出したか、さて風呂に入るとするか。」
文無し借金剣士は風呂場へ向かうのだった。
剣士(無職、門下生0人)「良い湯だな、ハハハン♪」
バイト神「TSUBAME…INOSHISHI…BANZOKU…」
剣士(無職、門下生0人)「蛮族は知らん」
じゃが丸くんの神様(紐付き、眷属0人)「全然眷属集まらないヨ!!!!」