忘れもしませぬ、あれは拙僧がユグドラシルプレイヤーであった頃… 作:nightマンサー
どうなっても知りませぬゾ♡
DMMOーRPG【ユグドラシル】
2126年にリリースされた仮想現実空間で現実のように遊ぶことが出来るゲームである。
幅広い種族と職業により人気を博した。
しかし、物事に終わりと言うものはつきものである。
【ユグドラシル】もまた、12年という幕を下ろそうとしていた。
◆
「皆で創った《ナザリック》だろっ!なんでそんな簡単に捨てられる…!」
ーーー鈴木悟、アバター名『モモンガ』の心は今、悲しみと怒りに暮れていた。
【ユグドラシル】にて知らぬ者はいない程のギルド【アインズ・ウール・ゴウン】のギルドマスターである。
そんな【アインズ・ウール・ゴウン】も今では殆どのメンバーが引退しており、今ではモモンガ含め
その事実に彼は円卓に拳を叩きつけ、暫くして落ち着きを取り戻した。
「…いや、誰も捨ててなんかいない。生きていく上で
モモンガ自身も頭では分かっている。ただ、感情が追いついていないだけだ。
「ンンン〜。我らがギルドマスターであるモモンガ殿がそこまで感情的になるとは珍しい」
「うおっ!?」
突然聞こえた声に思わず驚愕の声を上げて視線を向ける。
そこには一目見れば忘れないような、特徴的な人物が立っていた。
身の丈は2メートルにも及び、髪は中心から白と黒に分かれた長髪で毛先が渦を巻いている。
翠色の和服のような服に身を包む美形な男性。
「
「無論ですとも、モモンガ殿。本日は【ゆぐどらしる】が終わりを迎える時。
遅ばせながらの『ログイン』と相成りましたが、なればこそ拙僧も最後までお供するつもりですとも」
彼こそ【アインズ・ウール・ゴウン】に共に最後まで残ってくれたギルドメンバーの道満である。
歌舞伎役者とも言える口調のためか何故か胡散臭い感じがしてしまうが、
ここまでモモンガが《ナザリック大墳墓》を維持出来たのも道満の助けがあってこそだった。
「ええっと、それでさっきのことですけど…」
「恥じることはありませぬ、モモンガ殿。
感情が溢れ出ることは人の常、それが思い入れが強いものなら尚更というもの。
それこそモモンガ殿がこの場所を大切に思っている何よりの証拠になりましょうゾ」
「道満さん…」
もし現実であれば涙を流していたかもしれない程に、道満の言葉が嬉しかった。
もっと話をしていたいが、そろそろ行動に移さないとサービス終了に間に合わなくなるため、モモンガが話を切り出す。
「道満さん、折角なので最後は《玉座の間》で過ごそうと思っているのですが、どうでしょう?」
「ンンン、それは何とも良き考えかと。では移動すると致しましょう」
そうしてモモンガと道満は歩いて《玉座の間》へと移動を開始した。
ちなみに道満からの提案でギルド武器『スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン』をモモンガが装備している。
道中思い出話に華を咲かせ、戦闘メイド《プレアデス》と執事長のセバスを連れ、《玉座の間》へと到着した。
《玉座の間》には守護者統括のアルベドが佇んでいる。
「結局、この場所まで攻めてくるプレイヤーは居なかったですね」
「印象深いのは1500人が攻めてきた時でしょうか。あれは拙僧も昂りましたなァ」
そうして玉座にはモモンガが座り、道満はそのすぐ隣にて控える。
その後アルベドの設定の多さにモモンガと道満が驚いたり、
道満に内緒でこっそりビッチ設定をモモンガを愛してる設定に書き換えたりあったが楽しく過ごしたのに変わりない。
だが、楽しい時間とは往々にして早く過ぎるもの。気付けばサービス終了まで1分を切っていた。
「道満さん。最後まで一緒に居てくれて、ありがとうございます」
「ンンン!拙僧には勿体なき言葉なれば。拙僧もモモンガ殿には感謝しておりますゆえ、おあいこと言うやつでいかがですかな?」
そんな道満の言葉に心が軽くなるのを感じる。
「もう時間ですね。道満さん、もしまた何処かで会えたら、また一緒にーーー」
「ええ、ええ、ご案じめされるな。この道満すべてを理解してございます。
また、手を取り合いましょうゾ。モモンガ殿」
道満のその言葉に安心したモモンガはそのまま目を閉じ、【ユグドラシル】はサービス終了時間となった。
「ンンン、ここからが本当の地獄!
なればこそ、地獄の底までお供させて頂きたく、我がギルドマスター?」
ーーーこうして世界に、死の支配者と共にもう1人の厄災は招かれた。
ーーーその姿、美しき肉食の獣の如し。
ーーーその声、悪霊の王の如し。
ーーー彼の名は、蘆屋道満。
登場人物紹介
蘆屋道満:中の人は転生者であり、オーバーロードはアニメ3期まで視聴済で原作未読。
記憶の引き継ぎにより前世で好きだったFGOの芦屋道満のロールプレイを【ユグドラシル】にて行う。
今はまだロールプレイで済んでいるが…