ソード・ダンジョン・ワールド2.5   作:魔剣(槍)ちゃん

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※短め

ダンまちィ!
ルーンフォークを出せぇ!!



女神

──大いなる力には、大いなる代償が伴う。

 

 

もちろん責任も伴うわけだが、今の彼女を現すに相応しいのはこちらだ。

 

ニュクスは(マイナス)の女神であり、その権能がカバーできる範囲は実に多い。

 

昼の後には夜があり、太陽の次に月が来る。

光あるところに影は差し、表の逆には裏がある。

 

彼女はあらゆる物事の裏側を司る。

あのゼウスでさえニュクスを尊び、そして恐れた。

その権能(ちから)を、彼女が纏う深淵を。

 

──ニュクスはそんなものはいらなかった。

尊敬なんて、畏怖なんて、これっぽっちも必要ない。

普通の、何でもない、ごくありふれた幸せが、ニュクスの欲しいものだった。

 

でも許されない。

(マイナス)の権能は否が応でもニュクスをニュクスとして見ることを阻害する。

誰もが彼女を畏れ、敬い、交流を避け、言葉を交わさず、そして誰もいなくなった。

 

できることはいっぱいあった。けれど欲しいものは何一つ手に入らなくて。

ぽたぽたと熱い水が頬を伝う。それを止めるすべをニュクスは知らなかった。

 

 

 

そうした経緯から全てに諦観の念を感じたニュクスの前に吉報が──引きこもりになっていたので伝達こそ著しく遅くなったものの──舞い降りる。

下界への降臨、これならば私を私として見てくれる誰かがいるんじゃないのかと。

 

そんな儚くも淡い期待はすぐに打ち砕かれた。

降臨に際しあまりに彼女が支払った代償は大きすぎた。

彼女の大きすぎる神格を下界に適応させるため器をデチューンした結果、恩恵(ファルナ)を刻む以外の全てにロックがかけられてしまったのである。

 

神威を発することもできず、権能を使うこともできず、力を封じられ過ぎて気配までもが彼女から没収された。

恩恵(ファルナ)を刻めるだけの、気配がごく薄いただの人間に成り下がったのだ。

 

誰がそんな異物の眷属になろうなどと、まして彼女を神だと信じようとするのか。

 

そうして一年、ニュクスは耐えた。

何度心が折れそうになったか、何度バベルから飛び降りようと思ったか。

でも、だけど、いつか、きっと。

誰かが見つけてくれるんだと、自分を奮い立たせて。

 

 

 

 

 

 

 

やっと、やっとだ。

やっと私を見つけてくれた。

間違いない。今まで視線にすら晒されなかった私が気が付かないはずがない。

 

迷わず背中を追い掛け、声をかけた。

 

ああごめんなさい。

こんな時どんな顔すればいいか分からなくて。

どんなふうに声をかけたらいいか分からなくって。

だれともお話できなかったから、そんなことすら忘れちゃって。

 

待ってたの、貴方を。

ずっとずーっと──待っていたの。

 

今作れる飛びっきりの笑顔で──きっと酷い顔してるだろうけれど──私の英雄を呼び止めた。

 

「私はニュクス。世界の(マイナス)を司る女神」

 

どうか、どうか、嫌わないで。

どうか、どうか、見捨てないで。

 

「どうか君、名も知らぬ君、出会い頭に頼むのは作法がなってないと思うが──」

 

きっと貴方に会うために、私はここにいるの。

貴方と出会うために、今までを過ごしてきたの。

 

だから、だから。

お願い、私の────

 

「私の眷属になってくれないか?」

 

万感を込めて、彼に手を差し出した。

 




女神ニュクスに哀しき過去……。

激重感情不死身人外ロリババア、私の好きな言葉です。


次回あたりでソード・ワールド要素出していきたいネー。

今生での伴侶の種族は──

  • ヒューマン
  • エルフ
  • 小人族
  • 獣人
  • 魔物……!?
  • 神……!?
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