ソード・ダンジョン・ワールド2.5   作:魔剣(槍)ちゃん

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TRPGオリ主inオラリオのビッグウェーブ来てないかもしれませんが、そのようなSSが増えてくれると幸福になれます。


現在はベル君がオラリオ到着〜猛牛遭遇(一回目)の間です。
そろそろ原作に入っていきたいところ。



小夜曲(セレナーデ)のある一日

目蓋を解放し瞳孔を光に晒す。

枕で微睡むニュクスの顔と机でペンを走らせるフロムの姿が映った。

 

ニュクス・ファミリアの本拠地(ホーム)は地下に設けられているため朝日は見えない。浴びる必要性はなく、太陽に依存せず時間通りに起床することは可能だ。さしあたっての不都合は皆無だった。

気を揉むことは一人と一柱の生活に支障が生じていないかだが、今のところ深刻な問題はなさそうである。

 

何一つ変わりない、通算五回目の朝。

私は主神を揺り起こし、彼女の髪を梳かし、寝巻を私服に換装し、身支度を整える。

一回目こそ必要のない遠慮をしていたニュクスだが、今ではすっかり手のかからない相手となった。

フロムには断固として拒否されたので引き下がるしかなかった。いついかなる時も私より早く起床し諸々の準備を整えており、その隙がないとも言える。

 

昨日のダンジョンで想定よりも多く──敵も少なからず強かった気もする──ドロップアイテムや魔石を獲得したニュクス・ファミリアは一日くらい息を抜いてもいいだろうと急遽本日を休養日に制定したのだった。発案者はフロムである。

 

ニュクスは本拠地(ホーム)で待機。

本当に私は何もしないでこの生活を享受していいのだろうかと常々我々に口にする彼女だが、フロムには恩恵を、私には恩恵のみならず血肉さえ分けて下さったのだから、何も気にする必要はない。あわよくば存分に顎で使って欲しいのだ。

 

そして、フロムも本日は待機するという。

「これからのパーティ構成を考える」と今もニュクスと他愛のない話をしながらペンを動かしている。

我々二人ではあまりにパーティ内の役割分担ができていないので、これから眷属を増やす際にどんなロールが必要かを見極める必要があるとのこと。

バランスに喧嘩を売っているパーティなのは自覚しているが、その手のことに助言をする力は今の私にはない。

 

多大な申し訳なさを引きずりながら、私は本拠地(ホーム)から外へ。

休めとあらば、当該時間帯は身体の休養にあてがおう。が、休養から逸脱しない範囲でフロムとニュクスの役に立つために私という存在は時を使うべきである。

 

よって本日は、「また来い」と店主から言われていた『ミューズの楽器店』へと足を運ぶことが目標となる。

 

 

 

 

『ミューズの楽器店』は以前と同じ幕が入口に、奥のカウンターで女神ミューズが前回同様虹色の髪を惜しげもなく広げていた。奥の工房では木材を加工する音が聞こえてくる。

安眠中だったミューズでも客の入りには気がついたようで、目をゴシゴシと擦ってセレナーデを出迎えた。

 

「やぁやぁよく来た戦場のギタリストちゃん。その後の調子はどうだい?」

「セレナーデです。特筆してお伝えするようなことはなかったと思いますが、また来るよう言われていたので」

「殊勝な心がけだね。代金は頂くけど」

「構いません」

 

セレナーデの得物を預かったミューズは小道具箱を開いて鼻歌交じりにメンテナンスを始めた。何千何万と繰り返したのだろう、手つきに迷いはない。

入口では閑古鳥が鳴いている。次の客の来店はまだ遠くなりそうだ。

 

「見ての通りウチは商業系ファミリアの中でも零細も零細。クラフトマンたちの品質(クオリティ)こそまあまあと自負はしているんだが」

 

工房で試行錯誤を繰り返す職人たちは道は違えど本質は何も変わらない。

より良い武器(もの)を、より良い楽器(もの)を。

しかし需要の格差は如何ともし難い。冒険者の坩堝たるこの都市であれば、尚更だ。

 

「それでは何故迷宮都市(オラリオ)にこだわるのですか?他の国、都市、より適切な選択肢はあったように思われますが」

 

シスターの格好してるけど性根がシスターしてないなこいつと目を細め「そりゃここにしかないものがあるからさ」と手を止める。

少女の風貌とはいえ稼働開始から一ヶ月も経過していないのだ。らしさを会得するにはまだ学習期間が必要だろう。

 

迷宮(ダンジョン)にはまだ見ぬ素材が沢山ある。けど買い付ける資金はないし、クラフトマンは恩恵(ファルナ)はあれど、フィールドワークはムリムリってやつがほとんど。何とか迷宮で稼いでくれる連中のおかげで食いつないでいるけど……」

 

チラッ。

 

「あーどこかに探索系ファミリアに所属してて、ウチの楽器使ってくれて、ちょっとお悩み聞いてくれそうな心の優しい冒険者はいないもんかなぁ。もっともーっと質のいい楽器が作れるようになればウチの宣伝になって売上も今より期待できると思うんだけどなぁ」

 

チラッチラッ。

わざとらしく首を振るう度ゲーミングヘアがバサバサ動き、展示された楽器の金属部が虹光をあちこちに跳ね返すため非常に眩しい。

セレナーデはハイライトの無い目を細めた。

 

「手が止まっていますが」

「いちからか?いちからせつめいしないとだめか?」

「迂遠な言い回しでなく、頼みたいことがあるのだと仰ってください」

 

言わんとしている内容は理解できるが、何故持って回った言い方をするのだろうとセレナーデは心中首を傾げる。

彼女にとっても自身の技能(スキル)を発揮するための得物は今後も末永く供給されることが望ましいため、ミューズ・ファミリアの頼み事(クエスト)に手を貸すのもやぶさかではない。

自分が強くなれればもっと二人の役に立てるのだから。

 

「可能な範囲で善処しましょう。依頼内容を教えてください」

 




アンケート開設したんでよろしければ。
以下アンケートの項目解説。飛ばしても構いません。現時点でのぼんやりした予定であり、そんな重要なことじゃないので。
締切は投票の差が出てきたら。


つるぎのまい系前衛
→戦闘特技モリモリの紙装甲バトルダンサーか、練技で生やした尻尾を叩きつけるエンハンサーの前衛を予定。
ホントは後者をリルドラケン(竜人)にしたかったけどダンまちだと異端児扱いになりそうなのでダメみたいですねこれは……。
ダメージソースになり得るため、肉壁軍師とギタリストのパーティに追加するのであればバランス良しだと思われます。

魔導銃手
→ババンバン!バンババン!
後衛で魔導銃を撃つマンもしくはウーマン。典型的なマギテックシューターです。防護点を無視して攻撃を叩き込めるため、こちらもダメソ枠。
銃種や弾を変えることで様々な敵に対応できます。燃える弾丸凍る弾丸、お好きでしょう?
これが投票一位になった場合は銃に興味を持ったアスフィが強化されるかもしれません。爆炸薬(バーストオイル)弾丸をモンスターの眉間にシューッ!!とか。
ガン=カタはしないかな。狙撃も現状は連絡取り合う手段がないので無理そう。

錬金術師!?こんな序盤で?!
→期待させていたところ申し訳ない気もしますが、ハガレンみたいなことはできません。支援系後衛です。
ですがご安心ください。アルケミ一本ではなく何かしらの魔法技能と兼業です。
モンスターのドロップアイテムを使って作成したマテリアルカードなるものを用いてバフデバフを与えます。その中で最もとんでもないのが【クリティカルレイ】というバフ。
簡単に言えばクリティカルしやすくなるバフですが、最初は射程:接触でしか使えません。そのうちマテリアルカードを打ち出すカードシューターで前線にばらまくこともできないではないです。
こっちもアスフィが強くなれる理由を知るかもしれません。タラリアクリティカルレイSSキック、痛そう。

爆走バイク
→ライダー技能を用いて二輪バイクを迷宮で走らせます。こちらも魔法か戦士技能と兼業の前衛になります。
モンスターを轢き殺したり、運転しながら流鏑馬する光景が見れるでしょう。
本拠地(ホーム)が改造され、バイクが地下から発進する車庫が作られます。
ルルブに乗ってるバイクじゃちょっと物足りないので色々テコ入れするかもしれません。

ニュクス・ファミリア、次なる眷属は──

  • つるぎのまい系前衛
  • 魔導銃手
  • 錬金術師!?こんな序盤で?!
  • 爆走バイク
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