二つに増えたとある女が現実逃避し続ける話 作:オランジェット
うごあっ。
あったまいてえなぁ。
うぇ~。
あだまいだい。
起きたくもない。
うごぉー。
頭痛すぎて頭痛い。
頭の頭痛が痛い。
むべなるかな(?)。
いとをかし(?)。
むぎょあー。
頭にくる。
どないせいっちゅうねん。
低気圧きさま。
ただじゃおかねえぞ節ばあ。
むあー。
頭の頭が頭。
頭だけ独立変数(?)。
微分してやろうか(?)。
おぶえあ~。
とりあえず頭が痛い。
痛すぎる。
痛すぎて、
板になったわねぇ。
誰がまな板d
あぼあー。
頭が痛い。
世界中の頭痛を抱えこむ者(?)
世界の中心で頭痛を叫ぶ(?)
頭痛と普通って似てるよね。
つまり頭痛は普通(?)
……………………
…………
……
おぎゃー-。
いやぁ頭痛いわ。
頭痛すぎて過呼吸になってもうてるもん。
はいはい、おぎゃーおぎゃー。
ギタリストにはなれなかったが、おぎゃリストにはなれそうだな(?)
おぎゃー~-。
だいぶ頭がよくなってきた。
いや、もともと頭はいいんですけどね?
おぎゃーもだいぶうまくなってきた。
これはメジャーデビュー間近ですな。
おぐぇあー-。あいぇあー。
頭が痛くなくなった。
おい、おまえ!
そんなにやわな奴じゃなかっただろ!
ふん、私が認めたライバルだったはずだが、どうやら間違いだったようだな。
え?お前わめき散らかしてたやろって?
しらn
おいぇあー-。うあぅあー。
あー、頭、は痛くはないんだっけ。
うぇーどうしよ。
もう頭痛で現実逃避できないじゃん。
ふぉぐぁー。
あいぇー。
まれぅあー。
まあ、うん。
そろそろ仕方ないのかな。
それでは、コホン。
なにがどうなってんだー--!
「もうすぐですよ!あとひとりです!」
「うぅぅ~~。はっはっ」
オギャーーーーーーー。
オギャーーーーーーー。
「産まれました!元気な女の子の双子です!」
「はぁっはぁっ」
今しがた双子の女の子を産んだ母親は息も絶え絶えになりながらここ数時間の激痛、そして数か月の慣れない妊婦生活にも報われた気持ちになった。
しかし、そんな感傷に浸るよりも先に我が娘を見たかった。この手に抱きたかった。
「はいお母さん。娘さんですよ」
先ほどから声をかけてくれたりして出産の手助けをしていた助産師が、母親の考えを読み取ったかのようなタイミングで差し出してきた。
疲れ果てた体で、腕を動かすのもしんどいはずなのに自然と娘たちをその腕の中に収める母親。左手に先に生まれてきた子、右手には後に生まれてきた色白の子を抱いて。その目から流れる涙に込められている意味は、先ほどの激痛かあるいは。
腕の中の二人の小さな命は呼応するように声を張り上げている。まるで私たちがあなたの娘であると主張するかのように。
「お名前は決まっているのですか?」
そう聞いてきた助産師に母親は娘たちに向けた穏やかな笑顔をそのままに言った。
「はい。ルーリエとメーリエです」
世にも珍しい、片方がアルビノとなって生まれてきた一卵性の双子はヨーロッパのとある国の病院でこうして生まれた。
コホン。
お見苦しいところをお見せいたしました。
じゃあ向き合っていくかぁ。
やっぱ先延ばしにしよう?だめ?だめか……。
とりあえず、なんか赤ちゃんになってるんですけどぉ~!?
意味わかんないし。
なに?現代の若者なら突然人間の赤ちゃんになったくらいでうろたえんやろって?そういうことなのか運営ぃ!!!
バクってますよ……。
確かに私も転生というジャンルのものはたしなんでおりましたことよ。オホホ
だがしかし!!!
だからと言って自分がその状況に陥って、はいそうですか、と納得できるはずがないでしょうよ!
な~んなんだよこれ意味わかんないよこれ。
そもそもなんで私なんだよ。
チョーっと普通の人とは違ったけど一般人だったんだぞ。
するんならもっと違う奴をピックしろや。
車に引かれそうになってた人を助けた人とか。
通り魔に刺されそうになってた友人を助けたやつとか。
そうでなくともなんかキャラ濃いやつとか。
もっとこう、ほかにいただろ!!
はぁ。
まあこうしてわめいていても仕方がないってうすうす気づいてきたからこうやって向き合おうとしてるんですけどね。
向き合ってないだろ、だって?
言っとくけどなぁ!私の特技は現実逃避だ!
前世(仮)でもそのスキルを極めた結果、いかなる状況に陥ろうとも精神を病むことがなかった。
まぁその結果ボッチになったりしたんですけど(ボソリ
いやそんなの必要経費だから!
私の精神衛生に悪影響を及ぼされるよりは1無料大数倍ましだったから!
まあだから、現実逃避しか取り柄のない私だからこうしてゆっくり現実に向き合っていくことで、少しでも精神的負担を減らしていこうという魂胆なわけなんですよ。
いやしかし、創作の中の主人公たちはすごかったんやなぁ。
まあ、赤ちゃんになったら無限に時間が余っているんやから必然と言えば必然なのか?
私なんて人間の赤ん坊になっただけでここまで震え散らかしているのに、世の中には蜘蛛になった輩もいらっしゃりなさるんでしょ?
それで生きて行けるなんてすげぇわ。
私なんて無理無理。
今もこうやって現実から逃げようとしているところだし。
あの人たちみたいな鋼メンタルを私は所望する。
さーてと。
そろそろ次の現実と向き合っていきましょうかね。
第二問!デデン
ここどこ~~!!
いや日本違うし。
どこやねんここ。
日本ではないという理由はとりあえずここ最近で聞こえるようになってきたマイイヤーからの情報で日本語らしき言語を用いている人がいなかったから。
しかもたぶん英語ですらない。
いや英語なんて知らんけど。
とにかく、その事実から予測される可能性は大きく分けて二つ。
一つ、ここが単純に日本ではないだけ。
二つ、この世界に日本がないだけ。
三つ、上二つ両方。
この二つですね。
え?みっつだろって?
んな細けえこと気にしてたらはげるぞ。私は今ハゲてるんだけど。
しょうがないでしょ赤ちゃんなんだから!
ンでこの二つのうちどちらかという問題になるわけなんだけど。
正直に言って二つ目の可能性がいま私の中で話題に!?
衝撃の事実!
っと話題になっている理由というのがですね。
三つ目の問題にも関わってくるんですよね。
というかもろそれなんですけど。
というわけで早速発表しちゃいましょう!第三問!
第三問はこちら!
なんか増えた。
はい。
いや~。ついに来てしましましたね、この時が。
解説の方はどう思いますか?
はい、え~そうですね。
この問題に直面することは非常に危険なことであります。
さらに今回の選手は精神があまりにも弱い。
にもかかわらずこの問題に対面したということは相当危ないと言わざるを得ないでしょう。
おそらくどこかしらでタイムを要求してくるかと思います。
なるほど。
この課題はとても精神的に負荷がかかる、と。
そして、おおっと!
ここでタイムを要求してきた!
これは解説の方の予想通りの展開になってまいりました。
そうですね。
やはりここで少しでも精神を安定させなければならないでしょう。
『気づかされる』よりも『気づく』を選択したことは拍手喝采を上げても文句は言われないほどの快挙でしたが。
それを加味しても難しかったのでしょう。
肉体的に幼い時に精神を病んでしまうことは選手としても避けたいところでしょう。
このタイムの間にどれだけ回復できるのかでこの先数十年が決定流するといっても過言では古材ません。
なるほど。
では、選手はこの問題とどのように向き合っていくべきだと考えますか?
そうですね。
まず、一番の問題は自身の肉体が二つに増えたという非現実的なこと。
そしてそれに伴う、前世との感覚の違い、ということが難しいポイントとして挙げられます。
したがって、それらをうまく受け入れること。
非現実的なことを受け流しつつ、それを現実に昇華させること。
それが重要だと思います。
なるほど。
さぁ、タイムが終わった模様です。
はい。
まぁ、そういうことなんですよね。
なんか増えてるし!
意味わかんないし!
いや、異世界転生とかはまだ聞いたことがあったのよ。
転生して、チートもらって、うんたらかんたら。みたいな。
でも、体が増えるというのは聞いたことないんよ。
なに?
神様は私をどうしたいの?
なんで二つに増えてるんだよぉ~……。
さいしょはさ、目も見えないしさ、交互に目を覚ましてたからさ、何の違和感もなかったんだけどさ。
次第に違和感を覚えてきてさ。
目が明くようになってさ。
そんで見たのよ。
もんげぇ白い子を。
そん時は双子なのかなぁとか、ほかの子なのかなぁとか思ったりしたんだけどさ。
次目を覚ましたら、目の前には違う子がいたわけ。
反対方向を見ても誰もいないし。
まぁ勝手に運ばれたんやろ、って思ってたらさ。
なんか目が覚めたんよ。
起きてたのに。
なんか不思議な感覚で。
ちょっと怖くなってきて。
そうして目を開けたらそこには真っ白なあの子がいるじゃありませんか。
口を開けたらそれが見えるし。
瞬きはしようと思ったら両方してしまって見えなかったんだけど。
とにかくその時から私は逃げてきたんすよねぇ。
あ~。
誰か説明してくれませんかぁ?
手が増えたり、脚が増えたり、耳が増えたりしてもいいけど、いやそれもよくないけど。
体まるまる一個増えるってどういうことよ……。
はぁ。
なに?
これはどうするのが正解なの?
これは普通なの?
だとしたらこの世界おかしいやろ。
大体こんなデメリット押し付けてくるんやったらせめて日本にしてくれよ。
日本じゃなくても言語を日本語にしといてくれよ。
ほんとに……。
ンで、これをどうするのかって言うことでしょ。
ぶっちゃけどうしようもなさそうなんだけど。
今も怖すぎてあの日からずっと目をつむってるんだけど。
怖すぎて逆に泣けない。
逆にね!
でも耳からは聞こえてくるんだよね。
二人分の情報が。
なんて言ったらいいのかな。
なんか、ゲームで二キャラ同時操作プレイしてるような感覚。
そんなことしたことないけど。
でもたぶんそんな感じ。
どうせなら二つに分かれとけばよかったのに。
それなら何にも言うことないでしょ。
何に何を言うのかはわからんけど。
あ~。
今からでも別れねぇかなー。
そうしてくれたら万事解決なんだけどなぁー。
……。
あーだめだ。
もう無理。
こんなことになるなんてわかってたじゃん。
じゃあ、こんなことしなきゃよかった?
いや、それは違うな。
ずっと放置してても同じようになってた。
どうすればよかったんだ?
私にはわからない。
どうすればよかったんだろう。
私にもわからない。
何かがちぎれる音が聞こえた気がした。
大体主人公の一人(二人)ごとで構成されております。