「いくぞ勇儀」
「いつでもかかってきな」
互いに構えを取る
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
だが二人は開始の合図もないはずなのに動こうとしない
なぜなら二人とも相手の攻撃を恐れているからだ 理由は二つある
一つは初めて戦う相手なので情報が少ないから
もう一つはそれにより戦略が練りにくいからである
両者相手の僅かな動きにも注意しつつ自分の間合いを保つ
静寂に包まれる中ここで勇儀が動いた試合前にハンデといっていた杯を置いたのだ
「やっぱあんたとは両手で戦うことにするよ」
「それは本気になってくれるってことでいいのかな?」
「もちろんさね さあ覚悟はいいかい?いくよ!」
勇儀は地面がえぐれるほどの勢いで駆け出す
一瞬で自身の最高速度まで達した勇儀はその勢いのまま拓海に攻撃しにいく
「くっ!さすがは鬼の四天王と呼ばれるだけはあるな」
「あんたもやるじゃないかでもあたしはまだまだ本気じゃないよ!」
勇儀の攻撃はどんどん速さと威力を増していく
アッパー 回し蹴り 右ストレート フェイントからの腹を狙った正拳突き
右から左からましてや上から下から四方八方から飛んでくる勇儀の攻撃は
拳の壁のようで拓海は防御で精一杯で反撃する隙もなくどんどん後退させれていく
「どうしたんだいさっきまでの威勢はどこにいったのさ!ふふそこだよ!」
「なにっ!?ぐっ・・・・・!」
桁違いのパワーそして絶え間なく襲い掛かる攻撃の嵐に
拓海はとうとう防御ごと吹っ飛ばされてしまう
「く・・・そ・・・両腕が折れてやがる 防御したってのになんつう怪力だ」
「おやおやその程度かい 拍子抜けだねぇ」
「舐めんなよまだまだこれからだぜ」
「これは・・・」
拓海は第三の能力で腕を治し呪印を開放する腕や顔に黒き炎の紋章が広がっていく
それを見た勇儀はなにかに対して納得をする
「なるほどそれが吸血鬼を倒した力の正体かい」
「本当はもう一個上だがな まあいいちょっと試させてもらうぞ勇儀」
「ふふ面白いねぇ この状況で私を実験台にするつもりかい?」
「なあにあんたには分からないよ すぐ終わるさ」
「そうかいなら試してみな!」
勇儀は再び拓海との距離を詰め攻撃態勢に入ろうとする
「無駄無駄ァーー!」
「ぐはあっ!? 何も無いところから攻撃された? そんなバカな」
「やっぱり呪印でパワーアップするのは
「なんだいそれは」
「俺の『スタンド』さ といっても同じスタンド使いじゃないと見えないけどね」
「厄介なもん持ってるねぇ ならこれはどうだい奥義『三歩必殺』!」
「なんだ?勇儀が一瞬ブレて見えた」
「まずは第一弾!」
勇儀の周りに動かない弾幕が展開された明らかに触れたらやばいなあれ
さっさと止めた方がよさそうだ
「炎玉『火遁 豪火球』!」
「させないよ! オラァッ!! よし第二段」
マジか呪印強化された豪火球を拳一つで打ち消した ありえねぇ
「なら 双炎『火遁 豪龍火』!」
「一気に二つかい!?こいつは厳しいねぇ でも・・・」
(今のうちにやっとくか 呪印開放・・・)
「ゲホッゲホッ 残念『三歩必殺』完成だ さあくらいな!」
勇儀の周りに配置された高密度の弾幕そして拓海を囲む真っ白な弾ともいえない
不思議な発光体が襲い掛かる
ドゴオォーーーーン!!
爆音とともにたちまち土煙が巻き上がるその煙は勇儀すらも巻き込む
が勇儀は雄叫びをあげ無理やり煙を払う
「い、いない!?」
そこに拓海の姿は無かった いや勇儀は気付けなかったのだ
呪印状態2になり写輪眼で三歩必殺を見切りつつ空へ逃げる拓海を
『はっはっはしてやられてなぁ勇儀』
「その声は萃香かい?どこにいるんだ」
『上を見てみな』
「上? ッ!?」
勇儀は慌てて空を見上げるそこにいたのは腕を組み羽をはばたかせて宙に浮かんでいる
人間とはかけ離れた姿の拓海だった
「やっと気付いたか」
拓海はやれやれと呆れたように首を振り地面に降り立つ
『悪い悪い拓海の持ってる通信機から話しかけてたのさ
にしてもあの技使って倒しきれなくなったとはあんたも随分腕が落ちたねぇ』
「そうかそれが吸血鬼を倒した姿だね?」
「まあ一応な」
「それが本気の力かい?」
「本気っちゃ本気だが切り札はまだ残ってるぜ」
「あははこりゃたまげたね・・・・・そうか参ったよ私の負けだ」
「おいおいそれでいいのかよ勇儀」
「これ以上戦っても私に勝ち目がないって分かったからねそれにあんたと戦えただけでも満足さ」
「ならいいんだけど」
『勇儀あんたさとり妖怪の居場所知ってるだろ拓海に教えてやんなよ』
「?何言ってんだい萃香だって知ってるじゃないか」
「おい萃香一体どういうことだ」
『いや~黙ってたほうが面白そうだったからつい』
萃香は異変が解決できたらおしおきだな
「まあいいやさとり妖怪は『地霊殿』って所にいるよあいつには気を付けないろんな意味で強敵だよ」
やはり紫や霊夢ましてや勇儀からも強敵などと言われるってことは
単に弾幕だけが強いって訳じゃなさそうだな
「それも重々承知のうえさじゃあな勇儀」
「あんたと戦えて楽しかったさね」
「それは俺も同じだ 行ってくるよ」
拓海はフッと笑い状態2のまま萃香が案内する方向へ飛んでいった
「まさか私が人間に負ける日が来るなんてねぇ」
「やっぱりあいつは妬ましいわね」
「パルスィじゃないか見てたのかい」
タイミングを見計らったように岩陰からパルスィが歩いてくる
「ええ勇儀の攻撃が軽々避けられていくのもね」
「うぐっ そ、そういうパルスィはどうなんだあいつと戦ってみて」
「拓海とは戦ってないわ 素直に道を譲ったもの」
「ほお~これは珍しい さては私みたいにボロ負けしたから言いたくないんだろう?」
「何言ってるのよ 鬼は嘘を吐かないはずじゃなかったの?」
「あははそりゃもちろん てことはパルスィは拓海に言いくるめられたのか」
「そうよ でも拓海の言葉には嘘がない一度決めた事はやり遂げてみせる
なぜだか分からないけど話をしててあいつはそういう人間だって信頼できた
そしていつの間にか道案内までしていた自分がいた まったく妬ましいかぎりだわ」
「妬ましいか ふふその通りさね」
「まったくよそんな拓海に特別な感情を抱いている自分もいる
生きてきた中で自分で自分を妬ましいと思った事は初めてだわ 妬ましい」
「はは応援してるよパルスィ」
「それにしても拓海は本当に異変を解決するかしら」
「パルスィなら言わなくても分かるじゃないか」
「・・・・・それもそうね」
お互い顔を合わせクスッと笑い合う
「「上城拓海 ほんと妬ましいわ」」
はいどうも~ベホマラーでございます
VS勇儀姐さんの回となりましたが勇儀姐さんの照れ隠しって可愛いと思うんだ うん
この異変も終盤へ突入します次回もお楽しみに