魔法科高校のアイとま!   作:無淵玄白

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完全にウテナの展開だコレー!!
子安さん演じる冬芽先輩に姫宮を一時は奪われてというかその冬芽先輩はウテナが好きでーーー分かっちゃいた。どっかでスレッタはMS戦で打ちのめされる。とは!

だが……こっから最終回までいけるのか!? 
いやシーズン2で終わりとも限らないが……続編がアドゥレセンスな劇場版とか……ああ、もう目が離せないぜ。ここから赤タヌキがどう『脱皮』ならぬ『脱毛』するかである!!


stage.30『誰もが懊悩する夜』

 

「はー……ひなた荘の泉質には劣るけど、温泉はいいものネー」

 

最初は湯着をまとわず『マッパ』で入ろうとしたリーナを押し留めて、何とか一緒に温泉に入ることが出来た一高一年女子組だが、その言葉の中に聞き慣れない単語を耳にした。

 

「リーナ。ひなた荘って何?」

 

「神奈川にある女子寮よ。浦島家が所有していたひなた温泉旅館を一世紀ぐらい前に、女子寮に改装したのよ」

 

「豪華な女子寮なんですね……」

 

恐らく源泉かけ流しの温泉に入り放題。女子にとっては美容を考えるにいいのかもしれない。

 

「中学生時代は、そこにいるケータにちょくちょく会いに行っていたからネー。ついでに入ってきたケド」

 

「へー……ううん!? 啓太君って『女子寮』に住んでいたの!?」

 

これは明智英美の声と言葉である。その事実に少しだけ女子陣がざわつく。

しかし、リーナは特に何も思っていないようだ。

 

「ソウよ。誤解なく言うと今では、ひなた荘の大半の住人は浦島家の親戚筋だからねー。そういうセクシャルなこともナイでしょ。大体のヒトはケータが未熟な頃にこてんぱんに痛めつけて教育してきたヒトだから」

 

苦笑しながら、そんなことをあっけらかんと宣うリーナ。そういう啓太の『むかし』も彼女は見てきたのだろう。

 

そうして苦手意識を持った『女』ばかりだから、浦島啓太は、『ああなのだ』と気付ける。

 

「そんな男の子なのに……リーナは好きなの?」

「ワタシのフィーリングハートに関しては例え同性であっても語りたくないワ。ただ一言あるならば」

 

―――好きなものは好きだからしょうがない―――

 

それに集約されるのだから……。

 

 

そんな風に女子一同が湯浴みをしている中、森の中……多分、軍の演習場だろう場所に連れてこられた啓太と九郎丸は……。

 

「ふぅん。あのクソジジイの話をしている最中に違和感を覚えたと?」

 

「ああ、お前が何だか掌から出した魔法だか何だかで九島閣下の精神干渉を切り裂いたあとに時間が飛んだような気がしたんだ」

 

「抽象的な表現だな。お前だけが認識できるウラシマ効果だかユークリッド空間、ミンコフスキー時空のズレだかなんて知るかよ。そんなのお前の主観でしかないじゃん」

 

いつもとは違い、理化学的な単語を用いて『んなもの気の所為だ』と言ってくる『浦島啓太』に達也も何も言えなくなる。

 

指差しながら険悪に言ってくる浦島。証明責任は、こちらに委ねられていた。

 

「あのご老人ならば、それぐらいは出来るのでは?なんせ魔法師の界隈ではトリックスターとか言われているぐらいですからね。ウラシマ効果をもたせた催眠干渉(ヒュプノ)ぐらいは可能と見るよ」

 

「……時逆くんも、そういう認識なのか?」

 

「啓太君が何かをやったと証明するならば、ちゃんとした物証を提示するべきだね。ちなみにアレは、神鳴流斬魔術の一つ、『斬魔掌・散』という技で、無手であっても退魔の技を放つ気功術だよ」

 

時逆九郎丸という二高の生徒から説明を受けつつ、じゃあやっぱりアレは老師の魔法だったのか? と納得してしまう。

 

「君たちが言うところの『術式解体』の散弾バージョンとでも捉えてくれれば結構だね。まぁ空間に対するディスペル・マジックなんてあるところにはあるものだけど」

 

その言葉で……この女と見間違いそうな少年も魔法使いなのだと気付くが……。

 

「そして僕は啓太君の擁護をするためだけに、ここに来たわけじゃない―――」

 

言いながら持ってきた鍔なく白木の柄の野太刀を引き抜く九郎丸の姿。

剣呑な空気が張り詰める―――。

 

「九郎丸。どうしたんだ?」

「すまない啓太君、僕には故郷・桃源から託された使命があるんだ……一つは青山宗家との繋がりを持つこと」

 

流石にその空気を察したのか浦島が時逆に聞く様子だ。

 

深刻な表情でうつむき気味になりながら時逆は更に言う。

 

「魔法世界の桃源神鳴流の中でも僕は『不死狩り』という退魔の一族でね。自然の摂理に還らざるもの、俗世において混乱を招く存在を還すべく派遣されたんだ―――この『地球』にね」

 

その言葉で達也は様々なものを察した。この少年の目的とは―――。

 

「魔法師界における十師族の一つ、四葉家が生み出した改造魔法師『四葉達也』―――お前こそがヨルダ・バオトの器として最適すぎる災厄だ。ここで殺させてもらう」

 

そのあからさますぎる『プライバシー』と『機密』の暴露を前に、達也は一も二もなくこの場にいる2人を抹殺することを決めた。

 

CADを持ってきたことで放たれる魔法は一切の手加減がない分解魔法を放とうとしたのだが。

 

「―――なっ」

 

その目が見た事実。それは、ここにいる2人の構成情報は……巨大すぎたということだ。

 

しかし、その事実に驚いたことは完全に隙でしかなく、その間に踏み込んだ九郎丸の斬撃が、達也の手を斬り上げていた。

 

なんたる早業。CADを持っていた方を斬り捨てられたことは驚愕だが。それでももう一方の手をCADに―――と思った瞬間、平衡感覚がぐらつく。

 

身体が(かし)いだのである。

 

(まさか手首を斬った瞬間に、足にも斬撃を放っていたのか!?)

 

遅れて覚えた痛み。その原因を知った後には、バックステップ。だが、九郎丸は一直線に向かってくる。

 

「ちぃっ!!!」

 

コレ以上の接近を嫌って一直線の蹴りを放つ。どうやらまだ斬られた方の足は繋がっているようで、何とか踏ん張れたが―――。

 

その蹴りは虚空を斬った。

 

(時逆は一直線に突き進んでいるようで、左右にブレていたのか!?)

 

目測を見誤った原因を突き止めたが、その時には、蹴りを避けたことで刀を振るえる位置ではないからか時逆の体当たりを横から受けて地面に身を投げてしまった。

この状態で何かを出来るわけもなく……おまけに『再生』がさっきから発動できていないのだ。

 

流れ出る血の量を何とかしようとしてもどうにも出来ない。

 

「君には何の恨みもない。同時に何の感情も抱けない―――だから、殺すことに何も感じなくて良さそうだよ」

 

その冷酷な目を見上げながら、月光に照り光る剣―――何かのオーラが纏われたものが、自分の心臓を貫こうとした時に……!

 

剣を受け止める金属音が響く。

 

「―――何故止める啓太君?」

「まぁ色々とあるが、とりあえずこの場で刃傷沙汰はやめとけや。思わず呆気に取られて介入する隙間が無かったんだが」

 

殺人の刃を受け止めたのは、黒い太刀を手にした浦島であった。

 

「浦島……俺を守るというのか?……」

「俺に守れるものならばな」

 

後ろから掛けられた声に返しながらも、鍔迫り合うチカラは緩めない。

 

「退いてくれよ!啓太君!!! ソイツを殺せない!!」

「そいつは聞けない相談だわな。たとえコイツが将来的にはヨルダの器になるとしたとしても、今はただの四葉の改造魔法師(非人間)でしかないからな!」

 

達也からすれば全くもって守られている気がしないやり取りの末に、一度だけ弾けるようにして離れてから構えを取る2人の剣士。

 

そして、相対し合う剣士に多くの言葉はいらず……戦いは始まる。

 

同門対決……というには術理は少しだけ違う門派の違いを感じる剣戟の連続である。

 

それを脇から―――いや、もはや遠くから見ている形になった達也は、これがマギステル及び神鳴流剣士など『先』に到達したものたちのチカラなのかと恐れおののく。

 

奥義に次ぐ奥義だろう技の連続、時に周囲にある木々を隠れ身に、その隠れ身ごと切り裂き、高速であちこちに移動しながら剣戟を放つ。

 

更にその攻防で出来上がった丸太を切っ先に突き刺して相手に対して突きを向ければ、その丸太を境に高速の突きの応酬。

 

お互いの剣を使って鉋で削られたように剥き裂かれていく丸太。

それがついに無くなると、切っ先どうしがぶつかり合う。

 

丸太の中で必殺がぶつかり合っていた証拠だ。

 

そして力は互角……に見えて途端に接触を嫌って飛び退くは時逆九郎丸である。

 

「神鳴流奥義―――拡散・斬空閃!!!」

 

その隙を狙った飛び道具系の斬撃。拡散したにしては、太すぎるその斬撃を前に九郎丸は逃げに徹する―――ように見えて飛び上がった。

 

「神鳴流奥義―――雷鳴剣!!」

 

時逆は飛び上がり浦島の頭に突き刺さんとする電撃纏う振り下ろし。

 

「我流奥義―――黒雛斬魔剣!!」

 

受けて立つように黒い剣を巨大化させたように見える気の迸りで受け止める浦島。

 

『いまです!マスター!! 一発いっちゃって!!』

 

打ち勝ったのは浦島の方であり、吹き飛ばされる時逆。

 

「神鳴流奥義―――黒刀斬岩剣!!!」

『七連!!』

 

そこを狙って上段から振り下ろされた剣が、七つ。

木々が両断されて下の草葉がありったけ吹き飛ぶ高速の連続斬撃を前に、時逆は―――。

 

「……ワザと外したのかい?」

 

―――五体満足であった。後ろにばかり被害が生じつつも、地面に身を投げ出した時坂九郎丸を見下ろしながら口を開くは浦島啓太である。

 

「こんなところで全力で戦うわけがない。そして、こっちばっかり『良い得物』で戦って五分の勝負じゃないだろ?」

 

「……だけど、僕は……」

 

「とりあえず今は俺の勝ちだ。この場は剣を収めてもらうぞ時逆」

 

苦悩する時逆の後ろにある朽木の列が先程の七連続斬撃の威力を悟らせていた。

だが、それとは別にこの戦いの結末はどうするというのか……。

 

俯く時逆九郎丸。事態を見守っていた司波達也。

 

そして……勝利したともいえる浦島啓太。

 

どのような裁定が下るのか……と待っていた時に。

 

「―――では司波深夜の息子。私の生徒を一時的に預けるぞ。お師匠」

 

「アンタもずいぶんと過保護だねぇ。まぁそれは性分でしかないから仕方ないとしても……深夜、はるかの両方の息子と出会うとは、これもまた運命なのかねぇ」

 

森の奥の方から『デラックス』な存在を連れて雪姫先生がやってきた。その一歩ごとに達也は何故か周囲にある『イデア』全てが圧迫されるような感覚を覚えた。

 

だが、デラックスな存在は懐かしむように、そんな感想を言いつつも……。

 

「そっちのニューカマーな剣士もどうやら、少々性根を鍛え直してやる必要がありそうだね。ちょうどいい連れて行くよ」

 

「マスター・『ダーナ』ちなみに俺は?」

 

「アンタも来るんだよ啓太。異論はないだろうね?」

 

ねっとりとした視線で言ってきたデラックスな存在に、退路を断たれつつも『先達』として教えにゃならんことがあるかと思って2人の愚か者たちをあっさりと気絶・拘束した狭間の魔女に着いていく形で一時的に富士の地から消えるのであった……。

 

当然、この事態をモニターしようとして出来ず、混乱の極みに陥る国防軍の将兵の皆さんの苦労は計り知れなかったりしたのだが……。

 

 

翌朝。朝食時に集まった一高面子。集合した食堂はかなり広く、各々で集まって食べれるのはいいことであった。

 

「お兄様? 何だかお疲れのようですが、どうなさったんですか?」

 

「……いや、深雪が気にするほどのことじゃないさ。少しCADの調整に熱が入っただけさ」

 

「そうなんですか……」

 

信じきれていない。信じてもらえないことに、少しだけショックを受けつつも昨夜の『狭間』でのことは馬鹿正直に言うことは出来ないのだ。

 

そして、現在の自分が少しばかり欠けていることは悟られてはいけないのだ。

 

(くそっ……『眼』を封じられることが、ここまで不便だったとは……)

 

だが、あの『魔女』を倒すことは出来ない。

 

そんな苦悩に陥っている司波達也の真実を知っている人間は……。

 

「今日は開会式を終えればすぐさまファーストゲームに入るわけだが……」

 

「ケータはボードとピラーズに出るんだから、とりあえずボードは見ておかなきゃマズくない?」

 

「俺を指導したの渡辺委員長なんだけど?」

 

「安心してるの、アナタにそういうセクシャルな視線は無理でしょ」

 

「昨日は京都神鳴流剣士との立ち会いに魔女の強烈な特訓2回も付き合わされた……溜まったものがありすぎる」

 

その言葉を聞いた瞬間、これぞ天啓と言わんばかりに顔を明るくして対面に座る金髪美少女は……。

 

「そ、それじゃ試合観戦をブッチしてホテルにでも行く? 本契約でも結んじゃう(Connect)?」

 

「そんな理由で一緒にいるわけじゃないんだが」

 

巫山戯るなというのも憚られるアンジェリーナの真剣な様子に、少しだけ戸惑っていると……。

 

「お前ら今は朝だぞ。もう少し節操を弁えた会話をしておけ」

 

三巨頭の内の一人である十文字克人がモーニングセットを乗せたトレイを持ちながらこちらに言ってきた。

 

「おや、随分と遅い朝食ですね。おはようございます会頭」

 

「ああ、おはよう。……昨夜、この近辺で強烈な魔力の波動が放射されたのでな。何事かと思いながら寝付きが遅かったんだよ」

 

大きな地震で不意に起きて怖くて寝れなかったみたいなことを言われると、図体がデカイ割には小心すぎやせんかと思ってしまう。

 

とはいえ事情聴取のようなものだと分かった後には、素直に答えておくことに。

 

「昨晩、少々厄介事が発生しまして、まぁ万事解決しました」

 

「本当か?」

 

「本当です。ただその際にペナルティを受けたのが2人ほどいるわけですが」

 

その事は多分に蛇足である。そもそも四葉達也の眼そのものは、『抑えられた』程度なので問題はないはずだ。

 

問題は九郎丸の方であったりするのだが……。

 

「お前は秘密主義すぎる。それが『正しい』意味での『異能力者』(目覚めた人間)のスタンスなのだとしても、同じような俺達にぐらいは詳らかに出来ないのか?」

 

「知ってしまえば、あなた方は否応なく巻き込まれる。今まで以上に惨たらしく悍ましいステージにね」

 

何故、そこまで知りたがるのか? 結局の所、危難が訪れた時に自分たちが率先して前に出なければならないと分かっているからなのだろうが、それでも……。

 

「まぁとにかく今は九校戦に集中してくださいよ。雑事は後輩である俺らに押し付けて、ね」

 

「―――むぅ……」

 

その言葉は大いに正しすぎて克人もこれ以上は言えずシロップクロワッサンを食べながら、呑み込むのであった。

 

(何も起こらなきゃいいんだが、『何か』は起こるよな)

 

高速道路での一件。

渡されたメモリーデバイス。

それを元に「XXX」(エックス)がネットワークの海から拾い上げてきた『計画書』……。

 

俺とて積極的に人死にを出したいわけではない。だが、どこぞの『名探偵の孫』(のちにはPR企業の主任)のように厄介な事件に巻き込まれたくはないのだ。

 

その想いを内心で吐き出すは男……。

 

(俺は…俺は……!! もう魔道事件(マギ・ミステル)に巻き込まれたくないんだあああ〜〜〜〜〜!!!)

 

(……などと往年のIQ180の名探偵のごとく嘆いているのが手にとるようにワカルワ(Understanding)

 

その想いを内心でのみ察する女……。

 

各々で色んな想いを胸にした朝食ののち『開会式』

 

そうして……九校戦は開幕するのであった。

 

 

 

 

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