100万の命の上に俺は立っている 最初のプレイヤーがもし違う人だったら 作:キラトマト
「つーこった。このクソゲーをあと11回やらねぇと解放されぇってわけ、しかも強制的に」
「は? なにそれ……」
ルール説明をされ、魔術師(風)という職業になった衣宇は魔法を発動させるが、魔法の杖の先から出てきたのは少し髪をなびかせる程度の弱風。
「はぁーっ!? 全っ然使えねぇじゃねぇかお前!」
「なんなんですか貴方は! 昨日助けてくれたと思ったらホテル代せびってきてさ、本当に読めないんだけど! なんなのあなた!」
「あぁ〜、そっかまだ自己紹介がまだだったな。俺は坂田銀時、職業は万事屋でーす」
「ちょっと軽いわね……私は新堂衣宇、さっきのでわかったと思うけど職業は魔術師(風)です。もしかして……年上ですか?」
「あぁ、てめぇみたいなガキに発情するような歳じゃねぇよ」
「は、はつじょ……」
「まぁ、まだまだケツの青いガキってこと」
「てか、なんであなたもこのゲームに参加させられてる訳?」
「いや、それはわかんねぇ。昨日急に参加させられた。最近流行りの異世界転生かと思ったが……ま、今のお前と一緒だ。んじゃ、とっととクエスト終わらせんぞ」
「え、終わらせるって、まさかゴブリンって怪物を倒すっていうの」
「あぁ、そうしねぇとこっから出れねぇからな。テメェは質問でも考えとけ!」
銀時はそう言うと洞爺湖を持ち、ゴブリンを一掃した……が、一匹取り逃してしまう。
「まぁいっか、これでクエスト終了だ。あの変態男が出てくるから覚悟しとけよー」
「え、はぁちょま……」
「貴方には質問権がございま」
「えーっとじゃあ……」
「あ、俺はお前は誰って聞いたから、その質問はなしな」
「りょーかい。えっと……じゃあそこの銀髪の銀さんとあなた達の関係ってなに?」
「坂田銀時様と私"たち"には一切関係はございま。では回答を終えま」
またもやブツ切りのまま意識が現実世界へと戻ってきた銀時。
「ったく……こうも立て続けにクソゲーやらされると精神崩壊しちまうだろうがよぉ」
翌日、またもや彼らはクエストに参加させられた。
「ったく、次はなんだ?」
「紅末!? 嘘でしょ!?」
「おいおい知り合いか? 俺だけいねーじゃねぇか」
「ちょっと銀さんは黙ってて!」
「あの……衣宇ちゃん、これ何?」
「あー……とりあえず今から頭半分の変態が出てきてそいつがルール説明してくれるからよく聞いてて!」
「え……あ……うん」
頭半分の男が現れまたもやルールを説明し、箱崎紅末の職業は戦士(剣)に決定した。
(衣宇ちゃんってゲーム好きだったんだ……?)と紅末が思っていると銀時が言った。
「あのー……勘違いしてるとこ悪いけど、これゲームじゃねぇっぽいぜ」
「わ!? だ、誰この人衣宇ちゃん」
「えっと……なんて言ったらいいかわかんないんだけど……まぁ恩人かな……」
「恩人って……あの件で借りはなしってことじゃねぇのか?」
「あの件って?」
「ホテルのことだろ? 忘れたの────」
「あーなし!! 今のなし! ちょっと銀さんそれ勘違いされちゃうから!!」
「勘違いって……俺たち勘違いされるようなことしてねぇだろ?」
「いやその言い方がまずいんだってば!」
「まぁ、つまりはだ。とりあえず頑張って目標をクリアしようってこった」
「いやまとめになってないし! ……でもまぁそういうこと紅末。これをあと……10回クリアしないとこれからは解放されないの」
「そゆこと。んで今回のクエストが〜、なんだっけ? あぁそうだそうだ集落を2つ見つけるだっけか」
「え……それ結構難しくない?」
「まぁ期限はねぇし、気長にやろうや」
「え……そしたら元の世界はどうなるんですか?」
「多分大丈夫じゃないかな? 前の時も飛ばされた時間に戻ってたからさ」
「なんとも都合のいいシステムだな。つーかこれってなんのために呼び出されてるんだ一体?」
「あ、あのぉ! 」
「ん? なんだ新入り」
「箱崎紅末です……あの……私あまり運動は得意ではないのですが……」
「心配ねぇよ。こっちの世界のステータスはある程度向こうにも反映されるみてぇだからな。こっちは痛覚もある程度抑えられてるし、いい機会だ、鍛えてみたらどうだ?」
「鍛えるって……紅末は体が弱いんだよ?」
「だぁから、そうやって甘やかすことだけがコイツのためってわけじゃねぇんだぞ」
「それは……そう、だけど……」
「んじゃ〜、後は任せた〜」
「ちょっと銀さん! あなたも一緒に探すんですよ!」
「あぁ? めんどいんだよそういうクエスト。モ〇ハンだって小型とか卵運搬とかぜってぇしねぇし〜」
「なんの話よ!! もう! こんなのほっといて先行くよ!」
「え、いいの衣宇ちゃん……?」
「いいの! ほら! どうせ集落を見つけるだけなんだしさ! ほら行くよ!」
「え、あ……うん」
二人が銀時を放って森の茂みに消えていった直後、二人の悲鳴がこだまする。
「……!」
草原に寝転がっていた銀時はその悲鳴を聞き即座に立ち上がり、声の元に急ぐ。
「ぎ、銀さん……?」
「坂田さん……」
「いやただ転んだだけかいぃぃぃいいいいい!!」
「え、……」
衣宇は少し考え言った。
「もしかして私たちの事心配してたの〜?」
「んなんじゃねぇよ。……ただ、守れるもん守れねぇと侍の名が廃る、それだけだ」
「侍……」
「ま、俺の場合名乗った覚えはねぇし、自称だがな」
「あの……坂田さん、侍って……あの侍ですか?」
「ん? あぁそうだけど?」
「ってか、案外いいとこあるんですね銀さん」
「なんだよ案外って」
「と、とにかく集落を探した方がいいのでは……?」
「あ、そうだったそうだった。ほら銀さんも行くよ。いつ襲ってくるかわかんないんだからさ」
「だから俺はテメェらみてぇなガキには欲情しないっつってんだろ」
「そうじゃなくって! モンスターだよモンスター!」
そうこうしてようやく集落を二つ発見した銀時一行は、例の謎の空間に飛ばされる。
「質問をどうぞ」
「じゃあ……なんで私たちが選ばれたんですか?」
「それはあなた方のとある知人の依頼からでございま」
(未来人の知人? そういや銀魂終わる終わる詐欺のときにそんなのいたような……ってあれは俺が未来に行ったんだっけか)
「では質問を終わりま。次の周回まで楽しみにお待ちくだ」
「何が楽しみだ────」
そこでまたブツっと切れ、転送される前の場所に戻ってきてしなった。