面倒くさいので、取り敢えず寝る ~IS編ifストーリー~   作:とんこつラーメン

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今作は最初から百合ハーレム全開でお送りします。

ロランたちとは学園で知り合い、IS学園に対する考えで共感した者同士と言う感じです。
なので、やっている事自体は前と殆ど変わっていません。
ただ、舞台がIS学園に変わっただけで。






面倒くさいので、取り敢えず起きる

 私、相良加奈は転生者である。

 諸事情により、私は今『IS学園』という牢獄に幽閉されているのだが、そんな場所で馬鹿正直に授業を受けるような真面目ちゃんじゃないので、今は絶賛自室のベッドに寝転びながらのサボリ中である。

 と言っても、今日は別に何処で何をしていても問題は無いんだけど。

 

「アァ~ルゥ~…今何時~…?」

『現在の時刻は午前10時25分39秒です』

「正確ぅ~…」

 

 道理でカーテンの隙間から差し込む光が眩しい筈だ。

 もう既に朝を通り越して昼になろうとしているんだから。

 

「んぅ~…ロラァ~ン…」

「どうしたんだい? 私の可愛いプリンセス」

 

 昨夜から一緒のベッドで寝ていた『彼女』に声を掛ける。

 早朝までずっと起きていたのに元気なのはこれいかに。

 因みに、私達の格好は見事なまでの『真っ裸』だ。

 大きめのシーツの下には、生まれたままの状態の私達の裸体が隠れている。

 女の子同士が裸でベッドの上でする事と言ったら一つだけ。

 それが何なのかは皆のご想像にお任せする。

 

「ふわぁ~…むにゃむにゃ…。そういや、今日は何かイベントがあったような気がする…なんだっけ…?」

『今日は『学年別トーナメント』が開催される日です。軍曹殿』

「あー…そーいや、もうそんなのがある時期だったっけ? どうでもいいけど」

「同感だ。イベントは大切だが、だからと言って道化になるつもりはない」

 

 流石は私のロラン。何も言わなくても言いたい事を言ってくれる。

 そこに痺れる。憧れるぅ~。

 

「ロランって一応、オランダの代表候補生じゃなかったっけ? そんな発言はOKなわけ?」

「問題は無いさ。国から送られてきている『エージェント』も私の考えには賛同しているし、それは上の方も同じ」

「ふーん…何か意外かも」

「これまでにも何人かオランダから学園に来た生徒達がいるんだが、そのいずれもが私と同じような感想を述べていたらしい。だから、オランダ政府の方もIS学園にはそこまで過度な期待はしていないのさ」

「じゃあ、どうしてロランは学園に入学してるの?」

「それは……」

 

 いきなり顔を近づけてきてからの不意打ちキス。

 突然すぎて一瞬だけ頭が真っ白になりました。

 

「加奈という掛け替えのない存在と共にいる為さ」

「……バカ」

 

 そーゆーの…ほんとズルいよ…。

 

「しかし…他の候補生達はヤバいだろうね」

「あぁー…ウチのクラスの縦ロールと、二組のツインテールね。敢えて名前は言わないけど」

「どうやら、エージェント同士で密かに接触をしているらしいのだが、イギリスと中国のエージェントはかなり呆れ返っているらしい。特にイギリスの方は」

「あの子はねー…色んな意味でもう手遅れな気がするんだよねー」

 

 皆の前で堂々とアンチ日本&アンチ男性発言をした挙句、素人に辛勝。

 しかも、その相手に惚れて、全く謝罪とかしないまま何食わぬ顔で普通にクラスに居座っている。

 いやいやいや…何よ。その神経の図太さは。

 普通に考えて、まずは誠心誠意謝れよ。

 まずはそこからだろうが。

 集団生活をするうえで最も大切な事の一つをやろうとする気配すらないってマジで常識を疑うわってレベルなんですけど。

 お前は一体親から何を学んで生きてきたんですか?

 

『どうやら、彼女の言動にはブルー・ティアーズもほとほと困っている様子です』

「そういや、アルって他のISと話が出来るんだっけ」

『はい。軍曹殿達が寝ている時などは暇なので、よくコアネットワークに接続をして会話を楽しんでいます』

「フフ…アルもまた加奈と同じぐらいに顔が広いんだね」

『ロランには負けますとも』

 

 因みに、この『アル』ってのは、私の専用機搭載の人工知能。

 大切な相棒であり、色んな意味での親代わりでもある。

 待機形態は左目の義眼。

 

「もう一回戦ぐらいは始まってる感じ?」

『いえ。今は開会式をやっています。トーナメント第一試合はその後ですね』

「組み合わせは確か……」

『一年一組の織斑一夏と、一年二組の凰鈴音です』

 

 なんとーかさー…事の結末を知ってるとガチで何の感情も出てこないね。

 あれでしょ? ワンサマーが御都合主義の主人公力を無駄に発揮して、互角に試合を展開していたら、どこぞの『天災兎』が作った無人機くんが乱入して来て試合はご破算。

 その後は二人で協力して無人機に立ち向かう…的な?

 

「二組の代表は…確か乱の従姉妹だったか?」

『はい。凰鈴音は乱とは親戚関係にあります』

「当人は、学園に来てからの変わりように愛想を尽かしてたけどね」

「けど、その代わりに加奈と出会えて良かったとも言っていたよ」

「ふーん……」

 

 あの子…従姉妹とは違って感情表現がストレートだからなぁ~…。

 

『照れているのですか? 軍曹殿』

「うっちゃい」

「ははは……」

 

 まさか、アルにこんな事を言われる日が来るとは。

 流石はあの『糞親』手製の最高傑作。

 初めて出逢ってからもう10年以上の時間が経過しているのに、未だに成長を続けているみたい。

 私が大人になる頃には、もうその辺の人間と大差ないようになっているのでは?

 

「ところで、乱ちゃんとヴィシュヌ、マドカはどうしてるの?」

『暇だからトーナメントを見に行くと、プライベートチャンネルで私に言っていました。なので、今頃は会場にいるのでは?』

「あの子達も物好きだねぇ~」

『当人達も『どうせ、特に学ぶものなんて無い』と言っていました。本当に暇潰しなんでしょう』

 

 そりゃそうだ。

 一人は未だに自分の置かれた状況すら碌に理解出来ていない馬鹿。

 もう一人は、恋に耄碌した挙句に候補生としての地位を利用して学園に来た馬鹿。

 しかも、アルの情報では学園に来る際に政府の人間を暴力で脅したらしい。

 割と普通に下種の極みなんですが。

 

「ってことは、スコールさんとオータムさんも会場にいるのかな。一応は教員だし」

「フッ…どこぞの『元世界最強さん』なんかよりは遥かに頼りになるからね」

「わぁ~お。辛辣ぅ~」

「事実を述べただけさ。容姿は悪くないが、彼女の場合は本当にそれだけだからね。それは、先ほど言った候補生二名も該当するが」

「見た目だけ…ねぇ~…」

 

 どれだけ美少女でも、中身が駄目じゃ意味無いよねー。

 ぶっちゃけ、ある意味では原作主人公君には激しく同情する。

 これからの人生を少しでも良くする為にも、一刻も早くあの女どもとは縁を切った方が良いと思う。

 じゃないと、いつか本当に学園内で殺人事件が起きちゃうぞ。

 

「ロランとアルは、今の学園に私達以外でマシだって思える人間がいると思う?」

「そうだなぁ…一組の副担任である『山田先生』は、まだ辛うじて救いようがあると思うよ。普段の様子を見る限りでは、彼女もまた学園の在り方に少なからず疑問を感じている様子だしね」

 

 山田先生ねぇ~…。

 私的にはあの人も『織斑側』に属していると思ってるんだけど、ロランが言うんならまだギリギリのラインにいるのかもしれない。

 きっと、あの人が『織斑側』になるのは、フランスとドイツからあいつ等がやって来てからになるんだろう。

 

『個人的見解を述べさせていただくのならば、一年四組の『更識簪』と、その友人である一年一組の『布仏本音』辺りが妥当かと』

「AIなのに個人的見解とはこれいかに」

 

 まぁ…別にいいけどね。

 

「アルは彼女達の事を知っているのかい?」

『流石に直接見たわけではありませんが、彼女の専用機とも話をする機会があるので、その時に』

「そっか。あの子も確か日本の代表候補生だったっけ」

 

 この時点じゃまだ織斑一夏とは接触してない…っていうか、寧ろ憎しみすら抱いている筈じゃ?

 自分の大切な専用機の開発を潰されたんだから無理も無いけど。

 

『自身のISの開発に躍起になっているせいか、いい意味で学園の空気に汚染されていないようです。それどころか、どうやらクラスでも浮いた存在になっている様子です』

「それを見て見ぬふりしている教師も教師だな。それとも、本当に気が付いていないのかな?」

「この学園の教師ならば、そっちの線も十分に有り得るだろうね」

「「はぁ~…」」

 

 二人揃っての盛大な溜息。

 文字通り『息が合った』ことが少しだけ嬉しかったり。

 

『彼女の親友である『布仏本音』も、意外と強かな性格をしているようで。一組にいながらも器用に過ごしているようです。中々に感服します』

「あーゆー子が、ゾンビ映画とかだと最後まで生き残ったりするんだよね」

「人は見た目に寄らないとはよく言ったものだね」

 

 それに関しては凄く同感。

 同じクラスだけど、私から見てもタダ者じゃない感じが全身から出てる。

 伊達に暗部の家系じゃないって事か。

 

「そういえば、更識簪と布仏本音にはそれぞれ姉がいたと記憶しているが?」

『その通りです。よく御存じですねロラン』

「学園に来た時に、全ての生徒のプロフィールは調べ尽くしたからね」

「ロランはどこの特殊工作員だっつーの」

「加奈の事を守る為にやって来た、君だけの特殊工作員さ」

「キャー♡」

 

 …こんな恥ずかしい台詞を聞いても何にも思わなくなってきている辺り、私って割と冗談抜きでロランに惚れてるんだなぁ~って実感する。

 本人の前じゃ絶対に言わないけど。

 もしも言ったら、それこそ一日中ずっとHする羽目になると思う。

 …私的には大歓迎だけど。

 

『今日も今日とて仲が良いようで安心します』

「フッ…それ程でもないさ」

「それ、ロランが言っちゃうんだ」

 

 似合ってるからいいけどね。

 祖国で歌劇をやっていたせいか、ロランは本当にどんなセリフも似合う。

 この才能だけは本当に羨ましい。

 戦うこそしか能が無い私とは大違いだ。

 

『話が逸れましたが、二人の姉とは生徒会長の『更識楯無』と、その補佐をやっている『布仏虚』ですね』

「生徒会長は自由国籍を取得してロシア代表をやっているらしいよ」

「自分から故郷を捨てるとか、何を考えているのやら」

『恐らくは、ISが主体となっている現在の国際事情を鑑みた結果、自由国籍を取得したのでは?』

「アル。他に候補生や代表で自由国籍を取っている人間っているの?」

『いえ。今のところは更識楯無一人のみです』

「自由国籍って言えば聞こえはいいけどさ、代表を辞めた後とか、万が一にでもISが廃止された場合とかの状況を少しでも考えたのかな?」

「考えては…いない可能性が高いね。そもそも、自分の両親とは別の国の人間になるなんて考えたくも無い」

 

 自分を生んで、育ててくれた親の出身国を捨て、別の国の人間になる。

 それを聞かされた時、彼女の両親はどんな顔をしたんだろうね。

 少なくとも、良い顔はしてなかったに違いない。

 

「遠い将来、自分が死んでも日本式の墓には入れないだろうね。だってもう彼女は日本人じゃないんだから。最悪、ロシアに墓を立てられる可能性だってある」

 

 昔ならば多少の事は許されたかもしれないけど、今じゃかなり難しいだろう。

 ISと言う存在が生まれた事で、国際情勢は昔以上に厳しくなってきたから。

 

「本来、自由国籍なんてのはあくまでも形だけの制度だった。委員会の連中も、まさか本当に使う人間が出てくるなんて予想もしていなかったに違いないよ」

『更識楯無の専用機『ミステリアス・レイディ』の話によると、どうやら彼女は仕方がない事情で自由国籍を取得したのではなく、自らの意志で取ったようです。その際も両親や妹に嬉々とした様子で話していたとか』

「「呆れる」」

 

 何を思ったかは知らないし、知りたくも無いけど、自分から喜んで故郷を捨てられる女が生徒会長を務めているって時点で、IS学園が恐ろしく業深い場所だって分かる。

 そんな場所にまだいる私も私だけどね。

 ロランたちのような『大切な人達』がいなかったら、とっくの昔に学園を出てるよ。

 例え、その様子を『クソ両親』に一部始終見られていたとしてもね。

 

「布仏虚の方はどうなの?」

『彼女の方は絶対に大丈夫であると断言できます』

「アルが断言? それはまたどうして?」

『布仏虚がロシア政府から依頼された更識楯無の監視役…つまりはエージェントだからです』

「獅子身中の虫…か。哀れだね」

『どうやら、更識楯無と布仏虚は所謂『幼馴染』という間柄のようです。まさか、その幼馴染が自分の行動を見張ってロシアに報告しているとは夢にも思っていないでしょうね』

「哀れと言うか、何と言うか…」

 

 そう考えると、生徒会長も相当な道化だよね。

 もしかして、IS学園閉校へのカウントダウン開始してる?

 

「なーんか、長々と話してたら喉が渇いちゃった。ロランは何か飲むー?」

「ミネラルウォーターで頼むよ」

「はーい。じゃ、私はポカリにでもするかねー」

 

 つーわけで、ベッドから出てキッチンへとゴー。

 まだ服は着てないので裸だけど、部屋にいるには私達だけだから問題無いよね。

 

『軍曹殿。せめて下着ぐらいは着用してください』

「何を言ってるの。裸こそが我々人間の本来あるべき姿だよ? それに、服を着たままのプレイは好みじゃないんだよねー。汗とかで服がべたつくから」

『それはそれ。これはこれです』

 

 うわーん。またアルの小言が始まったよー。

 いつもの事だから全然平気だけど。

 

「そういや、もうとっくに試合は始まってるの?」

『話を逸らさないでください』

「いいから、いいから」

 

 ベットの上で半身だけを起こしているロランの元にコップを持って行きながらアルに尋ねる。

 アルは世界中の様々なネットワークとかに軽々と潜入が可能で、その気になればあるにハッキング出来ないものはない。

 学園に来た直後から、アルは学園内の全てのカメラを見れるようにしてあるので、各アリーナの様子なんて見放題だったりする。

 うーん、最強の情報源。

 

『試合があるのは第2アリーナでしたね。えっと……おや?』

「どうしたんだい?」

『これは…またとんでもないことが起きていますね』

 

 お? 遂に無人機ことゴーレムがやってきたか。

 さてはて、どんな風に頑張るのか見ものだな。

 その前に、ちゃんと乱ちゃん達に逃げるように言わないといけないね。

 あの子達の場合、私達が何か言う前に避難している可能性もあるけど。

 

「なんかあった?」

『…正体不明のISがアリーナに乱入しています』

「それって、全身が真っ黒で…」

『いえ。残念ですが全く違います』

「へ?」

 

 ち…違う? マジで?

 じゃあ、一体何がやって来たと?

 

『全身が白銀に染まり、頭頂部からは毛髪のような放熱索らしき物が設けられています』

「銀色の…IS…?」

 

 何よそれ…そんなの、本気で知らないんだけど?

 え? なんかおかしくなってる?

 

『正体は不明ですが、その形状からロシア製第三世代型IS『シャドウ』がベース機となっていると推測できます』

「改造機…ということか…」

 

 これは…一体どうなってる?

 私という『イレギュラー』がいる影響なの…?

 

 

 

 

 

 

 




次回、加奈…というか、アーバレストのライバル機が登場…?



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