面倒くさいので、取り敢えず寝る ~IS編ifストーリー~   作:とんこつラーメン

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面倒くさいので、取り敢えず癒される

「ふぅ~…買った買った」

 

 流石はレゾナンスの水着売り場。

 どれもこれもが中々に良い水着だったけど、まさかネットで大いにバズってた最新の水着を、もう入荷していたとは…。

 最初に見た時は『これいいなー』って思っていたけど、本当に買えるとは思わなかった。

 世の中、意外と捨てたもんじゃないかも。

 

「おや…加奈?」

「あ…ロラン」

 

 私とほぼ同じタイミングで、ロランも店から出てきた。

 その手には、これまた私と同じ紙袋が。

 

「ロランも、もう買い終わった感じ?」

「まぁね。その様子だと、加奈も買い物を終えたようだね」

「うん。予想外の代物があったから、久し振りに衝動買いをしちゃったよ」

 

 普段は、もっと色々と考えて物を買うように心掛けてるんだけど、今回は珍しく何も考えずに買ってしまった。

 水着を手に取って、気が付いた時にはもう私はレジの前に立っていた。

 

「まだ私達だけみたいだね」

「もう少ししたら、皆もすぐにやって来るだろうね」

「そっか…」

 

 ほんの少しの間だけの二人きり…か。

 なんかロマンチック…かも?

 

「なんか飲み物でも買って来ようか?」

「いや、それなら私が…」

 

 このパターンは…あれですな。

 お互いに金を出すと言い合って、結局は割り勘になるやつ。

 

「おぉ! もう外にいたのか! 流石は俺の嫁である加奈!」

「「ちっ…!」」

「なんか物凄く露骨な舌打ちをされたッ!?」

 

 天才なら空気ぐらい読めよな…馬鹿レナード。

 微塵も躊躇いなく割り込んできやがって。

 

「罰として、私とロランの二人にジュースを奢って」

「何の罰っ!?」

「私達の時間の邪魔をした罰だよ」

「うぐ…了解した…。加奈の為ならば、いかなる罰も喜んで受けよう…」

 

 ここで文句を言わないのがレナードのいいところだよな。

 私のこと限定ではあるけど。

 

「加奈さーん!」

「今、戻りましたー」

「ん? ロランとレナードも一緒か」

 

 乱ちゃんとヴィシュヌ、マドカも戻ってきた。

 これで後は…。

 

「お姉ちゃん。私達が三番目みたい」

「思ったよりも迷っちゃったものね」

 

 玉芳と玉蘭の二人も無事にご帰還…っと。

 そうなると、次は必然的に…。

 

「あれ? もしかして、私達が最後?」

「待たせちゃってごめんね~」

「だいじょーぶ。気にしないで。皆、ほぼ同じタイミングで戻ってきたから」

 

 簪と本音ちゃんだよね。

 これで全員戻ってきたかな。

 

「というわけでレナード。追加で他の皆の分のジュースもよろ」

「なんだとっ!? くっ…仕方あるまい…! 加奈の為ならば…!」

 

 ま…流石にちょっとだけ悪いなー…とは思ったり。

 後で少しぐらいはレナードの我儘を聞いてやるか。

 

「無事に水着を買えたのは良いけど、これで帰るってのは流石に勿体無い…」

 

 …と言おうとした時、ぐっとタイミングでお昼を知らせるサイレンが鳴った。

 

「…もうそんな時間だったんだ」

「道理でお腹が空く筈ですね」

「どこかで食べていく~?」

 

 本音ちゃんの提案に皆がビクッと反応する。

 それもその筈。

 本当は、ここにいる誰もが同じ事を思っていたけど、だからと言って自分から言い出すのは気恥ずかしい。

 故に、ここは誘導尋問的な話の流れを作り、誰かに『どこかで食べようか』的な事を言わせようと考えていた。

 そこに間髪入れずに本音ちゃんからの天の一声。

 今日ばかりは、この子の天真爛漫さに心から感謝するよ…。

 

「普通なら、ここで多数決を取る所なんだけど…」

 

 こんだけ人数がいると、ほぼ確実に意見が割れるよな…。

 でも、だからと言ってこの場で他に良い方法なんて…。

 

「私は別に、加奈が選んだ店ならばどこでも構わないが?」

「ロラン?」

 

 んー…そう言ってくれるのは嬉しいけど、これで一応は部隊長経験がある者として、集団の場にて自分の独断を貫くと言う真似はし難いと言いますか…。

 

「私もロランさんと同じで、加奈さんが決めた店なら文句は言いませんよ?」

「右に同じです」

「私もだ。もう既に加奈は私達のリーダーみたいなもんだ。今更、何も言いはせんさ」

「乱ちゃん…ヴィシュヌ…マドカ…」

 

 はぁ~…そーゆーの…本当にズルいよなぁ…。

 割とマジで泣きそうになったじゃん。

 

「…分かった。なら、私の気紛れで決めさせて貰う。簪も本音ちゃんも、玉芳も玉蘭もそれでいい?」

「「「勿論」」」

「だいさんせ~!」

 

 満場一致…か。

 レナードはジュースを買いに行ってて不在だけど、仮にこの場にいたら真っ先に同じことを言った手に違いないから無問題。

 

「んじゃ、レナードが戻ってきたら移動しますか」

 

 その間に、どこで食べるか考えとかないとな…。

 レゾナンスはマジで選択肢豊富だから困るわー…。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 迷った時はラーメン一択。

 それが日本人イズム。

 

「はぁ~…久し振りに外でラーメン食ったけど…マジでうま~…♡」

 

 袋麺やカップ麺じゃ得られない栄養が、ここにはありますなぁ~…。

 

「これがジャパニーズラーメンか…。初めて食べるが、かなり美味いな…」

「うっわー…流石は日本のラーメン…台湾のとは全く違うわ~…」

「か…替え玉っ!? もしや、ヌードルだけのおかわりがあるのですかッ!? なんと画期的な…」

「替え玉ください。あと、ご飯も」

「やっぱ、ラーメンは中国よりも日本よね」

「そうだね、お姉ちゃん」

「こうして…ご飯にチャーシューを乗せてから…刻み葱とスープを掛けて…」

「ん~♡ ちょーちょー美味しいね~♡」

 

 どうやら、皆も満足してくれたみたい。

 やっぱラーメンは国境を越えるね。

 

「加奈…気のせいか、かなり食べてないかい?」

「そう? 普通だと思うけど?」

 

 レナードに言われてふと、目の前にあるものを見てみる。

 チャーシュー麺の大盛りに、餃子と半チャーハン。

 それに加えて、一回だけ替え玉も注文している。

 

「加奈は…かなり食べる方なんだな…」

「食べないと身が持たないし」

 

 傭兵時代は食べたくても食べられないって事が多々あったからね。

 その頃の反動か、今じゃ色んな美味しい食べ物を食べるようになった。

 ゲームとかと同じぐらいに、食事に気を使うようになった。

 もしIS学園に入学していなければ、きっと今頃は全国を旅しながら美味しい物の食べ歩きとかをしていたに違いない。

 

「食い終わったら、レゾナンスの中をぶらつきながら暇を潰して、良い時間になったら帰ろうか」

「賛成だ。腹ごなしに少し歩きたいしな。と言う訳で…私にも餃子を頼む」

 

 マドカも私と同じぐらいに沢山食べるのね…。

 まぁ…体重とか気にし無さそうだし…別にいいか。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 ラーメン屋で昼飯を食べた私達は、殆ど散歩のようにレゾナンスの中を改めて見て回った。

 正午を過ぎたと言う事もあって、人込みも落ち着き始めている。

 

「ほわぁ…」

「これはまた…」

「可愛い…♡」

 

 不意に横切ったペットショップの前で立ち往生。

 店の前に展示されていた子犬と子猫の圧倒的な可愛さに一瞬で骨抜きにされたり…。

 

「か…加奈! あそこ! あそこの店! 例の初回限定版のやつが売られてた!」

「マジでッ!? それもう絶対に買うしかないじゃん!」

「急ごう! これを見逃したら、次の機会は無いかもしれない!」

 

 偶然にも訪れたゲームショップにて激レアゲームをゲットしたり…。

 

「あ…この服可愛いかも。加奈、そこの試着室で着てみてくれる?」

「まさかの私っ!?」

「当然。お姉ちゃん、私達で加奈を思い切りコーディネートしよう」

「賛成。女の子として、加奈はもっと服に拘った方が良いよ」

「えぇ~…?」

 

 洋服屋にて、玉芳と玉蘭の姉妹に着せ替え人形にされたり…。

 

「ふっかふかのぬいぐるみだぁ…。マジで寝れる…」

「かなかな~。こんなのもあったよ~」

「クマの着ぐるみッ!?」

 

 ファンシーショップにて睡眠時の相棒を手に入れたり…。

 

 そうして色んな所を歩き回り、最後に私達が訪れたのは意外過ぎる場所だった。

 

「はぁ…今日一日の疲れが癒えていくようだわぁ…」

「まさか、レゾナンスの中に足湯があったとは…」

「ほっこりするぅ~…」

 

 恐らくは観光客用に設置していると思われる足湯。

 私達は皆で一緒に並んで足湯を堪能していた。

 

「今度ある臨海学校ってさー…旅館が海に面してるんだよねー…」

「そうらしいね。だから、一日目は自由時間にして海などで英気を養うのだろう」

「ってことはさー…新鮮な海の幸とかも食べ放題な訳かー…」

 

 なによそれ最高かよコノヤロー。

 刺身とか鍋とか超美味いに決まってるじゃん。

 

「あれもあるんですかねー…海の家ー…」

「あー…海の家ねー…」

 

 確かに…海と言えば海の家が必須だよねー。

 水着姿で訪れる海の家でしか得られない栄養が必ずある。

 似たような台詞…ラーメン屋でも言ったな…。

 

「別に大したメニューではないんだけど…何故か海の家で食べると凄く美味しく感じるんですよね~…」

「乱ちゃん…それ超分かるわ~…」

 

 ラーメンもカレーもイカ焼きもかき氷も、特別な材料とかを使っている訳じゃないのに、何故か普段食ってる物よりも数倍美味く感じてしまう。

 皆で一緒に外で食べてるからなのかもしれないけどさ…それでもやっぱり不思議だよねー…。

 

「にしても海かー…。遊びで海に行ったことなんて一度でもあったかなー…」

「無いのかい?」

「多分無いなー…。傭兵時代に訓練や作戦で行ったことなら山ほどあるけどー」

 

 だからだろうか…私の中じゃ海と言えば血生臭い思い出しかない。

 今回は、そんな思い出を全部払拭して、海での楽しい思い出が作れたらいいなと思ってる。

 こんな改造人間な私にも、年頃の女の子らしい海の思い出の一つや二つあっても良いだろう。

 きっと、アルがいたら同じような事を言ってくれたに違いない。

 

「いつかは、臨海学校とか関係無しに、完全プライベートで皆一緒に海に遊びにとか行けたら最高だろーねー…」

「いいですねぇ…。お金は掛かるでしょうが…私達ならば問題は無いでしょうし…」

「だねー…」

 

 私は傭兵時代に稼いだ個人資産が山ほどあるし、皆は代表候補生。

 レナードもかなりの金持だし、マドカもテストパイロットとしてかなり稼いでる。

 本音ちゃんに至っては普通にお嬢様だしね。

 …あれ? もしかして私達って…かなりのブルジョアメンバーだったりする?

 

「変な所で共通点があるねー…私達って…」

「そう?」

 

 その後、足湯でたっぷりと癒されてからIS学園へと帰った。

 やっぱ…息抜きってマジで大切だわ…。

 

 

 

 

 

 

 

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