面倒くさいので、取り敢えず寝る ~IS編ifストーリー~ 作:とんこつラーメン
遂に始まった臨海学校。
私達一年生はバスに乗って一路、海沿いにある高級旅館『花月荘』へ向かう事に。
「こんな風にバスに乗るのって初めてかもしれないなー」
「そーなの? 中学の時の修学旅行とかはー?」
「普通に別の用事があって行けなかった。だから、IS学園であるであろう修学旅行は今から地味に楽しみにしてる」
「そーなんだー。かなかなも苦労してるんだね~」
うーん…流石は本音ちゃん。
全てを知った上で、私の人生を『苦労』の一言で済ますとは…。
この子に掛かれば、私もガウルンも形無しになってしまうな。
因みに、私の隣の席にいるのは本音ちゃんで、レナードはまた別の席。
クラスごとにバスが分かれているので、必然的に他の皆とも別れてしまう形に。
こればっかりは仕方がないが、旅館に着けばまた会えるので気にしない。
『軍曹殿。この間は随分と充実した休日だったようですね』
「それは、そっちもでしょアル」
水着を買いに行った日の夜にアルもまた戻ってきた。
色んな専用機のコア人格と話をしていたようで、帰って来た時にはまた一段と変な知識を得てきていた。
『…ブルー・ティアーズと甲龍とリヴァイヴ・カスタムⅡとレーゲンの愚痴にずっと付き合わされて大変でした』
「そ…そっか…ご苦労様…」
モテるってのも大変なんだな…。
今のアルって完全にハーレム系ラノベ主人公みたいになってるしなー。
他のISのコア人格は女性ベースらしいけど、アルは男性ベース。
つまり、ISたちにとってアルこそが唯一無二の男になる訳で、そうなると必然的に色んなISたちから言い寄られる。
『あと、白騎士が軍曹殿の所に来たがっていました』
「え? マジで?」
『マジです。もう『あの姉弟』の乱れた姿は見ていられないと。涙ながらに語っていました』
「どうにか出来れば、それに越したことはないんだろうけどね…」
他の専用機たちは、それぞれの国に返還されたけど、白騎士こと白式に関してはそうは行ってないようで、未だに織斑一夏の手元にあるみたい。
このまま持っていても意味なんて微塵も無いだろうに。
『特殊なプレイ』をするには最適かもしれないけど。
「アルアル~。かんちゃんの打鉄弐式はどうだったの~?」
「とても喜んでいましたよ。これでやっと主人の役に立てると。軍曹殿達に大変感謝していました」
「そっか。それはよかった」
簪と打鉄弐式もまた、ある意味では大人達の悪意によって振り回された犠牲者だからな。
上手く行って本当に良かったよ。
「うぐぐ…加奈と離れた席になってしまった…! だが、それも旅館とやらに着くまでだ! 向こうに到着したら…」
したら何をする気だよバカヤロー。
なんかレナードがブツブツと言ってるけど、今は無視無視。
「相良さん! 本音! この夏限定のスイカ味のポッキー、意外と美味しいよ! 二人も味見してみてよ!」
「え? いいの相川さん。さんきゅー」
「ありがとー!」
後ろの席にいた相川さんが手を伸ばしてポッキーを分けてくれた。
にしてもスイカ味って…ポッキーもぺヤングやガリガリ君に負けず劣らずの変わり種を出してきたな…。
思ったよりも美味しかったけど。
「お? この瞼に刺さる水面の輝きは…もしかして?」
『もしかしなくても、海が見えてきました。軍曹殿』
「「おぉ~…!」」
うっわぁ~…め~っちゃ綺麗な海だぁ~…。
兵器の残骸や死体とかが全く浮いてないや~。
油も流出してないし…これが海の本当の姿か…。
『水着を新調した甲斐がありましたね。軍曹殿』
「全くだよ。これは買いに行って大正解だわ」
水着を買いに行ってなかったら後悔してたなこりゃ。
今回はマジで皆に感謝だわ。
「そーいえば、アルアルは海に行っても大丈夫なの~?」
『ご心配なく。完全防水なので問題はありません。潮風対策も完璧です』
「おぉ~…流石はかなかなの専用機だね~」
ま、ISは普通に海で活動する事もあるしね。
傭兵時代も良く、ガーンズバックを纏った状態で海中からの奇襲とかしてたし。
「おーい! お前ら~! もうすぐ旅館に到着するから降りる準備をしとけよ~!」
「「「「は~い!」」」」
そういや、このバスには山田先生の他にオータムさんも乗ってるんだった。
先の視察って名目で旅館を堪能してるから、いざとなったら色々と聞こう。
・・・・・
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・・・
・・
・
てなわけで到着しました花月荘。
うーん…絵に描いたような高級旅館。
見ただけで凄いって分かるわ。
「それじゃ、ここが今日から三日間に渡ってお世話になる旅館『花月荘』よ。皆、従業員の人達の仕事を無駄に増やさないようにするのよ~」
「「「「はーい!」」」」
織斑千冬がいなくなったことで、何故か代わりに学年主任に抜擢されたスコールさんが皆を纏める。
確かあの人って、私と同じように部隊長経験があるから、適任と言えば適任なんだろう。
「はい。こちらこそ、よろしくお願いしますね。今年の一年生も元気があっていいですね」
んで、あれがこの旅館の女将さんか。
美人女将…実在したのね。
「花月荘の女将をやっております『清州景子』と申します」
あの感じ…二十代後半から三十代前半と見た。
業界の中じゃまだまだ『若女将』なんだろうな。
「確か、今年は男の子が一人いると聞いていたのですけど…」
「彼の事ですね。テスタロッサ君」
「はい。山田先生」
本当は織斑一夏の事なんだろうけど、アイツは今はもういないからな。
それを入れ替わるように来たのがレナードだから、ここはアイツが行くのが正解だな。
「レナード・テスタロッサです。初めまして」
「これはこれは…どうもご丁寧に」
流石にこういったシーンでは真面目な優等生を演じてるな。
いや、頭脳と表面的な部分だけを見れば普通に優等生ではあるんだけど。
「それでは皆さん、お部屋の方にどうぞ。海に行かれる方は旅館の方に更衣室があるので、そこを使ってください。一応、ロビーの方に案内板が有りますが、それでも分からないという方は遠慮なく近くにいる従業員に尋ねてください」
やっと、ここから自由時間に突入か。
この時をずっと待ってました。
と言う訳で、皆揃って旅館の中に突入。
その際にちゃんと皆と合流したけどね。
「あぁ…やっと加奈に会えた…」
「ロラン…大袈裟すぎだから」
再会と同時にロランが抱き着いてきた。
嬉しいけど、同時に少しだけ恥ずかしい。
「相変わらずラブラブですね~…二人は」
「そうですね。って…あれ? マドカさんは…?」
「おい乱! ヴィシュヌ! あそこに土産物屋があるぞ!」
「「もうお土産を買う気なのッ!?」」
着いて早々から飛ばしてるなー…。
特にマドカは旅館なんて初めてだからテンション高いのかな?
「簪、案内板ってどれ?」
「多分、あれだと思うよ玉蘭」
「どれどれ…成る程。どうやら更衣室は本館とは離れた場所にあるみたいね」
「意外と距離があるね~」
マジかー。
でも、旅館を見ながら移動できると思えば、別に苦じゃないかもしれない。
「おーい、レナードー。オメーはこっちに来いよー」
「何? どうして俺だけが?」
「当たりめーだろーが。男子はお前一人なんだからよ。当然のように部屋は別々だ。昼間とかはともかく、間違っても夜に加奈の部屋に行こうとすんじゃねーぞ」
「くっ…仕方がないか…! その代り、海で思い切り加奈と楽しまなければ!」
何をだよ。
一体何を私と楽しむ気だよ、この変態野郎。
『軍曹殿。どうやら軍曹殿の予想通り、この花月荘の名物は露天風呂と新鮮で豊富な魚介類を使った海鮮料理の模様です』
「いいねー。今から夜が楽しみになった」
なんせ、すぐ隣が海だもんね。
旅館的にも、これを上手に活用しない手は無いでしょ。
「おう! アルの言う通り、ここの料理や露天風呂はマジで期待してて良いぞ! このアタシが保証してやる!」
「「「おぉ~!」」」
視察をしたオータムさんからの太鼓判か。
これは冗談抜きで期待できますな。
「んじゃ、他の皆も更衣室に行ってるみたいだし、私達も部屋に荷物を置いてから行きますか」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
同時刻
???国 相良研究所
「あ…おほぉぉ…♡ あひぃぃぃぃ…♡」
「うんうん。良い感じに腹が膨れてくれたね。即効性の成長促進剤を子宮内に打ち込んだ成果が見事に出てくれたようで安心したよ」
加奈の実父『相良藤助』の目の前にて、拘束された状態で鉄の椅子に座らされているのは、すっかり元の面影が無くなってしまった篠ノ之箒。
長い時間を数多くの男達の緑辱されたことで見事に妊娠し、そのお腹は10代の少女とは思えない程に膨れ上がり、その自意識も殆ど失われていた。
「やっとこれで実験を次の段階に進められるわね、あなた」
「そうだね要。面倒ではあったが、これはこれで楽しかった。加奈の助けもあったしね」
「うふふ…やっぱり、あの子は自慢の孝行娘よね」
「あぁ、全くだ」
お互いに顔を見合わせながら微笑み合う夫婦。
それだけを見れば微笑ましいが、二人の目の前にいるのが見るも無残な姿となった少女なので、それだけで全ての雰囲気がぶち壊される。
「後は、この妊娠した『生体ユニット』に改造を施してから機体に組み込むだけだ」
「『才能や適性の無い人間でもΛ・ドライバを発動させられるか』の実験。常人でもやろうと思えば出来なくはないが、それでも加奈やガウルン、ゲイツやレナード達のような『天才』と比較しても最大で半分が限界。ならば…」
「二人でΛ・ドライバを動かせばいい。けど、ISを複座にする改造は非効率だし面倒。じゃあ、どうすればいいか」
「『もう一人が邪魔にならない場所にいればいい』。つまり…操縦者の胎内に」
「若くて丈夫な操縦者を妊娠させ、胎児と母体の両方に改造を施し、ISの生体ユニットにしてコクピットに『内臓』させる」
誰に聞かせるでもない説明をした後に視線を上げると、そこには真紅に染まった恐ろしく巨大なISが屹立していた。
「私たち夫婦が開発した実験用試作型IS『ベヘモス』」
「これに、そこで未だに喘いでいる『ソレ』を搭載する事で完成する」
「では早速、この生体ユニットの改造を始めるとするか」
「ところで、目標は何にするの?」
「そんなの決まっているだろう?」
無邪気に笑う藤助の顔を見て、すぐに夫の考えを読む要。
「加奈ならば、きっと最高の実験結果をもたらしてくれるだろう」
「そうね、あなた」
地獄の鐘が鳴り響いた。