面倒くさいので、取り敢えず寝る ~IS編ifストーリー~   作:とんこつラーメン

55 / 55
面倒くさいので、取り敢えず海を楽しむ

 海に行く前に、まずは部屋に荷物を置きに向かう事に。

 他の皆とはクラスが違うから少し離れるけど、本音ちゃんとは同じ一組なので最後まで一緒に。

 と言うか、私と本音ちゃんは同じ班なので、当然のように部屋も一緒だったりする。

 因みに、何故か私が班長に指名された。解せぬ。

 

「確かー…この部屋だったっけ?」

「そーだったと思うよー」

『ここで間違いありません、軍曹殿』

 

 アルが言うなら大丈夫か。

 んじゃ、ドアを開けて…失礼しまーす。

 

「「ほわぁー…」」

 

 なんじゃこりゃ…すっげー…。

 見事に窓側が一面オーシャンビューじゃんよ…。

 部屋自体も純和風って感じで素敵だし…。

 

「あ! 本音と相良さん、やっと来たー」

「遅いよー」

「皆、二人の事を待ってたんだよー?」

「ごめんごめん」

 

 よく見たら、もう既に同じ班の子達が荷物を置きに部屋まで来ていた。

 流石にロビーで話し込み過ぎたか…。

 

「にしても、この部屋ってめっちゃ広くない? 五人でも普通に持て余すでしょ」

「だよねー。居間っぽい所に布団を五つ敷き詰めても、まだスペースが余るっポイもんねー」

「これで普通のお客用だってんだから驚きよねー」

「上客とかなら一体どんな事になってるのやら…」

 

 もう想像も出来ん…というか、したくない…。

 高級なんて言葉は、私の人生には最も無縁な物の一つだから。

 金だけは無駄に余らせてるんだけど、だからと言って豪遊する気にはなれないしね…。

 

「かなかな~! こっちにお風呂とかがあるよ~! どっちもピッカピカだよ~!」

「へぇ~…露天風呂だけじゃなくて、ちゃんと各部屋にもお風呂があるんだ」

 

 そりゃそっか。

 流石に24時間いつでも露天風呂に入れるわけじゃないもんね。

 深夜や早朝に唐突に風呂に入りたくなると気だってある。

 普通は無いかもしれないが、私はあります。

 やっぱさ、次の日が休みとかって分かってると、つい夜更しして夢中になっちゃうんだよねー…ベットの上でする『大人のプロレスごっこ』ってやつがさ。

 因みに、もう既に本音ちゃんとも私は寝てます。

 この子の喘ぎ声がめっちゃ可愛くて、柄にもなく超興奮したのを今でもよく覚えてる。

 

「昼間でこのレベルなら、夜はまた別の景色が楽しめるんだろうねー」

「それはそれで楽しみかも。そういや相良さん知ってる?」

「何を?」

「そこの海…ちゃんと『海の家』もあるんだって。ここの従業員さんとは、また別の人が経営してるらしいよ?」

「へー…海の家ねぇ…」

 

 地味に楽しみが増えましたなぁ…。

 実際に行った事は無いんだけど、よく聞くネットの噂だと、どこでも食べれそうなメニューであるにも拘らず、何故か物凄く美味しく感じるらしい。

 外で食べる&海って場所の効果が付随してるのかな?

 

「やっぱ、カレーとかラーメンとか焼きそばとかがあるのかな?」

「近くに高級旅館があるんだから、意外過ぎるメニューとか有りそう」

 

 そうだよな…新鮮な海の幸を分けてくれそうな場所が目と鼻の先にあるんだから、それを利用しない手は無いもんな…。

 これは夜だけじゃなくて昼飯も楽しみになって来た。

 

「お話はここまでにして、荷物を置いてから海に行きますか。皆も待ってるだろうし」

「「「賛成~!」」」

「お~!」

 

 その前に、ちゃんと水着とか日焼け止めとかは持って行かないとね。

 特に日焼け止めは忘れたら確実に悲惨な事になる。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

「おまたー」

「またー」

 

 水着とかを持ってロビーに戻ると、もう既に他の皆は集合していた。

 それは良いんだけど…。

 

「…マドカは一体何を食べてるの?」

「そこの売店で買ったアイスだ。イカ焼き味」

「なにそれ…」

 

 確かに最近は変わり種な味が流行りつつあるけど、よりにもよってイカ焼き味って…癖が強いにも程があるでしょ…。

 

「意外と美味いぞ? 加奈も食べるか?」

「わ…私は良いかなー…マドカのアイスを取っちゃ悪いし…」

「そうか。矢張り、加奈は良い奴だな」

 

 こんな事で善人判定されても反応に困る。

 

「加奈達も来た事だし…さぁ行こう! すぐ行こう! 今行こう!」

「レナードは何を興奮してるの? 無駄に鼻息荒いよ?」

 

 顔がイケメンなだけに、鼻の穴が膨らむと違和感が凄い。

 こんな所だけは歳相応と言うか。

 

「加奈の水着を早く見たくて仕方がないのさ」

「あー…成る程」

 

 そういや、レナードはむっつりスケベ野郎だったっけ。

 少し前に普通に凄い所を見てしまったから地味に忘れてしまっていた。

 

 因みに、同じ班の他の子達は海に行く前に売店を見ると言って一時的に分かれた。

 私も後で見に行きたいと思っているので、もし海で会ったら、どんなのがあったか聞いておこう。

 

「今日一日が自由時間とは言え、時間は限られてるしね。とっとと更衣室まで向かいますか。場所はー…」

『ご心配なく軍曹殿。もう既に旅館の構造は把握済みです。私の指示通りにお進みください』

「アルが完全にナビ係になってるよ、お姉ちゃん」

「そうね。そこらのカーナビよりも遥かに優秀だけど」

 

 分かってるじゃないの夏姉妹。

 私のアルは戦闘時のサポート以外でも凄いんだから。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「…………」

 

 更衣室に向かう途中の渡り廊下。

 原作だと、ここに『あの天災兎』の機械ウサ耳が突き刺さってたんだっけ。

 でも、今回は…。

 

(…無いか。そりゃそっか。当たり前だわな)

 

 あいつが臨海学校に来たのは、妹である情緒不安定暴力剣道女に専用機っつー波乱の元凶を届けに来るためだったんだし。

 渡す相手がいないんじゃ、来る理由だってありはしないわな。

 

「どうかしたんですか加奈さん? さっきから中庭の地面を見つめて」

「え? いや…なんでもないよ乱ちゃん」

 

 ちょっち考え過ぎか…いかんいかん。

 この臨海学校は、色んな意味でターニングポイントになったイベントだったから、どうも色々と神経過敏になってた。

 福音が暴走する事が無いって事は、この臨海学校は平和ってことじゃん。

 余計な事は考えず、今は純粋に海を楽しもう。

 こんな機会でもないと、水着を着て海に行くなんてことは無いんだし。

 

「大丈夫さ…加奈」

「例え何があっても、君の事は私が守ってみせるよ」

「「ん?」」

 

 いきなり両隣からロランとレナードに肩を抱かれたんですが。

 ロランは嬉しいけど、レナードは微妙。

 

「「ぐぬぬ…!」」

「はいそこ。変な顔で睨み合わない」

「「はい…」」

 

 素直でよろしい。

 折角の臨海学校で喧嘩なんて、この私が許しません。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「う!」

「み!」

「だ――――!!」

 

 水着に着替え、海に出てから開口一番でマドカと乱ちゃんと本音ちゃんが叫び出した。

 どんだけ楽しみにしてたんだ?

 

 マドカは紫のビキニで、乱ちゃんはオレンジのスポーティーなビキニ、んでもって本音ちゃんは…。

 

「…着ぐるみ?」

「水着だよー」

「そうなんだ…良く見つけたね」

 

 猫の着ぐるみっぽい形をした水着。

 いや…これは本当に水着と言っていいのか?

 

「かなかなはせくしぃ~だね~」

「そう? 私的には普通なつもりだけど…」

 

 私はと言うと、赤と白のコントラストが良い感じのビキニにしてみました。

 後々の事を考えてると…ね。

 

『軍曹殿。もしや、その水着は『炎の魔剣』をイメージしての物ですか?』

「まぁね。視界に入った瞬間、自然とこれを手に取ってた」

 

 色々と言ってても、やっぱり気になってしまうものなんだな…。

 

「やっぱり、加奈ってスタイル良いのね。程よく引き締まってて…」

「でも、腹筋は割れてないんだ。てっきり六つぐらいになってると思ってた」

「二人は私の事をどんな風に見てたのよ…」

 

 そう言う玉芳と玉蘭の双子姉妹の水着は、同じデザインの赤白なネックホルダータイプのワンピース。

 デザインは微妙に中華っぽいけど。

 

「フッ…加奈は無駄な筋肉を付けたりはしないのさ」

「ロラン」

 

 そう言いながらやって来たロランの水着は、すっごい高級感溢れるワンピースで、赤い薔薇が描かれたパレオもちゃんと着けている。

 うーん…流石はロラン…恐ろしく絵になる美しさだ…。

 

「大丈夫ですか簪? 凄く顔が赤いですが…」

「へ…平気…恥ずかしいだけだから…」

 

 次にやって来たのはヴィシュヌと簪の二人。

 ヴィシュヌの方はムエタイをやっていると言うだけあって、動きやすさ重視なのか脇の下から通すタイプの青い水着で、簪の方は可愛らしいフリルが付いた少しゴスロリ風の黒いビキニ。

 いや…二人ともめっちゃ可愛いと思うけど?

 

「いつの世も、真打は最後に登場するものさ…そうだろう加奈?」

「誰が真打じゃ。誰が」

 

 アホ丸出しのナルシスト発言をしながらやって来たのはレナード。

 真っ黒なトランクスタイプの水着を履いてる。

 これでもしブーメランパンツとかだったら、もう一生口とか聞かなかった。

 

「つーか、意外と体鍛えてるんだレナード。もっとヒョロヒョロだと思ってた」

「まぁね。流石にボディビルダーのようにするつもりはないが、それでも健康の為に最低限の運動などはしているのさ」

「最低限で『それ』なんだ…」

 

 現代基準の高校生よりかは遥かに引き締まってると思うけど。

 少なくとも、そこらの馬鹿やってる男子高校生には絶対に負けんでしょ。

 

「海って何をして遊ぶんだー…って思って周りを見てたら、なんか普通にはしゃぎまくってるね…」

「海開きにはまだ少し早いですからね。いつもよりも早く海に来れたことが嬉しいのでしょう」

「成る程…」

 

 ヴィシュヌの説明で見事に納得した。

 そういや地味に忘れかけてたけど、今ってまだ夏休み前の七月だったっけ。

 普通なら夏休みに入る七月後半から八月初頭にかけて海に行くって言うもんね。

 

「あ…あった。ここからでも見える位置にあるのは良いな」

「何がだい? 加奈」

「海の家。さっき同じ班の子達に教えて貰ったの。お昼はあそこで皆で食べようよ」

「賛成だ! 海の家…どんな料理があるのか…じゅるり…」

 

 最近のマドカがすっかり食いしん坊キャラになりつつあるのですが…。

 まぁ…可愛いから良いか。

 可愛いは正義であり、女の子は可愛いだけで無敵なのだ。

 

「それじゃあ…今年初の海を皆で堪能しますか」

 

 こうして、臨海学校の一日目である自由時間が幕を開けたのだった。

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。