ルディアス憑依◇パーパルディア繁栄録   作:イブ_ib

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この話は一応原作を知っている憑依転生物なので主人公の所々ふざけた表現が入ります。


これからの激務を思うと吐きそう

 朝、どこからともなく優雅な音楽が宮廷に響く。

 

「起床アラーム代わりの音楽隊とはなんとまぁ優雅な事だ」

 

 私はむくりと起きて振り子時計を見る、外の雰囲気的に……五時!? 

 

 早くないか? これがスマホ無しによって成せる業なのか、それともこいつ(ルディアス)の習慣なのか、おそらく後者だろうだって皇太子だもん公務とかで忙しいんでしょう。

 そうこうしている内に従者がやって来た。

 

「皇太子殿下お目覚めでございましたか。本日は侍医サナトリタル様の診断の後は今日一日は休養で公務はお休みでございます。診察は8時からですがお食事はどうなされますか? 調子が悪いのでありましたら粥等に致しますが?」

 

「そうだな、お粥が良いな。よろしく頼むよ」

 

 そう言って暫くして朝ごはんが運ばれて来た……麦の甘い粥かぁ、早くも日本の召喚が待ち遠しいぞ俺。梅干しが食いたいぞ俺。

 

 して、まだ8時には時間があるので読書に興じることにする。

 

 今から120年前共和制だったパールネウス共和国は、豊かな国力に物を言わせ侵略を繰り返していたクーズ帝国に対抗すべく、ドーリア王国、カース帝国、デュロ国を主要としたパーパルディア人の統一国家を建国し、初代皇帝として戴冠したのは当時パーパルディア統一を推し進め、共和制以前のパルディウス皇国皇帝の血を継ぐ共和国軍将軍グローリアスであり、グローリアスは戴冠式を共和国首都パールネウスで行った為以降パールネウスは聖都と呼ばれるようになる。

 

 

 90年前、遂にクーズ帝国による南下が始まり最前線のカースが押されアルーニにまで攻め込まれてしまう、既に80を越していた老帝グローリアスはアルーニを絶対防衛線と定め自らも戦線に赴き軍を鼓舞し、遂に撃退に成功する。

 翌年グローリアスは老衰により亡くなった、休戦協定の締結によるクーズ帝国の撤兵の報を聞いた日の晩であった。

 

 その翌月クーズ皇帝が脳卒中で死んだ、それに伴うお家騒動でクーズ帝国は崩壊、小国家が群立する戦国時代となる。

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「殿下、サナトリアス様の診断のお時間にございます」

 

(もうそんな時間か)

「うむ分かった、今準備する」

 

 診察と言っても簡単なもので魔法的な装置が使われたこと以外は聴診器を使った至って普通の診察であった。

 

「お疲れ様でございました、後の予定はございませんので自由時間ですが激しい運動はお控えくださいませ」

 

 という事なので宮廷内を散歩する事にした、ちなみに父親には元気になった事を報告せんでいいのかと従者に聞くと。

 

「今回の事は本来自分のすべき公務を息子に押し付けた事で気に病んでおられ『今日は私の事も公務の事も忘れて心を休めなさい』と……」

 

 という事らしいとっちゃん長生きしろよ! (叶わぬ願い)

 

 

 しかし流石準列強だ、庭だけでもヴェルサイユ宮殿に勝るとも劣らない、おそらく皇都もものすごいのだろう。

 原作ではレミールが日本に比べりゃうちは田舎と自嘲気味に言っていたが、こんなのが田舎なら私は初めて田舎というモノを見た事になるだろう。

 

「殿下ぁ~」

 

 誰だい私を呼ぶのは? 声のする方を見るとガゼボ(貴族の屋敷にある変な東屋)でレミールが手を振って呼んでいた、どこにでも居んな。

 

「殿下、お体の方は大丈夫ですか? わたくしお茶を入れましたの、ご一緒にお茶でも致しませんか?」

 

「それはよいな、そのお菓子もレミールが?」

 

「はい、クッキーも侍女に教えてもらいましたの、お口に合いますでしょうか……?」

「うん、美味い、よく出来てるよコレ」

 

 何事もなく平和に時が進んでいく、傍から見るとまさか将来ああなるとはだれも思うまい。

 

 ふと、お茶をすする手を止めレミールを見る。

 

「殿下どうなされたのですか? そんなまじまじと見られては……わたくし……照れてしまいますわ……」

 

そうだこの馬鹿どうしよう

 

 大抵の二次創作ではパ皇編で戦いを回避できそうな時にやらかすのがこいつ(癇癪バカ女)なのだ。

 

 原作では占領地民コロコロ戦法を唱えるのはこいつだ、じゃあどうすんのって話だ。

『じゃあ頃そっか』といく訳にもいくまい。

 

 

「……レミール、私は今朝、軍帝グローリアスの伝記を読んだんだ。それで改めて思ったんだがクーズ帝国の支配方法、あれは実に良くない! 恐怖による支配は憎しみを生むだけさ!」

「ハ、ハァ……左様でございますか……?」

「いいかい? 確かに下手をしたら殺される恐怖で反乱を起こす気概を削ぐのはいいかもしれん。しかしねその為には軍をずっと張り付かせにゃいかんし、自国と同等の第三国が陰で軍事支援して反乱を起こさせたらどうする?」

 

 実際パーパルディアはクーズ帝国の属領に対し陰で支援し反乱工作を行っていた、しかもそれが帝国崩壊に深く関わっているのだ。

 

「な、成程……」

「私はねいずれ世界は技術によって地形的な壁がより低くなり他国と接する機会が増える、そして最後には全世界が一つの国家になるのだと思っている。*1

 その過程で争いによって物事を決めるというのはあまり好ましくない、あくまで話し合いだ。産業から農業から魔帝戦の戦力まで話し合いによって統一されるべきだと思っている」

 

「一つの国家……そんな先の事まで考えていらっしゃるのですか……」

 

「まぁそうなるには百年、いや千年はかかるだろうな。我々にできることは後に続く者たちの道筋を作るだけだ、人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なりってね」

「人は城……ですか」

「ざっくり言うとミリシアルでも圏外圏でも対等に接せという事だ、今は難しくともいつかは普通の事になる。さ、残りのお茶も飲んでしまおう」

 

 

どうだ──ー!!!!!! MG42の如き持論の展開! 反論の隙は与えんし認めん! 

 

 少なくとも愛する奴がそういう考えなら下手な事は起こさ……ない、よね多分。

 あぁ自分で言っといて恥ずかしくなってきた、食ったらちょっと歩いて頭冷やそう。

 

 

 ティータイム後私は暫くレミールと共に散歩を楽しんだ……

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「やぁ! 飛行機械を研究しているのはここかい?!」

 

 午後、従者に無理を言って飛行機械を研究している部署にお邪魔した。

 

「ルディアス殿下、これはこれは……こんな辺鄙な部署に来ていただけるとは……」

 研究所主任のアルバは緊張した面持ちでルディアスを迎える。確かに研究所は今は使われなくなった古い練兵場に作られたぼろい兵舎で活動している、一応国立の組織なんだが……

 資料によると現在飛竜研究科はオーバーロードの開発に苦心しているが多大な研究費が割り当てられている、一方でこちらは近所のスポーツチームの会費の方が多い有様だ。

 

「軍からはワイバーンの曳航して使う的だけ作ってろと言われますし、散々ですよ」

 ぼやきながらゴム仕掛けの飛行機模型を見せてくれる主任。

 

 飛行機械も一機、あるにはあるのだが第一次世界大戦初期のタウベみたいな奴しかないのだ、これでは如何ともし難い。

(せめてフォッカーの懲罰の奴が欲しいな)*2

 

 少なくとも曲芸飛行ができて同調機関銃が付いてなければ軍は見向きもしないだろう。

 

(やはりゼロ戦が無いとムーやミリシアルを釣ることが出来ない……今のパーパルディアにはクワ・トイネが国宝をあげられるほどのネームバリューが無い。しかしまだ時間はたっぷりある、焦る事は無い……まってろよ主任、必ずゼロ戦を持ってきてやるかんな)

 

必ず皇国の空に飛行機械を自由に飛ばしてやると決意を新たにし、研究所を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
ガンダムの地球連邦でもEUみたいなのでも

*2
フォッカー E.I




中盤のレミールを話で巻く展開とかそういう諭す展開がめちゃくちゃ苦手。
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