この素晴らしい世界に戦闘員、祝福を派遣します!! 作:暁ふゆめ
「まぁ、そう落ち込むな。お前はこうして生きてるんだから、それだけで十分じゃないか。この空を拝めるのは誰のおかげだ? 誰のおかげで大きくなったんだ? お前一人の力で育ったわけじゃないだろ? 進むも留まるも、結局は自分の意志なんだ。自分を縛る鎖を引きちぎる事ができるのは自分しかいない。でも、1つの夢に縛られすぎるのはどうかと思うぞ。夢がかなったとき、夢がかなわなくなったとき、それで終わりじゃない。すぐに次の夢が見えてくるも――――」
「うるさいっ!!」
ギルドから飛び出して道の脇にうずくまりながら、地面に『ん』の字を書いているとアリスが後ろから色々と述べてきた。
何が「そう落ち込むな」だ。
「誰のせいで落ち込んでると思ってるんだよ!」
「自分だろ?」
「自覚があるのにやってんのかよ!」
「いや……魔法職に就けなかったのは六号自身のステータスのせいだろ」
「その"自分"かよ! つか、それだけじゃねぇよ!」
こてん、と首を傾げるアリスの目の前に冒険者カードを突き出す。
「この名前だよ!!」
アリスは冒険者カードを撥ね除けると、キサラギウォッチを指差した。
どういうことだ?
「名前は一回死なんと変わらんぞ」
「本名の方じゃねぇよ! この『万年下っ端モブ戦闘員』の方だよ! DQNネームにも程があるだろ!!」
「事実だろ?」
「真実は時に人を傷付けるって学校で習わなかったんですかー……ってアンドロイドか」
「何だその言い方は。機械差別で訴えるぞ」
「アンドロイドなのは事実だろ?」
「真実は時に他者を傷付けることもあると学校で習わなかったのか」
お互い何秒か睨み合った。アリスがフッと肩の力を抜いて、手で俺を制す。
「この辺にしておくか。それに元いた日本には『郷に入っては郷に従え』という言葉があるくらいだ。我を通し続けるだけが正しいわけじゃないだろ?」
「そんなエスペラント語は知らん! ……ん? これ郷側じゃなくて元いた日本側にやられたんだけど……? まぁ、良いや。俺だって、そんな小さい男じゃない」
「……エクスカリパー」
「今なんつったおい」
十分後。何だかんだで和解した俺達はスキルをどうするかについて話し合っていた。
スキル……冒険者カードに記載されているスキルポイントを消費することで得られる技。職業ごとに専用スキルとかあって、いっぱいスキルを覚える程強くなるらしい。スキル自体は冒険者カードをなぞればたちまち取得。レベルなりなんだりで、個人の能力が完全に数値化されている世界故のシステム。俺の元いた日本の普通自動車の免許にも取り入れて欲しいシステムだ。
しっかし、どういう仕組みになってんだろうな。
アリスにも訊いてみたが、流石に未知のテクノロジー過ぎて分からないらしい。というか、この世界でしか通用しないルールの可能性もあるとか。
「そう言えばアリス。何で『冒険者』なんだよ。もっと良い感じの職業に就けたハズだろ? 最弱職って言うし……そんな職業で大丈夫か?」
そう。俺がドラゴソナイトで落胆している間にアリスも職業登録を済ませていた。
なんとアリスの職業は、最弱職臭が香ばしい基本職業の冒険者。誰でもなれる手軽さと低いステータス上昇値、ノーマルタイプの如く範囲だけは広いスキルツリー。俺からすればわざわざ好んで冒険者を選択するメリットはない。
俺の質問にアリスは即答した。
「大丈夫だ、問題ない」
一瞬、間が空いて「一番良いのを頼め」とアリスにツッコんだ。
「だがな、六号。割とネタ抜きに『冒険者』が一番良い職業だと自分は考えた」
ふーん、と頷いた。とりあえず、聞こう。何にせよ理由があるのなら、反駁はそれからだ。
「まず冒険者は様々なスキルを習得できる。この世界でもパーティは四人組が基本らしいから、二人で行動する自分達には汎用性の高い職業が望ましいわけだ。それに、攻撃面は最悪キサラギの武装を転送してもらえば良いしな」
「なるほど……ちなみに、他にはどんな職業があったんだ?」
「冒険者がベストな選択だ」
「いや……そうじゃなくて、純粋にどんな職業が選べたのか気になって……」
「冒険者がベターな選択だったのは変わらない」
俺はピントが合わないアリスの返答から察した。伊達に出立前からの長い付き合いじゃない。
もしかして、こいつは――――
「さてはアリス。冒険者以外選べなかったな?」
俺の問いかけにアリスは首をぶるんぶるんと振った。
「深山幽谷の地だぞ安全策はいくらと取っても取り過ぎということはないのだからこの選択は望外のカードではなく自主的な選択的認知による選別の結果たりえるうりえるがぶりえる――――」
「うぇ~い! うぇ~い! 俺以下ー!」
「にゃぁあああああ……!!」
アリスを程良くからかった俺の頭に疑問が生まれた。
何で冒険者しか選べなかったんだ? 一応、俺でさえあんなに選択肢はあったのに。
それを訪ねるとアリスは渋々と言った感じで答えた。
「まずSTRが致命傷だった」
「STR……? そう言えば受付でも聞いたな。何だよ、それ」
「んあ? 知らないのか? 意外だな。筋力のことだ。ストレングスの頭文字を取ってSTRだ」
「あー……そういや、何かTRPGとか一昔前のMMORPGとかであった気がするな」
「嗜んでなかったのか?」
「TRPGとかって大学でサークルとかにでも入らん限り、リプレイ動画見て終わりだろ」
アリスは納得して「記録した」と頷いた。
んなもん記録せんでよろしい。
「STRが死んでいたから物理職は選択肢から消えた。あとは魔法職なんだが、なぜか魔法関係のステータスや適正がゴミだった」
「なるほど。知力不足だったか」
「六号とは違って知力は十分だったぞ」
違って、というところやたらとアクセントを置いて言った。
いや、こいつ本当にアンドロイドかよ。感情むきむきじゃねぇか。
「じゃあ、一つ問題だ、アリス。シャングリラって10回言ってみろ」
「良いぞ。シャングリラシャングリラシャングリラシャングリラシャングリラシャングリラシャングリラシャングリラシャングリラシャングリラ……言ったぞ」
「じゃあ、王子様のキスで起きた人は?」
「シンデレラ!」
やっぱこいつアンドロイドちゃうやろ。これに引っ掛かって許されるの昭和の小学生までだ。
「そうだ。すっかり忘れてたけど、クエストとかそういうのは当然あるんだよな。多分ギルド内にあったと思うけど見てきたか?」
「あぁ、あったな。有能なアリスちゃんはもう1つ受注しておいたぞ」
「なん……だと……!?」
ヤバい。これはヤバい。こいつの感覚が死んでることはバイトの件で分かっている。とんでもない難易度のクエストとかを受けてはいないだろうか。
「へぇ……どんなクエスト?」
「とびっきり簡単なやつだ」
「具体的には?」
「具体的には――――」
俺は自信満々なアリスに再度確認をする。
「本当に大丈夫なんだよな?」
「大丈夫だ。自分の言うことで間違っていたことがあったか? それに万が一失敗しても死にはしないハズだ……多分」
ナイフを右手に持ち、構える。
しかし、見据えた相手とナイフでは、縮尺が合わない。
アリスの手には八百屋バイトの時に、廃棄処分する予定だったため譲り受けた古いフライパン。奴らを相手にするには些か……というかかなり分が悪そうな装備だ。
でも、やるしかない。だって、このクエスト受注しちゃったし!
俺は叫んだ。
「行くぞ、両生類ッ!!」
この素晴らしい世界の紹介
スキル
敵を倒したりすると、冒険者カードにカウントされてレベルが上がる。レベルが上がるとステータスが上がる。その時に手に入れたスキルポイントを消費することで特殊な技能、スキルを習得できる。
何ともテレビゲーム的なシステムですなぁ。
スキルには【暗視】とか【狙撃】とか役に立ちそうな汎用的なものから、魔法や宴会芸のような専門性の高いものまでたくさんある。ちなみに、宴会芸スキルは神様ですら使用しているとか……
お話が進まないけど生存報告としてとりあえず投稿
タイトル変えた方が良いですか?
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良い(正規ルート)
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このままで良い(悪の秘密結社ルート)
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良くないわよ、バカ!(恋愛ルート)
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井伊直弼(桜田門外ルート)