岩タイプで砂嵐と全体A急所2上昇スキル持ちのお兄さんは好きですか   作:プルータス

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とある日のカクタス(ナックルジム談義)

【ユイが散歩していると釣りをしているカクタスを見つけた】

 

〘釣りですか?〙

「ああユイちゃんこんにちは。

 十秒くらい待っててね」

 池に向き合うと少ししてから浮きに反応がくる。

「よし、かかった」

 釣り上げると竿の先にはアノプスがかかっている。

「アノプスと遊んでいたんだ。コイツは水が弱点のくせに水中を泳ぐのが大好きだから」

 8枚のヒレをワシャワシャ動かして喜ぶアノプス。

〘カクタスはドラゴン使わないの?〙

「ん? ああ、ナックルジムがドラゴンタイプのジムなのにってことか」

 タオルでアノプスを拭きながらカクタスが返事をする。

「ポケモンのタイプ分けのドラゴン以外にもドラゴンは存在してな。

 リザードンやギャラドスなんかもドラゴンとして扱われてる。つまり力の象徴としてのドラゴンだな」

 火山、湖といった環境の覇者。暴力の化身であり、その力は容易く天候をも変えるという。

「ナックルジムでは力の象徴としてのドラゴンを扱うために天候戦術を主に教えているんだ」

〘天候を操るドラゴン……〙

「というのが建前でな」

 カクタスはあっけらかんと前言を否定する。その軽さにユイは絶句する。

「環境の覇者としてのドラゴンならこのアノプスは失格だしな」

 なにせ環境に適応しきれずに一度絶滅した実績があるポケモンだ。今はその化石から復元し現代に適応させる計画が進行中だ。

〘なんでそんな嘘を?〙

「いや嘘ではないんだ。ただ、ドラゴンタイプを教えるには単純に人数が多すぎてな」

 ナックルシティはガラルでも有数の大都市であり、そのジムのナックルジムは数百人のジムトレーナーが所属している。カクタスもその一人だ。

 ジョウトのフスベシティにある竜の穴で修行してドラゴンを許されている者が五十人にも満たないということを考えればそのジムトレーナー全てにドラゴンタイプを持たせるのは現実的ではない。

 そもそもドラゴンは他のポケモンと比べて攻撃性が高く気性も荒い。ヒトカゲの時には懐いていたのにリザードに進化した途端に手に負えなくなる、なんてケースは珍しくないのだ。

 よってドラゴンを扱うには相応の格が必要となる。その格を持たせるために天候戦術を教えているのだ。

 天候戦術は普通の戦術と異なり過酷な環境に自らの身体を晒す。よって身体はそれに負けないように強靭になるし、精神も相応に鍛えられる。

 

「というのが半分で、残りはすぐ近くにワイルドエリアが在るからだな」

〘キャンプしてカレーを作る場所だよね〙

「それはユウリの話だな。本人が適応しすぎて話が軽くなってる」

 ワイルドエリアはダイマックスと並ぶガラル地方の特徴である。かなりの大規模でポケモンの野生が残っているだけではなく、あらゆる天気にコロコロと変わるのが特徴のエリアだ。カンカン照りの場所から数メートル歩くとあられが降っている事も珍しくない過酷な環境である。

 そんなワイルドエリアが近くにある以上、天候変化への適応と対処法を教えるのもナックルジムの仕事なのだ。

「俺はドラゴンタイプのポケモンを実家に置いてきてるからドラゴンを扱うのは機会があったらだな」

 パシオでは基本的に連れ歩くバディと一対一の関係だが、旅をしていた時の格好やマジコスと呼ばれるポケモンとの一体感を増す服を着るときに別のポケモンを扱うこともある。

「さて、遊びの後は特訓だ。丁度いいからアノプスの特訓に付き合ってくれるかいユイちゃん」

〘負けないよ!〙

 カクタスとユイ、アノプスとピカチュウのポケモンバトルが始まる。

 なんだかんだ言ってもカクタスもポケモン馬鹿の一人なのである。

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