7つの異世界 そして『魔王』   作:ずーさん

17 / 18
LIVE A LIVE中世編のストーリーです。所々、独自の解釈も含めて表現しております。
1994年にスーパーファミコンで爆誕し、半ば諦めていたところに、
長き年月を経て2022年7月にNintendoSwitchにて発売し(PlayStation4、〃5版は2023年4月)、
当時プレイしたユーザー含め、話題沸騰のリメイク版に触発されたので、投稿しました(>_<)!!


かつて世界は、『魔王』に支配され、混沌と絶望に、人々は疲弊し、生きる希望すら見出されずにいた、、

そんな混迷の世に、立ち上がったのが勇者・ハッシュと僧侶・ウラヌスであった。

彼らは見事、『魔王』を討ち滅ぼし、平穏な世の中が訪れていった。

だが、、そんな平穏も長くは続かなかったのである、、

新たなる勇者となるべき若者は、果たして現れるのであろうか、、、!?

そして、ラストには信じていた、あの人までも、、、衝撃の結末が待っている、、!?



※※ネタバレを大きく含みます。また、ストーリーの核心にも触れていますので、ご了承下さい❗※※


現実と言う名の悪夢(ゆめ)ー中世編ー

大陸随一の精強な大国、、王都・ルクレチア。この地より、一人の若者が人々の期待に応え、

大きく邁進(まいしん)してゆくのである!

 

若者の名は『オルステッド』。

 

王都・ルクレチアにて開催されている武闘大会にて、破竹の勢いで勝ち進んでいき、

残すところは、あと準決勝戦と決勝戦を残すのみとなっていた。

 

国王、大臣、多くの人々、そして、王女・アリシア。

 

国を挙げた一大イベントに、それはそれは、大いに盛り上がる人々なのであった。

 

そして間もなく準決勝戦が始まり、オルステッドは静かに武舞台に立った。

対する相手は、、屈強な身体を持った大男・アームストロング。

 

先に仕掛けたのはアームストロング。大きく剣を振り下ろしたが、その隙を見逃さずにカワし反撃の斬り込み「カットワンウェイ」を放った。

だが相手もここまで勝ち進んで来た猛者。そう簡単に攻撃を許すつもりも無く、

斬り込み・突き上げ・斬り下ろし・斬り上げ・なぎ払いと、数々の連続攻撃を仕掛けて来た!

 

だがオルステッドも志は同じだ。アームストロングの怒涛の連続攻撃を、持ち前の戦闘スキル、技、センスで難なく掻い潜っていったのであった!

 

斬り込みの「カットワンウェイ」、力を溜めて打ち込む「Vシャイン」、

回転なぎ払い「プラスリンク」、強力なミネ打ち「ハンマーパワー」等を駆使して、

 

激しい両者の攻防はしばらくの間続いた!

だが、ここでアームストロングが懐から何やら怪しい薬草らしきモノを自分の剣に塗り込んでいた。

 

そして、そのまま猛烈な突進からの斬り下ろしを油断して食らってしまったオルステッドは、忽ち毒に侵されてしまった、、。そう、それは毒草・トリカブトだ!

 

正々堂々と闘う事を辞めた卑怯なアームストロングに、怒りを剥き出しに、とっさに空中に飛び上がり、「ジャンプショット」をお見舞いした。が、、毒で目が霞み、狙いが定まらなかったのであった。

 

だがそこで、観覧席より男の声援が!

 

「オルステッド!!そんな毒に頼る様な卑怯な野郎なんかに、、絶対に負けんなよーー!!

お前はこんなところで終わる男じゃ無いのは、俺が一番よく知っているんだ!負けんなーーー!!勝てーー、オルステッドォォォーーーー!!!」

 

そう、声の正体は、オルステッドの良きライバルで有り親友の、ストレイボウなのであった!

 

ストレイボウの熱い声援を受け、激しく闘志を燃やしたオルステッドは、

大きく身体能力を上昇させ、、!

 

そして、「ケッ、無駄な抵抗はよせ!!」と激しい猛攻を浴びせるアームストロングを華麗にカワし、背後に回ったオルステッドの放った強烈な回転斬り「スピンドル」で、

大きく吹き飛ばし、見事に勝利したのである!

 

しばらくすると、ノビているアームストロングの下に駆け寄った一人の少年が、

 

「と、、父ちゃぁぁーーーーんんん!!!!」

 

と鳴き叫びながら、兵士に担がれて城の外に消えて行ったのであった。

 

 

兵士から解毒剤をもらい、毒を治療したオルステッドは、しばしの休憩を挟んだ後、、

いよいよ決勝への駒を進め、その相手は、ライバルで有り親友のストレイボウであった!!

 

ストレイボウ「やっぱり、ここまで勝ち進んで来たな、オルステッド!

だが、お前の活躍もここまでだぜ!この大会で優勝するのは、、俺だ!!」

 

だがオルステッドも、優勝を譲るつもりは毛頭無い!!

静かに見つめ合った両者は、、、そして、兵士の合図と共に闘いの始まりを告げた!

 

 

先に仕掛けたのはオルステッド。鋭い踏み込みからの斬り込みの二連撃、「カットワンウェイ」と「Vシャイン」を放った!

 

だがそれを俊敏なステップで回避したストレイボウは、杖に魔力を込め、詠唱を始めた。

そして、

 

「敵を穿て、、火の魔弾!レッドバレット!!」

 

その瞬間、杖から火球が飛び出し、オルステッドを襲った。

 

炎に包まれるも、即座に身体を回転させながらの斬りつけ「プラスリンク」で鎮火と攻撃を同時にやってのけたのであった!

襲い来る剣撃をとっさにカワすストレイボウも、

 

「フッ、流石だ!、、だが、これならとうだ!!」とストレイボウ。そして、

 

「凍てつくのだ、、輝きと共に!シルバーフリーズ!!」

 

オルステッドの足元から冷気が立ち込め、突如大きな氷塊が襲い掛かって来た!

何とかスレスレで回避するも、片足を凍らされ、動きを制限されてしまう。

 

その隙を見逃さなかったストレイボウは、続け様に魔法を詠唱した。

 

「白銀の風よ、、敵を貫け!シルバーウィンド!!」

 

上空に無数の冷気を集約した彼は、そのまま氷の塊をオルステッドにぶつけた。

 

全身を強く打ち付けられたオルステッドは、傷を負い、片足を付いてしまう、、。

 

ストレイボウは、あと一歩でオルステッドに勝利出来ると、そう信じて止まなかった。

しかし、オルステッドからは並々ならぬ不屈の闘志が溢れ出し、それを一気に爆発させたのである!

どんな不利な状況でも、決して諦めない強い心を宿したオルステッド、、!

 

彼の熱い気概は、彼の戦闘力までも大きく躍進(やくしん)していったのであった!

 

だが、諦めの悪いのを良しとしないストレイボウは、畳み掛ける様に魔法を詠唱する。

 

「炎の檻に囚われるが良い!レッドケイジ!!」

 

その瞬間、オルステッドの周囲を炎が取り囲み、それはさながら炎の檻であった。

 

そして更に詠唱を開始するストレイボウは、

 

「吹き荒べ、、蒼き疾風!ブルーゲイル!!」

 

オルステッドを取り囲む炎の檻は、巻き起こる凄まじい強風に煽られ、その勢いを増していったのだ!

 

煉獄(れんごく)の火に包まれたオルステッドの運命は、果たして、、、

 

 

ストレイボウはニヤリと微笑み、もはや揺るがぬ勝利を確信した。、、、だがその時!

 

オルステッドの周囲から強烈な旋風が巻き起こり、「スピンドル」の回転からの「プラスリンク」で炎をなぎ払い、そのまま鎮火した!

 

まさかの事態に対応が遅れたストレイボウは、オルステッドの反撃の真空波「ソードビュー」の一太刀を受け、そのままダウンし、ノックアウトしたのであった。

 

辛くも勝利を収めたオルステッドは、ストレイボウにスッと手を差し伸べ、その手を取り、

 

「ヘヘッ、、やっぱり強いな、お前は!いやー、悔しいなぁーー!!あと少しで勝てたのによ!、、だが、優勝おめでとう!オルステッド!!、、さ、王女様がお待ちだぜ!」

 

 

そう、この武闘大会の優勝者には、王女・アリシアに求婚する権利が与えられるのである。

 

今までオルステッドの勇敢でたくましい、熱い闘いを見ていたアリシアの答えはもう、

決まっていた。

 

「喜んで、、貴方の妃となりましょう。、、オルステッド!」

 

そして国王が閉会の言葉を述べる。

 

「オルステッドの優勝を、、そして我が娘・アリシアとの結婚を!

、、いや、我がルクレチアの未来を築く二人を、快く祝福しようではないか!

皆の者!、、宴の準備じゃ!!」

 

巻き起こる大歓声の元、大会は幕を閉じたのであった。

 

その夜、晴れて夫婦(めおと)となったオルステッドとアリシアは、城のテラスにて、

お互いの愛を確かめ合っていた。

 

アリシア「素敵な宴でしたね。父上ははしゃぎすぎでしたけど、、父上もきっと嬉しいのです。新しい世継ぎが出来て、、もちろん、私も、、!

でも、、もう、「姫」と言うのはやめて下さい。今は私と貴方だけ、、これからは、、父上よりも、、いいえ、誰よりも、、貴方を、、、信じます!!」

 

そして、二人は深く、、深く抱きしめ合った。

 

 

だが、そんな平穏を打ち破るかの如く、突如、上空から大きなドラゴンがアリシアを掻っさらい、

そのまま遠くへと連れ去られてしまったのであった、、。

 

こんな魔物、初めて見る、、これは、何か不吉な前触れとでも言うのだろうか、、!?

 

突然の出来事に何も出来ぬまま、遠く小さくなり消えてゆく空を、、

アリシアを見つめるオルステッド、、、。

 

 

 

 

東の空に魔王あり、、、

 

邪悪な心、邪悪な力を持ち、邪悪な姿となりて、、全てを憎む者なり、、、

 

 

西の山に勇者あり、、、

 

強い心、強い力を持ち、勇ましい姿となり、、魔王を打ち砕かん、、、

 

 

その翌日、国王より告げられし衝撃の事実。それは、

かつての忌まわしき『魔王』が、復活し、再び世を混沌と絶望に陥れようとしていると、、。

以前は、伝説の勇者・ハッシュと仲間の僧侶・ウラヌスにより倒されたはずだったのだが、

現に魔王の手先が現れ、王女・アリシアも拐われてしまい、、

ほとほと手を拱(こまね)いていた人々、、、。

 

そんな沈黙を打破したのは、オルステッド!

このままでは、このルクレチアは元より、世界中が深い悲しみに塗り潰されてしまう、、

この私が、愛する妻・アリシアを取り戻し、魔王を打ち倒すと、国王に固く約束したのであった!!

 

こうして、『魔王』を打ち倒す『勇者』オルステッドの旅は、幕を開けたのである。

 

 

城を出て城下町に入ると、既に町人達には、オルステッドの魔王討伐の噂は瞬く間に広がっていた。

そして人々の大歓声に包まれながら、ルクレチア王国を後にするのであった。

 

王国を出ると、そこには広大な森林地帯が広がっていた。

そう、このルクレチア王国は、緑豊かな土地の、そのど真ん中に築かれたのである。

 

早速、出立前に大臣から手渡されたルクレチアの地図を開くと、

どうやら王国の近くに、ファミリオの村というルクレチア王国領の村が在る事が分かった。

 

まずは、そこに出向き、情報収集でもしようと王国を離れると、、

木の物陰からオルステッドを呼ぶ声がした。

 

「抜け駆けとは関心しないな、、オルステッド!」

 

どうやら声の主は、ストレイボウであった。そして彼はオルステッドに駆け寄り、こう言った。

 

「国王達の話、、どうやら本当らしいな、、。たまたま近くを通りがかったら偶然耳にした。で、、こうしちゃいられないと思ってな!」

 

そして、彼は続け様に、勇んでこう言った!

 

「お前一人だけで、そんな伝説の『魔王』に立ち向かえるのか?、、フン、、お前一人に良い格好なんて、させないぞ!、、、その、『魔王』とやら、、武闘大会で決勝を競い合った、、

俺達でブッ倒してやろう!!」

 

こうして、心強い旅の仲間・ストレイボウが加わったのであった!

 

 

だが、王国を一歩出ると、そこは、、数多くの魔物犇(ひし)めく危険地帯なのであった。

以前より、魔物が居た事には居たのだが、ここまで多くの魔物は蔓延(はびこ)って居なかったのだが、、、

恐らくは、『魔王』復活により、魔物が大量に繁殖し、そして凶暴化してしまった所為(せい)なのだろう、、。

 

魔物の攻撃を掻い潜りながら、どうにかファミリオの村へと到着した二人は、

この村でひとまず今日は休息する事にした。

 

と、その前に、宿で休む前に村人達へも話を聞く事にした。

一人の少年はオルステッドを見かけるなり、とても喜び、

武闘大会で優勝した『勇者』オルステッドの勇ましい生き様に、輝くような目で憧れの眼差しを送っていた。是非、家に来て欲しいとせがまれ、少年の家を訪問する。

少年と、その父と母3人は、オルステッド達をとても手厚く持て成した!

 

どうか、無事に魔王を倒して、平和を取り戻してね!と。そして、

また遊びに来てね!と、少年はとても嬉しそうに話していたのであった。

 

少年の家を出て、宿に向かう途中、日向ぼっこをしている老人にも軽く挨拶をする。

 

老人は、

「はぇぇ〜〜、、良い日和じゃのぉ〜〜、、、麗(うら)らか、麗(うら)らか、、

どうじゃ?お主らも、一緒に日向ぼっこして温まらぬかぇ?」

 

と、とても心地よさそうな、柔和な印象を受けるお爺さんであった。

何処にでも居る様なお爺さんだったが、何故だが、これから先、とても重要な鍵となる人物である様な気がしてならなかったのである、、!

 

その後、ストレイボウは「なぁ、あの爺さん、只者じゃ無いぜ?すっとぼけてる様に見えるが、、ありゃ、とんでも無い傑物(けつぶつ)だと、、俺は見た!!」

 

だが、オルステッドも不思議と、そんな気がしてならなかったのである。

 

そんな事を考えながら、宿で休み、その翌日。

再び地図を見つめる二人は、西の方に健在する大きな雪山が気になった。

 

森林をひたすら西へと進み、次第に凍てつく寒さ広がる雪山へと、景色は移り変わっていった。そこで、ふとルクレチア城下町の人の話を思い返すオルステッド。

その話では、どうやらこの雪山に、かつて魔王を討伐した伝説の勇者・ハッシュが籠もっている、、

と言うのである。だが、どうゆう経緯かは不明だが人間嫌いになってしまったとの噂も聞くのである。

 

 

肌を突き刺す寒さの雪山をひたすら登って行くと、途中に一棟の小屋を発見する。

小屋の近くでは、薪を割っている一人の男が。だが、話し掛けようとするも、無視して

そそくさと小屋の中に入ってしまった。

そのまま追いかけ、中へ入り、再び話し掛ける。

『魔王』が復活してしまったので、ここも危険かもしれない、、

この雪山に、勇者・ハッシュが居るとゆう噂を聞いたが、何か知らないか、、

何故こんな雪山で暮らしているのか、、

色々話し掛けるも、怪訝(けげん)な表情を貫き、一向に話をしようとしない男、、。

 

随分とぶっきらぼうで感じの悪い男だと、諦めて小屋を出ようとした時、ストレイボウが

何かを発見する。

小屋の奥の壁に立て掛けてある立派な盾、、こんな辺鄙(へんぴ)な場所に似つかわしく無い立派な盾に、違和感を覚えたのであった。

そして、如何にも人間嫌いそうな男の態度、、もしや、この男は、、!?

 

しかし推測の域を出ない事に首を突っ込むのは無粋と言うもの。

そのまま小屋を後にし、下山したのだった。

 

そして、すっかり身体の芯まで冷え切った身体を癒やすべく、再びファミリオの村へと足を伸ばしたのである。

そこには、前に日向ぼっこをしていたお爺さんが居た。二人を見つけた彼は、

 

「はぇぇ〜〜、、良い日和じゃのぉ〜〜、、、麗(うら)らか、麗(うら)らか、、

ん?お主らは、、お〜お〜、何じゃ、震えておるではないか。もしや、、西の雪山にでも行ったのかぇ?、、ふむ、、そんな身体では風邪引くぞぃ。よし、ワシの家の暖炉で一緒に温まろう!」

 

快く持て成しを受けた二人は、お爺さんに連れられ、家に招かれた。

冷え切った身体を温め、元気を取り戻した二人は、お爺さんにお礼の言葉を述べ、

出て行こうとすると、奥の壁に、何処かで見覚えのある盾を発見する。

 

そう!それは、雪山のぶっきらぼうな男の小屋にて見掛けた、立派な盾と全く同じモノでは無いか!!

 

何故同じモノが、お爺さんの家に有るのか、聞いてみると、、、

突然、お爺さんの顔色が変わり、穏やかな顔が一変して険しい顔になり、

驚いた表情で、こう言った。

 

「何故その盾を知っておる!?」

 

二人は、魔王が復活し、打ち倒す為の旅をしている事を、、

雪山に行き、勇者・ハッシュを探していたと、、お爺さんに説明した。

 

そこで、お爺さんは打ち明けたのである。

かつて勇者・ハッシュは確かに、魔王を倒した、、だが、そんな魔王を倒した英雄となったハッシュの下には、何でもかんでも頼る人々、もてはやすフリをして利用する人々が跡を絶たず、、自分ばかりを当てにする、、他力本願な『人間』の浅ましさ・図々しさにほとほと嫌気が差したハッシュは、『勇者』と、もてはやされる自分にも腹が立ち、、そして山に籠もってしまった、、とゆうのである。

 

そして、お爺さんは、

 

「ワシもそうじゃ、、、『勇者』などと言う名声は、人間を堕落させる。

だから、ここで静かに暮らしていたのじゃ。」

 

そこで、もしやと感づいたストレイボウに続いて、お爺さんは、その正体を明かした。

 

そう、かつて『魔王』を打ち倒す旅に同行していた僧侶・ウラヌスその人なのであった!!

 

そしてウラヌスは、

 

「魔王を倒す旅、、これも何かの因果律やもしれぬ。このワシも、、共に見届けてしんぜようぞ!!」

 

伝説の勇者の仲間が手を貸してくれるとは、思いもしなかったのである。

こんな心強い味方が増えて、オルステッドとストレイボウの士気は上がっていった!

だが、喜ぶのはまだ早い。

 

ウラヌス「ワシを、ハッシュの下へと連れて行ってはくれぬか?あのまま、人間嫌いのままにさせておくのは、気掛かりでならん、、。人が人を信じなければ、、一体何を信じるのじゃ、、!?、、、そして、、ハッシュの心を再び、、、!!」

 

 

ファミリオの村を出た3人は、急ぎ雪山のハッシュの小屋へと歩を進めた。

 

途中、襲い掛かって来る数々の魔物も、頼もしい仲間・ウラヌスの放つ、神に身を捧げた僧侶ならではの、眩い閃光と共に神の声で相手を一喝する脅威の雄叫びを張り上げた。

 

「響き轟け、、神の雄叫び!!!!」

 

そして、クワーーーーッッッ!!と、凄まじい気迫の雄叫び「ゴッドボイス」で尽(ことごと)く魔物を怯ませながら突き進んで行ったのだ!

 

そして、ハッシュの小屋に辿り着いた一行は、中に入り、

僧侶・ウラヌスが勇者・ハッシュを説得する。

 

『魔王』が再び蘇り、世を混迷へと陥れようとしている、、と。

 

だが、一度心を閉ざしてしまったハッシュを、そう簡単に説得出来るハズも無く、

そのまま背を向けるのみなのであった、、。

 

それでも諦めずに必死の説得を試みるウラヌスだったが、、、ハッシュを遂に見限り、こう言うのだ。

 

「行こう、、オルステッド。、、人違いじゃった。『勇者』ハッシュは死んだ、、、

ここにおるのは、、ただの、、拗(す)ねた臆病者じゃ!!」

 

痛烈な言葉を浴びせるウラヌスを尻目に、

オルステッドとストレイボウ二人は、躊躇するも、小屋を出ようとする。

 

 

だがその時!静かに立ち上がったハッシュは、奥の宝箱から何かを取り出し、それを纏っていった。それは、魔王との闘いの折の鎧であった。そして、壁に立て掛けてあった盾も装備し、

今一度、魔王との闘いに身を投じる決意をしたのである!!

 

そして、ハッシュがその重い口を初めて開くのであった。

 

「勘違いするな、、下らない人間達の為に行くのでは無い。

私が弱い人間では無い事を、、、証明する為だ。」

 

 

そこでハッシュは、まずは、この雪山の山頂に寄ってくれ、と言う。

魔王の住まう山に行く為に、絶対に必要なのだと、、、そう告げた。

 

山頂を見渡すと、断崖に一つの古い墓標が在り、こう記されていた。

 

『勇者・ハッシュ ここに眠る』

 

と。

 

だが、その墓標に静かに近づき、地面を掘り起こすと、、何とも立派な剣が姿を現した!

魔王を倒した伝説の剣、、その名も『ブライオン』!!

それを思い切り天に掲げたハッシュ。そして、、

 

「魔王、、、今一度、、、、この手でカタを付けてやる!!!」

 

その瞬間、天に光が伸びて行き、曇天の空が一気に晴天へと移り変わっていったのだ!!

それはまるで、一度心を閉ざし、『勇者』ハッシュは文字通り一度死んだハズだった、、。

だが、再び『勇者』としての道を歩みだす決意をしたハッシュの、心の現れを具現化したかの様であった、、、!

完全に、かつての伝説の『勇者』ハッシュが覚醒した瞬間である!!

 

 

新しい『勇者』オルステッドと、魔法使い・ストレイボウ、

伝説の『勇者』ハッシュと、僧侶・ウラヌス、、!!

 

4人は、満を持して、東にそびえ立つ、魔王山を目指して行くのであった、、、!!

この先どんな困難や苦難が降り掛かろうとも、、決して諦めない強い心ある限り、、

悪しき『魔王』などに、倒される『勇者』一行では無い!

 

 

こうして、『勇者』一行は、、いざ!!

『魔王』を討ち滅ぼすべく、決意を胸に誓い、進撃を開始するのである!!

 

 

 

雪山を下山した4人は、そのまま一目散へと東へ、、東へとひたすら歩を進めた。

程無くして見えてきたのは、不気味にその姿を構える巨大な魔王山、、、

そして、その入口は、禍々しい悪魔の顔の石像が身構えているのみ、、。

 

だが、肝心の入口が何処にも無い!するとハッシュが一言。

 

「下がっていろ。」

 

そして、ブライオンを天高く掲げながら、こう言った!

 

「この入口は、、魔王と闘う資格の有る者にだけ、、、その扉を開く、、、!」

 

その瞬間!大きな地響きと共に、目の前の悪魔の口が大きく開いたのである、、!!

 

いよいよ、敵の総本山に突入である。気持ちを引き締め、中に入って行った一行!

 

中はまるで迷路の様な道が幾つも点在し、入り組んでおり、そして邪悪な雰囲気を遺憾(いかん)無く発揮する、何ともおどろおどろしい洞窟であった。

そして洞窟内部は、外の魔物とは比べ物にならないくらい、強力な魔物がウヨウヨと犇(ひし)めいていた、、。しかし、勇者一行も、決して遅れを取ったりはしない!

 

ハッシュ・ウラヌスは元より、オルステッド・ストレイボウも、ルクレチア王国を出た時よりも大分強くなっているのは、己が一番よく理解していたのである。

 

様々な技や魔法を駆使し、洞窟を奥へ奥へと突き進んで行った!

だが、何匹もの魔物の中に、あからさまに強大な魔物が現れたのである。

その名も「レッサードラゴン」。この魔王山に古くより住まう、伝説のドラゴンなのであった!

 

レッサードラゴンは出鼻を挫くかの如く、その大きな口から炎を吐いた。

とっさの攻撃に回避が間に合わなかった4人は、炎に焼かれ痛恨のダメージを負う、、。

しかし、僧侶・ウラヌスの祈りが神に通じ、全員を瞬く間に治癒していったのだ。

そう、「神の祝福」である。

 

そして、体制を立て直した一行は、反撃に出る!

 

ストレイボウの放つ「シルバーフリーズ」で、足を凍らせ、動きを封じてからの、

オルステッドの突進からの五月雨(さみだれ)の如き剣風技「ミラードライブ」をブチ込んだ!

だが、レッサードラゴンの、しっぽがオルステッドを襲う。

それをギリギリでカワし、そして奥では、勇者・ハッシュが渾身の闘気から発動する脅威の大技をお見舞いするべく、深く深呼吸をし、構えを取っていた!

 

それは、巨大な灼熱の龍の闘気・熱気を発生させ、それを敵目掛けてぶつける、とゆう、、

将に、伝説の勇者に相応しい大技なのであった!!

そして、その名は「ドラゴンソウル」!

 

カッと目を見開き、その凄まじいドラゴン状の闘気・熱気をぶつけられたソイツは、、

たまらず断末魔の叫びを上げながら、消し炭になっていったレッサードラゴンであった。

そして、その技が通過した道筋には、グツグツとマグマが煮え滾っていたのであった、、!

 

思わず感嘆の声を漏らすオルステッドとストレイボウ。

そして、ハッシュは一言。

 

「フッ、この程度で驚かれては困る。まだ、実力の半分すら出していない。、、先は長い、、、行くぞ!」

 

更に奥へと進んで行くと、不気味な洞窟は更に不気味さを増し、

仄暗い青い光に照らされた気味の悪い通路や扉、装飾が続いていた、、。

 

そこでは、さも当たり前の様に、レッサードラゴン級の強敵がウジャウジャと野さばり蔓延(はびこ)っていたのである。

連戦に次ぐ連戦を繰り返し、繰り返して、、流石の伝説の勇者・ハッシュにも疲労の色が見え隠れしてきていた。

 

そして、そこでは、王女・アリシアを拐ったドラゴンの仲間までも、数体待ち構えていた。

ソイツの名は「ドラグノン」!魔王に忠誠を誓う、魔王直属の親衛隊とでも言うべきだろうか!?

 

ドラグノン数体が上空からの鋭い爪での急降下を仕掛けていき、更にもう数体が炎を吐いた!

 

将に四面楚歌の窮地を救ったのが、ストレイボウの放った「ブルースコール」と「ブラウンシュガー」との合体魔法であった!

 

吹き荒ぶ大砂嵐の中、広範囲を落雷が襲う、大技を披露したのである。

 

「蒼き嵐よ、、叫び轟け!、、そして、褐色の砂塵よ、、我に勝機を!!」

 

ドラグノン達は炎もろとも、まとめて吹き飛ばされ、散り散りになっていった。

 

そして、それぞれ各個撃破して行く勇者一行なのであった!

 

まずは、2体のドラグノンがオルステッドを襲うも、広範囲に斬撃の剣風をお見舞いする「インケイジ」にてまとめて切り刻まれたドラグノンを、「ジャンプショット」で1体突き刺し、もう1体を懐に飛び込んでからの「ハンマーパワー」、「カットワンウェイ」、「Vシャイン」の連続技にて撃破した!

 

次に、3体のドラグノンがストレイボウとウラヌスを襲うも、

ウラヌスの唱える、大きな結界に閉じ込めて悪を浄化する魔法「サンクチュアリ」にて大きく弱体化させる事に成功。すかさずストレイボウが、3体に精神錯乱魔法の連続魔法を浴びせるのだ。それは、紫色の霧や霞にて敵を包み込み、敵に幻を見せるのである。

そう、「パープルミスト」と「パープルストレイ」である。

見事に術中にハマったドラグノン達は、同士討ちを始めた。

やがて、最後の1体になったところを、駆け付けたオルステッドの放った真空波「ソードビュー」にて撃破した!

 

そしてラストは残すところ3体!

焦ったソイツ等は、、凄まじい猛攻を仕掛けて来るドラグノン達は、鋭い爪の切り裂き、噛みつき、急降下、火炎ブレスと、それは容赦の無い勢いなのであった。

だが、それを見事なまでの様々な剣技で受け止め、なぎ払い、尽(ことごと)く制して行った勇者・ハッシュ!

 

そこで、ドラグノン達は何と、3体がまとまって合わさったでは無いか!

そして、次の瞬間!3体同時に最大級の火炎ブレスを展開したのである。

 

それには、どうする事も出来ないと思われたが、、ハッシュは突然壁に向かって突き進んで行ったのだ。その先は行き止まり、、気でも動転したかと思われたが、彼には勝つ算段がちゃんと有ったのだ。

 

壁に誘い込み、そこからハッシュは壁を思い切り蹴り、三角飛びで天高く舞い上がったのである!そして、並の常人では決して真似の出来ない様な、その不安定な体制からの、超高速の斬撃の嵐を幾つも、幾つも連続で斬り込んでゆく大技をお見舞いしたのであった!

その名も「レイザーソニック」!!目で追う事など絶対に不可能な、斬撃の嵐の前に、

木っ端微塵に切り刻まれたドラグノン達は、邪悪な黒い瘴気(しょうき)と共に消滅した。

 

伝説の『勇者』ハッシュ、、その実力は、想像の上をいっていたのであった!!

 

 

そして、全ての魔物を一先ず一掃した勇者一行は、更に洞窟の奥へと駆け抜けて行くのであった。

 

その先で待ち受けて居る者、、、それは、果たして『魔王』であろうか、、。

 

それとも、、、、

 

 

 

 

 

、、、TO BE CONTINUE、、、、

 

 

 

 

■【中編】

不気味な通路を奥へ、、奥へと進むと、何とも異様な大広間に出た。

 

そこは、大きな像が7つ、、至る所に点在している、謎の大広間であった。

どの像も、見た事も無い様な、不思議な格好をし、異様な雰囲気を放っていた。

 

そして、その奥の大きな扉を開くと、、

 

邪悪な雰囲気立ち込める祭壇が有る広間に出た。そこら中に燭台が並べられ、

奥には巨大な、禍々しい巨像が置かれている祭壇があった。

 

ハッシュは、邪悪な悪の気を感じ取り、辺りを見渡して、、

 

「、、魔王、、、!!」

 

その瞬間!燭台に一斉に青い炎が灯っていった。

 

やがて、暗黒の瘴気(しょうき)と共に現れた邪悪な存在が、姿を現したのである。

そう、、『魔王』だ!

 

「これは、、勇者・ハッシュに僧侶・ウラヌス、、、久しいな、、またこうして出会えるとはな、、!

だが、、我の野望を阻むのならば、、、何度来ようと同じ事、、その命をもって、、、

思い知るが良い!!」

 

 

 

 

邪悪なドス黒い闘気を垂れ流す魔王は、、不敵な笑みを浮かべながら、その眼をカッと見開き、鋭い眼光を浴びせてきた。それは「惑わしの瞳」。

 

その眼に見つめられた4人は、平常心を大きく掻き乱され、不安と恐怖・絶望と言った、人間に備わる負の感情を増幅させられてしまう、、。そして、大きくパワーダウンしてしまった一行を、魔王は追撃の手を決して緩めたりはしなかったのであった。

 

掌を一行目掛けてかざし、そこから超高熱の炎を噴出した!そう、鋼鉄をも溶かしてしまう程の計り知れない高熱の「メルトブラスト」である。

 

出鼻を大きく崩され、これまでかと諦めかけた、その時、、!

僧侶・ウラヌスの全体を包み込む様な慈愛に満ちた「神の祝福」を受け、

更には四方に大きな結界を張り、悪を浄化する大技「サンクチュアリ」を展開したのだ!

 

大いなる神の加護にて護られた一行は、負の感情を払拭し、「メルトブラスト」をも跳ね除けたのであった!

流石は伝説の勇者・ハッシュの仲間・ウラヌスである!

ウラヌスがもし居なかったら、、と考えたら、ゾッとするであろう。

 

だが、手を拱いてるだけでは、居ても立っても居られないストレイボウが、次の一手を決めようと勇んで画策した!!

 

人間離れした様な高速の詠唱から、怒涛の連続魔法を展開するのである!

相手の力を弱体化させる紫の霧に包み込み、そして、灼熱の檻にて閉じ込める。

続けて、大嵐を巻き起こし、落雷を発生させ、、逃場を絶ってからの、雷の結界で閉じ込めるのだ。そう、「パープルストレイ」「レッドケイジ」「アンバーストーム」による怒涛の大技である!

 

「紫魂に微睡み炎の檻に囚われよ、、そして大地に根を張れ、雷(いかづち)の嵐!!」

 

超高速の詠唱からの、連続魔法を食らった魔王は、その力を大きく削がれ、雷の結界に囚われるのであった!

 

魔王「グ、、グググ、、、よくも、やってくれたな!!人間風情めがァァァーーー!!」

 

激しく憤慨する魔王は、全身にバリアを発生させ、それをストレイボウ目掛けて送っていった。その衝撃たるや、身体中の骨や筋肉・内臓を激しく振動させる程のモノであった。

たまらず壁にもたれ掛かり、息を取り乱し一気に気分の悪くなった彼は、その場で嘔吐して倒れ込んだのであった、、。

 

 

、、そこで動くはオルステッド!親友を酷い目に合わせた報いを絶対に受けさせてやる!

と言わんばかりに、身体を猛烈に回転させながら突進し、その力を最大限に利用した流れるような連続技をお見舞いしたのであった!

そう、回転斬り「スピンドル」からの周囲に剣風を発生させる「インケイジ」、そして更に「カットワンウェイ」や「Vシャイン」の、続け様に斬撃の応酬をブチ込んだのだ!

 

魔王は、全身の至る所を切り刻まれ、黒紫色の血を吹き出して、完全に頭に血が昇ったソイツは、、、

 

「グガァァァ゛ァ゛ァ゛ァ゛〜〜〜〜〜!!!!許さん、、許さん゛ん゛、、許さん゛ん゛ん゛ん゛、、、許さんぞォ゛ォ゛ォ゛〜〜〜〜!!!この虫けら如きがァ゛ァ゛、、、あまり調子に乗るなァ゛ァ゛ァ゛〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

大気を震え上がらすかの如き邪気を増幅させた魔王は、そこから赤黒い激甚なる闘気を放出したのであった、、!

 

そして、魔王から放たれる広範囲に発生させる苛烈(かれつ)な音速の真空波「ソニックブーム」により、オルステッドは全身を切り刻まれ、血を吹き出し膝を付き、剣を立てて悶え苦しんでいた、、。

 

だが、そんな二人をとっさに救ったのは、またも僧侶・ウラヌス!

神に祈りを捧げ、神秘的な神々しい光がオルステッドとストレイボウを包みこんだ。

「癒やしの祈り」にて、忽ち傷を癒やし、体力を回復させた二人はどうにか体制を立て直したのであった!!

 

 

もはや魔王は、、そんな小賢しい人間共に、ほとほと嫌気が差し、ハラワタが煮え繰り返る思いで充満していたのである。

もう、遊びは終いだと、一気に息の根を止めてくれる!と言わんばかりの熾烈なる勢いで、

ソイツは、非情なる猛攻を仕掛けて来るのであった、、!!

 

天高く舞い上がった魔王は、、そこから超高熱の「メルトブラスト」を、音速の真空波「ソニックブーム」にてかき混ぜ、、計り知れない豪炎の真空波となったソレを勇者一行に浴びせてきたのである!

 

 

その絶望的な窮地を救うのは、勇者一行全員である!!

 

まずストレイボウが大嵐を巻き起こし、そこから極寒の冷気を発生させる。

そう、「ブルーゲイル」からの「シルバーファング」だ!

しかも、大きく強化された大嵐からの、絶対零度にも等しい冷気を展開したのである!!

 

「吹き荒べ、蒼き疾風!!そして、そそり立て、白銀の牙!!」

 

魔王の放った豪炎の真空波は、見事にかき消されていったのだ!

そして、魔王の足元からは、巨大な氷柱が発生し、猛烈な強風により、瞬く間に凍らされるのである。

 

そして、、そこから更に、ウラヌスが祈りを捧げ、、魔王目掛けて極太の聖なる裁きの雷(いかづち)を落とす。

そう、ウラヌスの究極魔法「ジャッジメント」である!

 

その直撃を受けた魔王は、身体中から黒煙を立ち昇らせた。

 

そして更に、、ウラヌスの「ジャッジメント」の直後に仕掛けるは何と、オルステッドとハッシュの勇者コンビ!!

 

オルステッドが俊敏な動きで突進し「ハンマーパワー」で何度も打ち付けつつ、「カットワンウェイ」と「Vシャイン」で斬りつけながら、

ハッシュは「スピンドル」の高速回転からの真空波「ソードビュー」を幾重にも浴びせるのであった!

そして、オルステッドとハッシュ二人が同時に空中に飛び上がり、、

魔王目掛けて急襲しながらの突き刺し「ジャンプショット」を二人で喰らわせるのであった!!

 

全員による怒涛の超連撃をことごとく喰らった魔王は、全身から大量の血を噴き出しながら悶え苦しみ、、凄まじい形相で憤慨していた、、!!

 

だがしかし、、、魔王は、

 

「クククククク、、、わ、、我は、、不死身、、ぞ!!、、この、、程度で、、勝った気になるとは、、、おめでたい虫けら共、、、だァ゛ァ゛ァ゛、、、我は、、倒れん、、!!

貴様等に待ち受けるのは、、『死』と、、『恐怖』と、、『絶望』、、、ただそれだけよ!!!!」

 

こんだけの攻撃を食らっても尚、まだ死なない魔王、、本当に不死身なのだとでも言うのか!?

 

しかしそこで、ハッシュは、思い出したのである、、かつての魔王との死闘を決した、

伝説の最終奥義を、、!!

 

その名は「デストレイル」!

 

もはや魔王を討ち滅ぼせる可能性が有るのは、この大技しか無い!!

長らく記憶の隅に追いやられていたのだが、ここに来てようやく思い出せた様であった。

だが、この大技を放つには、深く精神統一し、雑念を捨て去り、集中する必要が有るのだ。

その間に攻撃を食らっては元の木阿弥(もくあみ)である。

 

 

そして、今一度、4人は一致団結し、死力を尽くして、決死の時間稼ぎをするのであった!

ハッシュが精神統一している間、、、3人は全力で魔王を食い止めるのである!!

 

 

そうはさせまい!と魔王が眼を見開き「惑わしの瞳」を発動するも、

ストレイボウの紫の霧「パープルミスト」が、それを相殺した。

続いて怒りに身を任せた突進からの鋭い爪の引き裂きを仕掛ける魔王だったが、

ギリギリでカワしながら「ミラードライブ」にて剣風をお見舞いするオルステッド!

立て続けに繰り出すは、ウラヌスの「神の御加護」。神の祈りで舞い降りた神々しい光により、悪を浄化するのである!所々を焼け爛れた魔王は、

ボロボロになりながらも巨大なバリアを張り、「バリアバースト」で反撃する。

が、再び祈りを捧げ「サンクチュアリ」を展開し、それを打ち消したのであった!

 

そして、その僅かに怯んだ隙を見逃さず、オルステッドは、共に同行し、ハッシュより見て会得した、大技「レイザーソニック」を発動させたのだ!!

 

無論、ハッシュのそれよりは劣るが、今のボロボロの魔王には、かなり有効である事は間違いは無い!

 

超速の斬撃の嵐の前に、全身を切り刻まれた魔王は、大きく仰け反り、大量の血を噴出し、滴らせていた。

 

 

そして、、遂にはハッシュの最終奥義「デストレイル」の発動の刻は、ようやく満ちたのである!!

 

ハッシュが気合を入れ、激甚なる闘気と共に渾身の一振りを魔王に斬り込んだ!!

 

 

まるで、空間もろとも切り裂いたかの如き、ブラックホールにも似た空間を生み出し、、

その人間離れした暗黒の一撃の名の下に、、、断末魔の叫びと共に、、

胴体を真っ二つに切断され、討ち滅ぼされた『魔王』であった、、、!!!

 

 

 

 

、、、やった、、!ようやく、邪悪なる悪の元凶『魔王』を討ち倒す事が出来た!!

 

だがしかし、、不思議とそれ程の脅威とも感じられなかったのであった。

勇者一行があまりにも強くなりすぎていたのだろうか、、確かに魔王もそれなりに強かったが、

かつてのハッシュ達が恐れる程の、圧倒的な強さと言う訳では無かったのである、、

 

その答えは、二度『魔王』と刃を交えた『勇者』ハッシュが解き明かしてくれた。

 

「コイツは、、魔王では無い!、、真の魔王は、、こんなモノでは無かった、、!

グッ、、、こんな、、魔王でも無い雑魚相手に、、グッッ、、、グググ、、、、」

 

だとしたら、、姫は、、王女・アリシアは一体何処に!?

オルステッドとストレイボウは一抹の不安を払拭しきれずに居た。

 

その時!突然ハッシュは両膝を付き、苦しそうに前かがみになり、そして口から血を吐いた、、。

とても苦しそうに激しく息切れをし、大量の汗をかいていた。

 

それを見たウラヌスは、もしやと思い、、

 

「ハッシュ、、まさかお主、、、病を患っておったのか!?

、、、そんな身体で、、今まで、、無理をしていたとゆうのか、、、だったら何故、、、

何故!そんな身体で来たのじゃ、、!!」

 

ウラヌスは、苦悶の表情でハッシュに問いかけるのであった。

こんな病に蝕まれた身体と知っていたら、誘ったりはしなかった。

激しく後悔の念に苛まれているウラヌス、、、そしてハッシュが口を開く。

 

「わ、、私は、、老いたりとはいえ、一度は呼ばれた人間だ、、、『勇者』と!!

少しは、、勇者らしい最期を、、、迎えられそう、、だ、、ハァ、、ハァ、、、ハァ、、ハァ、、、ウラヌスよ、、そんな顔をするな、、私が、、自分で、、自分の意思で決めた事なのだ、、決して、、お前の所為では無い、、ハァ、、ハァ、、、」

 

ウラヌス「ハッシュ、、、!!」

 

今にも命の灯火が消えてしまいそうなハッシュ、、、そしてもう一人の勇者に向けて、こう述べる、、

 

「オルステッド、、この剣は、、『ブライオン』は、、、お前が使え!

、、、姫は、、王女・アリシア様は、、、お前が助けに来ると信じている、、!

信じてくれる者が、、一人でも居る限り、、、その人間を、、、、」

 

そう言い終えると、より苦しそうに激しく息切れしながら、気息奄々(きそくえんえん)、、そして、、口から大量の吐血をし、、、

パタリと倒れ込んで絶命したハッシュであった、、。

 

下をうつむき、ハッシュの死を悼む3人、、、長い、、長い沈黙が流れていった、、、。

 

やがて、長い沈黙を破ったのはストレイボウ。

 

「まさかこんな事になるなんて、、一体誰が想像出来ただろう、、、

倒したはずの魔王は偽物、、伝説の『勇者』ハッシュは亡くなり、、俺達は、、これから、、どうすれば良いんだ、、、それに、、姫は、、アリシア様は何処に行ってしまったんだ、、!?」

 

そして、王女・アリシアの所在が気になる彼は、何の気無しに奥の祭壇の前に立ち、調べてまわる。

すると突然、大きな地響きと共に激しく揺れ、そして台座の紋章が紅く光ったのであった。

 

とっさに判断したストレイボウは、急ぎ皆に呼び掛けた!

 

「!!?いかん、、ここは危険だ!早くここを出るんだ!」

 

だが、今まで同行していた勇者・ハッシュが気掛かりでならない皆は、ハッシュの亡骸に目をやっていた。するとストレイボウは、

 

「死んだ人間に構ってる場合か!!俺達も死ぬぞ!!」

 

仮にも、今まで共に闘っていった仲間に向かって、ひどく冷たい言い回しにオルステッドやウラヌスが顔を見合わせるも、冷静に考えたら確かにごもっともなのである。

急いで部屋を出る3人は、入口に向かって走って行った!

 

だが、、一番最後に出遅れたストレイボウが部屋に取り残されてしまい、、そのまま、、!!

 

ストレイボウ「うわぁァァァーーーー!!!」

 

そして、部屋が落盤で埋まってしまうのであった、、、。

勇者・ハッシュに続いて、オルステッドの良き理解者であり親友のストレイボウまでも、

立て続けに失い、残された二人は、激しい喪失感に苛まれ、どうにも居た堪れない気持ちで溢れていた、、。

 

だが、このままずっと呆然と立ち尽くしていても埒が明かない。

こんなハズではなかったのに、、どうしてこんな事になってしまったのか、、

オルステッドとウラヌス二人は無言のまま、ただひたすらに、、重い足取りで、来た道を戻って行った。

 

そして、これからどうするかを考えた末、一先ずはルクレチア城の国王へ、この事を報告しようと結論付けたのであった。

 

魔王山を後にし、ルクレチア王国へと舞い戻った彼らは、早速、国王へ、この訃報を淡々と伝えるのである。

 

魔王と思っていた相手は、全くの偽物であり、本物の魔王の存在は不明、、、

魔王討伐に奮起した伝説の勇者・ハッシュは病に倒れ死亡、、、オルステッドの盟友・ストレイボウはハッシュと共に落盤に合い、生死不明、、、そして、取り戻すべき王女・アリシアの消息までも今だ不明、、、

 

その一部始終を聞き終えた国王は、落胆と動揺、激しい憤りにより、声は打ち震えていたのである。

隣に居る大臣も、顔面蒼白で、落胆と動揺は計り知れなかったのであった。

 

そして、押し殺したかの様な声で、必死に平静を装い、国王は、

 

「そうか、、大変な旅であったな、、、勇者・ハッシュ殿は帰らぬ身となり、、魔王は一体何処(いずこ)に、、そして、、我が愛しのアリシアは、、、ウググ、、、、

、、オホン、、、、と、、取り敢えず、色々な事が有り過ぎてさぞ疲れたであろう!

今日は隣の客室で一晩ゆっくり休むと良い。話はそれからが良かろう!、、そう、、それが良かろう!!」

 

感情を押し殺し、カラ元気なのは誰が見ても明白で、オルステッドとウラヌスも、そんな国王を見ていられなかったのであった。

 

隣の客室にて、そのままベッドに倒れ込む様にして深い眠りへと落ちた二人。

 

そしてオルステッドは、夢を見た。

王女・アリシアが、魔王山最奥の祭壇の有る部屋にて、魔王と思しき存在に襲われ、、

ジリジリと距離を詰められ、、絶体絶命とゆう、、そこでハッと目が覚めたのである!

 

ふと辺りを見渡すと、、微かに見慣れた影が部屋を後にした様に見えた。

それは、、落盤に合い、命を落としたハズのストレイボウなのであった、、!

だが、深く微睡んだ状態では物事の判別もままならず、、これもまた、悪い夢なのだろうと己に言い聞かせたのだった。まだ、朝にもなっていない深い夜更け、、

隣ではウラヌスが激しくうなされており、何度も、何度も、、

 

「ハッシュよ、、すまない、、どうか、、ワシを、、許しておくれ、、、うぅぅ、、ぅぅ、、、」

 

と苦しそうに悶えていたのだ。とても見るに耐えなかったオルステッドは、

客室を出て、また眠くなるまで散歩でもしようと、謁見の間を横切った。

だが、、ふと横目で見ると、、何とそこには、、!!?

 

禍々しい邪気を横溢(おういつ)させながら、国王の居る謁見の間にて、佇んで居るではないか!!

 

我が目を疑ったが、、何度目を凝らして見ても、やはり、、それは、、、!

正真正銘の『魔王』なのであった!!

 

そこでオルステッドは確信した!行方を晦(くら)ましていた本物の『魔王』、、、

何処にも居ないハズだと思われていたソイツは、皆の寝静まった夜更けにコッソリと現れ、

このルクレチア王国を襲い、一気に滅ぼしてしまおうとしている、、!!?と。恐らく、魔王山で偽物の魔王と闘っていたその隙を突き、王国に忍び込んでいた本物の魔王は、この時を待っていたのである!

、、そう信じて止まなかったオルステッドは、急ぎ謁見の間へと突き進んだ!

 

いざ、、本物の『魔王』と対峙し、闘いを挑んでゆく!

 

だが、魔王は特別何も仕掛ける事も無く、ただただ、その威圧的なオーラを漂わせるのみ、、

酷く異質で不気味なその様に、、何か仕掛けられるその前に、、先手必勝と躍起になった彼は!

 

その魔王の懐に潜り込んでからの、渾身の力を振るい「Vシャイン」を斬り込んだ!!

 

そして、、いとも呆気なく倒れ込んだ『魔王』、、!

だが、次の瞬間!!その目に飛び込んで来た光景、、、それは、、、

 

血塗れで倒れ込んだ国王なのであった。信じられない光景を目の当たりにし、

激しく動転するオルステッド、、、

 

やがて、、騒ぎを聞きつけてやって来た大臣が、、、

 

「こ、、、国王様、、!?それに、、、オルステッド、、、!!?、、な、、、これは一体、、どうゆう事だ!!、、、き、、貴様ァァ、、、、どうゆう事だこれは!!説明せよ!!!!」

 

オルステッドは必死に、これは違う!何かの間違いだ!!と弁明するも、、

すっかり聞く耳を持たなかった大臣は、続け様に城の兵士達を急ぎ招集するのであった。

 

そして、、集まった兵士達も皆挙って、オルステッドのその犯行を痛烈に非難する!

そう、誰一人とも、オルステッドを信じる者など一人も居ず、、皆、オルステッドを「国王殺し」だと、、誰一人として疑う者など居なかったのである、、。

 

やがて一人の兵士が、とんでも無い事を口にしたのである!

 

「、、ま、、、魔王だ、、!!コイツは、、魔王だ!!

こんな非道を行うのは、、魔王意外、あり得ない!!」

 

それに釣られた兵士達も、それに賛同し、挙って言う、、

 

「そうだ、、魔王に違い無い!」

「ヒィィ、、こっちに来るな、、魔王、、!!」

「俺達をずっと騙していたんだな、、この魔王め!!」

「あぁぁぁ、、もう終わりだぁぁーー!!魔王がやって来たぁぁーーー!!」

 

その時、騒ぎを聞きつけ、起きて来た僧侶・ウラヌスが近くに来ると、

大臣が激しく申し立てながら激昂し、こう言い放った!

 

「魔王をこんな早く倒して戻って来るハズが無いと思っていた!!

そう、、初めから私はオカシイと疑っていたのだ!!

まさか、、ハッシュやストレイボウも、、貴様が殺めたのか!!?

そして、、ウラヌス、、貴様も、、そこの魔王の手先なのだろう!!?」

 

伝説の勇者・ハッシュの仲間のウラヌスにまでも、その疑いの目は向けられてしまい、

もはや収集の付かなくなってしまった混沌と化してしまうのであった、、。

 

オルステッドとウラヌス二人を取り囲んだ大臣と兵士達は、ジリジリと距離を詰めて来た、、。

だが、次の瞬間!とっさに機転を利かせたウラヌスは、思い切りオルステッドを遠くに突き飛ばした!慌てて駆け寄ろうとするオルステッドに向かい、

 

「来るな!!お前は逃げるのじゃ!!こんな所で捕まれば、、誰が姫を!アリシア様を救い出せるのじゃ!!アリシア様は、、お前が助けに来ると、信じているのであろう!?

何!このワシの事は心配無用じゃ!!ワシは、伝説の勇者・ハッシュの従者・ウラヌスじゃぞ!この程度の困難、、屁でも無いわぃ!!!、、さぁ、、行くのじゃ!!オルステッドォォォーーーー!!!」

 

一瞬躊躇いを見せるも、後ろを振り向き、一目散にルクレチア王国を出ていくオルステッドであった。

 

悲しみをグッと堪え、心の中で何度も「ありがとう、、ありがとう、、、ウラヌス、、!!」と呟いた。

 

 

こうして、すっかり「王殺し」の汚名を被せられ、王国を追われる身となってしまったオルステッドの、逃亡劇が幕を開けるのである、、、。

 

 

 

 

、、、TO BE CONTINUE、、、、

 

 

 

 

■【下編】

夜の森をひたすらに駆けるオルステッド、、そして、その後ろを追いかける王国兵士達、、。

ここで捕まれば、ウラヌスの託した決死の覚悟が無駄になってしまう。

何としても、ここで捕まる訳にはいかないのだ、、!!

 

だが、何処に逃げれば良いのか検討も付かず路頭に迷う彼は、兵士にただ追われるままに、

かつてハッシュの籠もっていた雪山に辿り着いていたのである。

何人もの兵士の足音が雪山に響き渡る最中、、、

じっと岩陰に身を隠し、兵士達を何とかやり過ごそうと、ひたすらにずっと息を殺して耐えていた。

兵士達は雪山のあちらこちらを見て回り、いつ見つかってしまうのかと、気が休まらないのであった、、。

 

しばらくの時が流れ、、夜が明けた。やがて、ようやく諦めた王国兵士達は、雪山から退散して行ったのだ。

長い間、夜の極寒の雪山にて身を隠していたオルステッドは、すっかり冷え切ってしまった身体を引きずりながら、近くのファミリオの村にまで足を運んだ。

 

だが、もう既に噂が広まり、オルステッドの味方は居ないものと思っていた。

村に入ると、入口に一人の少年を発見する。そう、勇者・オルステッドに憧れ、尊敬している少年である。オルステッドは、とても気まずそうに、恐る恐る聞いてみた。

 

「お、、俺が怖く無いのか、、?俺は、、この国にとって、、、」

 

だが、少年は以前の様な尊敬の眼差しを、決して変える事は無かったのだ。

 

「勇者様!また来てくれたんだね!!やったーー!!ねぇ、また家においでよ!

パパとママも、きっと歓迎してくれるよー!!」

 

無邪気で元気な、曇りなき少年に、とても和まされる彼であった。

少年の歓迎を受け、再び家に招かれた勇者・オルステッドは、少年の両親にも挨拶をする。

 

少年達家族3人は、快く彼を受け入れ、手厚く持て成しを施してくれたのであった!

その翌日、冷えた身体もすっかり癒やされた彼は、少年家族に近づいた。

だが、どうも様子がおかしいのである。昨日までの態度とは一変し、とても怯えた様な、蔑む様な面持ちでオルステッドを見つめるのだ、、。そして少年が口を開いた。

 

「ウソだよね、、勇者様、、?、、オルステッド様が、、『魔王』だなんて!?

ねぇ、、ウソなんだよね!?」

 

、、、やはり、噂は広まってしまっていたのか、、。

だが、昨日は何とも無かったのに、どうして!?

 

そして、少年の両親へと近づくと、、少年を抱きかかえ、

 

「ヒィィ、、よ、、寄るな、、魔王!!わ、、私達を騙したのね!?」

 

「あぁぁ、、こんな、、魔王だと知っていれば、、持て成しなどしなかったのに!

あぁぁぁぁ、、、恐ろしい、、恐ろしい、、、ブルブルブルブル、、、、」

 

その後、玄関を開けて入って来たのは、ルクレチア王国兵士達なのであった、、。

 

どうやら兵士の口振りからするに、オルステッドの昨日からの不審な態度を疑問視した少年の両親が、

タイミング良く訪れた王国兵士達に、それを伝え、密告してしまったのであった、、、!!

 

オルステッドは、せめて、、少年家族にだけでも何とか弁明しようとするも、すっかり怯え切った恐ろしい者でも見る様な態度で、そそくさと奥の部屋へと逃げ、ドアに鍵を掛け引き籠もってしまった、、。

 

やがて、王国兵士達がオルステッドを取り囲み、一斉に襲い掛かって来る。

 

「大罪人・オルステッド!!観念しろ!!王殺しの裁きを受けろ!!」

 

「なかなか見つからないと思っていたら、こんな所に隠れていたとはな、、!」

 

「ここの者達が知らせてくれたお陰だ!オルステッド!お前を連行する!!」

 

「もう逃げられないぞ!!諦めて縛に付くが良い!!」

 

こうして、兵士達に捕らえられたオルステッドは、ルクレチア城の地下牢獄に連れて行かれ、

そして閉じ込められてしまったのであった。

 

兵士「間違っても、ココを逃げ出そうなんてしない事だ!下手な真似はするなよ?

、、明日明朝、貴様の処刑を執り行う!それまで、、最後の夜を精々悔やんで過ごすんだな!!」

 

 

心底、憔悴(しょうすい)仕切ってしまったオルステッドは、、このまま死んでも良いと、

思いかけていたのであった、、。しばらくの長い沈黙の末、、、

 

ふと耳をやると隣の牢獄から声がした。

 

「うぅぅぅ、、、誰じゃ、、、」

 

その声は、酷く弱々しく、今にもかき消えてしまいそうなくらいのか細い老人の声であった、、だが、とても聞き覚えのあるその声で直ぐ分かったのだ。僧侶・ウラヌスだ!あれから、何が有ったのか、、大凡(おおよそ)の状況は、ウラヌスの声色で判断出来る。

 

「オルステッド、、?、、、オルステッドなのか、、!?馬鹿な、、何故戻って来た!?

、、、フォフォフォ、、、、ひ、、酷い拷問に掛けられたよ、、、お主の行き先やら、、、姫の居場所、、、そして、魔王の手先だろ!!と何度も尋問され、、、、じゃが、、断じて違う、、、ワシ等は、、魔王などでは、、、酷いもんじゃな、、ハッシュの人間嫌いが分かる気もする、、。じゃがな、、オルステッド、、、ワシはこう思う、、。

、、、ここで人間を憎んでは、、負けじゃ!!かと言って自分の心に嘘をついてもいかん、、

じゃから、、ワシは命を賭けても、、『魔王』では無いと訴えるしか無いのじゃ、、!!

じゃが、、お前はそれではいかん、、、お前はまだ若い!、、ハッシュやワシが命を賭けて守ったモノを、、、守り続けるのじゃ、、、!!」

 

今にも、果ててしまいそうな、弱り切った声で語りかけるウラヌスは、

最期の力を振り絞り、、眩い光をオルステッドの牢獄の扉へと送った。

その瞬間、カチャリと扉が開き、急ぎウラヌスの下へと駆け寄って行った!

 

だが、、ウラヌスの、その姿を見て、思わず目を背けたくなってしまった、、。

柱に括り付けられている彼の手足の腱は全て切られてしまっており、、全身を手酷く痛め付けられ、生々しい切り傷・擦り傷・痣や火傷が身体中至る所にあったのである、、、。

そして、目も潰されてしまっており、光を失っていた、、とても同じ人間の所業とは思えない様な、変わり果てたウラヌスの姿を見て、、激しい憤りを覚えていたオルステッドなのであった、、、!

 

そして、その足音でオルステッドが近くに居る事を察したウラヌスは、、、

 

「さぁ、、行くのじゃ、、、お前には、、まだ成すべき事が、、、信じる者が居るではないか、、、!!、、そう、、今一度、、、魔王山へ、、『魔王』と闘った、、、あの場所へ、、、、」

 

そう言い終えると、静かに息を引き取った僧侶・ウラヌスなのであった、、、。

 

こうして、魔王と闘った仲間は一人残らず亡くなってしまったのである。

悲しみと怒り、そして深い虚無と絶望に、大きく打ち震えるオルステッドは、、、

王女・アリシアの待つであろう、魔王山に!今一度、足を踏み入れる決意を誓うのである!!

 

もはや、彼に残された者は、、、勇者・オルステッドを信じる者は、、王女・アリシアしか居ない。

オルステッドは、武闘大会の後の、テラスでのアリシアとの会話を思い出していた。

 

 

アリシア「素敵な宴でしたね。父上ははしゃぎすぎでしたけど、、父上もきっと嬉しいのです。新しい世継ぎが出来て、、もちろん、私も、、!

でも、、もう、「姫」と言うのはやめて下さい。今は私と貴方だけ、、これからは、、父上よりも、、いいえ、誰よりも、、貴方を、、、信じます!!」

 

そして、二人は深く、、深く抱きしめ合っていた。

 

 

、、愛しの王女・アリシア、、、そして、愛する妻であるアリシアを、、、

必ず、、取り戻すべく、強大な魔物犇(ひし)めく邪悪なる魔窟(まくつ)、、魔王山へと、、、

今一度立ち向かって行くのであった、、、!!

 

 

魔王山は、その入口を閉ざしてしまっていたが、ハッシュより譲り受けた聖剣『ブライオン』をかざした事により、再びその大きな口を開けた!

 

しかし、以前とは違い、今度はオルステッドたった一人での闘いである。

果たして魔王山最奥まで、無事に辿り着けるのだろうか、、!?

、、いや、愛するアリシアが、信じる者が一人でも居る限り、、『勇者』オルステッドの心は、決して挫けたりはしないのである!

 

以前の記憶を頼りに、一歩、、また一歩と、、着実に歩みを進めて行く彼は、その途中、以前は居なかったハズの場所に、居る魔物と対峙するのであった。

 

その名も「クラウストロフォビア」。直訳すると、「閉所恐怖症」!

4本の腕を持ち、2本の両腕は石の塊になっている、面妖な魔物である。

 

すると、ソイツは大きく身体を振るわし、「地震」を起こした。

そして不安定な体制になったところに続けて「セメント」を石の塊の両腕から噴出した!

 

オルステッドの周囲をセメントであちこちを固められ、逃場を失い、狭いセメントの閉鎖空間に閉じ込められてしまったのである。

そう、これがもし、閉所恐怖症の人間であれば発狂モノである。

 

しかし、今の決意の彼に、そんな子供騙しの攻撃など通用しない!

 

回転なぎ払い「プラスリンク」で、セメントを破壊した彼は、そのまま、、

巨大なドラゴンの闘気・熱気を発生させ、それを相手目掛けてぶつけたのである!

これは、伝説の勇者・ハッシュが見せた大技「ドラゴンソウル」だ!

 

一度見ただけにも拘(かか)わらず、見て会得した、才能を見せる勇者・オルステッドなのであった!

 

そして、そのドラゴン状の闘気や熱気に焼かれた相手は、全身を黒焦げにしながら、瘴気(しょうき)を発し、果てていったのであった。

 

だが、この先、また同じ様な魔物が待ち受けているかもしれない。

気を引き締めて、慎重に先を進んで行ったオルステッド。

 

やがて歩を進めると、やはり、、以前は居なかったハズの魔物が、ソコに待ち受けて居た!

その名も「スコトフォビア」。直訳すると、「暗所恐怖症」!

ソイツは、身体半分が黒い球体みたいなモノになっている、奇妙な魔物であった。

 

だが、ここは先手必勝!!前の魔物の様に、また何かを仕掛けられるその前に、潰してやろう!と言わんばかりに、ハッシュより会得したもう一つの大技「レイザーソニック」を斬り込んだのである!

 

うねる濁流の如き、超速の斬撃の嵐の前に、全身を切り刻まれたソイツ!

これで、勝敗は決したと安堵していると、、ソイツは幻で、本体はオルステッドの真後ろに居たのであった、、!!

 

油断して背後を取られてしまった彼は、ソイツの仕掛ける、歪な「暗黒球体」に囚われ、支配されてしまう、、。

もし、これが暗所恐怖症の人間ならば、そのまま失神するレベルであろう。

 

見渡す限りの暗闇の世界に、何も出来ないまま、ソイツはそのままオルステッドの精気を吸収し出したのだ、、。みるみる顔が青ざめてゆく彼は、、死を覚悟した。

だが、しかし、、ここで、、、こんな所で諦める訳には、、いかない!!

たった一つの希望である、王女・アリシアをその手で助け出すまでは、何が何でも、、

果てる訳にはいかないのだ!!

 

静かに精神を研ぎ澄まし、、心の眼で、ソイツの僅かな気配を頼りに、闘って行くのである。

だが今尚、精気を吸い続けるソイツ。しかし、それを上回る、昂(たかぶ)る闘志を燃やし、、

並々ならぬ気概を持ってして、ソレをモノともしなかった!

そして、更に精神を研ぎ澄まし、、、遂に心の眼で捕らえる事に成功するのだ。

やがて、闘気を一気に爆発させたオルステッドは、、そのまま空中へと跳び上がり、「ジャンプショット」を、ソイツの脳天目掛けて剣を突き立てた!!

 

血飛沫(ちしぶき)を蒔き散らし、脳天を貫かれたソイツは、どす黒い瘴気(しょうき)と共に消滅するのであった。

 

、、今度の相手は、明らかに以前の奴よりも、強力になっていた。

もしこのまま、この先、どんどん強力な魔物が現れるのならば、こちらもより気を引き締めて、警戒を怠らないでいないと、、気を抜いた瞬間、「死」が訪れるのは明白なのである、、!

 

慎重に、だが着実に、、洞窟を奥へ、、奥へと進んで行くと、、やはり居たのである。

見た事の無い不気味な魔物が、、!しかも、複数居たのであった!!

大きな翼を持ち、鋭い爪を携えた蛇の様な容姿の魔物が数体、こちらを睨み付けていた。

 

ソイツ等の名は「アクロフォビア」。直訳すると「高所恐怖症」!

 

だが、何かを仕掛けられるその前に、急ぎ技を仕掛けようと気を張り巡らしていると、

その俊敏な動きに翻弄されたオルステッドは、気を掻き乱されてしまう。

 

やがて、1体が背後から鋭い爪で引き裂いた!背中をバッサリ裂かれ、

そしてもう2体が両サイドから腕を掴んで来たのである。

そのまま天高く引っ張られた彼は、、地面に叩き付けられてしまうのであった、、。

 

これが、高所恐怖症の人間ならば、そのままショック死してしまうであろう。

 

だが、大ダメージを負った彼は、左手を骨折、肋骨と背骨にはヒビが入り、

凄まじい激痛が襲ったのである、、。

以前ならば、ここで僧侶・ウラヌスが回復してくれただろうが、もうウラヌスは、、、。

 

絶体絶命のオルステッドを取り囲む、ソイツ等は、、ジリジリと距離を詰めて来た。

もはやこれまでかと諦めかけた、その時!

遠くに何やら、ソイツ等とはまた違う形の小さな魔物が居る事に気づくのであった。

 

そして、ソイツ等は、一斉に大きな竜巻の様なモノを両腕から発生させ、それをオルステッド目掛けてぶつけてきたのだ!それは、強力無比な高威力の真空波を一直線に発動する「アクロバット」であった。

このままでは、全身をバラバラにされてしまうのは明らか、、、なら、、彼は賭けに出た!

 

オルステッドは、一か八か、遠くの小さな魔物に狙いを定め、、激痛を必死に堪えながら空中へと飛び上がった!そう、「ジャンプショット」だ!

そして、、、その魔物に剣を突き立て、、串刺しにしたその瞬間!!

 

アクロフォビアの群れは、黒い瘴気(しょうき)と共に消滅した、、!

オルステッドの感が見事に的中し、命辛辛、窮地を脱したのである。

 

満身創痍(まんしんそうい)のボロボロ状態で、何とか撃破した彼だったが、流石に一休みしようと、岩陰に身を潜め、休息を取る事にした。

旅の出立前に準備しておいた薬草や包帯、添え木が、ここで役に立ったのであった。

しばらく休み、簡単な応急処置を施したオルステッドは、再び気を引き締め洞窟を奥へと、突き進んで行った。

 

そして、、いよいよ魔王の居た最奥の手前の謎の大広間の前までやって来た!!

だが、、そこで立ち塞がる相手は、、、何とも妖艶な見た目の魔物が目に飛び込み、進路を塞いで来たのである。

その名も「フェミノフォビア」。直訳すると「女性恐怖症」!

 

だが、ソイツはオルステッドの下に静かに近づき、こう言うのであった。

 

「何で、そんなに焦っているの?誰かを探しているの?フフフ、、宜しければ、私も一緒に探して差し上げましょうか、、?安心なさい、、私は、、貴方の味方よ。フフフフフ、、、」

 

と、耳元で甘く囁いた。だが、そんな言葉で誑(たぶら)かされる様なオルステッドでは無い。

彼が信じる者はただ一人!愛する妻・アリシアだけ、、!!

 

しかし、耳元で囁かれた時から、何やら感覚がおかしい、、、。

その魔物の事が、何故だがヒドく愛おしく、そして狂おしい程に惹かれていったのである。

オルステッドは、必死にその葛藤と闘い、自問自答し、激しく迷っていた、、!

 

「ウググググ、、、お、、俺には、、アリシアとゆう、、心に決めた女性が居るんだ!こ、、こんな、、、こんな、、見た目だけの、、、こんな奴なんかに、、お、、、俺は、、、俺はァァァーーー!!!」

 

やがて、取り乱したオルステッドへ両手を差し出し、、以前の魔物「スコトフォビア」同様に、ジワジワと精気を吸ってきたのであった。

ゆっくり、ゆっくりと、、ソイツの下へと勝手に歩いて行くオルステッドは、、、

そして、、その正体を現し、ガラリと言動の変わったソイツは、、!!

 

「フフフフフフ、、所詮、男なんて皆、単純で、馬鹿で、粗暴で、短絡的で、、、

意図も容易く操れるわァァァーーーー!!男なんて、みんな、、欲望を満たそうとしか考えていない、、「サル」同然なのよォォーーー!!」

 

そして、大きく口の裂けた不気味な化物へと変貌したソイツが、そのまま丸呑みにしようとしていた!

しかし、、そこでオルステッドはハッと我に返るのであった。

そう、勇者・オルステッドの、アリシアに対する一途な想いが、フェミノフォビアの愛を上回ったのである!!

 

そして勇者・オルステッドは、ソイツを「プラスリンク」でなぎ払い、払い除け、、天高く剣を掲げたのだ。

徐々に風が剣先に集まっていき、それは大きな風となり、、やがて嵐へと移り変わっていった!

その技の名は「ヘキサフランジ」!!

 

その後、集束された大きな嵐となったソレを、フェミノフォビア目掛けてお見舞いしたのである!!

 

「ギィャアアァァァァァァァーーーーーーー!!!!」

 

耳を劈(つんざ)く、甲高い断末魔の叫びを張り上げ、バラバラになったソイツは、、、

黒い瘴気(しょうき)と共に消滅していったのであった、、!

 

 

そして、、奥に広がる、7つの像の置かれている謎の大広間を駆け抜け、、、大きな扉を開き、、、

遂に舞い戻って来たのである!魔王との闘いの地へと、、!!

だが、ココは確か落盤で埋まってしまったハズだったが、どうゆう事なのか、何事も無かったかの様に健在だったのであった、、!!

 

そして、オルステッドは思い返していた。確か、、、あの時、ストレイボウは、

奥の祭壇の台座を調べていた、、。

奥の台座へと近づくと、突如、、台座の文字が紅く光り出した!

 

その後、大きな振動と共に台座が奥へスライドし、何と、隠し通路が現れたではないか!!

 

この先に、、恐らく、、王女・アリシアは、、、そして、、、真の『魔王』は、、、!!

 

期待と不安に胸を高鳴らせ、、覚悟を決めた『勇者』オルステッドは、

その奥へと、進んで行くのであった、、、!!

 

 

薄暗い、、長い長い通路を抜けた、その先には、、!?

 

魔王山の山頂が顔を覗かせていた。より一層、、禍々しい瘴気(しょうき)の立ち込める、重々しい空気に圧倒されるのであった、、。

 

そして、その断崖には、魔王の広間に有ったモノと同じ、、禍々しい邪悪なオーラを漂わせる巨像がそびえ立っていた。そしてその大きさは、内部のモノとは比べ物にならないほど、巨大で、不気味なのであった、、、!!

 

だが、、その山頂には、何やら既に何者かの影が待ち構えていたのである。

まさか、、、本物の『魔王』であろうか、、!?

近くへと進み、次第に大きくなってゆくソレに目を凝らすと、、、何とソレは、、、!!

 

 

オルステッドの盟友・ストレイボウなのであった!!

オルステッドは急ぎ彼の元へと駆け寄り、無事を大いに喜んだ!!

、、、だがしかし、ストレイボウはずっと目を閉じたまま、、何も語ろうとはしなかった。

そして、、ストレイボウが口を開いたのである。

 

 

「やはり来たか、、。俺が、、ここに居る事が不思議か?」

 

 

その後、ストレイボウが語る、衝撃の真実、、、それは、オルステッドにとって、

信じられない程の、耐え難い苦痛となって降り注いでゆくのである、、、。

 

偽の魔王を打ち倒し、伝説の勇者・ハッシュが亡くなった後、、

台座を調べていたストレイボウ、、、そして突然発生した落盤事故により、

彼は生き埋めになった。、、、ハズだったのだが、、、

それは、、全くの嘘なのであった!!

そして、続けて彼はこう語る。

 

「あの時、、俺は魔王像の仕掛けの秘密に気が付いた、、。

、、、その瞬間、俺の、、今まで抑えていた気持ちが爆発した!!

そう、、、お前を出し抜いて、、、、俺がアリシアを救おうと!!

そして、如何にも仕掛けられた罠の様に、俺は魔法を唱えた、、、!!」

 

 

何を言っているのか、理解が追いつかなかったオルステッドは、ストレイボウをずっと見つめていた。だが、、次の彼が発した衝撃の言葉によって、、、ストレイボウの本当の真意を知る事になるのである、、、。

 

 

「フフフフフフフ、、、、、ハハハハハハハハハハ、、、、、、、、、!、、、、

、、、、、ヒャーーッハッハッハッハハハハハァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ーーーーーーー!!!!

、、、面白ぇほど簡単に引っ掛かったぜ、、!!ハッシュが無様にも、おっ死んだ後だったしなァ゛ァ゛!!

跡は、、テメェを絶望のドン底に叩き落とす為、、「王殺し」の罪を負わせた、、!!!

、、、だが?、、、テメェはココに来やがったァ゛ァ゛ァ゛!!!!

テメェはいつもそうやって、、、俺のしてぇ事をブチ壊しやがるッッッ!!!!

昔ッッッッからそうだ!!俺がどんなに努力しても、テメェはいつも、その上を行っちまうッッ!!!

あの、、武闘大会決勝の時も、、俺が、、あの夜どんなに苦しんだか、、、テメェに、、、、テメェなんかにィ゛ィ゛ィ゛、、、、、、、解られてたまるかよォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛〜〜〜〜!!!!

、、、だがァ゛ァ゛?、、、俺は今までの俺じゃねぇ、、、。

今こそ、、、!!テメェをブッ倒しッッ!!!

テメェの引き立て役だった過去に決別してやるッッッッ!!!!」

 

 

これはタチの悪い冗談だと、何度も、、何度も、、、信じたかった、、、。

だが、もはや、、オルステッドの知る、かつての親友・ストレイボウの姿は、もう、、何処にも無かったのであった、、、。

そんなにも強く、深く、恨まれていただなんて、、彼にとって将に、寝耳に水、、青天の霹靂(へきれき)である。

しかし、勇者・ハッシュが亡くなって以降、不幸のドン底続きだったオルステッド達は、、

そこでようやく合点がいき、このストレイボウが諸悪の根源だったと、、確信せざるを得なかったのである、、、。

 

 

そして、、ストレイボウからは、禍々しい赤黒い瘴気(しょうき)が止め処なく横溢(おういつ)し、、、凶気に支配された邪悪な面持ちで天高く舞い上がった。そして、彼は、、再び口を開くのである!!

 

 

「あの世で、、俺に詫び続けろォ゛ォ゛ォ゛ーーー!!

オルステッドォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ーーーーーーー!!!!」

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■【バトル】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

どうしても、、やるしか無いのか、、、!?

そんなにまで思い悩む程、、殺したい程、、恨んでいたのなら、いっそ打ち明けてくれれば、、、

どれだけ楽だっただろうか、、。しかし、もはやこうなってしまった以上、覆水盆に還らず、、後の祭りなのである、、。

 

意を決して、、かつての盟友・ストレイボウと対決すべく、、剣を強く握りしめるのであった、、!!

 

そして、すっかり憎しみと狂気に支配されたストレイボウは、天空から杖を振りかざし、魔法を放ったのである!

杖に魔力を込め、やがて、、、空を覆い尽くすかの如き無数の火球と氷塊を連続でぶつけてきた。

そう、「レッドバレット」と「シルバーウィンド」の連続混合魔法だ!

 

「敵を穿ち、貫き、そして果てよ、、!密集せし白銀なる火の魔弾よ!!」

 

止めどなく襲い掛かる大量の火球と氷塊に、逃げ場を失い、戸惑うオルステッドだったが、瞬時に判断した彼は、そこから身体を高速回転し、無数の剣風を周囲に飛ばし、大半の攻撃を往(い)なす事に成功したのだ!そう、「スピンドル」からの「インケイジ」である!

だが、その残りの数発を食らってしまい、ダメージを負ってしまう。

 

 

不敵な笑みを浮かべながら、ゆっくりと下へと降りて来たストレイボウは、そこから無情なる追撃の手を緩める事無く、杖に魔力を込め、詠唱を開始した。

 

「炎の檻に囚われ、、蒼き嵐に叫び轟くが良い!!」

 

巨大な炎柱がオルステッドを取り囲み、吹き荒ぶ猛烈な突風の中、山頂のあちらこちらで落雷が巻き起こった。そして、それは、巨大な炎柱にて閉じ込められたオルステッドの頭上へと落ちたのだ!

そう、「レッドケイジ」と「ブルースコール」の連続魔法であった。

 

身体から蒸気を発し、手酷く火傷を負ってしまった彼は、とても苦しそうな表情でストレイボウを睨み付けた。そして、そこから、、流れる様な剣撃の放つ剣風を浴びせ、更に大きな真空波を数発飛ばしていったのだ!それは、「ミラードライブ」からの間髪入れずの「ソードビュー」なのであった。

 

たまらず全身に切り傷を負い、杖を付いて苦悶の表情でオルステッドを睨み付けた!!

 

しかし、彼の、オルステッドに対する憎しみは類を見ない程、、並大抵では無く、その凄まじい執念を持ってして、ダメージすらモノともせず、その戦闘力まで上昇していったのである!

 

対するオルステッドだが、その彼も、何としてもアリシア姫を救い出すと言う、譲れない使命を背負っているのだ。例えかつての盟友・ストレイボウと言えど、ここで倒れる訳にはいかない!!と、並々ならぬ不屈の闘志を持ってして、彼もダメージを感じないくらいの気概を見せたのであった!そして、その戦闘力も上昇したのであった!

 

 

やがて、互いの身体からは甚大なる大きな闘気が溢れ出していたのである!

オルステッドからは、目映い紅蓮色のオーラを、、!!

そして、ストレイボウからは、暗い紺青色のオーラを発していた、、!!

 

オルステッドは、決死の思いで問い掛けるのである。

 

「頼む、、目を覚ましてくれ!!、、、グググ、、、、こんな事をして何になる、、!?

俺は、、、俺はァァ、、、、こんな事、、、望んじゃいないのに、、、!!

 

激しく訴えるも、ストレイボウは、、

 

「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛〜〜〜〜、、、!?、、テメェ、、、ふざけるなよ、、、俺は、、、お前を絶対に認めない!!!、、、俺は、俺より優れているお前を、、、絶対に許さない!!!!

俺が一番だと、今こそ証明する時なのだ!!お前なんかに、、、邪魔されてたまるかよォ゛ォ゛ーーー!!」

 

オルステッド「クッッ、、、もはや何を言っても無駄なのか、、この、分からず屋がァァァ!!!!」

 

どうする事も出来ない、もどかしい憤(いきどお)りを抑えきれない彼は、、

そこから身体を激しく回転させてからの連続斬り「プラスリンク」と、渾身の峰打ちを打ち込む「ハンマーパワー」を続け様にお見舞いするも、、それを俊敏なステップで次々とカワしてゆくストレイボウ。

 

 

そして、ストレイボウが言い放ったのだ。

 

「テメェのその、、、下らない御託(ごたく)はもう沢山だ、、、喰らえ!!!

、、紫の霞よ、、紫魂に微睡み、、魂の迷い子となれ、、!!」

 

紫色の霧や霞「パープルミスト」や「パープルストレイ」に取り込まれてしまったオルステッドは、そこで、、、

 

 

目の前に広がっていった光景、、それは何と!!

ゾンビと化したルクレチアの人々や兵士達が恨めしい声や表情で罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせてきたのであった、、、。

 

「勇者・オルステッドなんて言って、、今まで騙していたんだな、、!!この、、魔王が!!!!」

 

「魔王だ、、、コイツは魔王だァァァーーー!!出ていけ、、、おぞましい魔王め!!!」

 

「ずっと、、ずっと、勇者のフリをして、、私達を陥れていたのね!!、、、魔王、、!!」

 

「この国から出ていけーーー!!そして、、二度と、未来永劫、、このルクレチアの地を踏み入れないでもらいたい!!!」

 

 

そして、大臣と国王のゾンビまでも現れ、、、

 

大臣「ヒィィィィィーーー、、!!よ、、寄るなァァァーーー、、、邪悪なる悪しき『魔王』めェェ、、、!!!」

 

国王「、、、お前を勇者と持て囃(はや)した己が憎い、、恩を仇で返しおって、、無念じゃ、、、何たる仕打ちじゃ、、こんな、、、こんな男に、、、この国を、、、そして、、、、我がアリシアまでも、、、!!この、、恥知らずの大罪人めが、、、!!!!」

 

そして更には、ゾンビに成り果てたハッシュやウラヌスまでも現れ、そして、痛烈なる誹りを受けるのであった、、。

 

ハッシュ「どうやら、お前には、、勇者としての資質が無かったようだな。我が眼も、、曇り果ててしまった様だ。、、さぁ、返せ。、、その、、聖剣「ブライオン」をな!!貴様の様な愚鈍な俗物風情に、、勇者を名乗られては、我が生涯一生の不覚!!」

 

ウラヌス「お前には、、姫は、、絶対に救い出せぬ!!

そう、、お前の様な、、思い上がった、、身の程を弁(わきま)えぬ低俗な、、ボンクラにはな!!!無念じゃ、、、あのまま、、何も無くずっと静かに暮らしておれば、、或いは、、、、」

 

 

やがて最後には遂に王女・アリシアまでも現れるのであった、、。

それは、何も語る事も無く笑顔を振り撒き微笑みかける、、まるで聖女とも思(おぼ)しきその美しい面持ちに、ひどく安堵するも、、、、近づいてゆくと、、、突如、醜悪な禍々しいゾンビの顔に変貌していき、、、

 

「貴方の妃になった自分が恥ずかしい。今すぐここで、、、死んで、、、償って!!!!」

 

と謗られ、、蔑まれ、、やがて大きく顔を歪ませたソレは、、耳を劈(つんざ)く金切り声の様な凄まじい断末魔を叫び狂いながら、、、消えていったのであった、、。

 

そして、酷い吐き気と目眩、動悸に苦しめられるのであった、、、また、身体の至る所も石化してしまいそうな程の、金縛り状態に陥ってしまったのだ。

 

やがて、、幻覚とはとても気づかずに、まんまと術中に嵌(はま)り、痛烈に心を抉(えぐ)り取られ打ちのめされ、大きく身体能力を低迷させ、、大きく絶望するオルステッド、、、。

 

ストレイボウ「いいぞ、、このまま、、、もっとだ、、もっと、、もっと、、もっと苦しめ!!オルステッド!!!!ヒャハハハハハァ゛ァ゛ァ゛〜〜〜〜!!!!」

 

 

そして、そこから彼は、打ちのめされたオルステッドに冷酷な眼差しを送り、、情け容赦など一切無く、追撃の魔法を放ったのだ!!

それはまるでブラックホールの如き強大な暗黒空間にて包み込み、闇の力で身も心も討ち滅ぼそうとしたのである。

そう、、これこそ、ストレイボウの持つ究極暗黒魔法「ブラックアビス」である!

 

「我が身を捧げよう、、、漆黒の闇よ、、!!」

 

 

闇に囚われ、暗黒に身を委ね、、深く、、深く、、闇の深淵の底へと、、沈んでゆく最中、、オルステッドは、思い返すのである。再び、、!!

 

 

ハッシュ「、、、姫は、、王女・アリシア様は、、、お前が助けに来ると信じている、、!

信じてくれる者が、、一人でも居る限り、、、その人間を、、、、」

 

ウラヌス「、、、ここで人間を憎んでは、、負けじゃ!!かと言って自分の心に嘘をついてもいかん、、じゃから、、ワシは命を賭けても、、『魔王』では無いと訴えるしか無いのじゃ、、!!

じゃが、、お前はそれではいかん、、、お前はまだ若い!、、ハッシュやワシが命を賭けて守ったモノを、、、守り続けるのじゃ、、、!!」

 

アリシア「、、これからは、、父上よりも、、いいえ、誰よりも、、貴方を、、、信じます!!」

 

 

深く絶望に打ちのめされたハズのオルステッドの頭の中で、何度も、、何度も、、リフレインしていき、、、それは、どんどん強くなっていったのであった!!

 

やがて遂には、ハッシュやウラヌス、そしてアリシアの、「信じる!」と言う共通の言葉に、

またも強く励まされ、強く助けられ、そして、、絶望の淵より再臨するオルステッドは、並々ならぬ強大な、眩い紅蓮の闘気を纏い、体調を回復させ、傷を癒やし、その身体能力を大きく向上させていったのである!!

 

 

ストレイボウ「フッ、小賢しい!無駄な足掻きだ!、、いい加減目障りなんだよ!!

大人しく、、そこでくたばっちまえェ゛ェ゛ェ゛ェ゛〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

そして、彼の口から発せられる超速の詠唱から放たれるは、、!!

 

「褐色の炎塵よ!我に約束されし福音を!!」

 

超強力な威力と化した「ブラウンシュガー」と「レッドコート」怒涛の連続魔法なのであった!!

 

 

吹き荒ぶ火炎の砂嵐に焼かれ、、だが、必死にストレイボウへと突き進むオルステッド!

そして、距離を詰めてから、密かに砂嵐を利用して集めた風の力を集束させ、それをぶつける「ヘキサフランジ」を発動し、更には「カットワンウェイ」を連続で何発も繰り出した!!

そして、最後に渾身の「Vシャイン」をブチ込んだ!!

 

 

全身を切り刻まれたストレイボウは、苦しそうに仰け反りながら血塗れになり、血反吐を吐きながらも、杖を地面に突いて、だが、憎悪の表情は決して崩さないのであった。

 

オルステッド「まだ間に合う、、!!もう、こんな馬鹿な真似はやめよう!!お願いだ!!ストレイボウ!!どうか目を覚ましてくれェェェェーーーーー!!!!」

 

と凄絶に訴えるも、、、、

 

ストレイボウ「、、、馬鹿、、?、、ば、、馬鹿な、、、真似、、、、だ、、、とオォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛〜〜〜〜〜!!!!!!!」

 

もはや、オルステッドの知るストレイボウとはとても思えぬ様な、怒りと憎しみ、、憎悪に支配された凶悪な表情で怒号を発し、激しく憤慨するのである!!

 

そして、魔力を大きく覚醒させた彼は、またも超速の詠唱からの、凄まじい連続魔法を展開するのである!

それは、「ブルースコール」、「アンバーストーム」、「レッドコート」、「レッドバレット」を絶え間無く発動するとゆう、、超絶怒涛(ちょうぜつどとう)の連続混合魔法なのであった!!

 

「蒼緋(そうひ)なる雷炎の嵐よ!敵を穿ち叫び轟き、、大地に根を張れ!!」

 

山頂全体を、猛烈な突風が荒れ狂い、、苛烈(かれつ)なる落雷が襲い掛かり、熾烈(しれつ)なる豪炎が燃え盛った。そして、空全体を覆い尽くすかの如き、無数の火球がオルステッド目掛けて飛んで行ったのである!!

 

 

身体中至る所を切り刻まれ、、感電し、、炎に焼かれた彼は、、

手酷く大ダメージを負い、目の前までも霞んで見えていった。そして、遂に、、その場で倒れるのであった、、、。

 

 

だが、そんな状態になっても今尚、必死の思いで持ち堪え、、ズルズルと這いつくばりながら、、、ストレイボウに詰め寄るオルステッド、、、。

身体中をあちらこちら、ズタボロになりながらも、溢れんばかりの眩い紅蓮のオーラを横溢させ、、、、

 

「、、もうやめよう!!!、、頼む、、、ストレイボウ!!!!」

 

と痛烈に訴えかけるのだ!!

 

しかし、ストレイボウの憎しみ・怒り・憎悪は、そんなモノでは揺らぐ事など無く、

虚しく響き渡るのである。そして、、、

 

「ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛〜〜〜〜〜〜!!!!!やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛〜〜〜〜〜〜!!!!!!!

しつこいぞォ゛ォ゛ォ゛ォ゛〜〜!!テメェなんかに、、、テメェなんかにィ゛ィ゛ィ゛ィ゛、、、、この俺の気持ちがァ゛ァ゛、、、!?

分かってたまるかよォ゛ォ゛ォ゛〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

 

かつての同じ人間とは到底思い難いくらいの凄まじい形相で、、そこから、暗い紺青のオーラを横溢(おういつ)させ、熾烈に纏いながら、無情なる超速の詠唱を開始した、、、。

 

「そそり立ち、そして凍てつくのだ!白銀の如き輝きと共に!!」

 

極寒の冷気が辺りを包み込み、巨大な氷塊が四方八方から押し寄せて来た!

そう、強大な威力となった「シルバーフリーズ」と「シルバーファング」である。

 

だがしかし、その並々ならぬ不屈の闘志を燃やし、激甚なる闘気を纏ったオルステッドには、殆ど通用していなかったのである!剣を地面に立て、激しく息切れしつつも、その曇りなき眼(まなこ)でストレイボウを見つめる、、!!

 

そして、ストレイボウの表情がより一層強張り、凶悪な憎悪を解き放ちながら、こう言った。

 

 

「あぁぁぁ゛ぁ゛ぁ゛、、そう、、それだよ、、ハハハハ、、、その目だァ゛ァ゛ァ゛、、、俺は、テメェのその、どんな時だって諦めない様な、信じ切ってる様な、真っ直ぐな、、

勝ち誇っている様なその目が、、昔ッッッッから、、嫌ぇだったんだよ!!!!」

 

 

その瞬間!!魔王にも通ずる邪悪な赤黒い瘴気・闘気を纏い、漂わせながら、、やがて天空へと舞い上がった彼は、、、

凄まじい邪気を集約させ、目から血の涙を流しながら、、やがて、、、

辺りから暗黒の霧が発生し、暗くなり、凶悪な威力となった「ブラックアビス」を発動したのである!!

 

「我が身を捧げよう、、、ククク、、漆黒の闇よ、、全てを掌握(しょうあく)し、、塗り潰すのだァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!」

 

まるで冥界の門を開いてしまったのかと錯覚する程の、その強力無比なる漆黒に塗り潰されたオルステッドは、、もはや、影も形も見えないのであった、、。

 

 

禍々しい、赤黒い瘴気・闘気を垂れ流しながら、凶気の笑いを発するストレイボウ。

 

「フフフフフフフ、、、、、ハハハハハハハハハハ、、、、、、、、、クククククククク、、、

ヒャ〜〜〜〜ッハッハッハッハハハハハァ゛ァ゛ァ゛ァ゛〜〜〜〜〜〜〜!!!!

これでテメェも、、いよいよオシマイだなァ゛ァ゛ァ゛〜〜〜〜!!!

あの世に行く準備は出来たかよォ゛ォ゛、、、、オルステッドォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ー〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」

 

 

しかし、今だ強力な眩い紅蓮の闘気を大きく纏っているオルステッドは!!

巨大な漆黒の闇の中でも尚、大きく覚醒し、その闘気を更に強大に放っていった彼は、、、

そこから渾身の大技「レイザーソニック」を放つのである!!

 

だが、ストレイボウも負けじと、凶悪なる赤黒い闘気を止めどなく横溢(おういつ)させながら、、、

 

何と!詠唱無しで「ブルースコール」を発動したのである!

そして、その強力な威力の雷の嵐により、激流の如き斬撃の嵐の軌道を尽(ことごと)く反らされてしまったのだ。

 

それでも、決して諦めていないのはオルステッドも同じだ。

眩い紅蓮の闘気を更に燃え上がらせ、そこから巨大なドラゴンのオーラ・熱気を身に纏い、、熾烈(しれつ)に放っていったのだ!

そう、その凄まじい威力と化した「ドラゴンソウル」である!!

 

だが、ストレイボウはそれを、またもや詠唱無しでの反撃を企てた。そう、超スピードの小規模な、隙の限り無く少ない「ブラックアビス」にてドラゴンのオーラ・熱気を暗黒に飲み込み、相殺したのであった、、、。

 

 

オルステッドの反撃は、繰り出す技・攻撃何もかもが見事なまでに無力化されてしまう、、。もはや、どうする事も出来ないと、深い闇に飲み込まれ、

絶望に沈んで行くその最中、、、!?

 

突如、絶命したハズの伝説の勇者・ハッシュの幻影が目の前に現れた!!

そして、彼は、、オルステッドに静かに、こう語り始めたのだ。

 

 

「このまま、、闇に飲み込まれても良いのか、、勇者・オルステッド!!

この私が託した、、命を削って伝えたその思いは、、露と消える、、、か。

まぁ、それも仕方の無い事やもしれぬ、、、。ただ、、、お前はそれで良いのか?

信じていた友に謗(そし)りを受け、謀(たばか)られる、その悲運、、、さぞ苦しいであろう、、。辛いだろう、、。

ならば、、今一度、、私が力を分け与えよう、、!

お前なら、、完全に使いこなせるハズだ。我が最終奥義「デストレイル」の真の形体を、、、!!そう、、あの技は、まだ不完全なのだ。

、、真の力を発揮した「デストレイル」は、あの時の様な比では、、無い!!、、、私が力を注ぐ、、後は、、オルステッド、、、お前次第だ、、!」

 

そう言い残すと、ハッシュは目映い光と共に消えて行った、、。

 

 

そして、そこから、ハッシュのデストレイルと似て非なる、驚異的な大技を発動するきっかけを譲り受けたのであった!!

 

天高くのストレイボウ目掛けて、大きく集中し、、聖なる力を徐々に収束させ、遂にはストレイボウのその強力無比なブラックアビスをも、はね除けたのだ!!

 

 

そして、、、次の瞬間!!

渾身の、聖なる一振りを大きく斬り込んだオルステッド!!!!

その、真の最終奥義の名は、、

 

 

「ホーリートレイル」!!

 

 

全精力を込めて渾身の力を振り絞り、乾坤一擲(けんこんいってき)の覚悟で、聖剣『ブライオン』を勢い良く振り下ろしたオルステッド!!

 

 

光り輝く閃光が山頂全体を包み込み、、その聖なる一撃を受けたストレイボウは、忽(たちま)ち全身を強烈な光に晒され、

焼かれたのであった。

彼の身体中からはドス黒い邪気が漏れ出し、苦痛の叫びを張り上げていた。

 

「ぐわァァァァァァ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

 

やがて、、力を全て使い果たし、ゆっくりと地面に落ちて行ったストレイボウ、、、。

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■【バトル終焉】■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

力無く横たわるストレイボウは、

 

「クッソォォォ、、、また、、、かよ、、、、!!」

 

そう言い残し、、無念と憎悪に満ちた表情を、一瞬足りとも崩さずにカッと目を見開いたまま絶命した、、、。

 

そして、奥の邪悪な巨像から、一人の影が、、!

 

そう、ずっと探し求めていた王女、、最愛の妻・アリシアなのであった!!

 

 

だがしかし、、アリシアは、オルステッドを暖かく歓迎し、その笑顔を振り向けてくれる事は無かったのである。そして、アリシアに駆け寄ろうとしたところ、、、

 

「来ないで!!」

 

そして、、アリシアはオルステッドに問いかけた。

何故、助けに来てくれなかったのか?と。ストレイボウは来てくれたのに、、何故、貴方は来てくれなかったのか?ずっと、、ずっと、、、待っていたのに、、と。

淡々と責め立てるのであった、、。そして、アリシアは、こう言い放った、、。

 

「この人は、、ストレイボウは、、、いつも貴方の陰で苦しんでいたのよ、、、。

貴方には、、この人の、、、負ける者の悲しみなんて、、、分からないのよッッッ!!!!」

 

痛烈なるその言葉がオルステッドの心の奥底に、深く、、深く突き刺さり、、

何も言い返す事も出来ず、、呆然と立ち尽くしていた彼、、。

 

アリシアの言い分も、確かにもっともなのだが、、しかし、ここまで扱き下ろされるとは、

全くの予想外だった彼は、、大きな落胆、、虚無、、喪失感に苛(さいな)まれ、、もはや、、言い返すだけの気力すら、言葉すら、、失っていたのであった、、、。

やがて、アリシアは、驚愕の行動に出てしまうのである、、!!

 

「ストレイボウ、、もう、、、何も苦しむ事は無いわ。

私が、、、、」

 

その時!懐から短剣を取り出したアリシアは、、、

 

「ずっと一緒に居てあげるッッッ!!!!」

 

慌てて駆け寄るオルステッドだったが、あと少しのところで間に合わずに、、、、

胸に短剣を深々と突き刺したアリシアは、、、

そのままストレイボウの亡骸に重なる様に倒れ込み、命を落とすのであった、、、、。

 

辺りは静寂に包みこまれ、微かな風の音だけが不気味にこだましていた、、、。

そして、ストレイボウとアリシアの亡骸からは、夥(おびただ)しい量の血が広がり、、

地面に広がっていった、、、。

 

 

オルステッドは、そこで今までの人々とのやり取りを思い返していた、、、。

 

 

王女アリシア「これからは、、父上よりも、、いいえ、誰よりも、、貴方を、、、信じます!!」

 

 

勇者ハッシュ「、、、姫は、、王女・アリシア様は、、、お前が助けに来ると信じている、、!

信じてくれる者が、、一人でも居る限り、、、その人間を、、、、信じるのだ、、、!!」

 

 

僧侶ウラヌス「、、オルステッド、、、ワシはこう思う、、。

、、、ここで人間を憎んでは、、負けじゃ!!かと言って自分の心に嘘をついてもいかん、、

じゃから、、ワシは命を賭けても、、『魔王』では無いと訴えるしか無いのじゃ、、!!

じゃが、、お前はそれではいかん、、、お前はまだ若い!、、ハッシュやワシが命を賭けて守ったモノを、、、守り続けるのじゃ、、、!!」

 

 

大臣「こ、、、国王様、、!?それに、、、オルステッド、、、!!?、、な、、、これは一体、、どうゆう事だ!!、、、き、、貴様ァァ、、、、どうゆう事だこれは!!説明せよ!!!!」

 

兵士「、、ま、、、魔王だ、、!!コイツは、、魔王だ!!

こんな非道を行うのは、、魔王意外、あり得ない!!」

 

兵士「そうだ、、魔王に違い無い!」

 

兵士「ヒィィ、、こっちに来るな、、魔王、、!!」

 

兵士「俺達をずっと騙していたんだな、、この魔王め!!」

 

兵士「あぁぁぁ、、もう終わりだぁぁーー!!魔王がやって来たぁぁーーー!!」

 

大臣「魔王をこんな早く倒して戻って来るハズが無いと思っていた!!

そう、、初めから私はオカシイと疑っていたのだ!!

まさか、、ハッシュやストレイボウも、、貴様が殺めたのか!!?

そして、、ウラヌス、、貴様も、、そこの魔王の手先なのだろう!!?」

 

 

 

 

、、そして、力無く両膝を付き、天を見上げながら、その重い口を開いたオルステッドであった、、、。

 

 

 

「俺には、、もう、、、何も残されていない、、、。

仲間も、、友も、、帰る場所も、愛する人も、、、信じる者さえ、、、、みんな、、、、、

魔王なんて、、何処にも居なかった。

、、、ならば、、この私が、、、愚かで、、自分勝手で、、、救い様の無い人間共に、、思い知らせてやる、、、!

、、、今より私は、オルステッド(人間)などでは無い、、、、我が名は、、、

、、、、魔王、、、『オディオ』、、、!!」

 

 

『人間』の汚い部分を尽(ことごと)く、、これでもかと見せ付けられ、、『勇者』として己の責務を全うして躍進していた一人の若者・オルステッドは、、、

 

その心を手酷く打ち付け、痛め付けられ、、そうして、、、

魔王『オディオ』として生きる道を選ぶのであった、、、

 

 

勇者オルステッドは、人間にほとほと愛想が尽き、深く傷つき、打ちのめされ、

そして絶望し、勇者として人々の期待に応えてきた今までの生き方に疑問を抱く。

 

 

そして、、彼の中で何かがプツリと音を立て切れたのである。

 

 

人間に振り回され、人間に邪魔され、人間にかき乱される、、、

そんなのは、もう沢山だ。

なら、人間で在る事もかなぐり捨て、、自らが、『人間』の最も恐れていた『魔王』へと

転生する決断を下すのである。

 

やがて、身も心も、、完全に『魔王』へと塗り潰されてしまった彼が取った行動とは、、、!?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。