原神 トワリン撃破トロフィーRTA   作:ハナホジン

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「こいつをどうするか ボスあんたから言ってくれ 始末は俺達がする」

YOU「ボートを用意しろ 一人乗りでいい 水と食べ物を」

ME「投稿が遅いくらい…!!、まともなのは僕だけか……!?」「僕は……僕は悪くない!」

悪いです(極刑)

なんか謝ってばかりだな、この小説

失踪はしないんで安心してただ遅いだけなんだよ。

失踪する時は告知するんでオナシャスセンセンシャル!!



エウルア視点の続きです、多分これがラスト







私の復讐心 下

この極寒の山、ドラゴンスパインでアンバーはしゃがみこんでおり、私はその近くに立ちっぱなしでいる。

 

アンバーの視線の先には大きな足跡が存在感を放っていた。

 

「この足跡…、霧鎧の足跡だよ、この霧鎧は珍しく他のヒルチャールを引き連れないタイプみたい」 とアンバーが大きな足跡を見てそう結論づけた。

 

「この先の木の枝が折れている所から大雑把な性格だと思う、そしてこの雪の踏みつけ具合は…、比較的新しく少し苛立っているみたい」 とアンバーは白い息を吐きながら周りの状況を見て言った。

 

ここまでわかるなんて流石偵察騎士ね、と言うと「エヘヘ〜、これくらいなら誰でもできるよ、後で教えてあげようか?」 と笑顔で言ってきたので私もアンバーに笑顔でお願いするわ、と返した。

 

「スンスン、この獣臭…多分この先の洞窟にいるよ」 アンバーは今度は空気を嗅いで目を開く、嗅いだ先には大きな洞窟があった。

 

ここね…、中から低い声のような反響音が聞こえて、更に冷える風が中から外に通過していく。

 

私はアンバーに行きましょうと伝え、私がアンバーの前に立ち進んでいった。

 

その後ろにアンバーが少し屈みながら私の後を追ってくる。

 

この洞窟は外と比べると暗いが壁や天井が氷になっているため、僅かな光が乱反射し洞窟の中でも明かりを付ける必要がない。

 

「結構幻想的だね」 アンバーが壁を触りながら言う。

 

私は「だから油断しないの」 とアンバーに注意をし辺りを警戒しながら更に奥に歩を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

普通の洞窟は魔物の巣窟となっているものが多いがここは魔物どころか動物でさえいない。

 

この先にいる標的が他の生き物を寄せ付けないほどのオーラを放っている強さなのかと思っていたら、少し広めの空間に出た。

 

その空間は半球で少し高さがある構造になっており、ここまでの道筋よりも明るい光を放っていた。

 

「エウルア、あれ…」 アンバーの顔が険しくなって、目つきが鋭くなった。

 

その視線の先には普通のヒルチャールの何十倍もあるほどの大きさの霧鎧の王がそこで座り込んでいた。

 

まるで置き人形かのようにじっとしている。

 

私はアンバーに打ちやすいような場所に移動してもらうように言った。

 

「わかった、あれで行くんでしょ、頑張ってね」 と言い、音をたてずに私から離れていった。

 

あれ、というのはここまでに来る際に軽く作戦をたてたのだ。

 

内容は簡単、私が正面から止めてアンバーが急所を突く、ただそれだけだ。

 

まぁ、いざとなればロイが助けに来てくれると思うとこの程度の作戦でいいだろうと相談して決めた。

 

アンバーがいるであろう場所に目を向けるとアンバーは配置についており弓を軽く構え私に目配せをする。

 

私は霧鎧のいる所へと歩む、霧鎧は私が来たことに気づいたのかゆっくりと立ち上がり、大きな白い息を吐き出した。

 

私は大剣を出現させ、腰を落とし構えた。

 

霧鎧が完全に立ち上がった後に身体を激しく揺さぶり「グオォォォォォォ!!!」 と洞窟内が壊れそうなほどの重音で叫び、身体からは冷気を放出し出した。

 

その次に身体を小さく丸めたかと思ったが、急にこちらに向かって飛んできた。

 

その速度はその巨体には似合わず速く、そして拳を大きく振り上げている。

 

だが、ロイと訓練していた時の方が速い。

 

私は落ち着いて振りかぶってきた拳を躱し、そのまま剣で腕を一発斬った。

 

奴が振りかぶった拳は地面に当たり、地面が蜘蛛の巣のように割れた。

 

もしこの攻撃をマトモに受けてしまったらただじゃおかないだろう。

 

それに奴の腕の切り傷からは血があまり出ておらず、奴の耐久力も中々らしい。

 

確か、氷元素を身体中に纏わせているから防御力が上がっている、とアンバーから聞いた。

 

奴はゆっくりと私の方に向かって歩いてくる。

 

私は再び構え直すと、奴の上から赤い流れ星が振っていくる。

 

奴は上を向いてその流れ星を確認したら腕で頭を守るように防いだ。

 

奴の当たった腕や肩、体には纏っていた氷元素は消滅していた。

 

この攻撃はアンバーだろうと思ったところで奴の顔にまた新しい赤い光がぶつかった。

 

「グガァァァァァ!!」 と顔を抑えて奴は叫んだ。

 

私とアンバーはその隙を見逃さず、アンバーは引き続き赤い光、炎元素を纏わせた矢を打ち込み、私は奴の懐に潜り込んでそのままの物理で斬ってやった。

 

奴は両手を上を持ち上げて私のいるところに振り下ろしてきた。

 

私は避けずに奴に攻撃を剣の腹を盾にするように防いだがやはりその攻撃力は中々のもので私の腕と足は悲鳴を上げた。

 

この鈍い痛みを我慢し、奴の腕を横に受け流したら奴は体勢を崩した。

 

私は「堅氷(けんぴょう)、怨を断つ!!」 と叫び、私の必殺技、氷狼(ひょうろう)光剣(こうけん)を奴の腕に向かって剣を振りかぶった。

 

奴の上腕骨から下の両腕を切断させると「ガァァァァァァァ!!!!!」と叫びながら立ち上がり切断面から血が噴水のように飛び散ってくる

 

私の後ろから8つほどの矢が風を切って来て、奴の両足に1本も外さずに当てた。

 

私が邪魔になっているのにキレイに私に当てず全てを当てるなんてやるなと思いながら、私は今持っている剣を放り投げて氷狼の光剣の特徴である、背後に出現した白い大剣を持ち奴の腹に突き刺した。

 

その後にその大剣は白い爆発をし奴の内蔵をグチャグチャにして奴の背中から白い破片が貫通する。

 

「グゴォォォぉぉぉぉ!!!」 と霧鎧が叫び、後ろに倒れ込んだ。

 

奴の身体は黒くなって消滅する、それを見て私は安堵感と疲れを感じて座り込んだ。

 

よかった、倒せたと思っていたら近くからスタッと小さな着地音が聞こえた。

 

音が聞こえた方に目をやるとそこには拳を赤く染めてあるロイがいた。

 

「あ!! ロイさん!! どうでしたか? 私達!!」 アンバーが喜びの感情を露わにしながらロイの方へと駆け寄る。

 

私の事の心配よりもロイの事なのねと心の中で嫉妬した。

 

「良かった」 とロイはおめでとうと思っていなさそうな声で言ってきた。

 

「じゃあ、合格という事ですね!?」 アンバーは鼻息を荒くして言っている。

 

ロイはうなずいて肯定した。

 

「わーい!! やった〜!! エウルア、私達にちゃんとした騎士になれたんだよ!!」 アンバーはそう言い、私に抱きついてきた。

 

私はアンバーに「ちょっと、今私疲れてるの」 と疲れている事を伝えてもアンバーはやめないで私に抱きつき頬張りしてくる。

 

私は少し迷惑そうにしながらも心の中では抱きつかれた事に対して嬉しいと思った。

 

「先に二人で帰れ」 とロイは急に私達に言ってきた

 

「え? なんですか? 一緒に帰りましょうよ〜」 アンバーは駄々をこねるように言っている。

 

するとロイは「最後までが任務だ」 と言った。

 

まぁ、確かにまだ任務は続いているしロイの言っていることは正しいが別に帰り道に危険も無いし大丈夫だろうにと思った。

 

「へ〜、わかりました!! では、ロイさん! 今日はありがとうございました!!」 とアンバーはロイにお礼を言ったため、私もそれに便乗するように「感謝はしておくわ」と言った。

 

私達は霧鎧の戦利品を取って、来た道を戻った。

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても、エウルアのあの技凄かったね〜」 帰り道にアンバーは私に言ってきた。

 

私のあの技は自分で考えて作ったものだとアンバーに伝えたら「へ〜、流石エウルア!! 凄いね!!」 と褒めてくれた。

 

こうして仲良く話していると、後ろから大きな音が響いた。

 

「な、なに?」 アンバーは後ろを向いて驚いている。

 

音が発した所は私達がいたあの山だ。

 

私はなにか嫌な予感がした、気持ち悪い感覚が心の中でグルグルしている。

 

私はアンバーに戻るわよと伝えて来た道を走って戻っていった。

 

「ちょ、ちょっとエウルア!!」 アンバーが私になにか言っているがちゃんとついてきてくれるだろうと思いながらそのまま走り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてまたあの洞窟に戻ってきた私達は目的地に近づけば近づくほど更に冷たい風が吹いてきて、聞こえてくる音も大きくなってきた。

 

あの霧鎧を倒したところに着くとそこは今までいた所とは違い、壁や地面はボコボコになっておりさっきまでの原型を留めていなかった。

 

そして中央には地面に伏せているロイとそのロイの首筋を狙って槍を構えている小さな女の子がいた。

 

ロイが殺されると思った私は頭で考えるよりも先に身体が動いており、ロイとその女の子の間に割り込んだ。

 

その女の子は槍を振り下ろしてきたため、私は剣を出現させてその槍を防いだ。

 

槍の攻撃を受けた瞬間私は驚いた、その華奢な身体からは想像もつかないほどの力が私の腕に伝わってくる。

 

私はロイを見た。

 

ロイの腕は血がドバドバと吹き出していて、見ている側からしてもとても痛そうであった。

 

そしてロイの顔は見えないがいつものロイなら死物狂いで相手に挑んでいくものだがこの状況では諦めているんだろう。

 

私はロイに「諦めてんじゃないわよ…、まだ貴方に対しての恨みがあるんだから…!!」 と言って励ました。

 

「ん!」 と女の子、いや敵は私の前から消えて、消えた場所から火の矢が出現した。

 

「エウルア早く!! こっち!!」 するといつの間にか高台の上にいたアンバーは私達を急かすように言い再び弓を構えた。

 

私はロイを見たが肩を上下に激しくさせて呼吸をしていて目は虚ろで焦点が定まっていなかった。

 

「ぼーっとしてないで、早く行くわよ!!」 私は無理やりロイを背負ってアンバーのいる場所へと走った。

 

あの強靭無敵、いや狂人無敵のロイをここまでするなんてあの敵は私達よりも遥かに格上だろう。

 

「もう〜、甘いなぁ〜、こんなんで私を止めれる訳ないじゃん」 敵はアンバーから繰り出される矢を余裕そうに躱し、手から氷でできた槍を作りアンバーのいる方へ投げ飛ばした。

 

その槍の速さは私の目で捉える事が難しく、残像が見える程度にしか見えなかった。

 

「へっ!? きゃあ!!」 槍がアンバーのいる高台に当たり、その高台は雪崩のように崩れ落ちていった

 

「アンバー!!」 私は大声で名前を叫んだ。

 

「次は君だよ」 いつの間にか背後にいた敵に私は驚き、横に飛んで回避しようとしたが敵の蹴りでロイと私は蹴り飛ばされた。

 

ロイは私に背負われていたが飛ばされた遠心力で離れてしまった、ロイのいる方を見ると私に背を向けて横向きに倒れており、一瞬死体だと勘違いしてしまった。

 

「うぐぅ…!! こんなところで…、終われないわよ!!」 私は起き上がって大剣を出現させて敵に向かって構えた。

 

が、剣を持ち上げたときに腕に痛みが走った。

 

もしかして、今の一撃で私の腕の骨がやられたというのか。

 

私はここで出し惜しみしていてはすぐにやられると思い、私は最初から全力で敵に向かって行った。

 

「氷狼のように唸れ!!」 私はそう言いと背後に氷狼の光剣を出現させて敵に向かって斬りつけた。

 

「そっちの方で攻撃しないんだ」 敵は槍の柄で私の大剣の頭上からの攻撃を防いだ。

 

まだこいつにはこの技の真骨頂を見せていない、油断している隙に速攻でその首を断ち切る。

 

「ハッ!! ハッ!! セイッ!!」 私は自分を鼓舞するように叫びながら何度も敵に攻撃をする。

 

勿論、私の攻撃はこの敵からしたら武芸をしているのと同じようなものだろう、全て弾き返されて遊ばれている、だがこれでいい。

 

「もう、バカなのかなぁ、いい加減学習したら?」 敵は呆れるように言った。

 

「バカは貴方よ」 私はあいてを挑発するように答えた、すると一瞬あいての顔が歪んで

 

「ふん、だったら一気に貴方の心の臓を貫いて…、!?」 敵は私に攻撃しようとしたがどこからか飛んできた炎の矢を躱すために半身を後ろにのけぞった。

 

流石にあの程度ですぐにやられるほど(やわ)い訓練はしていないわよね、と心の中で言った。

 

「い、今のが当たらないなんて…」 アンバーは少しショックを受けたような声で言っていたがしょうがない、相手がバケモノ過ぎるのだ。

 

「でもナイスよ、アンバー!! 喰らいなさいっ!!!」 私の背後にある白い大剣が勝手に動き地面に思いっきり突き刺さって、瞬間、大剣が辺りに破片のように飛び散った、すると衝撃波が発生しその衝撃波は敵に向かって行った。

 

これが私の全力、これまでの攻撃した分全てのダメージがこの衝撃波に乗る。

 

「ふ〜ん、コレぐらい私の氷元素でね」 敵は私の前に氷の壁を瞬時に作り攻撃を防ごうとしたが、それくらいの薄い壁なぞ無意味だ。

 

バキーーーーーン!!!!

 

「え!?」 私の攻撃は防がれることなく、敵が作った氷の壁を壊して、その勢いを衰えることなく敵に向かって行った。

 

ドガァァァァァァァン!!!  少女は攻撃をモロに受けたように見えた。

 

その敵がいたところは白い煙が上がっていて死亡確認ができないが恐らく倒せているだろう。 

 

「ふぅ〜、なんとかなったわね、油断してくれてありがたかったわ」 私は独り言のように言って、ため息をついた。

 

そうだわ、速くロイの怪我を見てあげなくちゃと思いロイの倒れているところへ行こうと思った時に

 

 

 

 

 

「なるほどね、一見氷元素で作った物だと思ってたんだけど、まさかの物理なんてね。 だから氷元素同士では混じり合う事のない氷砕き現象が起きたのね」 悪魔のような絶望のような声が私の耳に無理やり詰め込んできた。

 

「まさか私が怪我を負うなんて、これじゃシニョーラに笑われちゃうね」 敵の姿が見えてくると、片腕の服、コートが破れており少しの血が腕から出て、腕をつたって手に、手をつたって指まで血が滴ると重力に逆らえず、地面にポタポタと滴り落ちる。

 

「もう油断しないからこっからは本気」 敵は目を見開いた、その目は右目が赤色、左目が黒色といったオッドアイであった。

 

その目は何故かロイと同じ雰囲気を感じ取った。

 

少女の周りに纏っていた氷元素がなくなり、辺りは前と比べると寒さがマシになった。

 

しかし、今度は息がしずらくなった。

 

球状の岩が敵を包むように出現し、敵の姿は完全に見えなくなった。

 

コレは不味いと直感がそう私の頭に危険信号を送ってきた。

 

「ロイさん!! エウルア!! 速く逃げよう!!」 アンバーがいつの間にかロイのそばにおり、ロイの肩を担いで出口の方に向かって行った。

 

ここは本当に逃げなければ三人とも命がない、そう思い私もロイの肩を持って無理やり引っ張っていった。

 

「逃さない」 敵の低い声が聞こえると目の前の出口が地面から出てきた岩で塞がれた。

 

これを壊すか? いや、この元素力、しかも岩元素と来たもんだ。

 

今の私ではこれを壊すすべはない。

 

ズゴォォォォォォォン!!!  この洞窟が崩れてしまうんじゃないかと思えるほどの音が聞こえた。

 

音のした方へ顔を向けると、茶色の狂戦士の仮面を被り、首もとやヘソ、太ももや脇が思いっきりさらけ出している鎧のような物を着けて、髪や目、鎧も全体的に茶色で染め上がっている敵の姿がいた。

 

「っ…!! ロイさん、ここで少し待っててね」 アンバーはそう言うとロイを壁の近くに置き、弓を出現させて敵と向き合った。

 

アンバー、貴方はこんな絶望的な状況でも諦めないのね。

 

やっぱり私はアンバーには敵わない。

 

私も覚悟を決めて、敵に向き合った。

 

その迫力、覇気、衝撃、今すぐ地面に倒れてしまいそうだった。

 

だけども、アンバーが立つんだ。 アンバーが諦めないんだ。

 

だから私も諦めない。

 

「アンバー、行くわよ」

 

私はアンバーに言った、今までのお礼じゃない、この勝負に勝つという思いを込めて。

 

「任せて」 アンバーはそれだけを言い、弓を構えて突っ込んでいった。

 

私は先手を取られたと思いながら私も敵に立ち向かう。

 

「今更、あなた達の相手にはならないよ」 敵はそういうと両手に岩元素を集めた。

 

その岩元素で出来たものは篭手、手の甲から関節までキレイに包まれており全体的に茶色く、手の甲には親指ほどの大きさの琥珀色の石が埋め込まれていた。

 

篭手ということは超近接、相当近くまで来ないと攻撃を当てることは出来ない、そう思っていた。

 

アンバーが敵に向かって弓を放った、その矢は敵の頭にキレイに入ったと私達は安堵した。

 

だが、その安堵は勘違いだった、攻撃したはずの敵はもうすでにおらず、どこいったと思っていたら「ウグゥ!!」 と苦しそうな声が聞こえそちらに目をやるとなんとアンバーの首を掴んで空中に静止させている敵の姿があった。

 

「どんなに凄いコントロールしてもね、敵を認識出来なかったら意味ないんだよ」 と笑顔で言うと敵は頭を思いっきりアンバーの顔に目掛けて振った。

 

ギュチャ と気持ち悪い音がし、敵が頭をアンバーから離すと鼻から血をドバドバと出し口から血を吐き出し、目に涙を浮かべて「うぅ…、うぅ…」と唸っているアンバーがいた。

 

アンバーの血が敵の顔にかかるが敵はそんなもの興味無いと言った感じでアンバーをボロ雑巾のように投げ捨て、更にアンバーの方へ少しスキップのような感じで小走りした。

 

私は嫌な予感がし「やめろぉぉぉぉぉぉ!!!!」 と叫び敵の方へ走っていったが敵はその勢いのままアンバーの腹に重い蹴りを喰らわせた。

 

メキョォ 人からなってはいけないような音がアンバーから発され、「うげぇぇぇぇぇ!!!」 と最初に血を吐き、その次は吐瀉物がアンバーの口からでてきた。

 

「お前ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」  私はこれまで感じたことのない怒りが私の心の中で溢れ出てきて、奴を殺す、ただそれだけが今の私を動かす動力になっていた。

 

首を断ち切るために剣を横に振る、が篭手を盾にして軽々と受け止める。

 

その後は上から叩き下ろすように何度も何度も何度も何度も何度も剣を振った。

 

「はぁ…」 ため息が聞こえると振り下ろした剣が弾かれて、私の目の前に壁が迫ってきていた。

 

その壁に頬を殴られ、私は今いた場所から5mほど後ろに飛ばされた。

 

反射神経により後ろに少し飛んだことで受ける衝撃は抑えれたがそれでも打たれた所はとても痛かった。

 

私はすぐに敵のいる所へと顔を向けるがもう敵はおらず、手を伸ばせば届くほどの距離にいた。

 

私もすぐに剣を構え、振る。

 

が躱され、私の脇腹、胸、腕、太ももに奴の篭手による攻撃を受けてしまった。

 

それが何度も続く、私が攻撃してもそれは空を切るか受け止められるか。

 

そしてその後は5〜6発の私と同じ、それ以上のパワーで攻撃される。

 

痛い、痛い、痛い、痛い、いたい、イタイ

 

だが、アンバーやロイの事を考えるともっと痛い。

 

私は血反吐を吐き、身体の骨が折れても、剣を振った。

 

ドーーーーーーーン!!!!

 

急に私の耳に入ってきた音は私を我武者羅(がむしゃら)の精神から引っ張り出し、私を現実に戻らせた。

 

一体なんだと思い、目を向けるとそこには凄い勢いでこちらに走ってくるロイがいた。

 

あの怪我はどうしたんだ、と考えている隙に

 

「へ〜、あの傷をどうしたのかはわからないけど武器もなしに来るなんてね」 と敵は呆れたように言い、私のことを放っておいて敵もロイの方に向かって走った。

 

逃げて、ロイ!! と叫んだがその声は爆発音によってかき消された。

 

ロイの拳と敵の拳がお互いにぶつかり合い、その接触点からはカラフルな石が生まれて飛び散っている。

 

ロイの拳からは火が出ており胸には神の目があることを認識できた。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!!!!!!」 とロイは獣のように叫び拳での打ち合いが始まった。

 

ロイは敵のように篭手はしておらず素手だ、それでは手が先にやられてしまうぞ。

 

私は身体中が悲鳴を上げているが自分に鞭を打って敵の方へと向かい背後に向かって剣を振り下ろした。

 

その時に横から矢が放たれていた。

 

アンバーが片膝を立ててしゃがんでいる体勢で矢を苦しそうな顔で撃っていた。

 

その矢と私の一振りは敵に当たる…、ということはなく、また敵は私の目の前で消えていった。

 

そしてそこにはロイもいなかった。

 

ドグォォォォォォン!!!!

 

すると後ろで聞こえてくる音、その音に振り返るとそこは天井に近い壁でクレーターが出来ていた。

 

ドグォォォォォォン!!!!

 

そして今度は横で聞こえる音、そこにもクレーターだけが出現していた。

 

ドグォォォォォォン!!!!

 

ドグォォォォォォン!!!!

 

ドグォォォォォォン!!!!

 

四方八方から聞こえる煙と爆発音、ここでは私達も被害を食らうと思いその場からゆっくりと少し離れた。

 

アンバーの元まで行くと、私は足がふらっとバランスが取れなくなりうつ伏せで倒れた。

 

アンバーが私になにか言っているがわからない、もう耳が…、なんにも…き…聞こえない……。

 

私は意識を離してしまった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「エウルア!!」 エウルアが私の目の前で倒れた。

 

死んじゃったんじゃないかと思うほどの重症で、エウルアは気絶しているけどとても苦しそうな顔だった。

 

私はエウルアの脇に両手をくぐらせ、エウルアの胸の前で手を合わせてそのまま引きずった。

 

ふと顔を上げるとそこには赤い糸が絡まり動いていた。

 

その糸はロイさんだと思うが私はその光景を見てキレイと見惚れてしまった。

 

死にかけるほどの戦場でこんな思いになってしまう私は異常なのだろうか。

 

私はエウルアを今ロイさんが戦っている所よりかは安全な所まで引っ張って寝かした。

 

私はエウルアの首筋に手を置いて脈を測った。

 

1…2…3…、1…2…3…、リズムは大丈夫、出血も酷い訳ではない。

 

私はエウルアの安否を確認したら、立ち上がって来た道を戻った。

 

必要かどうかわからないけど、私も騎士団の、ロイさんの弟子なんだ。

 

お腹が気持ち悪いと思いながらもロイさんのところへ走った。

 

 

 

 

 

 

近くまで来るとまだあの爆発音が聞こえる、まだ戦っているんだと気合を入れながらあの大きい空間へと出る。

 

そこではなんとロイさんがあの敵の圧倒していた。

 

敵は縦横無尽に駆け巡りながら殴るロイさんの攻撃をその場で防いでいるしかない状態でいた。

 

するとロイさんの動きが止まった、どうしたのかと思ったら身体を低くかがめて腕を後ろに引いてその腕に火が集まっているロイさんがいた。

 

そして、火が完全にロイさんの腕に集中したらその腕は赤く染まっていてマグマのような輝きをしている。

 

ロイさんの足元が急に爆発した。

 

故意なのか事故なのかわからないけどその爆発によってロイさんは敵のいる方へと飛んだ。

 

炎鳥(えんちょう) 嘴一閃(くちばしいっせん)!」

 

ロイさんは敵の前まで飛ぶとその赤く光った腕、拳を敵の顔目掛けて殴った。

 

敵の顔とロイさんの拳が接触するとその接触面で爆発が起こった。

 

これもロイさんの新たな技だろうかと私は見入っていた。

 

ロイさんの渾身の一撃により敵は後ろに飛んでいった。

 

敵は両足で踏ん張っており、その踏ん張り跡が深さ4cmほどになりキレイに直線になって飛んでいく。

 

ドガァァァァァァァァン!!!!

 

そして、耐えきれずに壁に凄い音を立てて激突する。

 

ロイさんは殴った勢いのまま前のめりに倒れ込んだ。

 

「ロイさん!!」 私はロイさんのそばまで駆け寄り四つん這いの状態でロイさんの状態を見た。

 

血を吐き、破れた服からは切り傷や殴打跡があり、なにより敵を殴ったその両腕が火傷で特に酷かった。

 

ロイさんの息がドンドン細くなっていって、瞼がだんだんと落ちていった。

 

「大丈夫!? 意識をしっかり保って!!」 私は必死になりながら、ロイさんに声をかけた。

 

ここで意識を離させてしまったらもう戻らないと思ったから。

 

バキバキバキバキ!! 氷が割れるような音が聞こえて、音のなったほうに顔を向けると目の前にはまだ立っている敵の姿があった。

 

あれを喰らってまだ立つの…、私は深い闇に落ちたように思えた。

 

ピキピキ…、パリーン

 

敵の被っている仮面が粉々に砕け散り、茶色の琥珀色の目が私達を見ている。

 

「グフッ…」 と敵は口から血を少しだけ吐き出した。

 

敵の頬や鼻から血が出ており、手の甲で血を拭った。

 

「すごいね、こう見えても私もファデュイでは凄い方なんだけどね」 敵は氷のような感情が読み取れない顔で言って、こちらに歩いてきた。

 

ダメ!! やらせない!!

 

「はぁ!!」 私はロイさんを守るため矢を撃って、敵をこちらに近づけさせないようにしたけども。

 

「邪魔」 敵はいつの間にか私の眼前におり、私の腹にまた一撃を入れた。

 

やだ、いやだ、気持ち悪い、痛い、助けて、ロイさん、エウルア、苦しい、

 

「う…うがぁ…」 私はもう吐瀉物がお腹の中には無く、出てくるのは酸っぱい胃酸と口の中から急激に分泌された涎だけだった。

 

私はこの気持ち悪さを感じながら気絶してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、う〜ん」 私は気絶から目を覚まし、重い身体をなんとか持ち上げる。

 

「あれ? 私…、そうだ!! ロイさん!!」  私はなにか大事なことを思い出して、ロイさんの方に身体を寄せた。

 

この場所には敵の姿はおらず気配もしないため近くにはいないだろう。

 

ロイさんは私の顔を見た時、安心したように少し口角を上げて目を閉じた。

 

「ロイさん! ロイさん!!」 私はロイさんに大声で叫んだがロイさんは起きずにそのままでいた。

 

私はロイさんを起こすよりも先にエウルアとロイさんの状態をどうにかしなければと思った。

 

私はロイさんを背負った。

 

ロイさんと私の身長は10cm以上違いがあるし体重もロイさんの方があるから一歩歩くだけでそのロイさんの重さと私の重さ同時に私の足に伝わった。

 

私は歯を食いしばりながら、一歩一歩転ばないように慎重にエウルアのいるところへと歩いていった。

 

あの時助けてくれたことを今度は私が二人を助ける番だ。

 

 

 

 

 

 

 

エウルアのいる場所まで時間をかけて歩いた。

 

まずは二人の応急処置、それから救援を呼びに行かなきゃと頭の中で整理していたら、エウルアの近くで誰かがなにかをやっている。

 

私はロイさんをゆっくり音をたてずに置き、弓をそいつに構えた。

 

「動くな」 自分がこんな冷たく冷淡な声が出せるなんてと思いながらその人に向かって警告した。

 

「今、治療をやめてしまったらこの人は死んでしまうよ」 とアッシュ系のライトブラウンの髪を肩の下まで伸ばし、後ろで三つ編みのハーフポニーテールにまとめているそいつは手を止めずに、こちらに振り返りもせずに言ってきた。

 

私はそいつの肩越しからエウルアをチラリと見たら、身体中にきちんとした処置をされておりエウルアの顔つきも柔らかくなっている。

 

「さぁ、この人の治療はひとまず終わった。 次はその人、いやロイの番だよ」 とこちらに振り向いて虹彩に3つのドットがある明るいティール色の瞳と、色白の肌を持つ青年が言ってきた。

 

ロイさんはモンドでは有名で名を知らないものはほぼいないだろう、恐らくこの人もモンド人かと思いエウルアにしてくれた処置を思い出してロイさんを彼に差し出した。

 

私もそこまでの完璧な処置は出来ないから彼にお願いした。

 

彼は慣れた手付きでスルスルとロイさんに治療を施す。

 

「興味深い…」 と小さい声で独り言を言いながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ…ありがとう」 あれから私の事も治療してくれた、この人は敵じゃないと感じ彼に感謝した。

 

「いや、礼は良いよ」 と手をこちらに出して、気にするなという意味が込められてそうに振る舞った。

 

「それよりも、ここでは完全な回復は見込めない、一緒に行ってあげるからモンドまで二人を連れて行こう」 その少年は顎に手をつけ、少し悩んだ後に言ってきた。

 

「あの、お名前はなんですか? 私はアンバーというものです」 私は自己紹介していないなと思い、騎士道精神に従って名を聞いた。

 

「僕はアルベド、ただの錬金術師さ」 とクリーム色のした長い髪が風に煽られているその少年は言い慣れなさそうに名乗った。




アンバーちゃんのお腹がボコボコにしすぎて赤ちゃん産めなくなりそう

ごめんね、アンバーちゃん❤
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