原神 トワリン撃破トロフィーRTA   作:ハナホジン

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エウルアの話のやつが多いなぁ、てめぇなぁ。

許す(自分には甘いカス)

またまたエウルア編です。


銅像。







私の悔いた心

最近、あいつが変にニヤニヤしている。

 

前と比べて感情が露わになったことは良いことだと思うがよそから見ると気色悪い笑みを浮かべている男だと思うだろう。

 

現に私も団員も同じ感情を抱いている。

 

そういえば最近、騎士団がとある子供を引き取ったと聞いた。

 

確か火花騎士という可愛らしい女の子が爆弾で団長室を爆破し、しばらく使えなくなったという事件が起こった。

 

ロイが気持ち悪いのはその女の子が来てからだ、これらと関係しているのだろうか?。

 

「エウルアさん、ちょっと良いですか?」 うちの団員の一人が声をかけてきた。

 

「団長からロイ隊長に今すぐ来てほしいと伝言を預かりまして、エウルアさんから隊長に言ってくれませんか?」 少し遠慮気味に言ってくる。

 

あの卒業試験から、私はロイのいる遊撃隊に入った。

 

特に行きたいところもなく、隊の中で1番向いているのがここだったからだ、あと面倒くさいルールがないからという理由もある。

 

そこで私は数々の功績を残して、いわゆるスピード出世をした。

 

今では入ってから3ヶ月で遊撃隊副隊長の座についている。

 

色々な人から賄賂だとかの嫉妬や妬みを受けたが恨みを覚えておくわと目を睨ませて言ったら、ビビって正面から言う人はいなくなり陰口が増えた。

 

結果も残せず、人を妬む人は集団でも弱いんだなと思った。

 

だけどもそれだけではない、中には私に憧れを持ってこの隊に入ってきた人もいる。

 

この人がそうだ、私に助けられた恩や強さを見て入ってきてくれたらしい。

 

この人に限らず隊のみんなも私に普通に話しかけてくれる、けど他の隊や住民は相変わらずだ。

 

「ええと、すぐそこにいるんだから言えばいいじゃない」 と彼に言うと彼は首を振って、「…今隊長の様子がかなり怖くて僕じゃ話に行くことすら厳しいです…」 と彼は顔を少し俯いて言った。

 

まぁ、今のロイは悪役が悪巧みをするような顔をしていて確かに少し怖いだろう。

 

それにこうなる前でも顔は真顔で本当に必要最低限のことしか喋らないから新人の子は怒らせたら殺されるかもしれない精神でいるからできるだけ近付きたくないのだろう。

 

ロイは全然怒らないし、というよりも今まで本気で怒った様子を私は見たことが無い。

 

もっと安心して関わって欲しいのだがやはり本人の無口を改善しないと意味がないのだろう。

 

「わかったわ、それじゃ自分の仕事に戻っていなさい、伝言ありがとう」 私が彼にお礼を言うと騎士団の敬礼をした。

 

その後、後ろに振り向いて自分のやるべきことをするために戻っていった。

 

私も席を立ち、ロイのいる隊長席に向かう。

 

「ロイ、じゃなくて隊長、団長が貴方を呼んでいるわよ」 一瞬間違えてロイと呼んでしまったがここでは流石に上下関係をはっきりするために隊長と呼んで訂正した。

 

ロイは重い腰をよっこらと上げて私に「エウルアも来い」 と言ってきた。

 

私は団長に呼ばれていないから行く必要はないと伝えると「いいから」 と少し低い声で言ってきた。

 

なにかあるのかと思い、私はロイの言葉を信じついていくことにした。

 

ズカズカと歩いて団長室に向かうロイ、途中で他の団員の人達からロイに挨拶をするけどロイはなにも言わずにそのまま通り過ぎていく。

 

冷たいと言われがちだが一応ロイは小さく「ん」 と本当に小さく言っているため無視はしていない、小さすぎてただ聞こえていないだけなんだろうが挨拶をした団員達は少し不安な顔になったりする。

 

そして団長室の前につくと勢いよくドアノブに手をかけて思いっきり押した。

 

バン!! とドアの開く音が響くがジンは「もう、なにも言わんぞ」 とため息を吐いてから言った。

 

「まぁ、もう慣れたしいいや、それでねロイ君。 君にはある任務を受けてもらうよ」 ファルカ団長が少し苦笑いをしながら言った。

 

そして付き添いしていた私の方を見てきた。

 

「これはエウルア君、君にも関係のある話でね、君の叔父シューベルトという人がなにやら怪しい取引をしているというタレコミがあってね、ただのでまかせならいいのだが彼はこの騎士団に恨みを持っている、もし騎士団の機密情報をその取引相手に話されたらこちらに損害が走るだろう」 ファルカ団長は私の目を真剣な眼差しで見て言う。

 

私は驚いた、叔父さんとはあれ以降顔も合わせたり耳にすらしないからすでに死んだのかと思っていたがこんなことをしていたのかと思った。

 

「あの人が…、まぁしそうではあるわね」 私は叔父さんの事を久しぶりに思い出しながら呟いた。

 

それよりもこんな身内の事をロイは知っていて私をここまで連れてきたのかしら、と私は疑問に思っていたらファルカ団長は「そこで、ロイ君とエウルア君に彼の調査をお願いしたい、調査だけだ、無駄な接触は控えてくれよ」 と言ってきた。

 

調査だけなら調査隊の人に任せればいいのに、最近凄腕の新人が調査隊に入ったらしいし丁度よいだろうと思いながらも「わかりました、失礼します」 と礼をして扉から出ようとした時にロイが急に後ろから私の腰に手を回して私を持ち上げた。

 

急に感じる身体の浮遊感に驚いて素っ頓狂な声を出したらロイはそのまま走ってドアを蹴飛ばして開けた。

 

ドアが壊れてしまうんじゃないかと思ったけどそれよりも今の私の状態を客観的に見たらとても恥ずかしくなった。

 

「は、離しなさいよ!!」 と言って暴れるがロイはそんな暴れをすんとも言わずにそのまま私を持って外に走った。

 

アンバーやリサにその様子を見られ、顔が熱くなりながらしばらく連れられていた。

 

 

 

 

 

 

 

モンド城の外に出てもしばらく走っていると洞窟の前でロイが止まった。

 

そこは人2倍ほどの大きさの洞窟で明らかに洞窟としては改良されている所だった。

 

真っ先にここに来るなんて最初からわかっていたんだろうかと思いながらロイにいい加減に下ろすように言った。

 

ロイは私を降ろして、「来い」 とだけ言いそのまま洞窟内へと入っていった。

 

「もう!! この恨み覚えておくんだから!!」 と雑に扱われて腹が立ったがそれでもしょうがなくロイについていった。

 

決して好きだからとかじゃなくて上官命令だからついていっただけだから。

 

 

 

 

洞窟の中は人工物で埋め尽くされており人のいる気配もする。

 

「なぁ、あいつって本当に大丈夫なのか?」 奥からなにやら話し声が聞こえる。

 

「さぁな、だがしょうがないだろ、あいつが1番の協力者なんだからよ」 覗いてみると大きな石門の前で男二人が話し合っている。

 

その男達はファデュイの格好をしており明らかに怪しい存在を醸し出していた。

 

なんの話をしているんだろうと聞き耳をたてていたら、隣で風が走った。

 

「な!? 誰だお前た…ウゴォ!!」 と一人の男が叫んで倒れた。

 

そこにはロイが倒れた男の前に立っており、先程の風はロイが走った事により起きたんだろう。

 

もうひとりの男がロイに気づいて変な瓶を取り出してきたため私もその男に向かって走りそいつを峰打ちで倒した。

 

というより、敵を倒すんじゃなくて情報を聞き出すことが目標なのに普通に斬るから団長の接触は控えてくれというお願いを思いっきり無視していると思った。

 

「それで? この先に叔父さんがいるの?」 とロイに聞いたら首を頷いた。

 

どこから得た情報なんだろうとロイを少し疑いながら思いながら石門の前まで歩いていった。

 

その門は大きく力技では開けることは不可能だろう。

 

どこかに開閉のスイッチがあるんだろう、速く探さなきゃこの騒ぎに気づいた奴らに逃げられてしまう。

 

そう思っていたら、後ろからパチパチと燃える音が聞こえてきた。

 

後ろに振り向いたらそこには剣を取り出していたロイが両手で柄を握って力み炎を生み出していた。

 

その炎はメラメラと更に大きく熱くなっていて離れている私にもその熱さが感じるほどだ。

 

「エウルア、どけ」 ロイはそういうと門に向かってゆっくりと助走をつけて走ってきた。

 

私は咄嗟に横に避け、ある程度門から離れるとロイは炎を纏わせた剣を門に叩きつけた。

 

普通なら剣は根本からポッキリと折れて壊れるだろうがロイの剣は爆発した。

 

凄い爆発音がして、煙がこちらの方に襲ってきた。

 

私は両手で顔の前を塞ぐようにして飛ばされないように腰を落として踏ん張った。

 

しばらくして目を開けてみたら、そこには門は無くただ縦長の丸い空洞がぽっかりと出来上がっていた。

 

ロイは剣を持ったまま中の方に入っていったから私も慌ててついて行った。

 

門があった場所をくぐると瓦礫が吹き飛んでおり、その瓦礫の下には下敷きになったであろうファデュイの下半身や頭だけが見えていた。

 

もう少し目を凝らしてみると唸りながら潰れた足を引きずって這いつくばっているファデュイが更に奥に見える大きな空洞に行こうとしている。

 

ロイはそのファデュイのそばまで近寄り足を大きく上げて、

 

踏み潰した。

 

そのファデュイの背中からボキボキと骨が折れる音が聞こえてそれと同時にファデュイの叫び声も聞こえてきた。

 

そしてファデュイは顔を地面に伏せて、完全に息をしない骸となった。

 

痛みによるショック死だろう、1番辛い死に方だ。

 

それを顔色一つも変えずに難なくこなすロイに私は恐怖した。

 

まさに破壊の化身、破壊の権化、ある種の神だと思った。

 

ロイは踏み潰した死骸を踏み越え奥へと進んだ。

 

「なんの騒ぎだ!? お、お前たちは!!」 その大きい空間にある小さな木製のドアから一人の男、叔父さんとファデュイが出てきた。

 

「西風騎士団よ、あなた達大人しくお縄につきなさい」 私はこの二人もロイが殺すんじゃないかと思ってロイの前に立ち言った。

 

「な!? エウルア!? お前なんでここに」 叔父さんは私を見た瞬間驚いた表情になった。

 

「叔父さん達がファデュイに騎士団の情報を売っているということを聞いてね、捕まえにきたの」 私は淡々と叔父さんに向かって言う。

 

流石に私でも血の繋がった人を目の前で殺されるのは嫌だ、自首してくれれば命までは取らないだろうと思いながら心の中では半分説得気味でいた。

 

「なにぃ〜!? フッ…だがな!! 本当に私が売ったという証拠がないじゃないか!! 証拠もないのにこの被害はいったいどう落とし前をつけてくれるというのだ!!」 叔父さんは不敵な笑いを浮かべながら大声で喋った。

 

ギュッ とロイの手から握り締める音が聞こえてきて不味いと思っていたら、

 

「いや、証拠ならここにあるぞ」 後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。

 

振り向くとそこにはジンとジンの2人の部下がそこにいた。

 

「見ろ、字や絵は幼稚なものだがこれは騎士団内部の構造と巡回経路だ。 ここまで詳しく乗っているのは隊長以上の権限を持つ者、それか貴族の者達にしか知らない情報だ。 お墨付きにシューベルト・ローレンスという署名も載せてな」 ジンは腰の辺りから紙を取り出し叔父さんに見せながら言った。

 

いつの間にいたんだろうと思いながら私はロイの横顔をチラリと見た。

 

その顔は後悔したような嬉しいようなどっちつかずの表情をしており、私はこれじゃ流石に殺しはしないだろうと思い叔父さんに向き合った。

 

「く、くぅ〜」 叔父さんは言葉にならない声を出して、ジンを睨んでいた。

 

「しょうがない…、これを使うか…」 叔父さんの隣にいたファデュイがボソッとなにかを言い、ズボンのポケットから爪楊枝サイズの銀色の物を取り出した。

 

「ッ!! 総員!! 今すぐに奴らを捕らえよ!!」 後ろからジンの声が響き、ジンが私の隣を通過して剣をファデュイへ目掛けて斬ろうとした。

 

「やっちまえ!!」 ファデュイは叔父さんを横に押し飛ばして手にした銀色のなにかをジンに向かって投げ飛ばした。

 

「ウゲッ!!」 叔父さんは押された衝撃で壁に頭を激突させて、カエルが潰れたような声を上げた。

 

キンッ!! ジンはその飛ばされた物を剣で弾き飛ばしてファデュイを斬った。

 

「ウワァァァ!!」 ファデュイは腹を横に斬られ後ろに倒れた。

 

流石副団長だ、行動も判断も速いと関心していた。

 

この関心は私が私を殺したい気分になった最悪の瞬間になった。

 

「ウッ!!」 突然首もとに激しい痛みが走った。

 

その痛みは何故か私の瞼を重くした。

 

堕ちるな、堕ちるなと思い意識を落とさせないようにしていたが私の意識は軽々と暗黒へと堕ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

夢の中なのだろうか、身体がフワフワと浮いている気分だ。

 

だが気持ち良くはなく、今すぐにでも吐きたいが吐けない気持ち悪い状態がずっと続いている。

 

身体にベトベトとしたなにかが纏わりついてくるのを感じてそれを取ろうと身体を振るがうまく身体が動かせない。

 

だんだん身体が地面に沈んでいきそうだ。

 

誰か助けてくれ。

 

私は今の状態に恐怖して叫んだ。

 

辺りは暗く一寸の光も見えない場所で何度も叫んだ。

 

助けてくれ。

 

助けて。

 

精神がどうにかなってしまいそうだ。

 

助けて。

 

すると目の前に手の形をしている眩しい光の集合体を目にした。

 

私はそれが救いの手だと思い、私の全力を右手に込めて腕を上げた。

 

黒いネバネバした物は私を離さないかのように力を強めてきた。

 

それでも私はあの手を掴むために右手に精一杯の力を込めた。

 

その手を掴んだ時に私は既視感を覚えた。

 

この大きい手、豆が出来ていて決してガサガサしていてさわり心地の良いとは言えない手。

 

その手は私の手をしっかりと壊しそうなくらい力を入れて握ってきて私を引っ張った。

 

私に纏っていた黒い物を置き去りにして私は引っ張られた。

 

するとその手の形をした光は大きく広がって私を抱きしめた。

 

この大きさや安心感に私は思い出した。

 

 

 

 

変わらない顔。

 

低い声。

 

言葉遣い。

 

強さ。

 

不器用。

 

優しさ。

 

笑顔。

 

私の友人。

 

私の上司。

 

私のヒーロー。

 

私の師。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の初恋の人。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

戻ったら感謝してあげても良いかもね。

 

ちゃんと面と向かって、恥ずかしいけれど「ありがとう」って言って。

 

プレゼントを渡すのも良いかも。

 

ロイはなにが好きなのかしら?

 

お酒? 新しい剣?

 

 

 

 

 

 

今、ちょっとだけ練習しておこうかしら。

 

 

 

 

「ありがとう」

 

ふふっ、やっぱり恥ずかしいわね。

 

 

 

 

 

 

 

目を開けると私の手は赤く、目の前にはロイが血を吹いて倒れていた。

 

 




まだだ…。

今はまだ前菜、しっかり味わってメインに備えるんだ…。

曇らせのフルコースウメェぇぇぇ!!!
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