原神 トワリン撃破トロフィーRTA   作:ハナホジン

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ちょっと遅くなったな。
一万文字になっちゃったZE☆

長いと読みづらいとかあんのかな?


ノエルちゃん編です






わたくしの奉仕心

私の夢は立派なメイド騎士になることです。

最初は他の子供達のように騎士団に憧れや理想を持っていましたが、今ではその現実に直面しております。

騎士になるには私が思っていたよりも万倍の苦労と万倍の努力を積まねばならなかったのです。

 

何度も何度も騎士選抜を受けますがいつも全敗、もう7回目です。

ですがこのような私を見かねた副団長様が私にお慈悲として教師様をつけてくれました。

それがロイ様です。

 

こんな私にロイ様がついてよろしいのかと何度も思いましたがそれほどジン様やファルカ様、他の騎士の皆様方が私を応援してくれているのだと思いました。

ロイ様の直々のお指導、呆れられないように気をつけないと、と思いながら私はモンドの皆様のお手伝いをいたしました。

 

そして今日がロイ様のご指導の日、期待と不安を胸に約束の訓練所で待ちます。

まだ朝日が出かかっていない空は薄くほんのちょっと雲が存在する淡い空。

少し肌寒いが体の火照りを鎮めるには丁度よい気温でありました。

 

「あのぉ〜…」

私の直ぐ側から若い子供のような声が聞こえ、ロイ様の声がこんな可愛らしい声なんてギャップを感じてしまいます、そして声のしたほうに振り向くとそこにはロイ様ではなく、黄金の髪色のミカ様がおられました。

 

ミカ・シュミット様は私の一つ下の16歳で測量士という凄い役職についている素晴らしいお方です。

遊撃隊、ロイ様の管轄下にいるミカ様の地道な勤勉な努力をしている姿は私もよくご覧になります。

ホフマン様の弟様と聞きますがあまりお二人が関わっている姿は見ません。

 

「え〜っと、ノエルさん」

ミカ様は私をジッと見つめておっしゃります。

「隊長が貴方に手紙を渡してくれと言って、これを」

と言って、ミカ様は私に丸まれた手紙を渡してきました。

 

「ありがとうございます!!」

私はミカ様に礼を言って、早速手紙を開いて読んで見る。

 

ノエルへ、

 

すまないが行けない。

任務を出す。

人々の困り事を解決しろ。

 

ロイより。

 

ロイ様の手紙は簡潔的に述べてあってそこには人々をいつものように手助けをしろと書いておりました。

 

「ご、ごめんなさい。隊長は優しくて凄い人なんですが約束を守れない人なんです」

ミカ様は申し訳無さそうにおっしゃりました。

 

「いえいえ!! ロイ様も多忙でありますししょうがありませんよ、お手紙のお届けありがとうございます!」

ロイ様の事情はわかっているのですが少し残念な気持ちに陥ってしまいます。

 

ですが、ロイ様は私に任務をお出しになりました。

私はそのロイ様の任務を遂行いたします。メイド騎士の名に賭けて!!

 

 

 

 

それから私は皆様のお手伝いをいたしました。

荷物を運んだり、お花をお世話をしたり、お料理を手伝ったり。

いつもどおりに皆様を手伝いましたがこれが私の成長になるのでしょうか?

 

 

 

ある日、私は珍しくフィッシュル様と共に秘境に挑むことになりました。

「白金のメイド、ノエルよ!! そなたの活躍を期待している!!」

「はい!! お任せください!!」

「ノエル様もお嬢様の言葉がわかるようになりましたね」

フィシュル様は時折、私もわからない事をおっしゃりますがお優しく、このように私を誘っていただいてくださいます。

オズ様もわからない時は教えて下さりますので有り難いです。

 

秘境の中に入るとそこにいるはずのアビスの魔術師がいませんでした。

フィッシュル様の情報によればいるはずですが、私達の目の前には生き物が虫一匹いない、逆に不気味な空間が広がっています。

 

「お、おかしいわね。まぁ、いないのならそれはそれで良いのだけれども」

フィッシュル様は幸運ねと言いながら広い空間の真ん中を突き進んでいきます。

ですが私には嫌な予感がします、このまま行ったら後悔してしまうかのような。

 

するとフィッシュル様の真上に黒い雲が出現し始めました。

こんな空間で雲ができるなんておかしい、私はそう思いフィッシュル様目掛けて走り出しました。

すると雲に雷が迸り、ゴロゴロと音を立て始めて紫の雷がフィッシュル様に向かって落とされました。

私は雷が落ちる前にフィッシュル様に飛び込んでなんとかその雷を躱しました。

 

「アビスより、参上。ゴミを払おう」

白と紫に包まれた神々しい男?が法器を浮かしながらくぐもった声を出し、雷が落ちた所から出てくる。

アビス、確かにあの人はそう言った。

ジン様やディルック様が「アビスと名乗る者に気をつけろ」と言っておられました。

この人は危険です。

 

「オズ!! 私の前に顕現しなさい!!」

「お任せを!!」

フィッシュル様は立ち上がりオズ様を呼んだ。

フィッシュル様は私が見たことのない気迫溢れる表情で敵と相対する。

私もフィッシュル様の手助けをと思い、立ち上がって白鉄の大剣を出現させます。

 

「愚かな…、せめて安らかに…」

そう言って、法器に雷元素を集めて

「聖なる恩顧を抱け」

この空間いっぱいに広がる雷雲を作り、雷を乱雑に落とす。

 

この雷に当たったらただじゃ済まない、そう思って私は岩元素を体に巻きつけてバリアを作る。

フィッシュル様は…、と思っていたら空間を広さいっぱいに走り回って雷の直撃を避けていました。

「オズ!!」

「承知いたしました!!」

フィッシュル様の合図でオズ様は飛び回りながら雷の弾丸を生成し敵に向かって放ちます。

私もこの機会を逃さないようにと敵に向かって走り、上からの振り下ろしで攻撃する。

 

「ふん、微弱な元素だ」

敵はオズ様の弾丸を片手で掴み、握り潰して私の大剣を瞬間移動して躱し、私の横腹に雷の大砲のような物をぶつけてきました。

ズザザザザッと転がりながら起きる。

バリアを張っていたから助かったもののもし生身だったら…、私は防いだのに痛む脇腹を押さえながら相手の動向を伺います。

 

「愚かな子らに見せてやろう、『素晴らしき真理』を」

敵は体を縮めるように寄せて、バッと体を開く。

すると敵を中心に雷の衝撃波が爆発する。

 

「ノエルお願い!!」

フィッシュル様は私の隣に来て、合図します。

私はその合図を汲み取って、「岩の重さは安心できます!!」と言い再びバリアを貼った。

幸い、この空間には雷元素が充満しているから雷結晶のバリアも重ねがけで防ぐ。

 

つもりだった。

 

「恩恵をその身に」

敵は私達の方へ向かって雷の攻撃をしてきた。

とても大きい、ヒルチャールの暴徒ほどの大きさの雷を。

 

「「キャァァァァァァァ!!」」

 

私達二人は声を上げた、バリア重ねなのに伝わる衝撃とビリビリと感じる元素を浴びて。

 

 

 

「王子よ、どうか愚かな命を送ってさしあ…、まだ生きていたのか」

敵は手を合わせて祈っていた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ」

私はなんとか立っていることができましたがフィッシュル様は私の後ろで倒れておりました。

 

「オ、オズ…」

フィッシュル様は嗄れた声でオズ様を呼びます。

「ノエルの…、手伝っ…て…」

フィッシュル様は息絶え絶えになってオズ様に伝えます。

オズ様は無言で頷きました。

「ノ…エル…、にげ…て」

と言ってフィッシュル様は気絶してしまいました。

 

「…ノエル様、私が時間を稼ぎますのでどうかお逃げください」

オズ様は翼を広げ敵のいるほうへ飛び立っていった。

 

少し前に「私とオズは一心同体、数十メートルほど離れてしまうと魂の繋がりが絶たれてしまいオズが維持できなくなるのよ!!」とフィッシュル様は手を片目へとやってポーズを決めてくれました。

私がフィッシュル様を連れて逃げ出してもすぐに敵は追いついてしまいます。

 

「オオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!」

 

オズ様は今まで聞いたことのない覇気のある咆哮で圧倒的な機動力で敵の周りを飛んで弾丸を放っています。

 

「邪魔だ、下賤な鴉め」

敵はオズ様へと接近しオズ様の羽を掴み、引き千切る。

それでもオズ様は嘴に雷元素の塊を作り、敵に向かって飛ばす。

敵は羽がなくなり地面に倒れたオズ様の体を踏み潰した。

 

「お嬢様…、申し訳ございません…」

オズ様は哀しむように言ってその場から消えた。

 

「後は、お前だけだな。弱き者よ」

敵は膝立ちになっている私の目の前に浮かびながら来て見下ろす。

立っていても大きかった敵が今は山のように大きく重く感じる。

 

このまま私は死ぬのでしょうか。

ここは二人の言うことを聞いて逃げますか?

今なら懇願すれば逃してくれそうです。

お二人の覚悟を無駄にしないように、逃げましょう。

 

 

 

 

「申し訳ございません」

 

私は大剣を出現させてそれに岩元素を集中いたします。

そしてその剣を敵目掛けて横振りで思いっきり振る。

 

「ヌグッ!!」

敵は横に飛んで壁に直撃する。パラパラと天井から砂や小石が降ってきます。

 

 

 

私は約束を破ってしまいました、メイドとしても騎士としても最悪です。

ごめんなさい、折角の命をドブに捨ててしまって。

 

私は後悔をしたくありませんでした、ここで逃げたら永遠に罪悪感が私の背中に乗ってきますから。

もし勝ったら、私は騎士団メイドをやめます。

こんな私は相応しくないから。

 

 

「ウガアアアァァ!!!」

敵は体に力を入れて雷元素を放ち周りの壁を壊す。

 

私は敵に一寸の休息を与えないように走り、敵の頭目掛けて剣を振る。

 

「フンッ!!」

敵はギリギリの所で私の攻撃に気づいて雷の小さい盾を空中に浮かせたままで防いだ。

 

「もう隙は見せぬ」

敵は落ち着くように息を吐いて、私に言いました。

表情もわからないその顔が更に暗く、深く沈んでいっているような気がしました。

 

「セイッ!!」

「ヤァ!!」

私はこの剣先が異様に伸びた大剣で牽制しながら相手を殴ります。

ですが相手は躱す、そして私の攻撃をした隙をついて雷元素を丸い玉をぶつける。

 

「アアアアアアアアアアア!!!!」

当たると感電して、髪の先からつま先まで電気が通った感覚に陥ります。

 

ぶつかった所の皮膚が焼けて、痛い、苦しい。

私は仇のように、仇を取るために剣を死に物狂いで振りました。

それでも剣が相手に届くことはありませんでした。

 

ガランッ

 

もう手に力が入らなくなって剣を固い地面に落としてしまいました。

ごめんなさい。

 

「よくぞ、ここまで戦った。敵ながら感動したぞ」

 

ごめんなさい

 

「いい目だ。絶望に染まった深淵のような黒い目が私を奮い立たせる。感謝しよう、お前と、王子様に」

敵は私のそばまでゆっくりと近づいて

 

手を振る。

 

私は目を閉じてしまいました

 

 

 

 

ごめんなさい

 

 

 

 

ここは天国でしょうか…? 私は痛みを感じずに暗闇の中を覗いていた。

その暗闇から目を逸らすために目を開けると

 

 

 

 

「お、お前は…ッ!!」

そこには大きな背中と赤と黒でできている剣、旅人の剣を腰に差してある黒髪の男。

ロイ様が敵の手を止めている。

 

「消えろ」

ロイ様は低く怒りを抱いている声で敵に向かって言う。

そして敵の顔目掛けて拳を振ります。

メシッメシッ…!!とリンゴを握ると出る音が敵の顔から発生する。

 

「ブガァァァァァァ!!!」

 

敵は斜め40度の角度で吹き飛び、天井に近い壁に激突する。

 

ロイ様が腰に携えた剣を抜くとその剣からは太陽のような明るい光が発されます。

元素知覚を意識せずとも見える圧倒的な元素量、私はまるで七神様を見ているような気がしました。

 

「炎鳥・飛空斬」

ロイ様は腕を横に伸ばし言いました。

言った瞬間にその腕は下から半円を書くように腕を伸ばしながら勢いよく回す。

すると剣から集中された炎元素が半月のように敵目掛けて飛んでいきました。

 

「この力…ッ!! か…」

 

ボガァァァァァァァァン!!!!!

 

敵は壁に埋まった状態であり身動きが取れずにロイ様の攻撃が当たる。

攻撃が当たる瞬間に何かを言っていたっぽいですが、音と発生する激しい風で聞き取れませんでした。

 

ロイ様をもう一度見てみると大股で剣を手に持ったままぶら下げていました。

剣から黒い煙がブスッブスッとキレの悪い音を出しながら上へと昇っていきます。

 

私は助けて頂いたロイ様に感謝を述べようとしましたが私の瞼が急に重くなって暗闇の底へと沈んでいきます。

でも、完全に沈む直前に温かいなにかが私に触れました。

安心できる温かいなにかが。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今、私とフィッシュル様とオズ様は助かりました。

ロイ様の助けとバーバラ様の治療によって怪我は完全に治り、いつもどおりの生活を送れるようになりました。

 

私はあの日からロイ様に直接感謝を述べたいと思い、ロイ様と会おうとするのですがいつも多忙なのか中々会えないでいます。

そのことをバーバラ様に相談してみたら

 

「う〜ん、ロイさんはジンさんみたいな仕事人だからなぁ〜。直接は難しいかも」

バーバラ様は人差し指を顎につけて首を傾げる。

 

「だったら何か贈り物をしたらどうかな? お花とか手作りの物とか」

バーバラ様は思い出したかのように言ってきた。

 

贈り物…、確かに贈り物でしたら直接は会えないけど感謝の気持ちは伝わるかもしれません。

手作りの方が伝わるでしょうか?

 

そして私はハンカチを作ることにしました。

白い生地を下地にしてその上から糸でセシリアの花を刺繍します。

丁寧に感謝を込めながら一本一本ずつ縫う。

時間はかかりますがそれでも空き時間ができたら絶対に縫うことにしています。

 

ありがとうございました。と考えながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ノエル、ちょっと良いか?」

私が騎士団本部でお料理しているとジン様から呼ばれました。

なんのようでしょうか?と思い蛇口で手を洗い、近くに掛けてあったタオルで水を拭き取る。

そしてジン様がいるところまで近寄ると「すまないな、ちょっと相談というか話があるんだ」

 

「お話ですか?」

私はなんの事でしょう?と疑問を抱きながら聞いてみると

 

「ロイがノエルにちゃんとした訓練をさせていないと聞いてな」

ジン様の目は心配と憤怒の感情が入り混じった目つきでいました。

チラチラとジン様は自分の腕についたミサンガを見たり見なかったりしながら私に言います。

 

「いえ!! 確かにロイ様は私と訓練してくれませんが、毎日お仕事で忙しいというのは承知しています!!」

私は少し声を荒らげて言って、ジン様に伝えます。

 

「そ…そうか…、あのバカッ… そうか、ロイは最近仕事が一段落してようやく時間が空くようだ。明日の訓練所で待ってくれないか? ロイを連れて行くからな」

ジン様は私に真っ直ぐな眼差しで私に言いました。

 

明日、ロイ様とやっと一緒に訓練できる!!と考えた私は心の中でジャンプして喜びます、これで感謝も伝えることができますし嬉しいです!!

 

「わかりました!! ありがとうございます!!」

私はジン様に90度腰を曲げて頭を下げた、騎士マニュアル通りの礼じゃありませんでしたけど私は嬉しいという感情が勝ってしまい反省する間もなくスキップでジン様から離れてしまいました。

今はちゃんと反省してます。

 

 

 

 

 

 

 

 

待ちに待った今日、私は訓練所に置かれているベンチでハンカチを縫っていました。

縫い始めてから結構な時間が経ちましたけどそれでも6割ほどしか進んでいません。

まだ渡すのは先になりそうですね、と考えていたら足音が聞こえてきました。

目線をハンカチから自分の前方に向けるとそこには白を基調としたジャケットに朱色の線が入っている黒いズボンを着こなしているロイ様がこちらへ向かってくる様子でした。

ロイ様とエウルア様は結構似ている服装で付き合っていると言われてたりしますが、実際はただ同じ感じの服にしたほうがわかりやすいだろうという考えで提案したらしいです。

 

私は手に持っているハンカチを私の隣に優しく置いて、ベンチを飛んで降りてロイ様の元へと走る。

 

「ロイ様、今日はご指導お願い致します!!」

私はロイ様に礼をすると、

「今縫っているやつを終わらせてこい」

とおそらく私に後ろにあるベンチを見て言っています。

 

私はできるだけサプライズとして渡したいのと、まだ完全に出来上がっていない不格好だから急いでベンチの方へ帰りロイ様から隠すようにハンカチを片付けます。

 

そもそも私はなんでロイ様にハンカチを渡そうとしているのでしたっけ?

なんか作っていると心がホワホワと暖かくなって、ロイ様の事を考えるともっと体が気持ちよくなります。

 

私はハンカチを見ながら考えていましたがロイ様を待たせたら失礼とパッと出てきて思い出したかのようにまた片付け始めました。

 

 

 

「実践訓練だ」

ロイ様は低い声で今日の訓練メニューを言います。

まさか実践をやるとは思わなかったので少しびっくりしましたがロイ様の考えなら大丈夫という自信が湧き出てはいと頷いてしまいました。

ロイ様は空を向いて、少し後悔したかのような顔になった気がしました。

 

それでも訓練!! ロイ様に呆れられないように頑張ります!!

 

 

 

 

 

私はロイ様と共にダダウパの谷まで歩いてきました、来る道中は特になにも問題は起きず安堵していましたがロイ様はなぜかソワソワしていました。

「ノエル、敵を連れてくるから待ってろ」

ロイ様は首を回し、両手の指と指を交差させるように組んで腕を前にグッーと伸ばして言いました。

ロイ様からボキボキと骨が鳴り響く。

 

敵をロイ様が連れてきて、私が倒す。というのが大まかな訓練内容です。

敵と戦うなんて慣れているはずなんですがなぜか心臓がバクバク鳴って緊張してしまいます。

ロイ様に返事をしようとしたら声が裏返ったりしてしまいました、恥ずかしくて顔が炎のように熱くなってきているのを感じます。

 

「ノエル、落ち着け」

ロイ様は私が緊張しているというがわかったのか私を落ち着かせるように優しい声で言ってくれました。

私は鼻から息を吸い込んで肺の中で循環しているイメージを抱きながらフーッと口で息を吐く。

これを3回ほどすると少し気持ちが落ち着いてきて視界が広がったような気がした。

 

「なら先に行っているぞ」

ロイ様はそう言って森の中へと走り去っていった。

 

私はいつ来てもいいように武器を先に出しておいて準備します。

敵が襲ってきた時のシミュレーションを頭の中で繰り返す。

 

「ギィィィ!!」 「ギャアガァァァァ!!!」

ロイ様が行った方向からヒルチャールの叫び声が聞こえてきました。

今、ロイ様がヒルチャールをこちらに連れてきているのでしょう。

 

私はそこに居ても立っても居られずにロイ様の後を追いました。

ロイ様が怪我をしたりやられるわけがないとわかっていても、もしかしたら…とか考えて走っていってしまいました。

 

 

 

ヒルチャールの叫び声が近くなり腰を屈めて草むらの中から覗いてみると、目の前に茶色い肌をしたヒルチャールの背中がすぐそこにありました。

一瞬声が出そうになりましたが背後を取れていると知った私は自分を落ち着かせ静かに剣を構えます。

 

私は一気に草むらから飛び出して大剣をヒルチャールの後頭部目掛けて振り下ろします。

 

「ギャァ!!」

ヒルチャールは私の大剣の重みに耐えきれずに倒れました。

 

「グギギャア!?」

一体のヒルチャール・シャーマンは私に気づき、その持っている杖を空に掲げ草を出現させようとしています。

私は茨を出させないようにダッシュでシャーマンの元へ行こうとしましたが目の前にまたヒルチャールが躍り出てきたのです。

 

「ゲイヤァ!!」

そのヒルチャールは私に殴りかかってきたので、私は岩元素シールドを貼りました。

ヒルチャールは叫びながら私のバリアを殴り続けます。

私は大剣を下から振り上げてヒルチャールを真上に吹き飛ばします。

大剣を私を軸として回して落ちてきたヒルチャールに良いタイミングで大剣を命中させました。

 

「ギャアアアァァ!!!」

「ウッドサァ!!」

ヒルチャールを飛ばすとシャーマンが呪言を放ち、下から分厚い茨が湧き出てきました。

 

「はぁ!!」

茨を切る事は難しいと考えた私はその場でシャーマンのいる所へと特大ジャンプをします。

剣を下敷きにし私の全体重を加えてシャーマンへと落下します。

 

「ブギィ!!」

シャーマンは避けることができずに私の下敷きとなりました。

 

「ビギャァァァ!!」「キャァァァ!!」

今度は二体のヒルチャールが襲ってきましたが、私は剣をブンブンと回して敵が私を包囲するのを防ぎました。

 

「グゲッ! ゴっ! ガギャ! バァ! ディギ!」

ヒルチャールを吹き飛ばさずに、されども接近されない程度の力加減でヒルチャール達を剣で殴り続けます。

 

「ていやぁ!!」

そして最後に剣に力を入れて振り切るとヒルチャール達は叫び声をあげて吹き飛んでいき倒れました。

 

「グオオォォォォ!!!」

するといつの間にか私の近くにいた暴徒が私に巨大な斧を振り下ろそうとしています。

 

「岩の重さは安心できます!!」

私はバリアを再展開して、暴徒の攻撃を防ごうとしました。

 

ガキィィン!!

 

重い衝撃が上から伝わります。少しでも腕に力を入れていなかったら骨が折れてしまうのではないかと思うほどです。

 

パキパキパキ

 

するとバリアから黄色の破片が落ちて、ヒビが入ってきます。

また同じ威力で喰らったら今度は壊れてしまうと焦ったら、暴徒から血が吹き出しました。

いつの間にかロイ様が暴徒の肩に乗っていて剣を喉に突き刺して後ろに重心を倒して暴徒は背中から地面へ落ちました。

 

ロイ様が暴徒に突き刺さった剣を抜くと暴徒は体が炭のようになっていきボロボロと崩れていきました。

私はバリアを解いて、ロイ様の所へ行こうとするとロイ様も私に近づいてきました。

しかしその顔は迫真で勝手に動いた事を怒られてしまうのではと思いました。

 

ロイ様は私に抱きついて体をグルッと回してきました。

ロイ様の体は大きくて、綺麗すっぽりロイ様の体の中に入ってしまうほどでした。

 

「グッ!!」

ロイ様は苦虫を噛み潰したような顔になって苦しそうな声を出しました。

一体どうしたのでしょうか?と思っていたらロイ様は私を離し、背中を見せてきました。

その背中には矢が突き刺さっており、矢が刺さっている服に赤い血が滲んでいます。

 

ロイ様は剣を再び持ち、投擲の格好になって剣を持っている後ろの手を前に突き出し剣を押し出すように投げます。

 

「ギュギャ!!」

ヒルチャールの声が聞こえましたがロイ様の背中が邪魔になってどうなったのかはわかりませんでした。

それよりもロイ様の背中の矢はいつ刺さったのかが気になりました。

 

いえ、心の中ではすでにわかっていたのかもしれません。

私を助けてくれたあの時です。

 

私が不甲斐ないばかりに無能なばかりにロイ様は怪我をしてしまった。

 

私は急いで立ち上がってロイ様の元へと走って怪我の具合を見ます。

この痛々しい傷を私がつけてしまったのだと考えると気持ち悪くなって吐きそうになります。

 

するとロイ様は急にその場に座って

「矢を抜いてくれ」

と言ってきます。

 

そのまま抜いたら血が溢れ出て死んでしまうとそんなわけがないのにそう考えてしまい少し戸惑いました。

私はロイ様にこれ以上迷惑をかけたくないと思い、自分に喝を入れて了承します。

 

「い、いきます!!」

私は意を決してロイ様の矢を抜きます。

血生臭い匂いと滲んできている血が私の心をドンドンすり減らしているような気がします。

 

「ウッ!!」

完全に矢を抜ききるとロイ様はまた声をあげました。

 

「ロイ様!! 死なないでください!! 嫌です!!」

私は必死でロイ様の肩を掴んで揺らします、もしかしたらが本当になってしまうのではないかと思ってしまいましたから。

 

ロイ様は手の平を私に見せて大丈夫だとジェスチャーで伝えてきました。

 

「イグサとトカゲの尻尾とミントを持ってきてくれ」

ロイ様はため息のようなものをついて私に指示を出しました。

コレを聞いた瞬間、私は瞬時に脳内を駆け巡りました。

イグサは今丁度手持ちにある、トカゲの尻尾はここに来る道中にトカゲの生息していそうな暗い湿気のあるところを見つけた、ミントは辺りを見渡せばすぐに見つかると。

 

私は猪よりも速く移動し、指定品を調達いたしました。

その時間はおそらく5秒ほど、この5秒間ロイ様は痛がっていると思うと死にたい気持ちになります。

 

ロイ様は驚いた表情になって私が持ってきた品を手にとりミントの青い部分をむしり取り、イグサの蕾を優しく取る。

そして片手に材料を持ちもう片方の手で材料を押しつぶしました。

そのまましばらくこねていて、ロイ様の手が外れると青いドロドロとしたものができていました。

 

傷薬でしょうか?と考えているとロイ様はその青いドロにまみれた手を背中へと移動させます。

 

「わ、私がします!! お任せください!!」

私はロイ様の手を煩わせてしまうと思ってロイ様の手を取り、手についた泥状のものを掬い取る。

そしてロイ様の後ろへと周り、服を下からめくり痛々しい傷口に塗った。

 

「ふん…」

とロイ様は不機嫌そうに言い、私は罪悪感をドンドン背負いながらもなんとか手を動かします。

手が震えて目の前が真っ暗になったような気がします。

 

申し訳…ございません…。

 

 

 

 

「塗り終わりました」

そう言うとロイ様は重い腰を上げ、立ち上がりました。

 

「次、いくぞ」

ロイ様は肩を回しながら私に言ってきます。

ま、まだ動くのですか…、私はロイ様の怪我を心配して

 

「ロイ様!! ダメです!! 怪我をしたんだから安静にしてなきゃ…」

お体に障ります。と言おうとしたら

 

「ならノエル、お前が守ってくれ」

私の言いたかった事を予期して返事をくれたロイ様は真っ直ぐな目で私を見つめます。

真っ黒い目の中に熱い炎が見えた気がしました。

 

あんな失態をしてしまった私に信頼して下さるのですか。

もうあのような失態は犯しません、もう一度慈悲をくれたロイ様の恩に応えなければメイド失格、いえ人として駄作になってしまいます。

 

もう誰もご主人様(ロイ様)には指一本も触れさせない

 

触れたゴミ共の指をへし折ってこの世に生まれた事を後悔するまでぐちゃぐちゃになるまで

お掃除しなければなりませんから。

 

「メイド騎士ノエル、命を懸けてでも貴方に怪我一つ負わせません!!」

私はロイ様に、自分の魂に、命に、宣言します。

 

ご主人様に命を懸けてでも尽くすのはメイドとしても当然ですよね?

 

 

 

 

 

そこからはまたヒルチャールや宝盗団の人たちをぶちこ、

ではなく、倒して反省させました。

 

「貴様が血濡れの堕騎士か、貴様の命、頂戴する!!」

今度は変な格好をした仮面の男の人がロイ様と私の目の前に出てきました、出てきた時に命を頂くとか抜かしたことを言ったような気がしました。

 

「ハハハハハハ!!、死ねぇ!!!」

その人は私に、ではなく私の隣にいるロイ様目掛けて走り込んできていました。

 

お前如きがロイ様に近づくな

 

私はその前のめりになって走ってきている男の顔の横に剣をぶつけて真横に吹き飛ばした。

 

「グアァァァァァァ!!!!」

 

ドグワァァァァァァン!!

 

岩の壁にぶつかり頭から血をボタボタと垂らしながら足をガタガタさせてどうにかして立っている状態だった。

そんな貧弱な体でロイ様の美しい命を奪うなんて…、不敬極まりない事です。

 

私は大剣を引きずりながら敵の所へと近づく、

 

「ひ、ヒィ!!」

敵は畏怖しながらも短剣を構える。

 

死ね

私は剣を上に持ち上げて、思いっきり振りかぶる。

 

メキュッウ!!

人間からしてはならない音を出して敵は命を絶ってしまいました。

まぁ、神を殺そうとしたのですからしょうがありませんよね。

 

ロイ様は私を救ってくださり、失敗したとしても赦して下さるお優しい方です。

神同然と言っても過言ではないでしょう。

その神を殺そうとするなんて万死に値します。

ですがロイ様は慈愛の心が大きすぎて断罪するのは心苦しくなってしまうでしょう。

 

私がロイ様の代わりに処刑いたします。

ロイ様に仇なす者を、ロイ様を貶す者を、私がロイ様の代わりに断罪いたします。

 

私の、私だけの、ご主人様❤

 

 

 

 

 

 

 

 

辺りも暗くなって月もまだ出て間もない頃に私達はモンドへと帰りました。

 

「ロイ様、ちゃんと怪我を治してくださいね。逃げたりしないでちゃんと安静にしてください」

私はロイ様は怪我を治さないで動いてしまう人というのはご承知しておりますのでちゃんとロイ様に注意いたします。

 

ロイ様は頷きますがちゃんと私の言っている事がわかっているのか少し怪しい所です。

 

「そういえば、ロイ様もう少しで遠征ですが準備は大丈夫なのですか?」

私はロイ様がもう少ししたら遠征へ行ってしまう事を言うとロイ様は目を大きくさせて顔から血がスゥ~と引いてっています。

 

「だ、だ、だいじょうぶ、だ」

ロイ様は戸惑いながら言いますが嘘をついていることは明らかでした。

子供みたいでカワイイです❤

 

私は微笑んでロイ様と一緒にモンド城内へ入る。

中は人達の笑い声などが響き渡っていてとても賑やかです。

 

「さぁ、早く教会へ行って治療してもらいましょう」

私はロイ様の手を取って引っ張ろうとするとロイ様は岩のように動かなくなりました。

顔を見てみると他所を見ていて、私もロイ様の視線に合わせるとそこには三人の男の人たちが立って仲良くお話ししています。

 

ロイ様のお知り合いでしょうか?

 

しかしそのお話の内容は酷く、エウルア様の悪口を言っているようです。

しかもその中にはロイ様と思しき事を言っています。

 

一瞬殺意が湧き上がりましたが、ロイ様はお優しい方。

ここで殺ってしまってはロイ様から幻滅されてしまう、そう考えて私から溢れ出る負の感情に蓋をします。

 

「ロイ様…? 大丈夫です、あの方たちはロイ様の事を知らないだけです。気にしないでください」

後であの人達はしておくとして、私はロイ様のメンタルケアも行います。

 

「あのモンドの害獣共、死ねばいいのによぉ」

またあの男共がクソみたいな汚い声で喋るとロイ様の顔が憤怒で満ち溢れた表情になりました。

 

ロイ様は私の手を取り払って、男共の方へと走っていってしまいました。

するとロイ様はあの男共を殴っていきました。

殴ったり、吹き飛ばしたり、馬乗りになってボコボコにもしています。

 

私はこれを見て心が晴れ渡るような、面白いとも感じて気分がスッキリしました。

 

「やべっ、や、やべて…」

男は殴られ続けて、痛がって泣きながら止めるようにロイ様に懇願する。

それでもロイ様は一向に勢いを止めずに殴り続けています。

 

流石にこれ以上は不味い事になると察した私はロイ様を止めようと抱きつく。

 

「おい、お前落ち着け!!」

「怒れる若人よ!! その身につけた怒りに染められた闇の拳を収めなさい!!」

するとフィッシュル様とベネット様もいつの間にかロイ様を止めるために抑えていました。

 

ロイ様の服の中に隠れている収縮された筋肉が私の体全体で感じ取れます。

 

ロイ様は立ち上がって、私達を離れさせました。

しばらく顔が腫れに腫れている気絶した男を眺めているロイ様はボソッと

 

「すまない」

と言い、人混みをかき分けモンドの城門の方へと走っていってしまいました。

あの謝罪は私になのか、その男に対して言ったのかはわかりません。

 

「折角あの時の礼を言おうと思ったのに…」

フィッシュル様は小さく言ってロイ様の背中を眺めていました。

 

「なぁ!! 早く運ぶのを手伝ってくれよ!!」

ベネット様は殴られた人を背負っており、背負われている人は悪夢を見ているように唸っている。

私とフィッシュル様はベネット様を手伝うために本当は嫌ですけど自分を言い聞かせて、教会まで運びました。

 

ロイ様の後をついて行きたかったですが、ロイ様の背中がついて来るなと訴えているような気がしたので私は我慢して後を追うのをやめました。

大丈夫でしょうか…、私の心はずっとロイ様の事を心配に思っております。

 

例え、世界中がロイ様の敵になっても私は絶対にロイ様の元にいます。

だって、貴方のメイドですもの。

辛かったらいくらでも私を頼って下さい。

 

私はいくらでも貴方に費やしますから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今、この場で。ロイ・マスタング隊長を退団させる!!」

 

私はこの憧れていた騎士団を壊そうと考えました。




ヤンデレ化にするの難しいよ〜!!

ちょっと今回は誤字脱字が多そうですが許して(自分では直さないクズ)

文才になりたいっす(願望)



お休み、クエッ!!(アヒル)
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