体勢が悪すぎて腰が痛い(おじいちゃん)
ジン視点です
どうぞ
最近私にはハマっているものがある。
それは恋愛小説だ。
最初はリサに「貴方も女心をいい加減に目覚めさせなさい」とか言われたり、「お姉ちゃんにオススメできる本だよ!」とバーバラに言われて無理やり渡されたから、しょうがなく見てみたら見事にハマってしまったのだ。
好きな思いをわかってくれない男をどうにかして振り向かせるといった内容だが、この男が気づかないところを見るたびに心にモヤモヤができる。
この主人公も主人公だ、もっとわかりやすく思いを伝えろと思うがこれのやり取りが好きで見ることがやめられない。
私としては珍しく少し夜ふかししてしまった。
あの本のせいだがやっぱりまだ続きが気になるため仕事が終わったらリサにあの本の続きを借りに行こう。
早速自分の机に向かい座り、仕事を終わらせようと紙束を処理しようとしたところに急に通達人がファルカ団長が呼んでいると言ってきた。
なにようだと思いながら座ったばかりの自分の席を立ち、団長室に向かった。
失礼します。 そう言い団長室のドアを開けると文字どうり山程になっているほどの書類が重なり合っていた。
「ああ、すまないね。 もう一人来るからもう少し待っててもらえるかい?」 ファルカ団長は書類を処理しながら私に言ってきた。
わかりました、と言おうとした瞬間にドアが急に開けられた。
入ってきた者はロイだった。
ノックをして失礼しますと言ってから入ってこい!! とロイに言ったが奴は思いっきり私の前で大きいため息をついたため一回殴ってやろうかと思ったが、「ジン、俺は大丈夫だから、そんなに怒らなくていいよ」とファルカ団長が私に言ってきた。
しかし、これでは他の者に示しがつかないでしょう!! とファルカ団長に言ったが、「確かに彼は素行は良くないがちゃんと仕事はこなしているし、なにより僕と同じくらいの強さだよ。 この強さでもう周りには示しはついているだろう、それに素行を強制させて仕事に支障をきたす方が問題だと俺は思っているよ。」と言ってきた。
確かにそうだが、やはり私は納得いかない。
不満を顔に表わしていると「まぁ、二人が揃ったから早速お願いしたいことがあるんだ」とファルカ団長は少し真面目な雰囲気で言ってきた。
話された内容は簡単に言うとある洞窟にいるアビスを倒してほしいという極秘の任務らしい、それにとても危険であまり周りに知られないようにしたいといった事で、私達二人に任されたらしい。
私は承諾して、部屋を出ていっていこうとしたがロイが不安な顔で俯いていたため団長の邪魔にならないように襟を引っ張って部屋を出ていった。
そういえば最近、こいつの雰囲気を感じ取れるようになったなと思った時に「あれ、ロイさんとお姉ち、ジンさん達、どっか行くの?」とバーバラが話かけてきた。
こんな場面はすでに多くの人に見られているが流石に妹の前ではやめておこうと思い、掴んでいた襟を離した。
奴はさっきのバーバラが言っていた事を答えようとしたため、私は咄嗟にやつの頭を叩いた。
流石にやりすぎてしまったかとも思ったが、極秘と言われたものをすぐに人に言おうするこいつが悪いと思いながら、奴の頭を掴みバーバラに背を向ける形で奴に
これは極秘のものだから軽々しく人に言うな、 と若干脅しをかけながら言うと奴はブンブンと首を縦に振った。
心が痛むがバーバラには誤魔化しておいて、詮索されないようにした。
すると、ロイのやつが急にバーバラに近づいて、私に聞こえないようにバーバラの耳になにかを言った。
「ひゃ、く、くすぐったいよ〜」とバーバラが可愛く言うと奴の口角が少し上がった。
何故か私の心に黒くドロッとしたものが溢れ出してきた。
こんな形でやつの笑っているのを初めて見るとは思わなかった、これが余計に私の中にグルグルしたものが加速を増した。
私の方が長い付き合いなのになぜそう簡単に笑顔を見せる?、しかもこの反応、もしやこの二人は付き合っているのか、そう思うと更にイライラとは程遠いなにかが増えた。
こいつはなぜ私にそういう目で見てこなかった、なぜ? なぜ? なぜ? なぜ?、更に私の妹にその顔をするのは心底気持ち悪い。
私はつい剣を抜いて奴の元に近寄った。
するとバーバラが奴を庇うように前に出て、二人で話していた内容を聞かせてくれた。
そうか、奴は私達の事を思って言ってくれたのだな。
だが、私にもあのような顔を見せてほしい、私にだけ見せてほしいと思ったがこれを言うのは少し引けるから私の心の中に閉まっておいた。
私が先程の行為に謝るとあいつは驚いていた。
なにを驚く必要があるのだと思いながらその後、少し世間話として三人で話した。
だが、私の心にできたあの感情はなんだろうか。
モヤモヤして気持ち悪いものだったが三人で話している時はそんなものは出ては来なかった。
そして、あの後バーバラと別れた後は二人で例の洞窟に来た。
道中は特に危険もなく来れたため体力は満タンだ。
この先で戦う事は恐らくこいつもわかっているから、気をつけろよ と言い洞窟の中に進んでいった。
しばらく中を進んでいく、木の箱や爆弾樽などがあり、なにかがいた形跡はあるがそこでは気配も何もしなかった。
私はその不気味なほどに静かなのが余計に警戒心を上がらせる。
すると突然甲高い声が聞こえてきて、急にヒルチャール共が現れてきた。
私はロイに気をつけろと言い、剣を構えた。
パッとみ、ヒルチャールは近接が8体、弓を持っている奴が3体でかなりの数だ。
これは普通の者ではすぐに倒されるだろう。
だがこの場にいるのは普通ではない、バケモノがいる。
ヒルチャール共は5体ロイの方に向かい、残りは私の方に来た。
私の方にきた奴らは来た順に剣で斬りつけ10秒もしないうちに倒した。
ロイの方は周りを囲むようにして突っ込み、持っているこん棒で叩こうとしたらしいがロイはただ剣を一振りだけした。
するとヒルチャールは吹き飛び転がった。
ヒルチャール共は起きようと首を上げた瞬間にロイは奴らの首と身体を離した。
痛みに苦しむ暇もなく、首が落ちる音だけが聞こえる。
それに恐れた他の弓持ちはロイに矢を放とうとしたがそこまで待ってあげるほど私は優しくない。
私はダッシュで奴らの元に行き、斬り伏せた。
別にこの程度、私達からしたら余裕だがこの油断が命取りになることをわかっていたから私は全力を尽くし奴らを切り、敵がいなくなっても私は警戒心を緩めなかった。
すると目の前に急に魔法陣が出てきて、そこからヒルチャール共が続々と出てきた。
しかも中には暴徒やシャーマンといった奴らも出てきたためこれは一筋縄ではいかないと思い、己に喝を入れた。
必要ないとは思うが一応ロイの安否を確認するために声をかけたが返事は帰ってこなかった。
その代わりにヒルチャール共の叫び声が帰ってきた。
声のした方を見るとすでにロイは奴らと戦っていた。
あの囲まれようでは大変だと思いすぐに救援に向かった。
もちろん、ヒルチャール共が私の事を邪魔するからそれを正面から突破しようと突っ込んだ。
一匹倒すともう一匹が出てくるの繰り返し、暴徒の重い一撃は他のヒルチャール共を巻き込んでくれるので受けずに躱す。
しかも、遠くから弓などが飛んでくるのでそれも躱すか防ぐをしないとならないから神経がだんだんとスリ減ってくる。
「ウグゥ!!」 人らしい声が聞こえたと思ったら、その声はとても痛々しい声だった。
ロイだ、顔は見えづらかったが恐らく険しい顔をしているだろう。
ロイのそばに行きたかったがヒルチャール共が邪魔してくる。
それに私は怒りを込めて剣を思いっきり振り奴らを吹き飛ばす。
敵を斬りつけながらロイのそばに近寄るとロイはアビスの魔術師と相対していた。
アビスは水のバリアを纏っているため、神の目を持っていない私達からすると強敵だ。
アビスは水を放出しロイに当てようとするがそれをロイは難なく横に躱す。
躱した後、ロイは腰を落とし剣を持っている右腕を後ろに引き、剣先をアビスの方に向くようにし、左手を剣先に少し支えるように触れた。
その後、ロイは足を一歩踏み出し、引いた腕を前に突き出したら、剣がアビスのバリアを貫通し本体に刺さった。
アビスは痛みに耐えきれず叫んだが、当たったところが急所だったからか、バリアがなくなりそこには剣が刺さったままでいるアビスだけがいた。
ロイは剣を思いっきり引き抜き、アビスの返り血を浴びるがそれを特に気にせずにまた目の前にいる敵共を蹴散らした。
私も負けていられないと思い、背後から襲ってきた暴徒の振り下ろしてきた大きな斧を躱し懐に入り込んだ。
そして腹に剣突き刺し、傷口が広がるように横になぎ払いと同じ感覚で剣を振った。
奴は馬鹿でかい声を上げたが私は確実に仕留めるためしゃがんできた奴の身体を踏み台にして奴の首もとまで登ったら、剣を思いっきり頭に突き刺した。
「ア…、アガァ…」 暴徒は細々しく言うと前に倒れ込んだ。
剣を引き抜き、ヒルチャール共を再び倒そうと思った時に後ろから鋭い痛みがやってきた。
背中に矢が当たったのだ、その隙を逃さないようにヒルチャール共が私に攻撃しようとしてきた。
不味いと思い、なんとか剣を振るがいつもの力が出せなくなっているため一撃で倒せなかった。
一撃をしのいだ一匹がこん棒を私の頭めがげて振ろうとした時、私はつい目を閉じてしまった。
しかし、来るのは衝撃や痛みなどは来なかった。
目を開けてみると、私に攻撃をしようとしたヒルチャールはおらず、いたのは大きい背中だった。
ロイだ、私はロイにお礼を言おうとし名前を呼んだ。
するとロイは私の背中に刺さっている矢を急に引き抜いてきた。
つい痛みで叫んでしまったがその後にロイが「大丈夫だな」と短く言ってきた。
傷はそこまで深くなかったがもう少し優しく抜いてくれても良いじゃないかと思った。
だが、私はハッした、私は戦場でたった数瞬だったが目の前の攻撃に恐れて目をつぶってしまった。
これは強者になればなるほど、このような事はしないと聞く。
そんな攻撃に恐れるとはお前も堕ちたものだなということを行動で示しているんだろう。
私はロイのその行為が私に気を入れるためだと思い、ロイにお礼をした。
私は再び剣を構えた。
後ろにはロイがいる、これだけで安心できる。
「ウガァァァァァァァァァ!!!!」 ヒルチャール共が一斉になって襲ってきたが、私は後ろの攻撃は気にしない。
前だけを向いて襲いかかってきた奴らを切り捨てる。
ロイ、お前がいてくれるから私はこんなことができるんだ。
他の者なら私の横に立つことができないだろう。
私の横にはお前さえいてくれればいい、それだけで私は万倍も強くなれる気がするから。
戦い続けて、30分ほど、私達はこの戦いに勝った。
辺りを見渡すとヒルチャール共の死体がそこら中で転がっていた。
数はおよそ50体ほどだろう、二人だけでこんな数を倒すことになるとは思わなかった。
ロイも流石に息をついていて身体中ボロボロだ。
まぁ、私のほうが重症だがな。
「人間としてはなかなかやるようだな」 そんな聞き覚えのない声が聞こえた。
その瞬間ロイは剣で急に飛んできた水を防いだ。
ロイ!! 大丈夫かと思い声をかけた。
「この神聖なる場に二匹の害虫が入りこんだようだな」 そいつは急に現れ、身体中に水を纏っているためアビスの仲間かと思い、すぐに奴の背後に移動し斬りかかろうとした。
「ふん、神の目を持たない貴様らなぞ、敵ではないわ!!」 奴は身体に纏っていた水を四方八方に飛ばしてきた。
これに当たると不味い事になると直感が働いたが水の動きが速く、防ぐことができない。
すると急にロイが前に出てきて、代わりに水を防いでくれたが少し被弾したらしい、「ウグ…」と小さく声を上げたため、ロイ!!と叫んでしまった。
少し奴と距離をとって、目線は奴に向けながらロイに奴を倒す作戦はないかを聞いた。
「躱して攻撃」 作戦なのかどうなのかはわからないがそれだけを言った。
だが私はロイを信頼している、確かに今のこの状況は絶望的だ。
そんな状況でもいけるんじゃないかと思うの私がおかしいのだろうか。
いや違う、お前がいてくれるからだ。
作戦を聞いた私は、それで行こう と言い奴の方に走っていった。
打ってくる攻撃を躱しながら、奴のそばまで来るとアビスの魔術師と同様にバリアを纏ってきた。
だがどんなに硬いものでもずっと攻撃を続けていればいつか壊れる。
私とロイは奴を二人の間に挟んで、剣で斬り続けた。
はああぁぁぁぁぁぁぁ!!! 雄叫びを上げながら、打たれてくる水を躱し被弾は最小限にして攻撃を続けた。
すると、だんだんとバリアが薄くなっていって、刃先が奴に届くようになっていった。
いける、このままならいける!! と思った時に急に攻撃が止められた。
奴の両手がブレードになっており、私とロイの猛攻を防いだのだ。
「先程も言っただろう、神の目を持たない貴様らなぞ、我が敵ではないわ!!」
そう言うとは奴はロイを吹き飛ばし壁に激突し埋まった。
貴っ様ぁぁぁぁ!! 私は怒り、奴を再度斬りかかろうとしたが
「遅い」 奴の重い蹴りを喰らってしまった、私はなんとか防いだが衝撃を全て吸収できずに吹き飛んでしまった。
ロイ!! 叫んでも奴は動いてくれないし、声を上げてくれない。
死んだ、 この言葉が脳裏によぎった。
いや、そんなことはない、あいつは死なない。
大丈夫だ、今は目の前のこいつを倒す。
「死にかけの獲物が一番怖いからな、先に貴様を処理しておくとしよう」 奴は私に向かって歩いてくる。
はああぁぁぁぁ!!! 私は奴に斬りかかる。
だが、防がれて攻撃し返される。
痛い、とても痛い。
だが、私は負けない!! ロイを倒すまでには私は絶対に負けられない!!
「弱い」 奴はそういうとすごい量の水を私に向かって放出してきた。
水に流されてしまい、壁に思いっきり頭を強打した。
頭がクラクラし、視界もままならないがそれでもなんとか無理やり立ち上がった。
「まだ、立つか」 奴は恐らくこう言い、また私の方に歩いてきた。
私は守れないのか。
騎士というのは戦う事が重要ではない、守ることだ。
小さい頃から親から聞かされていた言葉。
だから、初めてロイと会った時に私は怒ったのだ。
だが守るというのは戦うということにもなる。
私は弱い。
だが
それでも
私は
守る
全てを
家族を
友を
民衆を
モンドを
そして
愛する人を
守る
私の心にはそれが出てきた、色々な人の顔が、家訓が、
あの人の横顔の笑顔が。
その時に私の腰には爽やかな風が感じた。
我が故郷の風だ。
ありがとう、ヴァネッサ様、風神様、そしてみんな、
ロイ
ありがとう
「な、神の目だと!!」 奴は驚いている、そこが隙だ。
私は風元素を使い、素早く奴の元に移動すると足を斬りつけた。
「ヌグゥ!!」 その後に腹、
「ウゴァ!!」 次に胸、
「グッ、貴様ァァァァ!!」 奴は辺りをやたらめったら斬りつけた。
私はすぐに察知し、その場から離れた。
だが、奴はもう私が近くにいないのにそれでも斬りつける。
「フフッ、死ねぇぇぇぇ!!!」 奴から水の刃が出現してこちらに飛んできた。
当たるとただじゃ済まないだろう、だが私は変に冷静だった。
まずは右に避ける。
次は左。
次は右に受け流しながら左に。
私の目からは周りの色がなくなった、まるで夢を見ているようだ。
そして、周りがスローモーションになっている。
奴がなにをしたいか、なにをするかがすぐに分かる。 いや感じるに近い、直感が進化したような感じだ。
「な、なんだとぉぉぉぉ!!!! こんな小娘に…、ふ…、ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 奴は先程のみずの刃を全て躱したことに怒りを露わにし、私に襲いかかってきた。
右から来る。
次に上。
右と左と右斜め。
全ての攻撃を防ぎ、着実と奴にダメージを負わせている。
「クソクソクソクソクソォ!!! 何故だぁぁ!! 何故当たらないのだぁ!!!」 奴は言い訳のようにただ叫びながら言って私に攻撃を続ける。
だが、貴様と私とでは背負っているものが違う。
私は奴の攻撃を跳ね返すと奴は身体のバランスを崩す。
立て直す間に私は腰を落とし剣を持っている右腕を後ろに引き、剣先を奴の方に向くようにし、左手を奴の方に目掛けて出した。
これはロイの技だ。
あいつにはいつも助けられているな そう思った。
ロイの技に付け足して、私の身体に吸い込まれるように風元素を発生させる。
奴はバランスを崩したまま私の方に突っ込んでくる。
「か、身体が!! だが、そんなもの意味などないわぁ!!!」 奴は不安定な状態のまま吸い込まれ、それをチャンスと思い私に攻撃しようとした。
その後、私は引いた腕を前に突き出し、剣を奴の身体を貫通させた。
「ウゴァァァァァァァ!!!!」 奴は叫び、刺したところから赤い血が吹き出てきた。
そして身体に吸い込んでいた風を開放し、奴を吹き飛ばした。
奴は地面に手を引っ掛けて、これ以上飛ばされないようにする。
これで終わりだ 私は淡々とこれだけ言うと立場が逆転したようにひれ伏している奴に向かって歩き出した。
「この…!、あの方のために、私は負けられないのだぁ!!!」 奴は怪我を水元素で蓋をするように無理やり固めて出血を止めた。
まだ、戦うか…、こいつもある程度のものも背負っているんだなと思い、奴に向かって突っ込んだ。
まずは突く、が防がれる。
では下から切り上げる、これは当たる。
左肩から切り下ろす、これも当たる。
右からの攻撃は防がれる。
奴に反撃の隙も与えないように攻撃を続けた。
終わりだ そう言い、奴の首もとに剣を振った。
完全に入ったと思ったらギリギリのところで防がれた。
やるな そう思い、振った剣を元に戻して再度別方向から斬ろうとしたら、剣が異様に軽かった。
なんだ と思い剣を見てみると刃が砕かれていた。
「終わりなのはお前の方だったようだな」 奴はそう言い私の腹に深い一撃を食らわせてきた。
この一撃で私の集中が切れて、糸が切れたマリオネットのように地に伏してしまった。
「貴様もやるが、ここまでだ」 奴は私に止めを刺そうと少し長めの水の剣を作り出し私に刺そうとした。
ここまでか、ロイは大丈夫だろうか そう疑問に思いながら私は死を受け入れてしまった。
その瞬間、大きな爆発が起こり、地面は揺れ壁や天井から岩が落ちてきた。
「なに!?、なんだ!?」奴は困惑している。
ロイが気絶から起きてこの爆発を起こしたんだろう。
この隙に逃げてくれるだろうと思った、だが私は奴の事を甘く見ていた。
ロイはこちらに走ってきて、奴の顔を殴ったのだ。
そうだ、ロイは絶対に見捨てないし諦めない、そういう男だった。
「ぬぐ!!」 急に奴はよろけて、今いた場所から少し右移動した。
「まだ生きておったか死に損ないめ!! 安心しろ、今貴様もそいつも二人揃えて殺してやるわ!!」奴は激怒しロイに攻撃しようとした。
危ない!! と叫ぼうとしたが奴とロイの間にちょうどよく岩が落ちてきて、なんとか攻撃を防いだ。
ロイは私をなんとか背負いその場から走り去った。
「逃さぬ!!、なに!! 岩が!! ク、グワァァァァァ!!!」奴はそう言うと上から落ちてきた岩に押し潰された。
私はロイの背中に安心してつい目を閉じて意識を離した。
そして目が覚めるとまだロイの背中に背負られているままだった。
自分の腹を見ると応急処置が施されている。
ロイがやってくれたんだろう。
奴は死んだのか? 嫌違う、奴はまだ生きているだろう。
奴はこんな簡単に死ぬ奴ではない。
その事をなんとかロイに伝えた、わたしの声が小さすぎて聞こえているかは心配だったが多分聞こえているだろう。
その瞬間、 ドゴォォォォォォォン!!! 激しい音と一緒に後ろから土埃が舞った。
クッ、やはりまだ生きていたか、そう己の予感が的中してしまい残念に思った。
「貴様らぁ…、舐めたマネをしやがってぇ…」 後ろで奴が肩で息を吸いながら現れた。
まずい、武器もないし体力もない、このままでは二人ともここで死んでしまう。
そう思った私はロイにあることを言った。
ロイ、私を置いて逃げろ…、少しなら時間稼ぎにもなるだろう、それにお前なら私と違ってまだ動ける…、 私は悔しかった。
もっと力をつけておけばわざわざロイも犠牲にならずにすんだだろうに、せめてここでの犠牲は私だけでなんとか。
そう思った時にロイは私を置いてくれるだろうと思った。
だが私の視界には天井が見えていた。
空を飛んでいたのだ。
ロイが私のことを投げ飛ばしたのだろう。
咄嗟に地面に当たる瞬間に受け身を取り、衝撃を緩和した。
そしてロイの方を見るとロイは奴と向き合っていた。
まて、その役目は私が担う!! だから…、 そう言おうとした時。
「ジン、助けを頼む」 私に顔を向けず、私に有無を言わせないほどの覇気のある背中を向けて言ってきた。
私は、ロイの覚悟を邪魔してはダメだと思い、すぐに助けを呼ぶから と伝え出口に向かって急いだ。
足をやられており、まともに歩けない。
だが、その言い訳でロイを助けれなかったら私はクズだ。
だから私は痛みなど無視して、無理やり走った。
外になんとか出るとあたりは赤く染まっていた。
急いでモンド城に行かなければ 私は自分に喝を入れてまた走った。
気がつくとモンド城の前についていて、あたりはもう真っ暗だ。
門番が私に気づいて近寄ってくると、私は速くロイを助けろ!! と叫んでしまった。
そしたら私の叫び声に反応したのか次はガイアがやってきた。
「ジン、お前は速くその怪我を見せてもらえ、ロイのことはこっちに任せろ」 そうガイアが言うと他の者になんらかの指示を出していた。
私はまたそこで意識がなくなった。
今度、目を覚ましたところは周りにはたくさんの人が大慌てでなにかをしている。
私はまた、ロイがまだ戦っている と伝えると左から私が出てきた、びっくりしたが良く見てみるとバーバラだった。
出血のし過ぎで目が良く見えないんだろう。
なにかをバーバラを慌てて言っているがなにかに気づいたようにすぐに私の腹にできた傷の治療を初めてしまった。
私はロイが見捨てられると思ってしまい、左手に力を込めてバーバラの治療をしている手を止めてしまった。
そして、お願いした。
どうかロイを助けてくれ、奴を見捨てないでくれ と言い私は泣き出してしまった。
妹の前で涙を見せるなんて格好悪い、泣かないようにしようとしても目からは涙が出てくる。
するとバーバラが私の手を掴んで、なにかを言っていた。
なんと言っているかはわからなかったが、バーバラの必死な顔とそれでいて人を安心させる顔をしていたから、バーバラなら大丈夫だろうと思い、少し笑ってまた眠りに落ちた。
そして、目を覚ます。
最初に目に入ったのは真っ白いキレイな天井。
あれからどうなったのだろうと記憶を振り返ると私はバッと跳ね起きた。
ロイ!、ロイは!! そう思いあたりを見回すとドアの向こうが騒がしい。
ベッドから降りて、ドアの方に移動し開けたら。
そこでは治療が行われていた。
あの後ろ姿は恐らくバーバラだろう、バーバラの向いている方を見るとロイの姿がいた。
今、バーバラがロイの事を治療しているんだなと思い邪魔にならないように部屋に戻ろうとした。
がその瞬間、バーバラが後ろに倒れてきた。
このままでは不味いと思い急いでバーバラの方に走っていった。
なんとか地面に当たる前にバーバラを支えることができた。
ホッとしているとバーバラがこちらを見てきた。
私はバーバラの顔を見て、疲弊しているのが目に見えてわかるので労いの言葉をかけてあげた。
するとバーバラは安心したような顔で眠りについた。
私はバーバラを他のシスターの者に託すと私はロイの状態がどうなのかを聞いた。
聞いたところ、山場は超えたらしい。
私も安心したから、私はそこにいるみんなにありがとうとお礼の言葉を言って、部屋に戻っていった。
戻る際にロイの顔をチラッと見たら、首のあたりに白いなにかがついていた。
最初は聞こうと思ったが私も疲れていたからすぐに寝た。
そして、次の日、爽やかな風を肌で感じて起きた。
ふと右の方に寝返るとそこにはロイが眠っていた。
無事なようだなと安心したが私は何故かもっと近くで見たいという欲求に駆られた。
ベッドから降りて、近くの椅子をロイの寝ているそばに置いて座った。
優しい顔だ そう思った、首の白い跡が痛々しいがそれでもこんな顔で寝れるということは支障はないんだろう。
つい私はロイのほっぺたを指でなぞった。
何故こんな事をしたのかはわからないが、可愛らしい寝顔から少し「ん…」という声が聞こえた。
騎士団最強に近しい男という称号を背負っているのにこんなにも無防備な声、顔を見ると愛らしいという感情が湧いてくる。
すると、後ろから気配を感じた。
恐らくバーバラだろうと思ったから、振り向いて大丈夫かどうかを聞いた。
するとバーバラは怒って、安静にしていなければダメだという事で私を無理やりベッドに寝かしてきた。
こんなに強く行動する子だっただろうかと思い、もう少しだけ自由にしていたいというと「それでもダメ!!、お姉ちゃんも怪我が大変なんだから!!」と言ってきた。
バーバラは近くのテーブルにあったリンゴを手慣れた手付きでウサギの形にしていく。
そういえば、ロイもちゃんとした料理を食っているのだろうかと思った。
起きたら聞いてみよう、もしあれだったら私が作ってあげてもいいかもしれないな。
あれから更に数日、私の怪我は完全とまではいかないが普通に書類処理がこなせる程度にまでは回復した。
仕事が終わると私は毎日、ロイのもとへと行く。
ロイはまだ目覚めてはいない。
他の者は昏睡状態でずっとあのままなんじゃないかという事を言ってくる奴もいるが私はずっと待っているしあいつは絶対に起きる。
大丈夫だ、あいつを信じるのは私だけでいい、私さえいればあいつも幸せだろう。
そして今日もロイが寝ている顔を見に行く。
部屋に入ると涼しい風が窓から入ってきた。
ドアも開けて換気をしておかなければなと思いドアを開けっ放しのまま、ロイのもとへと近づく。
テーブルに置かれている花瓶の中にはセシリアの花が添えられていた。
恐らくバーバラがやってくれたんだろう、美しい状態のままで保存されている。
椅子に座り今日もまたロイの顔をジッと見る。
いくら見ても飽きない、ずっと見ていたいしそばに置いておきたい。
これはもう見る麻薬だと言っても過言ではないだろう。
ファ〜… 長いあくびをしてしまった。
今日はあの恋愛小説の続きの作品を読んでいたから少し寝不足だ。
少しだけ寝ようとそう思い、ロイの手を両手で握り、その手に頭をのせた。
手から伝わってくる温かみを感じながら私は目を閉じた。
そして、頭をのせていた手が少しだけ動いた。
私は目を覚めて、少しだけ唸ってから顔を上げた。
すると視線を感じ、そちらに顔をやるとロイの目と私の目があった。
この目だ、この深い闇を表したような目がわたしは好きだ。
私はロイに向かって起きてくれて安心したと伝えると
「かわいいな」 と優しく微笑んで言った。
その言葉が私の頭の中でずっとグルグル回っている、かわいい、かわいい、私の事か?。
そう思っていると私の胸が熱くなった。
このキュって縛られているような感覚、これは恋愛小説を読んでいる時にときどきなる現象だ。
これはなんだ。
恋、というものなのか。
私の顔は熱くなった、自分の顔は見れないが真っ赤になっていることはわかる。
ふと、ロイの顔を見ると先程と変わらず、微笑んでいる顔だった。
私は更に顔が熱くなり、この顔を見せたくないからつい思いっきりロイの顔を殴ってしまった。
そして、その場でしばらく頭の中に残った「かわいい」という文字が滞在しており、私は悶絶していた。
するとそこにバーバラがやってきて、ロイと私の事を見るとバーバラはすごい剣幕で怒ってきた。
コレに関しては本当にすまないと思っている。
だが、このさっき抱いたこの気持ちは恋なのか?
誰かに相談しようと思ったが、ガイアはバラすだろうし、リサは余計なちょっかいを出してきそうだし、ディルック先輩はどこか遠くに行ってしまったから無理だし、ファルカ団長はそういう事には無縁そうだからやめておいた。
しばらくこの悩みは自分で考えてみよう。
ロイは…、誰かに言うってことはなさそうだし言ってみようかな。
だが、あの様子じゃろくなアドバイスは来なさそうだし…。
自分で調べた方がいいな。
そう思い私は図書館に向かう。
そこでロイと会えたりしたら良いなぁと思いながら私は今日も生きる。
この愛するモンドで。
10000文字だぁぁぁぁぁぁ(発狂)
やべぇよ、やべぇよ(畏怖) 小説書くの楽しすぎだよ…
もう私生活に支障が出ちまう…(絶頂)
次はまたRTAに戻ります。
ワンチャン、仲良し組がでてくるかも
労いの言葉をくれ
味噌汁パンチ