PSYCHO-PASS Sinners of the System[case.4 再会の白] ーReunited with White 作:鈴夢
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乗り捨てられた大型車両。
中には既に誰もおらず、
しかし数時間前まで誰かが使用していたのか
エンジンは温かかった。
中には追い求めていた組織に関連する資料が散らばっており、
"攒"の文字を見つけるとその人物は
即、何者かにデバイスを介して連絡を入れる。
「…御報告を
おそらく攒の所有物だと思われる車両を確認
しかし中は既にもぬけの殻で……
……はい、……はい」
被っていたフードを外すと、珍しいブロンドヘア。
瞳の色は美しいグリーンカラーで
この国の者ではないとすぐに分かる。
「いえ、私1人で問題ありません
…狡噛はそのままそちらで待機の方が良いかと
ウイグル自治区といえどほぼチベットとの境界、
指名手配犯にウロウロされては困りますから……
……はい、では
また何か分かれば報告をさせて頂きます
失礼いたします」
その人物は外務省海外調整局の
花城フレデリカ
とある調査のため、単身でこの危険地帯に足を踏み入れていた。
「何故…こんな所に奴らの車両が……?」
運転席など組まなく調べると
やけに白く光る毛髪を見つけ指で拾い上げる。
「乗組員の1人は白髪、ね
…まだそんなに遠くへ行っていないはず
さっさと取り押さえて聴取しないと」
花城は再びフードを被ると外へと飛び出す。
少しずつ雪の量が増えていき、益々視界も悪くなっていく。
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進むにつれて、空から降り注ぐ雪が増えていき
なんとか目を細めながら道を確認し進んでいく。
途中まで車両移動が出来たため
予想より2日も早く目的地付近へたどり着く。
しかし、すぐに乗り込むのは危険。
できるだけ状況を確認して、自身の体調も整えて乗り込むつもりだった。
しばらく進むと寂れ放棄された町を見つけ
なんとか一息つけそうな小屋へと入る。
木造の小屋は酷く寒く
すぐに暖を取らなければ凍傷は確実。
小屋の中に石窯を見つければ
すぐに車両から盗んだ燃料を使い火を起こす。
マスクを外すと口から漏れる白い息
手がブルブルと震え危険な状況だった。
「……はぁ……はぁ……
危なかった……
こんなに視界が悪いならやっぱりあの車使えばよかった……」
石窯に手を近づけ徐々に体が温まると
ゆっくりと地べたに腰を下ろす。
強まる吹雪にガタガタと揺れる小屋
荷物から、ウール製のひざ掛けを取り出すと体にまきつけるように羽織り目を閉じる。
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「「……しろ…………おい……」」
誰かが私を呼んでる
でも眠くて眠くて堪らない。
「「まし……、ろ……
……舞白……舞白!」」
「あと……5分……」
「「起きろ!死ぬぞ!……おい!舞白!」」
激しく体を揺さぶられる
その相手は
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「……!?」
慌てて飛び起きる
既に部屋は真っ暗。
外の吹雪も止んだのか、やけに静かだった。
そして付けていたはずの石窯の火は消え、
室内は異常に寒くなっていた。
「危ない……私眠ってて……
……変な夢見て…………」
もし眠り続けていたらおそらく死んでいた。
寒いと眠くなるって本当なんだ、なんて呑気に考えながら
再び石窯に火をつける。
「……まさか、夢の中にまで出てくるなんて
そろそろ死ぬのかな私……」
私をたたき起こしたのは、宜野座だった。
血相変えて、私の両肩を掴み、強い力で揺さぶられ
気づけば命を助けられた。
ゆっくりと立ち上がると石窯へと近づき、そばに置いていた燃料へと手を伸ばし再び火をつける。
しかし、舞白はなにかに気づくと
ゆっくりと両手を上げる。
「……動かないで、そのまま」
何者かが背後に立っていた。
声からして女性だと確認する。
銃口を向けられている感覚を察せば
戦う意思はない、と舞白は無言で両手を上げ続ける。
「ポケットのナイフ、銃、全て床に捨てなさい」
「……分かりました……」
言われた通りにすべてを床に投げ落とす。
その姿を見た背後の女は微かに銃口を降ろす。
そして刹那、女の手元に舞白の長い脚が振り下ろされれば
手から銃が転がり落ち、
容赦なく舞白は女に向けて攻撃を繰り返す。
((……強い……っ……))
女はなんとか攻撃を防ぐことで手一杯
何とか相手の顔を確認すると
女は目を見開く。
雰囲気が、戦術が、鋭い目付きが
とても似ている、と
狡噛慎也にーーー
「はぁっ!」
舞白は女を床にねじ伏せ
女のマスクとフードを剥ぎ取る。
ブロンドヘアに透き通ったグリーンの瞳
花城だった。
「……あなた、何者!?
突然銃口を向けるなんて……」
花城は床に抑えられたまま、なんとか懐から身分証を取り出す。
「私は外務省海外調整局……花城フレデリカ…」
「……外務省、あなた日本人……?」
「落ち着いて話をしましょう、銃口を向けたことは謝るわ
…あなたは……」
花城が舞白に名を聞こうとした瞬間
2人は瞬時に何かを察知する。
舞白はすぐに石窯の火を消すと銃を片手に、
窓辺へと向かい外の様子を伺う。
同じく、花城も舞白の向かいに立てば、外の様子を同じように伺う。
松明を持った人々
そして鎖で繋がれ、この寒さのなか裸足に薄着、
酷くやせ細り、今にでも倒れそうな人間達が複数人歩かされていた。
「……もしかして、攒……」
舞白は呟くと窓辺からゆっくりと離れ
コソコソと荷物をまとめていく。
「……あなた、何をするつもり?」
「奴ら、おそらく私が追っている組織です
外務省の花城さん?
…すみませんが話はまた今度……」
「待ちなさい!危険よ!」
舞白は、ナイフや銃を懐に入れ
スナイパーライフルを背負えば上着を羽織る。
「チャンスなんです
……では、どこかで会えたら……」
花城は舞白を追うことが出来ず
中から外の様子を伺うことしかできなかった。
((……白髪、涙ボクロ、それにあの強さ
目付き、雰囲気……戦術も……
……間違いない、あの子は
狡噛の妹……))
以前狡噛が話していた妹の特徴が一致。
花城は微かに笑みを零せば、銃を握りしめたまま外の様子を伺っていた。
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