PSYCHO-PASS Sinners of the System[case.4 再会の白] ーReunited with White   作:鈴夢

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無茶苦茶な奴

 

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

何とか傭兵たちの目を掻い潜り1階へと降りると、

舞白は天井の岩の柱へ、得意の身体能力でいとも簡単に登っていく。

 

 

「ちょっと……正気!?」

 

さすがに数mもの天井を簡単に登ることなど安易ではなく

霜月はその場でたじろいでいた。

 

「そこの木箱、多分頑丈だから大丈夫

それに登って思いっきりジャンプして?」

 

「ジャンプって……届かなかったらそのまま落ちちゃうじゃない!」

 

「私がキャッチするから、それでそのまま引き上げる

天井の柱は岩で作られてるし壊れないわよ」

 

「心配してるのはそこじゃなくて!

私がそんな事……」

 

コソコソと2人が言い合っていると

傭兵の姿が、

このままだと、まだ下に残っている霜月が危険だった。

 

「いいから!早く!

その前に傭兵に捕まるわよ!」

 

「あーーーっ……もう!」

 

不安定な木箱に足をかけていく霜月

かなり高い位置まで登ると

天井の柱に両脚をかけてぶら下がる舞白に視線を向ける。

 

「大丈夫だから、掴んだらすぐに引き上げる」

 

「……信じるわよ、狡噛舞白……」

 

 

霜月は勇気を振り絞って思いっきり木箱から飛び立つ。

 

「ッ!!」

 

ギュッと目を閉じ手を目いっぱい伸ばすと

発言通り、舞白が両手を掴むと一気に引き上げる。

 

「……ッ……早く……そっちの柱に……」

 

向かいの柱に霜月が無事しがみつけば

舞白は体を戻し額を流れる汗を拭う。

 

 

同時に、数人の傭兵が先程まで霜月が居た木箱の真横に現れると

2人は安堵のため息を漏らす。

 

「私たちの下に照明があるから

下からは見えないはずよ、

……このまま向こうまで進んだら地下入口があるから……」

 

「これを伝って向こうまで行くの?」

 

「それしか方法はない

…下、見てみなさいよ」

 

霜月は下の光景を目にすると

ゾッと身を震わせた。

 

無数の牢屋、無数の奴隷達

そもそもここから落下すれば即死だろう。

 

「あの人たちって……あいつらが言ってた奴隷?」

 

「そう、この中から日本に移送されたり、内臓引き抜かれたり

あとは傭兵に弄ばれるか……」

 

「…酷すぎる、こんなの……」

 

下の光景を見ながら2人は恐る恐る進んでいく。

特に霜月は見慣れない異様な、残酷な光景に表情を歪め続けていた。

 

「……ここは確かに群を抜いて酷すぎるけど

だいたい紛争地なんてこんな感じ

私も何度か同じように危険な目には合ってきたけど

日本が異常なのよ、あんな平和な場所、日本以外にどこにも無い」

 

「…………」

 

想像を絶する状況に霜月は言葉を止める。

淡々と慣れたように話す舞白、

彼女がここまで強い理由が分かってきた。

 

法と秩序に守られた日本で過ごしていた霜月と

法も秩序も存在しない世界で戦ってきた舞白。

 

きっと霜月が想像できないような環境で、何年も過ごしてきたのだと考えると少しだけ舞白を見る目が変わっていく。

 

 

「私が地下の様子を先に見てくる、

大丈夫だったら合図を出すから飛び降りて」

 

「無茶苦茶よ……本当に、簡単に言うわよね」

 

「勿論受け止めるから

…もし危険だと分かったらそこから動かないで」

 

先程とは違う地下への入口。

タイミングなのか運なのか分からないが、見張りの傭兵は居らず

舞白は一気に飛び降り、受身をとって無事に着地。

霜月はその光景を目にするとボソッと呟く。

 

「…どんな身体能力してんのよ」

 

警戒しつつ地下へ向かう舞白。

そして暫くすると戻ってくれば、

霜月に向かって手招きをする。

 

" ジャ・ン・プ "

 

確かに口でそう言う舞白。

背負っていたスナイパーライフルを傍らに置き、

両手を広げるとここにジャンプしろと

無茶を指示する。

 

相変わらずの無茶苦茶な行動だが

もう泣きごとは言っていられないと腹を括る霜月。

 

「行くわよ……」

 

ゴクッと息をのみ飛び降り

慣れない浮遊感に叫びたい気持ちを抑える。

 

 

「ッ……と……

ナイスキャッチ!」

 

体全体でなんとか受け止めると

ニコニコと笑みを浮かべる舞白。

 

舞白が仰向けの状態でその上に体を預ける霜月。

目の前に舞白の顔、

狡噛慎也にもちろん少しは似ているものの

どこか目元などは六合塚を思わせるような矯正された顔に

霜月は思わず慌てて体を離す。

 

「ッ!」

 

「痛!ちょっと、ゆっくり離れてよ」

 

「う、煩いわね!

とりあえず助かったわ、ありがとう」

 

両手を組み、フンっと顔を逸らす。

その姿にクスクスと笑みを浮かべ、服についた埃を振り払う。

 

「どういたしまして

……ゆっくりしたいけど早く先へ進もう」

 

傍らに置いていたスナイパーライフルを再び背負うと地下へと進む。

霜月もしっかりとリボルバー銃を握りしめ、後を追う。

 

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 

 

 

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