PSYCHO-PASS Sinners of the System[case.4 再会の白] ーReunited with White   作:鈴夢

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形勢逆転

 

 

 

「……ッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

振り下ろされる瞬間、

大きな揺れと爆発音が響けば

斧を持っていたアブドルは大きく体勢を崩し

ギリギリ舞白の顔の真横に振り下ろされた。

 

 

 

 

 

「!?何だ!!」

 

突然の大きな音に驚く傭兵達。

そして、ずっと無言だった舞白が再び笑みを零せば

男は掴みかかる。

 

 

 

 

 

「おい!お前…何をした!?」

 

首を掴み大きく揺さぶる。

舞白は可笑しそうにアブドルの目を見据える。

 

 

「言ったでしょ?

ここを破壊するって

……ここの傭兵、もう少し躾たほうが良かったんじゃない?

警備も甘いし、弱すぎ」

 

「だから!何をしたんだ!」

 

後ろ手に括られていた手元から何かが落ちる

傭兵が拾い上げ、アブドルに差し出す。

 

 

「あんた達は、私と霜月に気を取られすぎたの

私たちがただこの中を走り回ってただけな訳が無いでしょ」

 

舞白は収容所内を探索し

想定外の頑丈そうな建物だと分かれば

収容されている人々が密集している地点からほど近い壁に爆発物を仕掛けていた。

 

「それに、運良く協力者もいるの

…多分そろそろ、その人たちが辿り着くはず

この収容所に隠された事実を、日本の企業と怪しい動きをしている事実を彼らは追っていたから」

 

 

「………クソ!!

おい!お前達!すぐに現場へ行くんだ!」

 

傭兵達が焦った様子で部屋を飛び出していく。

そしてアブドルは銃を取り出せば床に倒れたままの舞白へ向ける。

 

「それで勝ったつもりか?

…お前はここで死ぬ、楯突いたことを地獄で後悔すればいい」

 

カチャッと銃の安全装置を解除する音、

しかし、舞白はまだ笑みを浮かべ続ける。

 

「傭兵も傭兵ならボスもボスね

視点が狭いのよ

…武器がないと所詮ただの無能」

 

「ッ…死ねぇぇぇぇぇぇ!!」

 

ついに怒りの頂点に達したアブドルは大声で喚き散らした。

 

 

 

 

刹那、静かに様子を伺っていた霜月が

思いっきり男に椅子ごと突っ込む。

隙だらけだったアブドルの巨体が部屋の扉をぶち破り

外へと吹き飛ぶ。

 

「日本の公安局、ナメないでよ!」

 

すぐに足元の紐をナイフで切ると

舞白へと近づく。

 

「…作戦通り…

演技もバッチリだったよ?」

 

へへへへっと呑気に笑う舞白に

容赦なく声を荒あげる霜月。

 

「バッカじゃないの!?

私が上手く手元の紐切れなかったどうするつもり…ッ!」

 

「…やってくれたなクソ女ども…」

 

頭を強打したのかふらふらとする男、

霜月の体をいとも簡単に床に押し付けると首につかみかかる。

 

「グッ…うぅ……!!」

 

「ナメやがって、

…殺す殺す殺す!!!」

 

力が更に込められる

このままだと簡単に骨を折られそうなくらいの力が加わっていく。

 

 

((……っ…しぬ…))

 

霜月でどうこうなる相手ではない。

 

メリメリと指が食い込むその時

男は悲鳴を上げると首から手が離れる。

 

 

 

「ぐあああぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

放たれたナイフが男の左肩に深く突き刺さる。

霜月が転がしてくれていたナイフで手脚の紐を切った舞白。

これで完全に形勢逆転だった。

 

霜月は着ていた公安局のジャケットを舞白の体に被せる。

 

 

「ほら、それを着なさい」

 

「…ありがとう」

 

ジャケットに袖を通し、ジップを全て上げる。

 

 

 

「バレないようにナイフを隠し持って、少しずつ紐を切っていくなんて…こんな危なっかしいこと初めてよ

…でも、あんたが無茶苦茶な方法で気を完全に向けててくれたから助かった」

 

「ここの奴らは詰めが甘い

面倒なのはこの男だけだった

…ありがとう、おかげで死なずに済んだ」

 

「本当に…破天荒すぎるでしょ」

 

目を合わせる2人

そんな2人を男は睨みつける

ナイフを引き抜き、再び声を荒あげ銃を構える。

 

 

「2人でコソコソと…

絶対に殺してやる」

 

舞白は霜月を背後に隠しナイフを構える。

 

 

「外に外務省の人間がいるはず

…早く合流して収容されてる人たちを助けてあげて」

 

「……はぁ…何言っても聞かないんでしょ?あんた」

 

刹那、放たれる弾

交わして一気に間合いに入ればアブドルと舞白の一騎打ちに。

 

「早く行って!私はもう大丈夫だから

今度こそ戻ってこないでよ!すぐ行く!」

 

「分かったわよ…!」

 

傍らに置かれている舞白のリボルバー銃を手にして

今度こそ振り返らず部屋から飛び出す。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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