PSYCHO-PASS Sinners of the System[case.4 再会の白] ーReunited with White 作:鈴夢
・・・・・・・・・
「……早い到着ね、常守監視官」
防弾の音や銃声が激しく鳴り響く
同時に外務省の部隊の隊員たちが、怪我を負った人々を手当し、移送していく姿も見受けられた。
「お久しぶりです、花城さん」
4WDの隣に設置されたテント。
そこには花城の他にも外務省のマークのジャケットを纏った数人の男性たちの姿もあった。
「この事案が分かった時点でこちらにも報告が欲しかったのですが
…それは後でお聞きします」
常守はデバイスに触れ、霜月に連絡をどうにか入れようとするもまだ電波が安定しないのかなかなか繋がらない。
「この施設内に、監視官が1名居るはずなんです
中に入る許可を頂けますか?」
「監視官?
一体どういうこと……?」
常守は霜月のIDを花城に向ける。
「霜月美佳、この前公安局に来られた際に
お会いしているはずです」
「……特に見かけてはないけど
気になる情報があってね
この建物の北側からやけに多くの人質達が解放されてる
……開放された人達は皆
"若い女性に救われた"って口にしてるわ」
若い女性、一係全員が霜月ではないかと
期待を募らせる。
「もしかして、霜月か?」
宜野座が食い気味に花城に問いかける
しかし花城は断定はしなかった。
「そう思いたいけど、実はこの施設の中に
それらしき対象者がもう1人いるの」
一係の5人に送信される1人のID情報
その情報を目にした5人は驚きを隠せない。
「狡噛舞白、あなた達なら見覚えがあるはずよ
…狡噛慎也の妹、シーアンの件から再び行方不明になっている重要人物」
数日前に遭遇したこと、
この施設を制圧するにあたって彼女が
制圧作戦の為に爆発物を仕掛けた事など
今までの経緯を伝えていく。
「前もって彼女の作戦を聞いておいたの
彼女は囚われた人々の解放、
私たち外務省は"攒"の壊滅、及び日本の製薬会社との怪しい取引の解明
互いの利益の一致と考えて協力することになったのよ」
「なんてこと……」
常守が口を開いた瞬間
デバイスが鳴り響く。
相手は霜月だった。
「美佳ちゃん!?無事!?」
電波がまだ悪く若干音が途切れるも
なんとか互いに会話ができる状態に。
『先輩!良かった……
……通じ……た……』
ぶつぶつと途切れ途切れだが、しっかりと聞き取ろうと耳を澄ます。
『わた……大丈夫、です!
……でも……ッ……地下…………
……狡噛………ま…』
"私は大丈夫、地下に狡噛舞白"
「地下に舞白ちゃんがいるのね!?」
『……この……しき……
……』
六合塚が電波をもっと上手く拾おうと
何やら後ろでデバイスを操作していた。
『組織のリーダーと地下で恐らくまだ応戦中です
男の名前はアブドルラーマン
既に2人とも重症を負っていました、早く救助に行かないと……』
鮮明にきちんと音声が拾えると全容が明らかになる。
花城はすぐにアブドルラーマンという人物の情報を集めていく。
『私の位置情報を送ります、
……こっちも少し傭兵がまだ……
負傷者も……、救護ドローンと戦闘ドローンの手配を……』
再び電波が悪くなると途切れる通話。
しかし、霜月の位置情報が割り出せると常守は安堵した。
そして常守は無意識に宜野座へ目を向ける。
すると目が合えば、懇願するように常守の名を発す。
「常守」
真剣な眼差し
常守は宜野座が考えていることを察していた。
「…宜野座さん、地下は任せます
その代わり、必ず狡噛舞白の保護、及び確保を」
「了解した」
「六合塚さん、須郷さん、雛河君は私と前線へ
霜月監視官の救助、そしてトランスペアレント社の証拠品の捜索を」
「「了解」」
常守は4人に向き直る
「自分の身を最優先に
相手は訓練された武装集団、かなり危……」
その瞬間、地面が揺れるほどの大爆発が起こる
恐らくは地上ではなく地下、
花城が状況を確認すると声を上げる。
「まずいわ、地下施設が爆発
早くしないと重要人物の確保も、狡噛舞白も危ないわ」
「……ッ」
宜野座は直ぐにテントから飛び出し姿を消す。
外は激しい銃撃戦、早まる宜野座を止めることが出来なかった。
「待ってください!宜野座さん!!
…っ…私達も急ぎましょう!」
常守達も急ぎ足で外へと向かい、
ドローンと共に霜月がいるであろう場所まで向かうのであった。
・・・・・・・・・・・・・