PSYCHO-PASS Sinners of the System[case.4 再会の白] ーReunited with White   作:鈴夢

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二度と離さない

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

爆発音、銃弾、喚き声

ここは戦場だった。

 

しかし、最先端のドローンや武器を扱う相手に、

この拠点の傭兵達は刃が立たない様子で陥落するのも時間の問題だった。

 

危険地帯をなんとか掻い潜り

施設付近へとたどり着くと

宜野座は地下への道を探す。

 

焦る気持ちも抑えつつ

時たま現れる傭兵達をねじ伏せる。

 

 

 

「((どこだ入口は……

………))」

 

唯一見つけた入口は爆発で瓦礫に埋まっており

他の道を探す羽目に。

銃弾を避けつつ壁を伝ってキョロキョロと辺りを見回すと

通気口を見つける。

 

「潰れてないな、

……ここから入ろう……」

 

入口の蓋を軽々と開け滑るように侵入する

しかし何やら煙の臭いがすると眉を顰める。

 

爆発の影響で地下の一部に火災が発生し

中は煙が立ち込めていた。

幸いにもかなり広い空間で

煙と炎に包まれるのはまだ先のようだった。

 

通気口から地下へたどり着くと

すぐさま走り出す。

 

 

「舞白!!聞こえたら返事をしろ!!舞白ーーっ!!」

 

まだ地下に傭兵がいる可能性があるにも関わらず

宜野座は必死に名前を叫び続ける。

 

しかしかなり広く入り組んだ道、

そうそう簡単に見つかるはずもない。

 

「((頼む……生きててくれ…………))」

 

すると瓦礫が崩れ、炎の熱で暑くなっている空間へとたどり着く。

煙に視界を邪魔され

腕で口元を覆いながら辺りを見回す。

 

 

すると微かに白い何かが目につく。

瓦礫に下敷きになりうつ伏せの状態で倒れている人間、

顔が見えたわけでもない、直感で舞白に間違いないと思えば

一心不乱に駆けつける。

 

「おい!舞白!」

 

公安局のジャケットに身を包み、瓦礫から上半身のみが出た状態。

酷く怪我をしているのか白い髪の毛は血で一部が赤く染まり

そもそも呼吸をしているのかさえ怪しかった。

 

「この瓦礫……退かさないと……」

 

舞白の体に伸し掛る瓦礫。

1つずつ確実に、取り除いていくと

なんとか体を引き抜くことに成功。

 

 

「……ぅ…………」

 

小さく声を漏らし、頭を持ち上げる様子を見せ

微かに開かれる瞼。

しかし、再び目を閉じると呼び掛けに応じなくなる。

 

「((一先ず安全な場所に……))」

 

舞白を抱き上げた瞬間、頭上からパラパラと瓦礫が落ちていき、

すぐにその場から離れた瞬間、一部の天井が音を立てながら崩れ落ちる。

 

あと1秒でも遅れていれば

舞白の体は完全に瓦礫に潰されるところだったと

一先ず救出できたことに安堵する。

 

さすがに来た道の通気口は舞白を抱えて入る事は出来ず

新たに出口を探す必要があった。

だが、まずその前に舞白の状態を確認しようと

床にゆっくりと降ろし何度も声をかける。

 

 

「舞白!!舞白!!!!」

 

「…………」

 

胸に耳を当てると微かに心音は聞こえ

胸も上下している様子が分かる

しかし失血状態が長く続いたせいか顔色が真っ青に染まっていく。

 

ジャケットのジップを下ろすと露になる肌

ナイフの切り傷からは血液が溢れ、

何より目を疑ったのはあの焼印が刻まれていたこと。

 

「……酷い……」

 

焼かれた跡は酷い火傷跡、一部が膿んでいる様子で

直視できるような状況ではなかった。

 

太腿から溢れ出る血を止めようと

ベルトで止血をし、宜野座が着ていたダウンを羽織らせ

再び抱き上げる。

 

「あと少しだ……辛抱しろ、舞白……」

 

走り抜けながらデバイスに触れると

即、常守に繋がる。

 

「常守!舞白は救出完了

しかしかなり状況は悪い、救護ドローンを数台どこにでもいいからばら蒔いてくれないか?」

 

『了解です!

こちらも霜月監視官と合流するところです!

……地下から煙が出てるようですが出口は見つかりましたか?』

 

「今探しているところだ

火災も発生していてかなり危険……ッ!!」

 

その瞬間、ひび割れた天井が崩れ落ち

行き先を塞がれてしまう。

 

そして通信状況が悪いのか通話がついに途切れると

その場に立ち尽くす宜野座。

 

 

「しまった……ッ!」

 

四方八方塞がれると逃げ道を完全に失ってしまう

そして、唯一壁に取り付けられていた1つのランプだけが暗闇を明るく照らしていた。

 

「常守!聞こえるか!?

……どうする、考えろ……」

 

舞白を床に降ろし何とか瓦礫を退かそうとするがビクともしない

まさに絶体絶命だった。

 

どうにか出る手段はないかと、閉じ込められた空間を歩き回るが

通気口も何も無い。

 

「外から爆破してもらうしか方法はないか

……」

 

唯一外側に面している壁

ここを外から爆破してもらうしか

どう考えても出る方法はない

しかし、デバイスは使い物にならず壁を拳で殴りつける。

 

「((……考えろ……考えろ……ッ))」

 

眉間に皺を寄せ険しい表情で必死に考える。

 

刹那、宜野座の足に何か当たる感触がすると

足元に目を向ける。

 

 

 

 

「……舞白?

…ッ……気がついたのか!?」

 

薄らと目を開け宜野座を見つめる舞白。

しゃがみこみ顔を近づけると、

目を覚ました舞白の様子に表情を緩ませる。

 

 

 

「…………ノブ兄……

……」

 

「無理して喋るな、

ちょっと確認させてもらうぞ」

 

デバイスの照明を使って瞳孔や

脈を確認する。

苦しそうに呼吸をする様子に気づくと

着ていたジャケットを枕替わりに頭の下に敷く。

 

 

「……会えた……

…………また、……ノブ兄……」

 

「だから喋るな!

死にたいのか?…」

 

嬉しそうに笑みを微かに浮かべる舞白は

ゆっくり手を動かし

宜野座の頬に手を伸ばす。

 

 

「………………ごめん……

……ね……」

 

笑みを浮かべ続けると舞白は会いたかった人物に会えた喜びを滲み出していた。

目尻からとめどなく流れ落ちる涙を

宜野座は指ですくう。

 

「…………な、い……」

 

「……舞白……」

 

「…死に…………たく、な……ぃ……」

 

「大丈夫だ、あと少しで助けが来る

それまで頑張るんだ、な?」

 

宜野座の頬へと伸ばしていた手がだらりと力を失うように

床へと倒れる。

すぐさまその手を拾い上げ、ゆらゆらと揺らし始める。

 

「……おい、舞白?

舞白?……いくな、まだいくなよ……」

 

「………………ノブ……」

 

虚ろになっていく表情に力をなくしていく体。

 

 

「……絶対逝かせない…

こんな所で……やっとまた会えたんだぞ!?」

 

「……へへ……っ……」

 

うつろな表情から再び笑顔を作り出す。

 

しかし身体から体温が失われているのが分かる

宜野座は舞白の顔を両手で挟み

何度も何度も声をかけ続けた。

 

死前喘鳴の特殊な呼吸音が聞こえ始めると、

宜野座は心臓マッサージを施しなんとか命を繋げようと必死だった。

 

「今度こそ……絶対、お前を離したりしない……」

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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