PSYCHO-PASS Sinners of the System[case.4 再会の白] ーReunited with White 作:鈴夢
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
┈┈┈┈┈
「…っ!!」
目を見開く舞白
目の前に広がるのは真っ白な空間
見覚えのある景色
ゆっくり体を起こすと傍らには本を読む男
そして広がる景観は、あの真っ白な海、色彩のない場所
柔らかな浜辺に寝そべっていた舞白は辺りを見回す
「…あれ?
……確かさっき…」
間違いなく目を覚ました、
そして宜野座に助けられた記憶
しかし今目の前に広がる光景は紛れもなくあっちの世界の入口
その様子に気づいた隣の男はくすくすと笑みを浮かべ舞白を見つめる
「「戻ってきたね」」
「……そっか、私今度こそ死…」
「「いいや、君はまだ死んでない
だって海の中に沈んでいないからね」」
先程、確かに隣の男に腕を引かれ沈んでいたはず
一瞬戻った意識、色彩、
1度は目を覚ましたようだが、また生と死の狭間をさ迷っているようだった
「「君は運に恵まれているよ、羨ましい限りだ」」
槙島、パタンと本を閉じれば同じように砂浜に座り込む
遠くを見つめる舞白の様子を伺う
「「一度あちら側に戻った後の死
やはり怖いかい?」」
先程まで死ぬことなど恐れなかった
むしろ浄化されるような、雁字搦めにされていた現実から全て解放されるような
後悔することはあったにしても所詮死んでしまえば消えてなくなる
「「"神々が愛する人たちは若くして死ぬ"」」
「"神の愛するものは夭逝する"」
2人は目を合わせて偉人2人の同じ意味を持つ言葉を口にする
白髪の似た姿の2人
この白い世界に消えてしまいそうだった
「シビュラがもし、その神様だったら…」
「「愛されていた?それはどうだろうか」」
「まあ、私は生き返ったし…一瞬だけどね
むしろ嫌われてるかも」
笑みを浮かべる舞白の横顔をじっと見つめ
相変わらず呑気で全く何を考えているのか分からない、そんな相手の肩にそっと手を触れる
「「"死は人生の終末ではない、生涯の完成"
まだ君の生涯は完成されていない、それに終末もまだ訪れていない」」
「………?」
「「君は兄に言っていたはずだ
"judgement"その正位置を求め君は1人で行動に出た
…まだその答えは見つかっていないだろう?」」
審判、あの時のタロット占いの話しだと
「「もし生涯の完成が成された時、
…僕が君をこちらの世界にまた引き摺り下ろしてあげよう」」
槙島は肩に置いていた手を首に滑らせる
左首の跡に触れると、痛みに舞白はビクッと体を跳ねらせた
「ッ……」
響く鈍痛に眉を顰める
同時に何処からか声が聞こえてくる
「「タロットカードの審判、正位置でも決して安堵してはいけない、あくまでも"審判"
どのような問い掛けに対しても、ある種の審判がなされる
それは君の望みがどうであれ、一定の結末を迎えるという意味」」
そのまま舞白を引き寄せ笑みを零す
そしてそっと、耳打ちするのであった
「「僕はレフリー側に立つのは嫌いだが、君に対してなら悪くない、シビュラが君に審判が下すくらいなら、僕がその役目をさせてもらうよ
それは、きみが正位置か逆位置かどちらかに、その生涯とやらを見出した時…」」
体を離すと、瞳と瞳が重なり合う
特徴的な男の声が脳内に響く
「「次、君に会う時は審判を下した時だろう
……また会おう、狡噛舞白」」
男の顔が歪んでいく、薄れていく
消えていく
そしてそっと手を伸ばした
・・・・・・・・・・・・・