PSYCHO-PASS Sinners of the System[case.4 再会の白] ーReunited with White   作:鈴夢

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爾今の歯車

 

 

 

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帰国直前、舞白の元に常守の姿があった

暫く談笑をし、常守はあることを口にする

 

「もう、何も恐れることは無いんじゃないかな、舞白ちゃん」

 

 

帰国するまでにどうしても2人っきりで話したかった常守

シーアンで彼女がなぜここまで姿を消さなければならない理由があったのか知った時から、舞白の事を片時も忘れたことは無い

 

彼女は免罪体質者に間違いはない

ただ、あの時のシーアンでの彼女の色相はWhiteではなくPale whiteと確かに計測されていた

シビュラは彼女に微かな希望を与えたのか、それともただ単に彼女の色相が色彩を取り戻したのか、理由は分からなかった

 

今、シビュラの統治下では無いこの場でサイコパスを計測することはできない、

もし外務省に所属するとなるならば今後簡単にサイコパスを計測することも不可だ

 

 

「確証がある訳じゃないんだけど…

今の舞白ちゃんは何か違う気がする、この2年間で何か大きく変わった気がするの」

 

「…自分だと分からないんですよね、あれから6年、シーアンからだと2年…

ただ一心不乱に駆け抜けてきただけで…」

 

 

シーアンでのハン議長と常守の会話

常守はシビュラシステムの真実、そして舞白が免罪体質者だと言う事実を知っている

そして舞白も、その事実を知っていた

 

 

「成すべき者が為すべきを為す

…私はそのつもりでここまでやってきました、今思えば本当に無茶苦茶ばかり…」

 

自分の生きる意味をこの先生かされるためにも何でも出来ることはやってきた

 

「でもさっき…美佳ちゃん…

…霜月監視官に言われたんです、

周りに心配をかけるなって

その通りだと思いました」

 

先程の一端を思い出しクスクスと笑う

 

「もう1人で駆け抜けるのはやめます、

"人間は誰でも、独りで生きなければならないと同時に、みんなと生きなければいけない"

…きっとその通り、何か自分の中で見いだせることができれば、私はきっと自分のままでいられるし、この社会のために必要だとシビュラにも認められるかもしれません」

 

相変わらずの博学卓識な彼女の発言に

槙島の姿を重ねてしまう

そして目の前にいる女性は6年前の少女ではまるでなかった

 

「皆、舞白ちゃんが戻ってくるのを待ってるわ

どんな形であれ、今という瞬間を生きていてくれればそれでいいの」

 

"ね?"とニッコリと舞白に笑みを向けると

舞白もつられように満面の笑みを浮かべる

 

「あと、美佳ちゃんとはこれからも仲良くして欲しいな

…舞白ちゃんみたいな存在が近くにいなくて、同じ境遇同士とてもいい関係になると思うわ」

 

「勿論です

私も友人は少ないし、

それに彼女、とても面白くて…」

 

 

 

刹那、扉のロックが解除されると2人は視線を扉へと向ける

現れたのは狡噛だった

 

 

「監視官、そろそろ出発だと」

 

デバイスの時計を確認すると

"話し込みすぎちゃった"と呟くと椅子から腰を持ち上げる

 

 

「また会いましょう、舞白ちゃん」

 

常守の優しい笑顔

 

初めて出会ってから6年、

最初の事件の後、怪我を負った舞白の元へ毎日のように病院へ足繁く通ってくれたり、兄の様子を教えてくれたり、ある意味歳の近い姉のようだった

シーアンでもまるで姉妹のようにくだらない話で盛り上がったり、自らの悩みを打ち明けることも、

そしてシビュラシステムと対峙しあった、その時も常守がそばに居てくれた

 

唯一、舞白の真実を知る者

その存在はとても大きなものだった

 

 

「はい、必ず

どうかお元気で…」

 

手をお互い振り合い、狡噛と共に車両から出ていく

 

 

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ヘリのエンジン音、そしてローターブレードによる強い風が辺りを巻き込む

 

一係の執行官たちがヘリへ乗り込むと

常守と霜月は外に残り目の前の2人を見据える

 

 

「それではこちらの事後、よろしくお願いします」

 

「お任せ下さい

…厚生省さんはこれからが大変だと思うけど

よろしく頼むわよ、常守監視官、霜月監視官」

 

なんとなく上から目線な物言いに微かに眉を顰める霜月

 

「心配無用です、自分たちの縄張りくらい管理しますから

…くれぐれも次回からは外務省さんも"報連相"をきちんと実施してくださいね!」

 

相変わらずの霜月に呆れたような笑みを隣で浮かべる常守

そして視線を花城から狡噛へと向ける

 

 

「狡噛さん、どうか舞白さんをよろしくお願いします」

 

「了解だ」

 

 

フッと狡噛も笑みを零す

 

「…では、失礼いたします」

 

常守と霜月は敬礼すると

ヘリへと乗り込んでいく

 

 

花城はヘリ内で待機していた須郷と目が合うと

微かに口角を緩ませる

 

以前、新部隊へのスカウトを断った須郷にとって、とても気まずい瞬間だった

 

須郷は戸惑ったような表情を一瞬浮かべるも軽く会釈をし、ヘリは上空へと昇って姿を消す

 

 

 

 

花城と狡噛は姿が見えなくなるまで目を追い、ふと花城が微かに笑みを浮かべている姿を不思議に思うと隣の狡噛は声をかけた

 

 

「何か、いい事でも思いついたのか?」

 

狡噛の問いかけに答えようと視線を向ける

 

 

「新部隊の面子、どうなるか楽しみね」

 

何かを企んでいるような、喜びを孕んでいるような表情をすると狡噛の肩を軽く叩き歩き出す

 

 

 

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