PSYCHO-PASS Sinners of the System[case.4 再会の白] ーReunited with White 作:鈴夢
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「…戻ったら即セラピー受けないと…」
ヘリが飛び立ってから数時間後、ひたすら頭を抱え続ける人物
凄惨な現場に、無茶苦茶な自分の行動、
明らかに色相悪化をしているだろうと怯えていたのは霜月
あと少しでシビュラの電波網に突入する為、そこで直ぐに自分のサイコパスがどのようになっているか分かるはず
しかし同時にその事実を知ることを恐れ怯えていた
その様子を心配する一係の面々
隣に座っていた宜野座がフォローを入れようと、肩を落とし、ダラりと前屈みになっている霜月の背中を叩く
「そう思い詰めるな
余計悪化するぞ」
「……日本に戻ってからも続けて捜査はあるし
…まずは都知事の身柄の確保、
先輩たちが抑えたあの地下の調査に密入国者達の対処、トランスペアレント製薬会社の内部強制捜査、…頭が痛い…」
何を言っても無駄だなと分かれば宜野座は向かいに座る六合塚に目を向けると、六合塚は微かに笑みを浮かべ霜月の頭へ手を伸ばす
ぽんぽんと以前も感じた事のある優しい感覚にそっと頭を上げる霜月
「大丈夫よ、あなたは昔より強くなってる
身体だけじゃなく、精神も…
現にあなたは、過酷なあの場所から生き残ってる
強靭な精神がなければ達成できなかった…」
六合塚の穏やかな声色にホッと胸を撫で下ろす
「六合塚さんの言う通りよ
…美佳ちゃんは任務をやり遂げたの、
しっかりあの地下施設の証拠写真までちゃんと残してくれてるし…」
外務省より先に手に入れた証拠
今までの彼女であれば、自分の身を優先し、マニュアル通りのことしか出来なかったはず
自分の身も、そして舞白の事も、捕らわれていた人々を救った事も、守りきったのは紛れもなく霜月自身の力だった
「そ、…そうですよ
…霜月監視官、すごい…」
「自分もそう思います
あの環境下の中で、よくやり切ったと…」
雛河と須郷も霜月の行動を称えるような発言をすれば、徐々に調子を取り戻していく様子の霜月
「……皆さん、ありがとうございます」
ふぅ…と自分自身を落ち着かせようとため息を吐き深く息を吸う
「よくやったさ、霜月」
再び宜野座がトントンと背中を叩くと霜月はじとーっとした目つきで宜野座を見据える
「…そうですよ、宜野座さん
感謝してくださいね?
あなたと狡噛舞白を助けたのは紛れもなく私と須郷さんの力ですからね?私が少しでも気づくのに遅れて、もし手を引くのが遅かったら…」
ガミガミと延々と文句を言う霜月に
まるで昔の自分を見ているようだと宜野座はクスクスと笑っていた
『まもなく、日本領空区域に突入します』
刹那、ヘリ内にてアナウンスが流れると
全員が携えていたドミネーターが反応する
デバイスも日本の電波網により通常通り使用できるようになると、即、霜月は常守に目を向ける
「先輩!私のサイコパス…計測してください」
「勿論よ」
常守はデバイスにて色相チェッカーを行い、霜月のサイコパスを確認する
その結果をドキドキと緊張した様子で待ち構える
「……ッ…」
結果を目にした常守の顔が驚いたような表情を浮かべると、霜月は内心何かよからぬ結果だったのだろうと肩を落とす
「……やっぱり、即セラピー…」
「ううん、美佳ちゃん、そうじゃないの
…判定は"ラベンダー"
それに数値も問題ないわ」
「…へ……」
予想外の色相に声を失う
あんな状況下の中で色相なんて保てるはずなんてない
むしろ少し好転していた事に驚きを隠せない
「な、…なんで…」
再び、今度は自分のデバイスで色相チェックをするも結果は同じ
"lavender"確かにそう表示されていた
「私…メンタル薬も既に無くなってたし
……なんで…逆に怖いんですけど…」
頭を抱える霜月にクスクスと笑みを向ければ
常守はある事を口にした
「舞白ちゃん、あの子から何かいい影響でもあったんじゃないのかな?」
「…伝染?」
宜野座が常守の言葉に反応すると六合塚が口を開く
「そもそも色相は心理状態が健全だと澄んでいる色、ストレス過多や悲観的な思考によって悪化すると濁っていく…
その"思考"が鍵なんです
…もしかすると舞白ちゃんと過ごした事や会話の中で自然とその思考伝染して、健全な方へ無意識に調整されたんじゃないのかしら?」
「確か、狡噛舞白はほとんど色相も犯罪係数も全てにおいてゼロ…まっしろだと耳にしたことがあります」
続けて須郷もそう口にすると
常守は小さく頷く
「美佳ちゃんは、舞白ちゃんと何だかんだ相性がいいって事ね」
「…は、……はぁ…?」
そんなことがあるわけがないなんて思いながらも、確かに舞白と話していると不思議と浄化されるような気分になっていた
確かにその話は有り得る事だと薄々感じる
「とりあえず、美佳ちゃんの色相も心配なかったことだし…
私たちは私たちの成すべきことをやっていきましょう」
両手をパチンっと合わせ全員に目を向ける常守
一係にとってはここからが正念場
「美佳ちゃん、あなたは脚も怪我をしている事だし絶対無茶は…」
「大丈夫です、先輩
…だって、私…」
グッと拳を握り突き上げる仕草をする
「私、強いんで」
舞白と同じことを口にする霜月は
どことなく以前よりも明らかに強くなっている様子だった
その姿からは舞白の面影も感じられていた
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