PSYCHO-PASS Sinners of the System[case.4 再会の白] ーReunited with White 作:鈴夢
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「当日にアポイントメントは難しかったみたいね
…大手の製薬会社だってのに広報と薬品生産担当者が不在だなんて
都合の良すぎない?」
ふぅーー、とタバコの煙を吐き出す唐之杜。
「強行捜査を行えるような条件は揃っていませんし
大人しく待つしかなさそうですね」
その隣で、まだ解明できていない刻印のデータを解析する六合塚。
どんなに洗いざらい調べても、とくにめぼしい結果を得られなかった。
「まあ、霜月がいない所で
勝手に捜査を進めたりなんてしたら、アイツもカンカンだろうし
ちょうど良かったんじゃないか?」
「…霜月監視官はそんなに…、その
……そこまで短気なんですか?」
ごもっともな事を言う宜野座に
恐る恐る問いかける須郷。
結局、トランスペアレント社に問い合せたところ
また本日中に連絡するとしか回答は得られず。
局長に強行捜査を依頼するも、予想通り突っぱねられ
返答待ち状態に。
「とりあえず新たな出動命令が下るまで
唐之杜さんと六合塚さんは密入国者を調べられるだけ調べて
須郷さんと宜野座さんは昨日の現場のデータをもう少し解析してほしい
…雛河君は…」
後ろのソファでぐっすりと眠っていた。
先程まで炯々としていたが、さすがに充電切れのようだった。
「徹夜で相当疲れてるはずだからそのまま寝かせてあげて
…私はもう少しトランスペアレント社を調べます
あとは連絡を待たな…」
その瞬間、常守のデバイスに1件の通知が届く。
相手はまさかのトランスペアレント製薬会社、
文面を見ると、"明日の午前10時にお待ちしております"と
予想外の返答内容が届いていた
「…思ったより早かったわ
トランスペアレント社から捜査協力の返答が来た」
メールを全員に転送、
もっと遅くなると予想していたが、明日と確かに明記されていた。
「相手が公安局だから、さすがに待たせすぎても怪しまれる…
なーんて、考えすぎかしらね?」
吸い終わったタバコを灰皿に押し付けると
唐之杜は広報担当者などの名前をすぐに調べ、
全員分のID情報を分析室の画面に映し出した。
「広報担当者
舟橋 明美(フナバシ アケミ)28歳
へ〜、さすが一流企業の広報、
経歴も容姿も一流ね
それに、色相も綺麗、何の薬使ってるのかしら?」
「薬品開発部門及び薬品管理の責任者
一宮 祥太郎(イチノミヤ ショウタロウ)46歳
彼は看板商品の1つ、メンタルケアサプリメントの開発者ですね
テレビで見たことがあるわ」
唐之杜、六合塚が2人のデータを次々と明かしていくも
特に怪しい経歴はなし。
恐らく、明日案内をするのはこの2人だろう。
「明日の捜査は
私と霜月監視官、六合塚さん、雛河君
このメンバーで行きます」
「俺達は行かなくていいのか?」
意外な人選に不思議そうにする宜野座。
須郷か自分は連れて行くと思っていたが違うらしい。
「製薬会社ですしあまり大人数で行くのも…それに
メインは薬品ですから、分析に優れた六合塚さんに
薬品に詳しい雛河君がいれば百人力ですよ」
「常守監視官の命令であれば、従うまでです
私と宜野座執行官で進められる調査は実施しておきます」
「よろしくお願いします
宜野座さん、須郷さん」
2人に頭を下げると常守は六合塚へと近寄る。
「六合塚さん、用意して欲しいものがあるんです」
なにか耳打ちすると六合塚は不思議そうに首を傾げる。
「それならすぐに用意できますけど
一体何に使うんですか?」
「もし出荷前の薬品管理の倉庫などに入れた場合
発信機を上手く取り付けて欲しいんです
…きっと梱包もされてトラックに乗せる寸前の物であれば
検査もないでしょうし、引っかかることはないと思います」
「常守、いくらなんでもそれはハイリスク過ぎるぞ
バレたらどうなるか…」
「でもこうするしか方法はありません
薬品の行く先が病院やドラッグストア、調剤薬局…
何も無ければ、それ以外の場所に運ばれる訳がないですから」
せっかく入れるチャンスを逃す訳にはいかないと
用意周到だった。
「何も無ければ、それはそれでいいんです」
じゃあお願いします、六合塚さん
と言い残せば常守は分析室を出ていく。
「トランスペアレント社の薬品管理倉庫なんて
一体どれ程の規模なんでしょうか?」
「追いかけ甲斐があるじゃない?楽しそう、
分析官としての腕が鳴るわ〜」
恐らくとんでもない規模だろうと須郷は想像していた
日本一の製薬会社、全く想像がつかない。
「……面積は約46,000㎡…
…その倉庫が…確か二棟あるはず…です…」
後ろで眠っていたはずの雛河がゆっくりと体を起こすと
ボソボソと呟く
「起きてたのか雛河?」
「…トランスペアレント社から…メールがきたって
……そのあたりから…起きて、た…」
モゾモゾと人差し指同士をつつきながら
途中から起きるのが何故か恥ずかしく感じたらしく
寝たふりをしていたと話す。
「46,000㎡って…
昔で例えると東京ドーム2個分ってところかしら?」
「…全然分からん例えだ」
「かなり広大な倉庫…
簡単に入ることが出来るかが鬼門になりそうですね」
須郷はかつて所属していた軍の建物の広さなどを頭で思い浮かべ
とてつもない大きさだと察す。
「弥生、バレない程度に大量に持っていくしかなさそうね」
「…管財課から目をつけられない程度に
上手く申請して準備するわ」
六合塚も準備のため分析室から姿を消す。
「さてと、俺達も行くか須郷」
「僕も…朝ごはん…食べに行く…」
次々と己の役割を果たすために姿を消していく。
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