鬼と呼ばれましたが冒険者になれば英雄になれますか?   作:もぐらたたきアルファ

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モブ高生の二次創作に参加してしまいます。何分初めてなので読みにくいのは勘弁して下さい(土下座)


たからさがしのなつやすみ
序章


2019年3月

 

 ここは地方都市から電車で数本分離れたまあまあな町である。駅のそばの表通りにはそれなりの交通量と店を誇り、住宅街とマンションが続くが20分か30分程歩くと割と田舎という感じである。ダンジョンはFランクとEランクが二つある。

 

「ははっ!あははは!ゲホッ!痛ったぁ!」

 

 そんな町のどこにでもある神社へと続く急な階段の下で大柄な少年の笑い声とうめき声が響く。少年は趣味と実益を兼ねたトレーニングの最中に階段を踏み外し派手に転がり落ちたのだ。

 

少年は

運動がとても好きだった。血流があがる感じがワクワクする

鍛錬が好きだった。成長を実感すると気分が良い

痛いのも好きだった。激痛を感じると頭が冴え渡る感覚がすごく良い

 

それ故に親が見たら真っ青になってかけつける程の事故を起こしているのに呑気に笑っているのだ。

 

 少年はひとしきり笑ってからすっくと立ち上がった。少年は今年高校生になり、念願だった冒険者になれるのだ。ワクワクが止まらない。大反対する母親を納得させる為に始めた鍛錬もつい力を入れすぎてしまう。

 

鼻唄を歌いながら帰路に着く少年は、己の人生を大きく変えた4年程前の出来事(神秘)を思い返していた。

 

 

2015年8月

 

 小学生最後の夏休み僕は今日も今日とて市営温水プールを泳ぎまくってすごしている。若干飽きてきているのだが他にやることが無いから仕方ない。

「大吾くん。そろそろ休憩時間だから上がってね」

連日通った為すっかり顔と名前を覚えてしまったおばちゃんインストラクターが親しげに声を掛ける

「う〜〜すっ」半分寝たまま泳いでいた少年『鬼導院大吾(きどういんだいご)』は心あらずな返事をしつつのっそりと水から上がる。

 

 

「毎日頑張ってえらいわねぇ」

 

「……他に行く所ないだけですから」

若干苛立ちを覚えていたところだった為突き放すようなセリフを吐いて即後悔した。親切なおばさんを悲しい顔にさせてしまった。

「あ、もちろん泳ぐのは好きですよ」

 

「いえごめんなさい。お家の事情よね。おばちゃんが無神経だったわ」

 

 一応フォローしたにも関わらず黙ってしまう。その通りだったからだ。この市営プールは市の政策で障害手帳を持っている者と片親の子どもに無料で解放されている。大吾の場合後者だ。

 父は子どもの頃『事故』で無くした。母は生活費を稼ぐ為夜の仕事をして昼間は寝ている。いつもくたびれている。その様子を見るとワガママを言う気にもならない。

 

「まあ、そのおかげで筋肉は付きました。だけど、正直飽きてきたので明日からは図書館にこもろうと思います。飽きたらまた戻ってきますから。」

 

鬱屈した感情を振り払うように努めて明るく言う。ちからこぶを作れば小学生に不釣り合いな程盛り上がりを見せる。腹筋もしっかり割れてる。大吾の自慢だ

 

「えぇ。いつでも戻ってきなさい。それと体力は全ての基本よ。いつか大吾くんを助けてくれるわ」

 

優しく励ましてくれるおばちゃんに分かれを告げ今日はこれまでにしようと着替え室に向かう時ちょうど団体が入ってきた。クラスメイトだ。顔が少し強張る。

 

「やっばりハトホルだよね。まじ女神」

「デメテルもすげえでかいよ」

「ケンタウロスって良い身体だよな♡ウホっ」

 

「「ひぃ!!」」「オッ♡」

 

僕に気付いた3人組が悲鳴を上げて壁際に下がる。

これがひたすらプールで泳ぐことになった二つ目の理由である。自分は教室で孤立しているのだ。恐れられていると言っていい。

原因はわかっている。それは齢12歳にして既に180cmを超えている身長のせいだ。クラスメイトどころか教師ですら大体自分より背が低いのだ。嫌でも己の特異性を自覚してしまう。なお、後の話だが筋肉まで付いた結果余計怖がられるようになった。

「鬼だ」

後ろから小さな声で己の苗字とデカい身体からついたあだ名が聞こえる。腹にドス黒い感情が溜まっていくのを感じる。何もかもぶち壊してしまいたくなる衝動に駆られ「すーーっはーーーーー」

深呼吸して抑え込む。母の為にそんな短絡的なことは出来ない。




(TIPSまとめ2参照)不幸及び事故
この世界ではダンジョンが現れて以来多くの不幸は消えていった。だが、その代わりといって良い程の大災害が起こるようになった。この世界で『事故』と呼ばれるのは大体その大災害アンゴルモアである。
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