鬼と呼ばれましたが冒険者になれば英雄になれますか? 作:もぐらたたきアルファ
3度目のダンジョンダイブはギリギリではあるものの順調にすすんだ。
一層探索中に見つけたゴブリンは、見つけ次第即一斉攻撃することで瞬殺。数が多くとも序盤で仲間を削ればあとは袋叩きでどうにかなった。そしてついに前回は疲れて確認すらしなかった第二層への入り口まで余裕を持って到着した。
そして、ついに二層に侵入した瞬間
「なっ!暑い!」
急な環境の変化に3人は驚愕のあまり一瞬かたまってしまった。
第二層は森林という部分は一層と変わらないが明らかにものが違った。まず優しい光がさす夕暮れ時だったのが、カンカンと降り注ぐ真昼の光に変わり。さらには季節がまるで外界のような真夏に変わってしまった。あっという間に汗が噴き出てくる。
「階層が変わるだけでここまで変わるのかっ!!」
一気に環境が厳しくなったが、大吾はむしろ現実ではありえない超現象に驚愕しつつテンションが上がってくるようだった。不適な笑みを浮かべ意気揚々と攻略を再開した。
「あっ!待って旦那様!!ほらっいくわよっ!!」「オゥっ!」
ずんずん1人で進み出した主にあっけにとられていたゴブリン達も一拍遅れて付いていった。
10分ほど歩くと、どこからか聞き覚えのあるブーンという音が聞こえてきた。
そのとたん3人で背中合わせになり周囲を警戒しだす。だが、どこにも敵影は見えない。しばらく独特な音がなり続けるのみの緊迫した時間が続く。音の発生源は妙に反響していて分からない。
そんなピリピリした状況と蒸し暑さに耐えかね顔の汗を袖で拭った。その時だった!
大吾の正面にある薮から黒い影が勢いよく飛び出してこちらに突っ込んできた!なんと空をとんでいる。
「しゃっ!!」
モンスターが空を飛んでいる事に動揺しつつも大吾はタイミングを合わせて盾の角でぶん殴るった。しかし
「かわしただと!!」
謎の敵は攻撃が当たったと確信した瞬間いきなり軌道を変更し、見事に盾の一撃をかわしてみせたのだ。そして、そのまま大吾の振り切って隙だらけの肩に
「こいつ!もしかして蚊かぁ!」
感情を感じない複眼にメタリックで透けたボディと羽、肩に刺そうとしてバリアに阻まれているストロー、などなどの特徴からモンスターの正体に気づく。さっきから鳴っていた音も日本人なら春から夏に一度は聞く蚊が近づいてくる音であったと後から分かった。
「痛ったいわねーっ!害虫がっ!」
痛みでキレた朱乃が突っ込んでくるのに合わせて、大吾は嫌悪感を抑えて特大サイズの蚊の首と足をグッと掴んで逃さないようにする。飛んで逃げようとする抵抗は強いがなんとか耐えられる力だった。
ちなみに見た目はキモイが、触った感触は、結構モフモフだった。
グチャっ
背中から石斧を食らい地上に落ちた。そこからさらに何度も追撃を与えると無事倒すことに成功した。
「ふぅー。助かった朱乃。傷は大丈夫か?」
「えぇ。針は細いから平気よ。血を吸われなかったからむしろマスターでよかった程よ。」
「それはそうだな。この層ではもっと前に出てみるか。」
なんとかモンスターを倒せそうだと調子に乗った一行はその後、いくら攻撃しても死なないイモムシに出会ってしまい。始めて敵を倒さず逃げる羽目になった。
【種族】レッサーリトルモスキート【戦闘力】30
【先天スキル】
吸血…敵の血を吸うと体力が回復する
犬サイズの「小さい」蚊のモンスター。高い機動力でダイレクトアタックされる新人マスターは結構いる。複数集まると万が一がありえることからゴブリンよりも警戒するべきとされている。耐久力とパワーはかなり低い
【種族】レッサーピースキャタピラー【戦闘力】40
【先天スキル】専守防衛…攻撃力を犠牲に防御力を高める。毒耐性、治癒力強化を内包
Fランクではトップクラスの戦闘力をほぼ防御に費やすタンク職の痺れるイモムシ。同ランク相手なら無敵と言ってよい。無論オークさん(Dランク)の相手をさせられたら即死である。無慈悲