鬼と呼ばれましたが冒険者になれば英雄になれますか?   作:もぐらたたきアルファ

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黒孔

 大吾はまとめて作ったカレーを朝食に食べながら今日の予定を考えている。夜勤の母の睡眠時間を邪魔しないよう早めに出かけたいのである。

 

(今日は昨日決めた通り図書館に行こう。何の漫画を読もうかな?)

 

ニンジャが里長を目指して奮闘する話を読もうと決めてリュックを背負った時にずっと放ったらかしだった座布団に気付いて押し入れの中に入れた時である。

 

「!!!」

 

謎の……謎としか言いようがない黒孔が座布団を置いた場所からすぐ左に浮かんでいたのである。大吾は仰天しながらも好奇心を抑えきれず恐る恐る指を近づけていき触れた瞬間

 

世界が変わった。

 

大吾の目の前には鬱蒼とした森林だった。樹齢1000年という程の太い木が何本も生えている。しかもまだ朝なはずなのに何故か夕焼け空だった。

 

あまりの事態に呆然としていた大吾だったが10分程かけてようやく再起動しだす。そして、自分が触った黒孔がすぐ後ろにあるのを確認して自分の状況を理解する。

 

「こ、こ、これは………異世界転移ってやつかぁぁぁーーーーっ!!!」

 

 

鬼導院大吾はダンジョンについて知らない

 

 

 

 

【TIPS】ダンジョン

ダンジョンは1999年7の月に突如世界各地に現れた謎の黒孔のことである。

 黒孔の中は外部から想像出来ない程広大な空間があり、人間に襲いかかる危険なモンスターが溢れていた。ただ、ダンジョンは危険なだけじゃなく新種の金属や素材、魔法の品々などの様々な資源、そしてモンスターを倒すと稀にモンスターを使役出来るカードが手に入った。それらは人類を魅了し、人々はダンジョンをこぞって攻略しだした。

 モンスターカードは一定以上の難易度のダンジョン攻略に欠かせない存在であるだけでなく、カード同士を戦わせるモンスターコロシアム(略してモンコロ)がテレビ番組で行われたり、美しい女の子カードをモデルとして起用するなど現代社会と密接した存在となりつつある。それは、ダンジョンからモンスターが溢れる大災害アンゴルモアが二度起こってなおも変わらない。

 そんな存在を知らないのは子どもとはいえまずありえないのだが……何事にも例外はあるのである。

 

 

 

黒孔にもう一度触れて戻ってこれたこと(押し入れの天井に頭をぶつけた)にひとまず安堵して床に寝転がりどうするかぐるぐる考える。

 

(母さんに言うべきだよな。………だけど)

 

大吾はせっかく見つけたファンタジーな世界を冒険してみたかった。親に言えば自分は入れてもらえなくかもしれない。

 

「よしっ!!」大吾は親に黙ってることにして、探索する準備を始めた。

 

 

 

 




押し入れの中は異世界でした
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