鬼と呼ばれましたが冒険者になれば英雄になれますか?   作:もぐらたたきアルファ

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運命の出会い

ひとしきり勝利に酔った後、大吾はいまだ危険が続いている事に気付いた。戦闘の興奮で忘れていた痛みも無視出来なくなってきてる。

 

(次ゴブリンが現れたらマズイ。急いで帰らねば)

 

一度冷静になってくると自分が置かれた危機的状況に冷や汗が出てくる。

今倒したゴブリンは一体どれだけいるのだろうか?巣はあるのだろうか?他の魔物はいるのか?懸念事項が次々浮かび上がってくる。

 

戦いは確かに楽しかったが、大吾はここは自分のようなちょっと身体が大きいだけの子どもが来ていい場所ではないことを痛感してしまっていた。だから、断腸の思いで決断した。

 

(帰ったら……母さんに黒孔の、この場所のことを話そう)

 

もっと遠くまでいってこの世界に何があるのかを見たい。もっといろいろな敵と戦ってみたい。その気持ちはゴブリンとの戦いでより強くなった。あれほど熱狂したことなど今まで一度もない。だがその力が己には無いことに大吾の目に涙が滲んだ。

 

 

故に、これは運命だったのだろう。

 

 

大吾は落ちたナイフを拾おうとした時にそばに小さな石と()()()が落ちていることに気付いた。 

 

「なんだ?これは。」

 

【種族】ゴブリン

【戦闘力】30

【先天技能】

・集団行動

 

【後天技能】

・蛮族の嫁

・頑丈

 

カードには今倒したゴブリンが描かれている。それに加えて数字や文字などが色々。

 大吾は偶然と境遇故にダンジョンについて確かに何も知らない。だが、ファンタジー的な知識は町の漫画のある図書館のおかげでそれなりにある。その読んできた漫画の中にカードからモンスターを呼び出してバトルし合う物があった。だから、その発想が出来た。

 

「出ろ!ゴブリン」

 

そして、大吾の左手は浅くだがゴブリンの鋭い爪で裂かれており。その後激しく動いた結果血が流れてカードを持つ手にまで流れていた。

 

奇しくも条件は成された。カードが光り、大吾の前に先ほど倒したゴブリンが現れた。

 

「よく私を召喚したわ!良い判断よ!って傷だらけじゃ無いあなた!」

 

唖然とする大吾を前に召喚されたゴブリンは女子の声でしゃべった。

 

 

 

 

大吾の傷だらけの様子を見た彼女は急いで入り口に戻るべきだと意見した。半分冗談でやってみた召喚が上手くいってしまい思考停止していた大吾は言われるまま肩を貸して(身長差から肩に手を置いて)もらい黒孔のそばまで戻ってきた。

 

「そこで待ってなさい!」

 

そう言って彼女は1人森の中に戻っていった。大吾は待ってろと言われて暇になったので改めてカードを見てみることにした。

 

「先天技能と後天技能って何が違うんだろう?ていうか。よ、嫁って。」

 

大吾も一般的な少年らしく女子には並々ならぬ興味があるのだ。たとえしわくちゃな魔物だとしても嫁なんて言葉が書かれていれば意識せざるを得ない。

 

「戻ってきたら直接聞くか。」

 

30分ほどぼーっとしてたらゴブリンは何やら抱えて戻ってきた。

 

「薬草を取ってきたわ。緑色の方は出血に黄色は打身に使うといいわ」

 

「マジかっ!すごいな!」

 

ゴブリンが持ってきたのは2色の塊だった。既にすり潰されており、木の皮で包まれている。

正体不明の薬に手を出すことが若干不安だったが害するつもりなら既にやっているだろうと信じることにした。

 

「いつぁっ!おー!これはすごい!」

 

ゴブリンの薬草を頭につけるとビリビリした痛みが一瞬走るがすっと熱が引いていった。ミントのような清涼感のある香りも心地よい。

 

「感謝なさい!旦那さま!」

 

得意気に腕を組み、自らの成果を誇るゴブリンが微笑ましい。

 

「旦那様って。あー色々聞きたいのだが。まずはお前はなんて呼べば良い?名前は?」

 

その質問をした瞬間ゴブリンの目がキラリと光った気がした。

 

「知ってることはなんでも話すわ。名前は無いの。旦那さまにつけて欲しいわ」

 

 

【TIPS】ゴブリン

ブサイクな顔と小学生並の背丈で緑色の肌が特徴のモンスターである。数多くの作品で雑魚として扱われモブ高生世界でも実際そうである。

 だが、決して無能ではない。手先も細かく知能もそれなりにあるため罠解除や魔法への適正もある適応力が優れた魔物である。集団戦闘も得意なので役割分担の出来たゴブリンパーティーは格上を食うこともあるので要注意である。

 上位種のホブゴブリンは肉弾戦特化のオークと並んで新人冒険者への推奨モンスターになっている。

 

(二次独自設定)

・Fランクゴブリンの戦闘力(Fランクは49以下)と先天技能が見つからなかった為予想で書きました。申し訳ありません。

 

・女の子ゴブリンがドロップする。見た目や戦闘力は男と変わらず、生産系やサポート系の後天スキルを持ちやすいというのみであるが美人が多い鬼女系モンスターに進化させるためのツナギとして男よりは高値で取引されている。女の子ゴブリンは原作では登場したことがないがいないとも明言されてないからセーフだと思いたい。てへぺろっ!

 

・蛮族の嫁:蛮族の嫁に必要な技能が揃っている。

(料理、性技、清掃、育児、原始医療(薬草知識と応急処置)、道具作成を内包する)

レアスキルではあるものの現代ではこのスキルで作れる薬や道具は購入した方が高品質なのでちょっと残念なスキルとされている。そういったクリエイト系の技能を除いて残りの技能を強化した「良妻賢母」スキルの下位スキルとされる。

 

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