鬼と呼ばれましたが冒険者になれば英雄になれますか?   作:もぐらたたきアルファ

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カードモンスターの初期知識に独自の解釈があります。


ダンジョンとモンスター

ゴブリン視点

 

 弱い己が何かを成すには群れなければならない。群れに入るには己の価値を示さねばならない。

 

それが、ゴブリン(最弱の魔物)としての彼女の本能である。故に初めて出会ったマスターを旦那さまとして尽くすことも、一度やったら取り返しがつかない名付けを求めることも一切躊躇はしない。相手を選ぼうなんて贅沢は底辺には許されないのだ。

 

(もし甲斐性なしだったり、ろくでなしだったとしても叩き直してみせるわ)

 

己の最大の武器である蛮族の嫁スキルがもたらす各種技能に意識を向けつつ、そう決意を固め直したとき。

 

「じゃ、じゃあ、朱乃(あけの)でいいか?」

 

なぜか恥ずかしそうにしながら、そう提案された瞬間その名が己に定着したのを感じた。

 

「綺麗な名前ね。私はこれから朱乃よ!」

 

主人公視点

 

(………やってしまった)

 

大吾はゴブリンが女だったという事実が結構衝撃的だった。見た目では全くわからない為に。その衝撃が抜けきらない内に蛮族の嫁というスキルから意識してしまい好きなライトノベルに登場する巫女服が似合う爆乳和風お姉さんキャラの名前をつけてしまった。大吾は大きくてむっちりしていればいるほど良いというタイプである。

 無論ゴブリンの見た目はしわくちゃのチビである。ボロ布のような服はいっさい盛り上がりが無くストンと落ちている。その代わりというように腹が相変わらずでている。むきだしだがまったく惹かれない。完全に名前負けである。

(もし名前の由来がばれたら殺されそうだ。絶対秘密にせねば)

殺し合いをしていた時にも、流さなかった冷や汗を流しながらそう決意した。

 

「この世界のことについて聞きたい。そして、お前の。いやお前たちのことについても」

 

やらかしを誤魔化す意味も兼ねて気になっていたことを聞くことにした。せっかく話せる相手がいるのだ。聞かなくては損だ。質問を聞いた朱乃は少し考えてから答えた。

 

「そう…ね。まずはこの世界のことから説明するわ。ここは迷宮。人間に試練を与える為の空間よ。」

 

「試練?」

 

「えぇ。私たちが今いる入口から探索していって階段を見つけて降りていくと次の階層に降りれるわ。そこからまた探索して階段を見つけるという行為を繰り返していくと。いずれ迷宮主に出会えるのよ。そいつを、倒せばご褒美が貰えるわ。」

 

「ご褒美!!それは良いな!何が貰えるんだ?」

 

ワクワクさせるワードに目が輝く。

 

「ごめんなさい。それは倒してからしか分からないの。」

 

「いや、いいよ。それはそれで楽しみだ。」

 

「ありがとう。じゃあ、最後の質問に答えるわ。私たちカードになったモンスターは…人間が迷宮を攻略する為にあたえられた贈り物よ。」

 

その言葉に好奇心のみで聞いていた大吾の目に炎が灯った。

 

「朱乃。君がいればこの迷宮を攻略できるのか?それならば手伝って欲しい!」

強い食い付きに朱乃の目も獲物を狙うように鋭くなる。

 

「ここは最低ランク迷宮の入り口付近。弱い魔物しか湧かないけど、私たちゴブリン自体その一種だから無理かもね。」

 

その言葉にがっくり肩を落としかけた時

 

「でも弱い魔物だから小細工がまだきくのよ。旦那さまは果報者よ。私のスキルなら魔物を倒す為の武器や薬を作製出来る。」

 

「私が旦那さまを最新部まで連れて行ってみせるわ!」

 

【Tips】カードの名付け

 カードには固有の名前をつけることが出来る。名付けされたカードは初期化することができなくなるため、売却が不可能となる。一方で、ロストしてもそのカードの魂を宿したソウルカードが残され、同種族・同性のカードを消費することで復活させることができるようになる。

 カードをカード以上に大事に思ってしまったマスターへの救済措置。

 冒険者の間では、カードに名付けするマスターは「恥ずかしいヤツ」のレッテル張りをする風潮がある。

 これはカードの名付けは流通を妨げるということから一部の冒険者が意図的に流したもの。

 名付けはカードにとってはマスターに力を認められた証として積極的に求めるものもいれば、マスターの為なら何度死んでも良いと思えなければ名付けをけっして受け入れない物もいる。カードの性格価値観によって扱いがだいぶ変わるシステムなのである。

【TIPS1】及び原作から抜粋




ヒロインとなるゴブリン朱乃の登場です。名前の由来についてはフラグだと思っていただいて大丈夫です。堕天使にはなりませんが
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