鬼と呼ばれましたが冒険者になれば英雄になれますか?   作:もぐらたたきアルファ

7 / 16
座敷童子は知恵の神というわけではないのに、漫画をすぐ読んでいたのでカードモンスターにとって読み書きは標準装備とすることにしました。


業を積み上げいざ修羅の道

 

「これなら色々作れるわ!」

 

母が仕事に行くのを見送った後、今日購入した物品を持って迷宮に入った。朱乃にチェックしてもらうためだ。

キャンプ用の鍋と鍋を火の上に置く為の台セットと小型のすり鉢と棒、細いががんじょうな紐玉、タッパーが一つで1万を使い、1万円の真っ黒で大きめの包丁。そして、靴と同じくキャンペーン中だった迷彩柄でポケットがたくさん付いてる上下セットの服を買った。そして、タッパー以外に使えるか聞く為に綺麗に洗ったペットボトルや使用済みの鯖缶や空瓶なども持ってきた。

最後に()()()に買った大きめの水鉄炮を持ってきた。

 

予想以上の物品に目を輝かせる朱乃は、大喜びで計画を立てようとした時に

主人公が険しい顔をしていることに気づいた。

「何か問題があったの?旦那さま」

 

出会ってすぐだが、なぜかコミュ症の自分でも気負わず話せる朱乃がこちらの様子に気づいてくれて話をする決心がつく。

 

「まずはこの本のここを見てくれ」

 

「えっ!うん。これは。あっ!!」

 

朱乃に見せた本は、買い物の後すぐ行った図書館で見つけた『ダンジョンのススメ』という本にある冒険者になる為のルールについて部分である。聡い彼女はすぐに問題を理解したようだ。

 

「中学生以下は禁止、親の許可、その他諸々ほぼ全て破っているのが今の俺だ。もはや笑えるな。」

 

「人間の世の中は面倒ね。どうするの?旦那さま」

 

ダンジョンが他にもあることは朱乃から聞いていたが、それでも一部の人間だけの秘密だとまだ主人公は考えていた。

まさか、店でダンジョン用グッズが売られているほど、世に浸透しているとは思ってなかったのだ。買った物品を迷宮に隠し、すぐに図書館に行きダンジョンの本を借りてきて、母が出て行くまで一心不乱に読み込んでいた。

その上でどうするかも決めてきた。

 

「探索を続ける。たとえ犯罪だろうと知ったことかっ!!」

 

覚悟して話しているはずなのに最後は大声をだしてしまう。ルールを守って正規の手続きで攻略するべき。と理性は言っているが、そんな正論は昨日感じた熱狂で吹き飛んでしまっている。一度諦めかけたことも拍車をかけていて

もう止まらない。止まれないのだ。

 

朱乃はそんな狂態を示す主人公を静かに見つめ口を開く。

 

「………制限を設けた方が良いわ。1週間いや、5日だけ探索してどんな結果になろうとお義母さまに迷宮のことを伝える。そして、迷宮では痕跡を極力消す。そして、ボスは倒さない。必ずバレちゃうから。

それで、誤魔化せることを祈りましょう。」

 

「ありがとう。今更だけど巻き込んでごめん。」

 

「ふふっ。感謝は私がすることよ。見て。人間が作った枠組みでDランクのカードを用意することもルールの一つになっている。私達最底辺のFランクは本来見向きもされないはずなのよ。カードの状態は眠っているようなものだから、召喚してもらえて初めて動けるし、夢もみれるのよ。それだけで十分協力する理由になるわ。」

 

これはカードにとっては、基本的な思考回路でマスターの言うことを聞く原動力になっている。ただし、よほどの無体をカードに働いたか、もしくは、ドロップした最初から後天スキルに反逆系マイナススキルがある場合は、かなり反抗的なことになる。

 

「協力してくれる理由は分かった。だが、やりたいことがあったら何でもいってくれ。」

 

「だったら、先の話になるんだけど、私はもっと綺麗になりたいの。だから、ランクアップさせてほしいわ。それに見合う働きは必ずしてみせるからっ」

 

「相性の良い上位種に進化できるというやつだな。こんなことに付き合ってもらうんだ。絶対やってやる!」

 

俺の返答を聞いた朱乃は、大喜びで必要な薬草や材料を集めに安全地帯の外にでた。そこで再び朱乃帰りを安全地帯でぼうっと待っている。

 

 気持ちを吐き出して少し冷静になった主人公は、己の衝動について考えていた。灰色なりに真面目に過ごしていたはずなのにと。その時ふとプールですれ違った名前も覚えていないクラスメイトが自分を鬼と呼んでいたことを思い出した。

 

(そうか。俺は………鬼だったのか。そうだったんだ。)

 

パズルのピースがぴたりとはまった気分だった。

大吾の思う鬼とは、大きな体で暴れ回る悪党で乱暴者。

それはまさに己そのものだと納得してしまった。

 

ならば、仕方ない。せめてすごい鬼になってやろう。そう心に決めた大吾だった。

 

【Tips】カードのランクアップ

 カードは、上位のカードを消費することでランクアップすることが出来る。ランクアップのメリットとして、元々使っていたカードの容姿・記憶・性格を引き継げることが挙げられる。また使い込み次第では向上した戦闘力とスキルも受け継ぐことが出来るが、これは運にも左右される。ランクアップするためには、未使用(初期化されている)かつ、同系統で性別が一致している必要がある。

 例:グーラー→ヴァンパイア、クーシー→ライカンスロープ。

原作【Tips】まとめ1参照

 

 

【Tips】安全地帯と転移系マジックカード

 迷宮入り口のゲート前、及び各階層の階段前には、必ずモンスターが立ち入りできない安全地帯が存在する(それ以外にも安全地帯が存在する迷宮もある)。モンスターに襲われた場合であっても安全地帯に逃げ込めばモンスターからの追撃は止まるが、安全地帯から攻撃などをした場合全階層の安全地帯そのものが一時的に消滅する。消滅した安全地帯は主を討伐するまで復活しないため、安全地帯からの攻撃は絶対禁止となっている。

 一度も主を倒されていないAランク迷宮は、残念ながらそのほとんどがこのルールが発覚するまでの間に安全地帯を消滅させてしまっている。

 また転移系の魔道具は、基本的に階段前の安全地帯以外で使用できない仕様となっている。その数少ない例外の一つが、『緊急避難』のマジックカードでこれは階層のどこからでも安全地帯に転移できるマジックカードとなっている。

 絶体絶命の際のお守りとなることと、需要に対して供給が少ないことから値段が極めて高騰している。現在の相場では最低一億から。

 なお、安全地帯が消滅した際は、当然転移系カードも行き場を失うため使用できなくなる。

 Aランク迷宮の難易度を爆上げしている要因の一つ。

原作【Tips】まとめ3参照

 

 




ようやく準備回が終わりました。次から攻略再開です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。