Fate/Grand Order ネタ集(フリー素材) 作:アママサ二次創作
遥か離れた山間部の村を遠征で訪れた際、そこに住まう者達から興味深い話を聞いた。
余の治世から遡ること数十世紀。今とは全く異なる時代があったという。
言い伝えを継ぐ者曰く、大地が、空が、そして何よりもそこに住まう人々が、最も生きる力に満ち溢れていた時代であった、と。
彼らは、その荒々しくも眩しかったという数世紀を振り返り、こう語る。
世界は、今よりもはるかに単純にできていた。
すなわち、狩るか、狩られるか。
人は大自然の中に生き、大自然の脅威たる竜とときに戦いときに共存し。自然を支配するのではなく、自然とともに生きていた。
そんな大いなる時代が、かつて存在していたのだ、と。
今はもはや、彼らの足跡すら残らず、ただほそぼそと伝承を継ぐものが残るのみである、とも。彼らの存在意義は、そんな時代があったことをいつまでも忘れず引き継ぐことだという。今もなお竜が存在するとはいえ、それはかつてのものとは全く別のものであると彼らは語った。だからこそ、あの時代が失われることを避けるのが自分たちの役目なのだと。
かくいう彼らも、もはや多くの言い伝えが失伝しているために知ることは少ない。
極わずか残る言い伝えによると、人の抗えぬ脅威である竜に、人の身で、刃を手に鎧を身に着け、単身挑む者たちがいたという。
彼らを人は、その偉業と勇気を称えてこう呼んだそうだ。
大自然と共に生き、大いなる竜を狩るもの、《ハンター》、と。
『ギルガメッシュ叙事詩』より抜粋。
これより後の時代には、『ハンター』なる存在についての伝承は伝わっていない。その他証拠や記録の残る神話とすら違ってこれを裏付ける証拠も発見されておらず、古代の英雄ギルガメッシュの聞いたという言い伝えは、よくある神話やおとぎ話にすらなりきれない物語の成れの果てだというのが通説だ。
本当にあれは、作り話なのだろうか。
数十世紀も言い伝えられてきたというのに?
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いつものように、日々刻々と変化する大自然を調査していた男は、頭上から聞こえた風切り音に視線を上げた。
「お」
フゲンという、長い旅の中で出会った男が連絡に使っていた鳥だ。彼もまた、男と同様に死後この座という場所に引き上げられていたと思い出す。
「何かあったのかな?」
彼がしていたように籠手のついた右手を目の前に水平に上げると、降りてきた白い鳥はそこに木の枝にするようにとまった。
「これが連絡用の文ってやつか」
その右足に結び付けられている折りたたまれた紙を解くと、鳥は役目は終わったとばかりに男の腕から飛び立っていった。
「『急用あり。至急ドンドルマに戻られたし』。アステラじゃないのか。ここで急用ってのも変な話だな」
かつて生きたあの時代が再現され、辺境の地に至っては日々刻々と変化を繰り返しているこの『座』という場所で急用とは穏やかな話ではない。言ってみれば、この場所に命という概念はない。死後に魂がやってくる場所である以上、そこで作られた写身でしかないこの肉体が死んだところでしばらくすれば身体は蘇る。
つまり、かつて危険だったことの全ては、もはや危険でもなんでもなくなってしまったのだ。
だからこそ、そんな中での急用というのが何なのかと男は首を傾げたのである。
「ま、行ってみるか」
手紙を畳んでポーチにしまった男は代わりにポーチから紐で縛られた玉のようなものを取り出し、それを足元に叩きつけた。
叩きつけられた玉からは、白い煙が勢いよく吹き出す。そんな中に突っ込んできた翼竜にスリンガーのロープをひっかけた男は、引きずられるようにして空へと飛び上がった。
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数時間の旅の後、目的地に到着した男は、ロープを翼竜の足から外して着地した。
「来たか」
男の到着に、既に集まっていた多くの人物の中から1人が振り返って声をかけてくる。
「アンタも呼ばれてたのか。何があったんだ?」
「わからないが、竜人の研究者たちがなにやら騒いでいた。何か重要なことが判明したのかもしれない」
「ふーん」
旧知の友人とそんな話をしているうちに、広場の前方に設置されている木の台の上に数名の人物が上がった。
「あ、総司令。久しぶりに見たな」
「新大陸には行っていないのか?」
「今は新大陸以外も未知だからさ。新大陸にはあんたらがいるし、俺が行く必要は無いと思って」
パンパンと手が打ち鳴らされる音に、自然と広場から音が聞こえる。
「全員、落ち着いて聞いてほしいのだけど。昨日、現代から過去3000年に渡って人理が焼却されたわ。それにともなっていくつか現世で問題が起きているの」
人理の焼却。その意味をはっきりと理解できているものはこの場にはほとんどいない。もともとそれは彼らが生きた時代に存在した概念ではなく、この座にやってきてから初めて知った概念だった。そしてそれを研究しているものはいるものの、座での在り方に問題がない以上は知る必要もないというものが大半だったのである。
「細かい原理は説明しないけど、それを行った者によって人類史の何箇所かに特異点が設けられたの。そこは燃えた人類史とは違って存在している。といっても時間の流れがある以上現代に存在しているというわけではないのだけど」
「期団長、細かい話は省こう」
「そうね、ごめんなさい」
生きていた頃とほとんど変わらない活動をしている者たちにはわからない説明に、隣で期団長と呼ばれた竜人の女性の話を聞いていた初老の男性が口を挟む。
「とにかく、今起きているのは人類史が消えかけているということと、それに抗おうとしている生きた人間がいること。そしてそこに、世界が滅びかけたことを察知した私達の時代の存在が世界を一から始めるために紛れ込んでしまったこと」
「つまりは、現代に竜が命を持って出現し、かつてのように生活を始めているということだ」
総司令の言葉に、集まっていたものたちからざわめきが起きた。
先程から言及されている現代、というのは、それすなわち今の人間が生きている時代であり、竜人や人間、そして竜と龍が共存していたかつての時代とは全く異なる時代のことを指す。自分たちが生きた時代の後にかつての時代は失われ、竜やその他強力なモンスターの存在しない弱々しい時代が訪れたことは、座から観察される現世の変化として多くの者が知っていた。
かつての時代と今の時代の間には、歴史的、時間的な差異だけでなく、世界とエネルギーの変容による世界の法則そのものの差異が存在している。
そこにかつての時代の竜が現れたことで、どのような問題が起きるか。何も無いはずがないということだけは、誰もが理解した。
「これは私達としても、見過ごせない事態だと判断するわ。竜が現代で暴れることを防ぐために行動を起こす必要がある」
「状況を正確に把握するために先行調査隊を派遣。その後状況次第では遠征隊を派遣し、現世に出現したモンスターの討伐を行う。新大陸調査団、ギルドともに人員を選抜し、遠征の準備を整えろ。以上、解散」
総司令の言葉に、一気に周囲のざわめきが増した。各々知人と、あるいは所属する集団のものと言葉を交わし、状況を整理しようとしているのである。
「結局、どういうことなんだ?」
「現世にモンスターが出現して暴れまわっている、ということだろう。突如として出現したモンスターは、進化の系譜から外れている。人類がまだ残っている中でそれが起こるのはまずいというわけだ」
「まだやり直しの段階にはない、ってことか」
「そういうことだ」
話していた2人のところにやってきたのは、先程まで前で説明を行っていた2人のうち1人、総司令と呼ばれた初老の男性だ。
「総司令! お久しぶりです」
「うむ。久しぶりだなエイデン。状況はわかったか?」
「あんまりよくわかってないです。でも、なんかまずいことが起きたのはわかりましたよ」
「うむ。それに当たってお前には単独で別の任務にあたってもらいたい」
「単独、っすか? それなら俺よりも……」
そう行って男、エイデンが隣の友人に視線をやろうとすると、そこには既に誰もいなかった。
「あ、逃げた!」
「あいつは、新大陸調査団から派遣する一団を率いてもらうことになる。単独で動かすことは出来ないだろう。加えて、お前に頼みたい任務は先発隊に更に先行しての調査だ。様々な時代、様々な場所に行ってもらうことになる」
「なるほど。そういうことなら俺が適任っすね」
人生の中で、様々な場所を巡ってきた。総司令や先程の友人とともに新大陸と呼ばれる土地を調査し古龍を追いかけたこともあれば、師匠や仲間達とともに特殊なウイルスをばらまいて回っていた古龍の幼体を追いかけて大陸中を巡ったこともある。
そうした経験から、様々な時代の様々な地域にいくことになる今回の件に関しては、他の誰よりもエイデンが適任であると言えた。
「了解っす。どんな場所にでも行ってみせますよ」
[newpage]
力尽きた。
Fateシリーズを知らない中で単発でクロスオーバーを書くの難しいです……。
クロスオーバーネタです。
モンスターハンター×FGOを作者が考えるとこうなる、という感じのものです。シリーズの続きに物語風ではなく世界観の設定をまとめて投稿します。
誰か興味を持ってくれる方がいたら是非書いてください。ちなみにモンハン側でFGOの主人公とメインで関わるのはエイデンくんですが、ここはキャラを変えれば誰にでもできるのでご自由に。