デジモンアドベンチャー エクストリーム~6色の新たなる選ばれし者達の冒険~   作:瑞田高光

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小さき体の中にある頑固な勇気とその勇気に応える太陽の獣

「だ、大丈夫? 怪我とかしてない?」

 

「え、あ…………うん! 平気だよ!」

 

 チャックモン(友樹)は少年……龍星が涙を流したことに驚き、思わず声を掛けた。龍星も自分が涙を流している事に気づき、腕で乱暴に拭うと笑顔で頷いた。

 

「あのデジモン達は?」

 

「……分かんない。でも、『選ばれし子ども達を探して捕まえようとしてる』事は確かだよ」

 

 チャックモンが手をさしのべて立ち上がる手助けをしながら先程から警戒している様子で自身を見ているゴブリモン達を指して問い掛けた。龍星は首を一度振っては先程盗み聞きした事柄を伝える。

 

「……分かった。君は遠くへ逃げて」

 

「えっ…………」

 

「僕は一人で大丈夫。でも、僕は君を守れるほど強くない……だから、君だけでも逃げて」

 

 チャックモンの問い掛けに龍星は戸惑いを隠せなかった。チャックモンの理由を聞いても、少し顔をうつ向けるだけだった……

 

「(確かに……本人がどう思ってるのか分からないけど、今の俺はチャックモン…………友樹から見れば自身の行動を邪魔する足手まといかも、知れない……でも…………俺も……いや、僕も選ばれし子ども(?)として逃げてちゃ、いけないっ!)僕も……戦うっ!」

 

 龍星はチャックモンの隣に立った。その行動にチャックモンは驚きの形相になった。

 

「む、無茶だよ! 人間の体のまま……それもまだ小さいのに、無茶させれないよっ!」

 

「それでも! それでも構わない。僕は自分の身を守る術ならあるし……小さくったって、山椒の実は辛いんだよ?」

 

 チャックモンが龍星を説得しようとするが、龍星は頑なに自分の意思を曲げようとしなかった。そして、ニコリと笑って見せた。すると……

 

「ヘヘッ、君って面白い人間さんだねっ!」

 

『っ?!』

 

 何処からともなく聞こえる声にその場に居た全員が驚きの表情となった……が、その声の主はザザザと木々を掻き分けて二人とゴブリモン達の間に颯爽と降り立った。その姿はライオンの様な姿をしていたが、全身が明るいオレンジ色となっており、後ろ足を利用して行動しているデジモンの様だった。

 

「その心意気、良いよ!」

 

「き、君は……?」

 

「ボクはコロナモン! 木の上でお昼寝しようとしたら、そこの人間の子どもの固い意思が聴こえちゃって!」

 

 チャックモンが問い掛けると、そのデジモン……コロナモンはニマッと笑い龍星の事を指差した。

 

「ボクさ、そーいう決意聞いちゃうと助けずにはいられないタチでね。ね、ボクの契約交わしてパートナーになってよ! ボクが君の拳になるからさ!」

 

 そして、龍星の前に移動するとコロナモンはあどけない笑顔で龍星に握手を求めた。当の龍星本人は少し驚いた表情になっていたが……フッと目線を落とし、すぐコロナモンへと再び顔を向けた。その顔には満面の笑みが浮かんでいた。

 

「うん、こちらこそ……宜しく!」

 

 龍星が笑顔でコロナモンの手を握ると、二人の握った手の中から輝きが漏れた。そして、コロナモンがその手を外すと、そこには龍星がアニメで見た事のある鮮やかな菫色の機械……デジヴァイスが龍星の手の上にあった。

 

「こ……これが、僕の……デジヴァイス…………」

 

「さぁ、一緒に戦おう! ……えっと」

 

 コロナモンは一度龍星に背を向けてゴブリモン達を見ていたが、ふと自身が名前を知らない事に気付いて振り返って問い掛けた。その問い掛けに龍星は軽く微笑んで答えた。

 

「僕は龍星だよ」

 

「了解。龍星、一緒に戦おう!」

 

「うん! ……良いよね、チャックモン?」

 

「……うん。もう断る理由も無いし、一緒に戦おうよ。龍星君!」

 

 龍星が左斜め前にいるチャックモンに問い掛けると、チャックモンが頷いて答えた。その様子を見たコロナモンが笑顔になると、スグにゴブリモンらの方を向き、構えた。それに呼応してチャックモン、そして龍星もまた、構えた。

 

「さぁ、僕らの戦いが……始まるよ」

 

『うん!!』


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